個性『レユニオン』な転生少女 作:なめろう
おはヒロアカ! 転生少女リュニちゃんです!
時刻は大体深夜1時を回りました。
現在も死穢八斎會本部突入作戦真っ最中です。
お留守番の私のお仕事は正直少ないですが、一番重要な私のお仕事は――そう、作戦中に寝ない事ですね! 眠ったら私の個性は全部消えちゃうんで。
とは言えコーヒーも飲んだし、もう興奮とかでお目々ぱっちりなのでこれはあんまり心配してないです。
しかしてそれだけでは余りにも仕事してる感がないので、せめてもの何か手伝わせて! ってダダこねたら貰えたお仕事があります、こっちも地味に重要です。
「報告。今どうなってる?」
『……警察、ヒーローが続々と集結している。数え切れない程だ。屋敷は既に包囲が終わっているように思える』
「おっけー。突入したら言ってね」
『……了解』
そう、定期的にファウストさん筆頭にした狙撃部隊から監視報告を貰っているのだ。
実は今回に先立って彼らも追加で召喚しておいて、屋敷から遠く離れた場所に待機させ、現場の状況が分かるように逐次連絡を取っている。
え? そんな実況聞くだけだったら仕事になってないって?
ぶぶー。これでも重要な仕事なんですー。
事態が急変したことを知らせるのもそうだし、後、何よりも重要なのはジェントルさん達が地下から侵入するタイミングを知らせる事!
死穢八斎會が警察やヒーローにあたふたしている所で地下通路爆破からの侵入というトム・ク●ンシーさんもびっくりな突入コンボを決めるためには現場の可視化は必須なのさ!
「ちなみに、ファウストさん。何か目立った人は居る?」
『……全身、赤く光ってる奴がいる。あれは炎、か? あと小さい老人。ムカデの顔をした男など』
「えぇー? 赤く光ってる、小さい老人?」
ムカデ顔の人は多分センチピーダー。サー・ナイトアイのサイドキックだとは思うけど、ここはまあ順当。
ただ炎を纏った男と小さい老人って……まさか、まさかとは思うけど、エンデヴァーとグラントリノ!?
グラントリノはまあ分かる。原作だと同時期に塚内警部と一緒に黒霧を追ってたって話があったから、黒霧を追う仕事がなくなってこっちに回されたのかなって思う。
でもエンデヴァーは本当に謎だ。塚内警部にメール出したからオールマイトが来るのかなって思ってたから尚更。
あれかな、実は今林間学校に同伴してたりするのかな……あるいはエンデヴァーが奴がいなくてもオレ一人で十分だ! とか言い出したのかな。言い出しそう。
とは言え予想外だけどこれはいい収穫だ。
オールマイトじゃないんかい! って感じはするけど、これで原作よりも戦力補充されたんじゃないかな!? すげえ助かる! 勝ったなガハハ!(慢心二度目)
まあその分ジェントルが対面したら逃げるのに一苦労かもだけどね……そこは痛し
「……ちなみにもじゃもじゃの緑髪の子とか赤髪ツンツン頭の子は」
『……視界の範囲内では、確認できない』
ということは雄英一年生組は参戦してないと。うん、やっぱりね!
原作だとオーバーホールは主人公補正マシマシのデク君が倒してたけど、でもエンデヴァーやグラントリノいるなら大丈夫っしょー!
『……! 炎の男が単騎で屋敷内に突入』
あ。エンデヴァーが先走った。
この人作中だと激情家だけど冷静的だーって評価されてるけど、かなり短気なんだよね。本当に冷静なのかってちょっと疑っちゃうかも……。
『警察もヒーロー等と共に屋敷内に侵入。……そのまま建物内にも突入していった』
OK。本格的に始まったね。
他の抜け道についてもヒーローらの突入が始まったみたいだし、そろそろみんなに伝えよう。
「あーあー、ジェントルさんジェントルさん聞こえますか? 警察達が敷地内に突入しました。どぞどぞ」
『感度良好。聞こえてるよリュニ君。報告ありがとう、我々も既に突入準備は整った、これからW君に爆破を行って貰う』
いよいよ……いよいよ始まるのかぁ。本格的原作ブレイクが。
今私はものすごーく現場に行きたい気持ちが溢れてるし、実際に戦闘シーンみたい感あるんだけど……我慢だ。ワガママはなし。これは私達の今後の幸せを掴み取る、重要な作戦なんだから……!
