個性『レユニオン』な転生少女 作:なめろう
トガちゃん好き。
最近になって敵連合に加入した現役JK、
連続失血死事件の犯人である彼女は今日も獲物を探していた。
これは敵連合の方針だから……という訳ではなく、ただ単に彼女の趣味である。
『
『血を見て、嗅いで、吸って、その子になってみたい』
これらの本能に近い欲求を満たしたいが為に彼女は徘徊している。
見た目は完全にただのJKなのだ、町中を歩く彼女に違和感を覚える存在はいなかった。
「――あはッ、カァイイなぁあの子。今日は、あの子にしようかなァ……♫」
そして幸か不幸か……彼女は早速獲物を見つけてしまう。
ありふれた光景の中何が楽しいのか、姉?の手を引いて周りを見てはしゃぐ、銀髪で長い三編みを持った幼い子供。
それはトガの審美眼だけでなく、一般人も同じ結論を持つであろう可憐な少女であった。
お目々はぱっちりとして、好奇心で
目鼻際立ち、肌は雪のように白い。
成長すればきっと誰もが見惚れる美人になるだろうという確信があった。
トガは思った。
見たい。
あんな純粋そうな子の血が見たい。
血を出させたらどんな声を出してくれるのか。
どんな匂いがするのか、どんな味がするのか。
そして、私が
「えへへ、決めちゃいました! うーん、どこに行くのかな~、デパートかな?」
引率なのか別の少女――これまた目つきの鋭いパンクファッションの子――と共に移動する彼女らを、トガはこっそりと後を尾け始めていた。
最近連合内にお達しのあった「何故か分からんが死穢八斎會に目を付けられた、派手な動きは慎め」なんて命令は当然無視である。
彼女らの目的はどこなのだろう……うん? アウトドアコーナー?
なぜだか知らないが彼女はテントに興味があるようだった。
様々な種類のテントをあーでもない、こーでもないと吟味している。
あぁ可愛いなぁ。手伝ってあげたいなぁ。うん、手伝おう。そうしよう。
「ねえねえ、テントを探しているの?」
「……ッ!?」
あれ、何かいきなりすごい警戒されちゃった?
うーん、ひょっとして凄い人見知りさんなのかな?
引率のお姉さんとか、もうメチャクチャ睨んでるし。
「いきなり話しかけてごめんね、何か夢中で選んでるのが楽しそうで、ついつい」
「……そ、そうだった? ご、ごめんなさいお恥ずかしい所を」
「ううん気にしないで下さい、でも吟味は大事だもんね。テントもちゃんとしたの買わないとだから。あ、そうだそうだ、私はですねぇ、渡我被身子って言います、貴方の名前は?」
「あ……はい、私の名前は」
かなり緊張してる。カァイイねぇ。
今すぐチウチウしてあげたいけど、がまんがまん……人目がついちゃう。
それでお名前はなんだろ? どんなカァイイ名前なのかな。
「名前、名前は……えっと。リュニって言います」
「リュニちゃん! カァイイ名前だねぇ。ねえリュニちゃん、私とお友達になろうよ!」
カァイイ! もう我慢出来なくなって私はリュニちゃんと視線を合わせてその場で座り、その子の頭を撫でようとして――
「触るな」
――思いっきり、引率の人にその手を弾かれた。
「……クラスレちゃん!」
「指……リュニ。迂闊に触らせるのは良策じゃない」
「りょ、策とかそういう事じゃなくて……ごめんなさい。痛くなかったですか? この子、クラスレちゃんは特に人見知りで……」
「ううん。気にしてません、ごめんね。いきなり触ろうとするのは駄目だよね」
……えへへ。本当に気にしてないよ。
このクラスレちゃんっていう子もリュニちゃんに負けないくらいカァイイ。
何より、その手の動きが全く見えなかったし、彼女からは私と同じような臭いがする。あはっ、今日はついてるかも……♫
「不快にさせちゃってごめんなさいクラスレちゃん、リュニちゃん、それじゃあ私はこの辺りでバイバイしますね!」
「は、はい。こっちこそごめんなさいトガさん」
「……」
「それじゃあまたね、バイバイリュニちゃん、クラスレちゃん」
あぁ。我慢できない。我慢できない。我慢できない。
早く、早く二人の血が吸いたいな。だから人目につかない所に行って欲しいな。
そうしたら思う存分チウチウ出来るから。
だから私は一度帰ったと見せかけてデパートの出口を遠くから見張った。
……あは、見つけた。どうやらテントを買い終えたみたい。
クラスレちゃんと楽しそうに話してるのが見える。カァイイ。
どこに行くのかな? おうちかな?
あれ、あれあれあれ。路地裏? 危ないですよリュニちゃん。
そんな所に言ったら襲われちゃいます。
貴方はとってもカァイイ子なんですから、そんな所に移動したら――!
