個性『レユニオン』な転生少女 作:なめろう
日の当たらぬ路地裏でひっそりと営業を続ける「サロンド・ドメゾン」。
そこは裏の人間のたまり場でもあり、また非合法な取引がよく行われる場所でもあったのだが……。
「……て、テメェらここで何をやってやがんだ!?」
彼が見たその小さなバーは内装がほとんどボロボロになっており、店主も店員も、そして客すらも。その全てが
そして下手人と思える存在は、数十人。
鉄パイプや刃渡り80cm以上の剣をぶら下げた、全員が顔をフードやマスクで隠した異様な存在達。
彼らは思い思いに壊れたバーの机や椅子でくつろぎ、訪れた下っ端に顔を向けていた。
「……ただここで飲もうとしただけで難癖つけられたからな、正当防衛と言った所だ」
「っ、ここは一見お断りのバーなんだよ! なんたってこんな……お前ら、死穢八斎會を敵に回してえのか!?」
「シエ……はっさい、カイ?」
「そうだ、テメェらも裏の人間なら聞いた事あるだろうが! ここら一帯は俺らのシマだ!」
「……」
おかしい。と男は思った。普通の人間、それも裏を知る存在なら自分達の名を知ってる筈。
かつての隆盛は最早ないが影響力はまだまだ強い。
だと言うのに、そいつらは動じる所かまるでその名を初めて聞いたかのように振る舞ってやがる。
「畜生、店をぐっちゃぐちゃにしやがって……覚悟しやがれ、お前ら全員ボッコボコにぶちのめして海に沈めて――」
「それは怖いな」
男は増強系の個性の持ち主で、喧嘩っ早く。そこそこの腕のも自信もあった。
だが、気付けば隣に居た角の生えた見上げるほど巨大な男――地面に付くほど長い、大剣をぶら下げた男に睨みつけられてしまうと……動く事が出来なかった。
仮面越しに見るそいつの目からは人を人とも思わない、今すぐ相手を肉塊に変えても心痛めないと言わんばかりの冷めきった感情を向けられていたからだ。
「店をぐちゃぐちゃにして悪かったとは思っているんだ」
「だがな、我々も気分を害された以上、動かざるを得なかった」
「それにな……ここじゃあ人に言えない悪い取引をしているそうじゃないか」
「それは良くない。それは良くないぞ」
「だから善意の第三者たる我々が仕方なくお灸を据えたんだ」
「そう、仕方なくね」
投げかけられる三者三様の言葉。ケラケラとした
仮面越しに見る目はどいつもこいつも暴力に飢えている!
これはまずい、早く応援を呼ばねばと後ずさりをした矢先、その両腕を謎の連中に掴まれた。
「は、離せ! 離しやがれ畜生ッ!?」
「我々と君、いやシエハッサイカイだったか。君達には行き違いがあった」
「だから我々は君と仲直りをしないといけない」
「大丈夫、殺したりはしない。指導者からは
「や、やめろっ! やめ、い、今なら見逃してやる! だから!?」
「さぁ仲直りをしよう。その前に――君の知ってる事を洗いざらい、教えて貰おうじゃないか」
§ § §
おはヒロアカ! 転生少女だよ!
とりあえず今後の目標を決めました!
悪い奴をぼっこぼこにして、お金を巻き上げてひっそり生活する! コレです!
え? ヒーローになるって事? ノンノン、私はヒーローになれません。
戸籍も身寄りもない存在がどうしてヒーローになれようか。いやなれまい。(反語)
なので、とりあえずこのデブ蛙さんから頂いたビルを仮拠点とし、周りで悪いことをしている奴らを探してお金を巻き上げるって事をやろうとしています。
とりあえずあれだね、兵隊さんを呼ぼう。
原作じゃコンスタントにやられる雑魚キャラ召喚ならあんまり鉱石病の進行も少ないだろう……と信じているので。
まあ自分の限界を知るのも大事だしね。うん。出しちゃお出しちゃお。
手始めに鉄パイプ持った暴徒さん10名。
剣を持った兵士さん5名。
後は隊長役の角の生えて大剣を持ってるサルカズ大剣士さん1人。これで行きましょう。
「呼んだか、指導者よ」
「わ、わっ……!? すっご、おっきぃ……!」
で、でっけぇ~~~~。やだ……サルカズ大剣士の身長デカすぎ……。
2m何cmですか? 私見上げると首痛いよ。
え、えっとですね。かくかくしかじかで。
「成程。今後の活動資金を周辺から奪ってくるんだな」
奪うんじゃなくて頂戴するね。しかも悪い人限定!
出来る限り殺しちゃ駄目だからね、あくまで平和的に解決してよ!
「……承知した。待っていろ」
「お願いします、大剣士さん」
……うーん。ちゃんと伝わってるのか不安。
っていうか、一気に召喚しすぎたかな……ゲームだといつも50人とか100人単位でやられてるから、ついアレぐらい出しちゃったけど……。
ま、まあいいや、わんわんもふりながら結果を待とう。
今までの活躍を考えるに、命令すれば殺さないでくれるし大丈夫でしょ。
……た、多分大丈夫でしょう。
「……大丈夫だよねわんわん?」
「……」
うぅ、クールなわんこめ~~! でもそこがスキ~~!