「……こほん。えっと、無茶はいいですけどくれぐれも皆さん怪我をしないようにしてくださいね」
『中々厳しい事を言うね。だがその願い、可能な限り遵守するよう誓うよ』
「あはは、お願いします。それでは……幸運をお祈りしてます」
『あぁ。また後で』
通信は途切れ。それから数十秒後に街を揺るがす振動音を観測したという報告を受けた。
作戦開始――みんな、本当に気をつけてね。
§ § §
屋敷を揺るがす轟音。
死穢八斎會地下3F。恐らく拠点最下層部分である通路に大穴が空いた。
コンクリや配管の破片といった瓦礫と粉塵が散乱する通路、そこに間髪入れずに次々と人が乗り込んでゆく。
侵入したのは当然ジェントルら一行である。
彼らは通路を見渡し、人気がないことを確認すると各々
「私が先に行く」
先陣を切るのはクラウンスレイヤー。
諜報や暗殺に長けた彼女は音もなく通路を進んでゆく。
上層では慌ただしく駆け回る音や怒鳴り声がひっきりなしに聞こえてくる事から、ヒーロー達の侵攻がまざまざと目に浮かぶ。彼らは言葉もなく迅速に彼女の後を追っていく。
そして丁度曲がり角にさしかかった所でクラウンスレイヤーが後続の動きを遮るように手を伸ばした。
「おい天蓋、居たぞ。侵入者だ、わくわくするな」
「馬鹿者! 言ってる場合か乱波、くっ……オーバーホール様の邪魔をする畜生共め。先へはいかせんぞ!」
曲がり角から現れたのはガントレットをつけた巨漢と、作務衣を纏う痩せぎすの漢。二人共顔にペストマスクをつけて、一行の進路上に立ち塞がり始める。
「君達、鉄砲玉八斎衆の……悪いがそこをどいてくれないかね。囚われのレディがお待ちしていてね」
「抜かせ、オーバーホール様に害為す
ジェントルに返答した直後、ぬるりと相手集団から飛び出してきた存在。赤と黒の装いが物々しい、炎を纏う剣を持った男が斬りかかっていたのだ。
バリアに阻まれる
直後、
下手人は剣士の後ろに立っていた全身をだぼついたフードに包む、牛のような角の目立つ仮面の男。禍々しい黒縄は彼が持っていた杖から伸びているようだった。
「ぐ、があぁあぁあぁぁあ――ッッ!?」
「乱波!? くっ――!」
拘束された乱波が痛々しい悲鳴を上げる。
どうやらその黒縄は単に拘束するだけでなく、何かしらの苦痛を与える物であるらしい。
天蓋は急ぎ乱波にもバリアを発動。彼を起点として内側から広がったバリアが強制的に拘束を解く。
「が、ぁぁっ、あぁぁ……!」
「こ、このド外道共が……! 会話中を狙うとは……!」
「あ、あーいや……私はそういうつもりはないのだがね。あの……ヴェンデッタ君、サルカズ術師君?」
「とっとと倒すのが得策だと考えるが」
「右に同じく」
ジェントルは前口上をきちんと述べてから戦闘のつもりだったが、二人はその無駄を省こうとして動いたようだ。
これが乱世に生きている者とそうでない者の意識の差なのか……ジェントル、ラブラバの両名は多少困惑しているようだったが、その他全員はやはり容赦する気もないようだった。
「とりあえずさっさと先に進みましょう。今ので程度が知れたわ」
「全くだね、この先にお姫様が居るんだろう? 僕らはこんな所で暇している余裕はないはずだよ」
「……ッ、言わせておけば。貴様ら……がァッ!?」
「――その個性、確か『バリア』だったか。強度は鉄と同じくらいか?」
炎揺らめく剣で再度バリアごと天蓋を斬りつけ、壁に追い込んでいくヴェンデッタ。
バリアがあったお陰でダメージはないが、そのバリアすらも破られそうな程の威力の斬撃が間断なく叩き込まれ続けている。
「くれぐれもバリアを解いてくれるなよ。貴様のバリアが解かれた時――それこそがお前の命が尽きる時だ」
「ひっ、ま、待てっ……!」