「アハッ、リュニちゃん、クラスレちゃん。また会いましたねぇ」
「――」
ほら、私みたいな人に襲われちゃう。
……あぁそんな顔も出来るんですねリュニちゃん。カァイイです。
私をまるで路傍の石みたいな冷めた目で見てくるなんて。
ナイフを見せたらその表情もっと変わるかな?
泣きそうな顔とか、見せてくれないのかな?
「……どうしたんですか、トガさん。ナイフなんて持ち出して」
「え? コレですか? あはは、これは最近流行りのラッキーアイテムみたいなものでして!」
「偽物、ですよね。本物だとしたら物騒なラッキーアイテムです」
「勿論偽物です! ほら、指先で軽くちょんってしても……あれ、血が出ちゃいました。勿体ないです、ぺろ」
「……」
「まあまあ、間違える事は誰でもありますよね。リュニちゃんだってありませんか?」
「そんなことよりも……何か用でしょうか。私が何かしましたか?」
うーん、見かけによらず凄い冷静な子。
でもそういう子の仮面が剥がれる瞬間。それが一番好き。
ボロボロになって血だらけになったら多分もっと好きになる。
「何もしてないです! だから、これから何かをするので何かして欲しいです!」
「……言ってる意味が良く」
「えへへ。分かりやすく言うとね、えーっと、リュニちゃんにね、私一目惚れしちゃったの。だからね、ちょっとだけ
引率のクラスレちゃんは佇んで相変わらずずーっと睨みつけてくる。
ナイフまで出しちゃったからその目にはもう殺意しかなくて、背筋がぞくぞくする。あは、嬉しくなっちゃいます。
……あぁ、もう駄目。飛び出してもいいよね。
クラスレちゃんをまず刺しちゃおう。殺さないように注意して、足と腕をざくざくざく。動けないようにしてからリュニちゃんの血を目の前でチウチウするの。そうしたらきっとクラスレちゃんはいい顔をしてくれる筈。それは絶対に気持ちいい。名案だ! やろう、やっちゃおう。うん。やっちゃっていいよね私。
「ちうちう?」
「うん、血をね。チウチウーって――吸わせて欲しいだけなんです!」
あ、もう足が勝手に走り出してました。まあいいかぁ。
私は使い慣れたナイフを振り上げてまずはクラスレちゃんに向か……あれ? クラスレちゃんはどっ。
「――ご、ぇ?」
「……」
あれ……何で後ろから攻撃されて……?
クラスレちゃんは私一度も見失ってなかったのに、なん。
「ちょ、ちょいちょーい……ク、クラスレちゃん、殺さないようにね」
「コイツは殺した方がいいと思うがな」
や、ば。お腹、背中、腕、足、全部痛い。ナイフ、あれ。壊されて、る。
あ、クラスレちゃん。見えた、強い、ねぇ、カァイ、イねぇ。
「折角本物の"トガヒミコ"に出会えたんだもん……原作を愛する身としては、襲われたとしても。残したいな」
「……また訳の分からない事を」
リュニちゃ、あぁ。カァイイ、二人の血、私吸い……たか――――
§ § §
おはヒロアカ! 転生少女の……リュニちゃんだよ!
待ちに待った買い物タイム。初めてじっくり見るヒロアカワールドを堪能していた私ですが、流石ヒロアカ。そんな私に飽きさせない非日常を提供して下さいました!
具体的にはトガちゃんに目をつけられました!
アイエエエエエ! トガちゃん!? トガちゃんナンデ!?
私何かした!? もう敵連合に目をつけられてるんですか!?
死穢八斎會が潰れてないって事は超常異能解放軍の前だって事だし、敵連合に喧嘩売った覚えはないんですけど!
最初はクラスレに『早速尾けられてるぞ』と言われてすわ、マジかと思ったさ。
それで気付いてないフリしてデパートへ移動。テント売り場へGO。
普通にテントを吟味して敵が罠にかかるのを待ったのさ。
正直な話、実はもう死穢八斎會にバレてるのかと思ってドキドキだったよ。
何か覗き見の個性とか居るんだっけ!? それともサー・ナイトアイさんの密告!? おのれサー! って内心ガッデム決めてたんだけど。
「ねえねえ、テントを探しているの?」
「ッ!?」
そこでまさかのトガヒミコ登場ですよ。
メッチャクチャ驚いたね。いや、本気でびっくり。
正直原作でトップクラスに好きなキャラだし、そんな子が凄い友好そうな感じで話しかけて来てくれたからめっちゃドモった。恥ずかしい。
ふぁー。しかしトガちゃん近くで見るとマジ可愛い。
近くだとシャンプーか香水かわからないけど、メッチャいい匂いするし……シャベぇ、トガちゃん好きぃ……ってトランス気味になったところで質問された。
「私はですねぇ、トガヒミコって言いいます、貴方のお名前は?」
な、名前。名前ですか……難しい事を言いますねトガちゃん。
そういや私ってこっちでの名前らしい名前がないな。
レユニオンのみんなは私を指導者って呼ぶけど、流石に指導者って呼ばせるのも……う。そんなキラキラした目で見ないで……。
じゃ、じゃあリュニ! リュニでどうだ!
