個性『レユニオン』な転生少女 作:なめろう
この話はぐだぐだ論調なんで読み飛ばしていいかもです。
かつてヒーロー殺し『ステイン』の事件で騒然となった
普段から大から小まで飽きるほど業務が舞い込み、東奔西走する警察官らの姿が見られるこの場所は、ここ一月で過去に例を見ないほど異様な熱気に包まれていた。
「おい、
「はい! 武器取引の証拠とその武器が指定した場所に確かに隠されていました!」
「サー・ナイトアイ事務所から連絡です! 実行犯の確保が出来たそうです! 今こちらに向けて護送しているとの事で……」
「だからァ、その動画の真偽は今の所は断定出来ないって言ってるじゃないですか、こっちも忙しいんです、不正確な情報にハイとは頷けませんよ!」
全職員が余すことなく慌ただしく動き回り、紙が舞い、怒号が飛び交い、様々な情報が錯綜しているという状態。
まさしく殺人的な仕事量に忙殺されている彼らだが、その忙殺の理由。それは実際の所すべてとあるグループの仕業だった。
「大変です、また奴の……ジェントルの新着動画が投稿されてます!」
「あぁ……!?」
「クソ、またかよ!」
「……」「今度はどんな厄ネタだァ?」
そう、この状況を作り出したのは全てジェントル・クリミナルのせいであった。
死穢八斎會への宣戦布告を皮切りに、薬物取引の現場を押さえて幹部を確保、そしてそれを警察までわざわざ届けるというパフォーマンスを見せてからも、定期的に彼らは死穢八斎會を弾劾する動画を投稿し続けていた。
勿論警察はそこまでの物的証拠を出された以上動かざるを得ないし、裏取りをして死穢八斎會への締め付けを強めねばならないのだが、問題点があるとすれば彼らのパフォーマンスがその後も頻繁に行われるという事だ。
指定敵団体である一つの組織を畳む絶好の機会が示されたのだ、喜ぶべきでは? と思うが、一つの物的証拠に対する完全なる裏取りや逮捕劇が終わるまでに次なる証拠が数日おきに提示されるため、多量の人員と時間を割く必要が出てしまう。つまり、前述した殺人的スケジュールに繋がるという寸法なのだ。
やれ東に違法薬物の売人リストが公開されたと思えば、西に違法武器の隠し場所が提示され、北に違法献金をしていた企業名とその取引ログが表示されれば、南に恐喝行為の証拠が開示される。
ジェントルのフットワークが良すぎるのか、それとも
こうなると警察はヒーロー等に協力を求めて日夜休みもなく働き詰める他なくなってしまう。
だがそれでも悪から罪なき市民を守ろうと立ち上がったのだ、称賛すべきなのでは、という声も勿論ある。世間ではステインに続く新たなるダークヒーロー登場か、などと持て囃す存在も一定数見受けられるが、警察もヒーローも見解を崩していない。
『彼らは義賊でもヒーローでもない、ただのはた迷惑なヴィランだ』と。
その理由はなにか?
それは、彼らが法に違法する行為を正義と言い張り、動画を投稿して全世界に発信しているという点だった。
警察やヒーローの許可もなく一般人がヴィランに手を出し、有史以来、人が協力して生きていくために必要な法を堂々と踏みにじるのだ。
そのような内容の動画を平然と投稿し続ければどうなってしまうか?
答えは『警察およびヒーローへの信頼低下に繋がる』である。
彼らの義賊的行為は市民への共感を招きやすいが、同時に警察及びヒーローへの不信感を招く。
つい最近起こったヒーロー殺し事件でただでさえヒーローの求心力が減ったのだ、ジェントルらが増長することは警察という組織やヒーロー制度そのものを揺るがす事になりかねなかった。
ニュースでも取り沙汰された事で彼の動画の視聴者数が跳ね上がった結果、死穢八斎會への否定的な声が上がると同時に、ジェントルを肯定あるいは英雄視する声も上がり始め……そして警察やヒーローの対応の遅さに苦慮する声があがって来るようになっていた。
最悪のケースでは彼に共感したなどとのたまって、義賊という名の犯罪者が生まれるケースもあった。
こう言った『犯罪行為を助長する』という側面から、彼らの動画は毎回投稿後すぐに消されるのだが、有志による再投稿が後を絶えず、結局は出回ってしまうという事を繰り返すばかり。
動画サイトであるJストアやプロバイダへの情報開示請求による発信元を辿るという試みも残念ながら失敗に終わり、警察は二人組に翻弄され続けている。
繰り言になるが如何に市民らが彼を英雄視しようとも警察やヒーローから見れば彼らはただの世間を騒がせる犯罪者だ。更なる犯罪を巻き起こす可能性がある騒動の種は早めに摘む事が彼らの急務でもあった。
「次の動画はなんだ……あぁ!? また違法薬物か!?」
「今度は海外マフィアとの取引か、国内から国外まで本当かき回してくれる……!」
「オイ、さっさと裏を取れ! 湾内の警察署に全域に連絡を……」
「もう一杯一杯ですよ! 地方ヒーローの手も借りないとやっていけません!」
「……」
署内が更に慌ただしくなっていく中、一人の男性……塚内警部は、騒ぐこともなく静かにPC画面を睨みつけ続けていた。
画面に映されるはやはり死穢八斎會関連の事件ファイル。
だが、彼の焦点は肝心の死穢八斎會ではなく、つい先日のカーチェイス事件で発覚した仮面の集団にあった。
(……もう一度整理しよう。系列店襲撃の際、店内にいた人物への事情聴取では『仮面の集団』が襲ってきたとは言っていた。どの店舗もやり口は同じ、入店から即座に難癖をつける、あるいは言葉もなく襲撃。いずれにせよその手際は余りにも良すぎた。加えて、カーチェイスで見せつけた組織力――そして、動画投稿)
(店舗襲撃とカーチェイスは明らかに関連があるが、何故こんな組織力を持つ集団が
(いや、むしろ彼らは隠れ蓑だと考えるべきなのか? 世間の注目を彼らに集中させ、仮面集団は別の狙いを持って行動する……だとすれば、何が狙いだ? 折角ヤクザから徴収した物を遠慮なく奴らに与えてまでする狙いとは……?)