「天蓋! 天蓋このバリアを解けぇっ! 俺にコイツとやらせろ! コイツとやらせろおぉぉぉっ――!!」
腹部に痛々しい火傷のような傷を残された乱波が血反吐を撒き散らしながら叫ぶが、最早天蓋には聞こえていない。目の前の剣士が言う内容に嘘偽りはなく、恐らくバリアを解いた瞬間自分らが切り刻まれると確信していたからだ。
このまま常にバリアを張り続ける必要があるが、二人分のバリアをどれだけ維持出来る!? そしてどう対抗すればいい!? 混乱の極致に追い込まれた彼は全身から滝のような汗を流して怯えた目で男を見る他なかった。
「皆様、後は我々にお任せを」
サルカズ術師がジェントルらに伝える。
ジェントル・ラブラバ両名は二人の強さに呆気に取られながらも先へ進む事を決め、クラウンスレイヤーに連れられて奥へと進んでいく。
進んだ先は事前収集した通りの袋小路。
そこには事前調査通りに左右に二部屋、奥に一部屋があるようだった。
どうやらミミックによる通路遮断や順路変更は行われていないようだった。
まだ地下の異変に気がついていないのか。それとも地下を相手する余裕がないのかは不明だが、残るメンバーはここぞとばかりに部屋を探る。
左右の部屋は物置と広い応接室のような場所。
どちらももぬけの殻であり人の気配は感じ取れない。
そして奥の部屋、その先はまた通路が広がっており、その少し進んだ先にまた部屋が用意されているのが見える。
クラウンスレイヤーが率先してその部屋へと侵入し、そこに人が居ない事を確認したのだが、
「……子供の部屋。ここが壊理君の部屋か」
ヤクザの部屋にしては場違いなピンクの壁紙に、子供用のベッド。そして散乱するおもちゃ――囚われの少女を匿っていた場所に違いなかった。
布団が乱雑に投げ出されているのは、騒ぎに気付かれ慌てて連れ出されたのだろうか。
「そんな……もう連れ去られてしまったというの?」
「……いいえ。連れ去られて間も無いといった感じね」
Wが少女が眠っていた場所を触れ、未だ残る温もりからそう判断すると、一行は頷きあって元来た道へと戻り始める。
恐らくは別の逃走経路が用意されている――ミミックが地図に無い道を作り出しているのかどうかは分からないが、まだ遠くに逃げてはいないだろう。
「どうあっても壊理君を手放す気はないようだな……」
「許せないわね、早く怖がっている彼女を助けてあげないと……!」
出戻る途中、天蓋と乱発らと遭遇した場所にまで来たが、案の定無傷であるヴェンデッタとサルカズ術師がそこで出迎えてくれた。
地面に転がるはぴくりともしない天蓋と乱波。彼らはやはり為すすべなく倒されてしまったようだった。
「う……し、死んでないわよね……?」
「手加減はした」
炎剣がもたらしたのか、肉のような何かが焼け焦げた不愉快な臭いに顔顰めるラブラバ。
この組員らは少なくない怪我を負っているようだが、今はソレを確かめている暇もない。まずは目的を達成しなければ、と全員でまた先を急ぐのだったが。
「こんな夜更けにいきなり訪問してくるなんて、常識知らずねぇ」
「楽しそうな事してるじゃねえかよ、俺らも混ぜろよ、なぁ……?」
「――敵連合!」
やはり、敵はそう簡単に先へと進ませてはくれないようだった。
乱波さんデザインも個性も好きよ。
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《レユニオン図鑑》
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切り替え過ぎ
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むしろ主人公目線だけでいい¥