と、マットの上でごろごろーってして数時間後。足音が1つ、廃ビルの階下から聞こえてきた。
何か早くね? っていうかコレ。まさかデブ蛙のリベンジリターンズ!?
しつこいなぁ、今度はスカルシュレッダー辺りにボコって貰おうか……何て思ってたけど、違った。暴徒君だった。ちょっと安心。
「指導者。報告だ。
「お、おぉ制圧……お疲れ様でした」
制圧と来ましたか……そう言えば軍隊みたいなもんだもんね君達って。
その悪い奴らの店っていうのはぼったくりバーか何かなのかな……店の人には悪いけど、こっちも生活かかってるからね。過剰徴収した分おこぼれ貰いますよと。
「そして、そのバーが『シエハッサイカイ』と名乗るマフィアグループの物であると判明した」
「……しえはっさい、かい?」
「下っ端にはすでにその構成や、事情は聞いている。そしてそいつらがシノギとしている店を教えて貰ったので、今はそいつらの店をしらみつぶしに襲撃している所だ」
待て。しえはっさいかいって……いや、まさか。
「ここら一帯であれば奴らの店の数は少ないから、恐らく数日で全ての店の制圧が……」
「しえはっさい、かい……死穢八斎會!? それってあのヤクザの!?」
待って待て待て、まーってすとっぷ!
それってペストマスクつけた潔癖性の人がトップのだよね!? まずくね!?
「? トップは組長と呼ばれている老人、『治崎――』」
「今は若頭がトップ張ってるの……! う、うぅ、その人達は不味いかも……」
あーしまった、そりゃそうだよね。裏社会につきものだよね極道って!
うわー厄介な所に手を出しちゃったかも……。
あいつら地味に戦力強い奴揃いなんだよね、困る。
草の根かき分けて私達を探し出して、絶対に報復しにくるぞ。
「ならば作戦は中止するか? 正直な話、指導者の憂慮は不要に思うが」
どこが不要なのさ。
強固性とか特殊な悪役らはそれだけで脅威なんだよ!
ロドスみたいに一騎当千のメンバーが来るかもしれないんだよ!?
「確かに指導者の言う個性持ちとやらとは相手してみたが少しは驚いた。しかしそれだけだ。倒せない訳じゃあない」
「……本当?」
これマジ? いや、サルカズ大剣士さんが居るならまあ何とかなるとは思ったけど……。
「アイツらは俺達と違って
「……」
まあ、それはそうよね。君達は日々生き死にを掛けた殺し合いの毎日だしなぁ。喧嘩ぐらいしかやらないヤクザとは覚悟は違うだろーね……。
「それにもしも指導者の言う通り、我々の見ぬ強敵が居たとしてもだ」
「……居たとしても?」
「指導者には、ソレを上回る戦力をノータイムで創造出来る。Wを。クラウンスレイヤーを。スカルシュレッダーを。そして、タルラすらも」
「――――」
「それに今の襲撃で数百万円以上。更に非合法の取引材料もがっつりと押収出来た。まだ身バレしていないという事は、好きに動けるという事。今を逃すチャンスは無いと思うが」
「……むぅー」
「……」
「……何回も聞くけど、殺したりはしてないよね?」
「命令通りに遂行しているつもりだ」
「……~~~ッ、あーもうっ!」
もうそんな事言うんだったら信じるしかないじゃん!
分かったよやるよ! 折角ヒロアカ世界に脚踏み入れたんだ、腹決めて行くとこまで行ってやるぅ!
「承知した」
うぅ~大分流された感あるなぁ……でもレユニオンメンバーの強さは身を以って知ってる。死穢八斎會の皆さんには悪いが、これも生存競争だとして割り切って貰おう。うん、そうしよう!
……それにしても。数時間で数百万ゲットかぁ~。
脅威の時給。真面目に働くなんてやっぱり馬鹿見るんや!
えっへへ~、どんな豪遊しようかな~。(俗物)
感想・評価お待ちしております。
《レユニオン図鑑》
・『兵士』:
レユニオンに参加する近距離戦闘兵。
仮面や服装が統一されており、
鹵獲あるいは非合法な手段で入手した武装を用いて身分を隠しながら行動する。
暴徒君より訓練されてるだけちょっとだけ強い。
・『サルカズ大剣士』
サルカズ(種族:悪魔)の傭兵。
角が生えて体が超でっかい。
体内の源石が身体機能を強化しているため、
体よりも大きな武器を扱うことができる。非常に打たれ強い。
兵士よりもずっと強い。
視点の切り替えの頻度は適切でしたか?
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丁度いい感じ
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少し切り替えが多いのでは?
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切り替え過ぎ
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むしろ主人公目線だけでいい¥