塚内はジェントルらの裏に必ず『仮面集団』との繋がりがあると考えていたが、肝心
唯一の手がかりはカーチェイスで捕まえたヤクザからの話で分かった内容。
例の仮面集団が廃ビルから大量の荷物を運び出そうとしていたという事、確かにそのビルには誰かが住んでいた形跡はあったものの、大量の人員がそこで暮らしていたという形跡はなかった。ビルは押収物の一時的な保管場所としていたのだろうか?
「警部、これが先程の公開された動画で分かった情報です、現在関係各位に裏付けを進めており、私もこれから東京湾の方へ
「三茶か。分かった、俺もこの後ヒーローらと打ち合わせをしてからそっちに向かう」
「了解です。……今日も家に帰れそうにありませんね」
「全くだ、だがこうも挑発的に証拠を突きつけられては俺達も動かざるを得ない」
「はた迷惑と言ってもいいべきか。犯罪が抑止できる事を喜ぶべきか……正直分かりませんね」
「少なくとも喜ばしい事ではないな、せめて動画にすることがなければまだ良かったのだが」
本当にそう思いますよ、と言う言葉を最後に塚内のデスクから離れようとする三茶。
塚内もまた職務に戻ろうと何気なくPC画面を見て……そして、とある差出人不明のメールが届いている事に気付く。
迷惑メール、あるいはウイルスの一種だろうか?
怪しむ塚内だが、しかしてそのメールのタイトルがまた軽妙だ。
『ジェントルより、親愛なる塚内警部へ』という興味を
幸いな事にウイルスのような物はなさそうだったが、記載された文面を読み込めば読み込む程、塚内の顔に皺が深く深く刻まれて行く。
「――三茶! 今すぐ戻ってこい!」
「はい!?」
やにわにデスクから立ち上がった塚内は三茶を呼び戻すと、送られてきたメールを見せる。三茶も最初は怪訝そうにしていたが、すぐ様塚内と同様にその表情を代え、最終的に真偽を疑って
「……奴らめ、何故こんなメールを……!」
「分からん……分からんがな、我々をどこまでも利用したいという意図は見て取れる。この資料を見ろ、本部の見取り図だ――我々でも手に入れられなかった届け出のない部分まで、一体どうやって……」
メールに添付されていたファイルは、八斎會本部の見取り図。
真偽こそ不明だがまるで蟻の巣のように張り巡らさた迷宮が立体図で分かりやすく記載されていた。
「もしや、奴らは八斎會の内通者……?」
「あるいはその内通者と繋がっているのか。何であれこのメールの真偽が本当であるならば、急ぐ必要があるぞ……」
塚内の目は未だに画面に釘付けになっている。
彼の視線の先にあるのは文面に書かれた『人身売買の被害者が居る』『少女が人質として取られている』『敵が近日中に逃亡する可能性も高い』という3点。そして最後に飾られた挑発的な一文だった――
『我々は明後日の夜に本部を襲撃する予定だ。警察諸君もパーティに遅れる事無きよう気をつけたまえ』
「――上等だ。そっちがその気なら我々もその策に乗ってやる。精々吠え面をかくなよジェントル・クリミナル」
塚内は手に持っていた資料を握りしめると、署内の全員に声を張り上げる。
これから起こる激動、その波に乗り遅れるなと改めて発破をかけるのであった。
こうして警察とヒーローらもまた死穢八斎會との本格的な戦闘に巻き込まれていく。
決戦は2日後。死穢八斎會の消滅はもう決まったような物であった。
難産すぎひん?
展開は盛り上がってきましたが、盛り上がるにつれ整合性を考えないといけないので段々執筆スピードが…ま、まけるかぁ!(現時点でストック7話分キープ)
感想・評価お待ちしております。
《レユニオン図鑑》
・お休みですぷえ。理性ちょうだい。
視点の切り替えの頻度は適切でしたか?
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丁度いい感じ
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少し切り替えが多いのでは?
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切り替え過ぎ
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むしろ主人公目線だけでいい¥