規格外な教祖様と究極の自由人も異世界から来るそうですよ? 作:凡人EX
ゲームの目的等はまた判明させる予定ですので、今回はこれでよろしくおねがいします。
凡人からでした。
──何処かの洞窟にて
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
神夜は大爆笑しながら全力で走っていた。その速度は先程音速を超えた。
『オォォォォ!!』
後ろからは、爬虫類型をした竜とも呼べる怪物が雄叫びをあげて神夜を追う。
その巨体からは想像できないほど素早い。神夜と同等のスピードで飛んでくる。
命の危機と高揚感を感じながら、神夜は思う。
(どうしてこんなことになったんだっけ……?)
──遡ること約半刻
天幕へ向かう黒ウサギ一行から離れ、森の方へ入っていった神夜だったが、
「ハハハ、迷ったねこれは!」
道なき道を思うままに進んだ結果、天幕も元の道も見失ってしまった。
草木が鬱蒼としており、そのくせして、文字通り蟻1匹見当たらない。
しかし、それでも真っ直ぐ進み続ける神夜。理由など、至って単純。
その方が楽しそうだからである。
神夜はその様な勘を外したことが無い。故に、楽しむ心を忘れた人々に、生きる活力を失った人々に、楽しんだ先に救いがあると説いてきたのだ。そうして導いてきたのだ。
そしてずっと歩いていると、ヒラリ、と何かが舞い降りてきた。
羊皮紙である。
「……ふぅん?」
そこにはこう書かれていた。
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ギフトゲーム名 “邪龍の審判”
・プレイヤー一覧 財宝を求めるもの
・ホストプレイヤー側勝利条件 プレイヤーの殺害及び魅了
・プレイヤー側勝利条件
1.ゲームマスターの打倒
2.全ての財を奪取せよ
3.神話をなぞり、新たなる勇士となれ
宣誓
上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
“■■■■■■”印
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(ああそうだ思い出した、あれ拾った次の瞬間にこんなところに飛ばされて追いかけ回され始めたんだ)
「ハハハハ!! なんて不親切かつ理不尽なんだろう! 財宝なんか探してもいないのに! 気づけばこれだよ! もはや感動ものだねぇ!!」
やはり爆笑する神夜。彼の感情は基本楽にしか傾かないため、ある意味仕方ない。
というか実の所、余裕が無いから笑っているのだ。
まず、後ろから迫り来る竜には若干の恐怖を覚える。
姿が恐ろしいとか、そういう事ではない。理性では計り知れない、全く理由なく本能が警鐘を鳴らすタイプの恐怖が神夜を襲っている。
更にもう1つ、洞窟の壁や地面に見える赤い鉱物。
これが目に入る度に、神夜の意識が一瞬薄れる。そして、その鉱物への渇望が頭を埋め尽くす。
恐らくこれがゲームマスター側の勝利条件にあった魅了だろう。この石に魅入ってしまったら負けだ。
そう結論づけた神夜は、鉱物が目に入る前に目を逸らすという作業を繰り返しながら逃げている。
元よりメンタルHPが高い神夜は、恐怖と誘惑、そのどちらも即座に振り切る事ができている。
それでも、確実に神夜の精神をすり減らしている。
(……というか、奪取するべき財にこれが含まれているとしたら、量も合わせて無理ゲーじゃないか? 勝手に巻き込まれて無理ゲーに付き合わされるって凄い理不尽だなまったく……)
などと自分の行為を棚上げして逃げていると、光が見える。明らかに外の光だ。
「しめた! 一旦出よう」
後ろで振り下ろされた爪を避け、飛び出した先には……
何らかの宴を思わせる景色が広がっていた。
「……はい?」
突然の事に目を丸くする神夜。
まあ、当然のことだろう。
先程まで恐怖の塊の様な竜に追いかけ回され、見る度に気が狂いそうになる鉱物を避け、洞窟を出たと思ったらとっても賑やかな世界だ。
いや、賑やかなのは確かなのだが、人影が一切見当たらない。
宴を思わせる、というのはあくまでそこに大量の酒やご馳走があるから連想したにすぎない。
声だけが聴こえる世界で、神夜はたった1人なのだ。
「……まあいいや、アレも今は来ないみたいだし、少し休もう」
十分に休憩した後。
「……さて、どうしたものか」
回復した頭で、ゲームをクリアするための思考を始める神夜。
「手がかりと言えるのはこれだけ……か。勝利条件って全部クリアしないといけないのかね?」
羊皮紙を読みこむ神夜だが、特に何か書いてある訳では無い。書いてあるものが変わった訳でもない。
(……いや、神話をなぞるって言うなら、僕にうってつけじゃないか。人類史にあったはずの事象……記録と再現は僕の十八番だろう?)
……この時点で、彼は意固地になっている。人類の進歩や英雄譚において、自分が負ける筈がない。そう信じているからだ。
(考えろ、何時の神話だ? 何処の神話だ?)
……彼は何度もそうしてきた。人類の終わりに直面した時も、白紙の世界で新しく人類を立ち上げた時も。
彼が思考を始めたなら、もう大丈夫だろう。あらゆる困難を、そうやって乗り越えてきたのだから。
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逆らい、争い、果てに対話にて契る。知り合い、話し合い、世に新たな法を立てる。論じ、試し、星の神秘を解き明かす。
……彼は人にして人に非ず。人の営みの終着点。人類史の果ての果て、もしくは人類史の収束点。
最後の旧人類、最初の新人類。神を人に堕とし、境界を取り払った神殺し。
ヒトを新たな世界へと旅立たせた立役者。その一押しで人類のレベルを上げた、星の開拓者。あらゆる観測から独立させた怪物。
大いなる人類愛をもってそれを成し遂げた、半概念。
暁神夜。
何の因果か箱庭に呼ばれる事となった少年。呼ばれる事が無かったはずの少年。……そして、呼んではいけなかった少年である。
タグ追加しておきますね。
荒れることを覚悟でこれを投稿しました。
……分からないことだらけの不確定要素を二次創作に突っ込んでいいものか、とも思いましたが、思いついた物を形にしないとスッキリしない性分でして。
至らぬ点ばかりですが、ご了承ください。凡人からでした。