リニューアルとちょっとかけてるのと、レユニオンとよくいい間違えるリユニオンの先頭だけ取ったこの感じ! 悪くないだろ!
「リュニちゃん! カァイイ名前だねぇ。ねえリュニちゃん、私とお友達になろうよ!」
ふわぁ~、名前で呼んでくれた……好きぃぃ。
友達どころか恋人になってもいいよぉぉぉ。
はートガちゃん八重歯見えて可愛い、結婚しよって思った矢先、なんと嬉しくも彼女が私の頭を撫でてくれようとしたんだけど、
「触るな」
クラスレちゃんが超速で伸ばされた手を弾いてくれやがりました。
何してくれてんの! ……あ、いや私の安全を守るためだもんね。分かってます。
うん、私も分かってんのよトガちゃんがヤバイ子ってのは。
でもほら折角友好そうに近づいてきてくれたじゃん? 単純に声掛けしてくれただけかもだし……あ、ない? すみません。
その後普通に去っていたトガちゃんだったが、私もクラスレちゃんも同意見だった。
あの子、絶対に近い内に接触してくるって事。
とりあえずテントをちゃんと買って、普通に気にしない体でデパートから移動。
「……あいつ、尾けてきてるぞ」
「えぇぇ~~……ま、まじでぇ?」
……したら、本当にトガちゃんの尾行が始まってげんなりした。
マジか……コレやっぱり何か狙いありますね。敵連合侮りがたしですかコレ?
なんでこうなった~、ってめっちゃどんよりしながらクラスレちゃんに引かれて移動する。ってどこ移動するのクラスレちゃん。
裏路地? 鬱陶しいから殺す? 待って待って殺しちゃ駄目だって。
でも相手は殺す気満々? そういう子なの、悲しい子なだけだから今日はお灸すえる程度にして。ね?
私あの子気に入ってるの! 可愛いし健気だし、ちょっとサイコなだけだから! ね!?
「理解出来ん……」
って事で人通りのない裏路地まで入り込んだら早速現れたトガちゃん。
クラスレちゃん曰く他に尾いてくる子はいないそうだけど……。
本気で何の目的なんだろう。実は悪の道への勧誘? あ、あり得るかも……!
も、もう直球で聞いてみよう何か用ですかって、っていうか私って何かしましたか、とも。(震え声)
「何もしてないです! だから、これから何かをするので何かして欲しいです!」
……えっと、つまりどういう事?
「えへへ。えーっと、リュニちゃんにね、私一目惚れしちゃったの。だからね、ちょっとだけチウチウさせて欲しいんです!」
あっ、あーあー、そういう事ね。良かったぁ~。これただの偶然だわ。
敵連合も死穢八斎會も関係ない。トガちゃんが偶然私を見つけて、見初めて、それで血が吸いたくなっただけ!
いやー安心安心、私の悪事はバレてない……って良くないよどんな偶然だよ全く!?
うぅートガちゃんに見初められたのは嬉しいけど複雑だ。
じゃあ……クラスレちゃん、すみませんがよろしくお願いします。
「うん、血をね。チウチウーって――吸わせて欲しいだけなんです!」
そう言ってナイフ片手に駆け出してきたトガちゃん。
やばい。まだ特訓もしてない筈なのにかなり速い。
でも私はその襲い来るトガちゃんを見ても冷静で居られた。
だって、もうその時には彼女の後ろにクラスレちゃんが居たから。
クラスレちゃんはまず、ナイフの柄の方でトガちゃんの後頭部を思いっきり殴打した。
そして怯んだトガちゃんを続けてナイフの柄で、足で、殴る。蹴る。殴る。
腕を膝を腹を胸を、流れるような連撃で。殴打しまくる。
その結果あっという間に彼女がぐらついたが、それでも殴るのをやめない。
うわえぐ……ちょ、ちょいちょい~、殺さないよね? 約束したよね!?
「コイツは殺した方がいいと思うがな」
う……でも折角本物のトガヒミコに出会えたんだもん……原作を愛する身としては、襲われたとしても。残したいから。お願い!
「……また訳の分からない事を」
私の言葉に根負けしたのか、クラスレちゃんは攻撃をし終わって何事なく私の下に戻る。するとようやく暴力から解放された全身を強打されたトガちゃんはその場で意識を失って倒れこむのだった。
……どうしよ。コレ。放置、してていいかなぁ。
「殺人鬼に温情を与えても無駄なだけだぞ」
うぅぅ~、心苦しいけど……きっと敵連合さんが拾ってくれるよね!?
すまんトガちゃん、今度は百合ルートで会おうね!? それじゃあ撤収だ! さらば!
感想・評価お待ちしております。
既にあと7話分の投稿予約は完了している。ぐふふ
《レユニオン図鑑》
・今日はお休みです。
視点の切り替えの頻度は適切でしたか?
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丁度いい感じ
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少し切り替えが多いのでは?
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切り替え過ぎ
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むしろ主人公目線だけでいい¥