個性『レユニオン』な転生少女   作:なめろう

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トゥワイスのセリフ書くの難しいけど好き。


第6話 隠れ蓑を探しましょう!

「……黒霧。なんだって俺らが狙われてんだ」

 

「正確な事情は不明ですが、なんでも噂によれば我々が死穢八斎會の店をことごとく潰し回った報復だとか」

 

「あ? なんだソレは……そんな事一度たりともしてないぞ……いや」

 

 死柄木(しがらき)弔(とむら)、敵連合のトップはいつものたまり場である古びたバーに集まった面々を見た。

 そこに並ぶは誰も彼もが曲者揃いの札付き悪。

 全員が全員思い思いにくつろぎ、死柄木の死を想起させる睨みにも全く動じていない。

 

「お前ら……勝手な行動とかしてないよな?」

 

「そんな事してるぜ! してるわけ無いだろ全く!」

 とトゥワイスが矛盾した発言をし。

 

「……する訳がない」

 荼毘(だび)が興味なさそうに呟き。

 

「暇潰しするにしても、もうちょっと別の事を選ぶわよん」

 マグネがし(・)な(・)を作りながら返事をし。

 

「俺はマジシャンだからね、店を潰すよりかはショーを見せて盛り上げる方を選ぶかな」

 コンプレスが退屈そうにトランプをシャッフルし続け。

 

「はっ、小悪党の店潰しなんてステインの流儀に反する。する訳がない」

 スピナーは腕組みをして疑いを吐き捨てる。

 

 死柄木はしばらく男らを見て舌打ちをするも、ふと何かに気付く。

 一人……この場に居ない存在がいる。

 あのブローカーの野郎に紹介されたばかりのアイツは一体、どこにいった?

 

「……おい。黒霧。トガの奴はまだ来ないのか」

 

「彼女には連絡した筈ですが……いえ。まだのようですね」

 

「そう言えばトガちゃん来てないな! もうすぐ来るだろ! いや、来ないね!」

 

「あらやだ、もしかして彼女が……?」

 

「店を潰して回るほど、死穢八斎會が楽しいおもちゃに見えたのか?」

 

 店に伝播(でんぱ)する騒ぎとともに、死柄木もまたトガを犯人だと脳内で決定づけていた。

 

「あのサイコパスめ……! ちっ義爛(ぎらん)の野郎め、何が腕は保証するだ。頭が保証されてなきゃ意味ないだろうが……! 黒霧、ヤツを探し出せ。責任を取らせる」

 

「……分かりました」

 

「いーや、その必要はないね」

 

 しかして黒霧が行動を起こす前に、とある人物がバーに入り込む。

 それは件の敵連合の闇ブローカー、義爛。そして、その肩に担ぐのは……。

 

「!? オイオイトガちゃんじゃねえか!?」

 

「ヤダ、ボロボロ……! ちょっと大丈夫なのソレ!?」

 

「……」

 

 全身を包帯まみれにしたトガヒミコ、その本人であった。

 義爛は彼女をマグネに渡すと、ふぅ、とバーの椅子に腰掛けた。

 

「お前が代わりに粛清したって所か? 随分と手厚いアフターサービスだな義爛」

 

「料金外でのサービスは本来しないもんだがね、折角紹介した奴が速攻路地裏に捨てられてたから何事かと思ってな」

 

「……は?」

 

「やられてたんだよ、トガが。路地裏にボロ雑巾みたいにぶっ倒れてたんだ」

 

 トガがやられていた?

 一体誰に? まさかトガの行為に腹を立てた死穢八斎會の連中がか?

 

「……死穢八斎會の連中の可能性は低いな。というか、奴らにトガの情報はまだ渡っていない筈だ、こいつは加入させたばかりの新人(ペーペー)だぞ?」

 

「じゃあヒーローにボロクソにやられたとでも言いたいのか?」

 

「それもありえん。だとしたら路地裏に捨てられずに速攻豚箱行きになってる筈だ」

 

「お前の言う腕の立つ殺人鬼、実は大したことないんじゃないか? 路地裏の浮浪者共にやられちまったのか?」

 

「言ったろ。腕は保証するって。トガは曲がりなりにも浮浪者如きが歯向かえる相手じゃない」

 

「……あぁ、何が言いたいんだよ義爛。じゃあ誰がやった言うんだ」

 

 がりがり、と心底イラ立った顔で頭を乱暴にかく死柄木。

 それに対して義爛も数秒の沈黙を置いて、答えた。

 

「正直分からん。だが、そいつらのやりたい事は分かる……敵連合と死穢八斎會で潰し合いをさせたいんじゃないか?」

 

「……! 義爛ソレは本当ですか」

 

「今の所はそうとしか説明がつかない。だとしたら死穢八斎會の野郎を怒らせ、その矛先を俺らに向かわせ、かつ、俺らにもちょっかいを出す。実力も情報戦もどちらも強い、厄介な奴だぞ」

 

「……あぁそう。そうかい。そりゃまた退屈しなさそうで最高だ」

 

 ゆらり、立ち上がった死柄木が怒りを通り越して笑いながらさえずる。

 

「あぁ。折角雄英の卵を潰しに行く作戦を行おうと思ってたのに、いいタイミングで来てくれたよ。……クソが」

 

「死柄木弔。まずは死穢八斎會と接触しましょう。そして今回の件について説明をすべきです」

 

「言われなくても分かってんだよ……あぁクソ、厄介なクソ野郎め。絶対に殺してやる……」

 

 ――死柄木の偏執的な呟きは、しばらく止まる事はなかった。

 

 

 

 § § §

 

 

 

 おはヒロアカ! 転生少女リュニちゃんだよ!

 初めてのお買い物でテントをゲット! +トガちゃんをぼっこぼこにしたよ! 最高の一日だねクソァ!

 

 いずれ何かしらのアクシデントが起こるとは言え、まさかあんな偶然あるなんて思ってもなかったよ本当……。

 

「ま、まあ顔バレしたけど今後は顔出し控えるつもりだからきっと大丈夫だよ……ね?」

 

「……」

 

 あぁ暴徒君の視線が冷たい!

 しょうがなかったんだって、だって。だってさぁ、トガちゃんだもん!

 殺すなんて無理無理! メッチャ可愛い子なんだから!

 

「その可愛い娘に殺される可能性だってあるんだがな……」

 

 若干申し訳ない。

 ま、まあほら。もうあんまりワガママは言わないようにするからさ、ね。

 それよりも見て見て、テントだよテント。

 私一人用だけどね! コレで野宿しても平気! ワンタッチで一瞬設営簡単収納! ヒロアカ世界の技術すげー! 私だけなら広々休憩出来る!

 

「……」

 

 あ、それで暴徒君の分っていうか……みんなの分は無いのでお外でその、我慢を……正直私だけでごめんなさい。

 

「いや、我々は指導者の一部と言ってもいいからそこは気にする必要はないが……気付いているか?」

 

 気付いて、って何?

 ……あっ、まさかテントだけ買ってきたって事言ってる?

 馬鹿にしないでよね! ちゃんとシュラフも買ってきたしカセットコンロもあるから、火も使えるもんね!

 

「そういう事じゃあない。お前が寝ている時、我々がどうなるか気付いているか、という事だ」

 

「……私が、寝ている時?」

 

 そりゃえっと……寝不番(ねずばん)? 

 私が寝ている間にこき使うのはいつも申し訳なく思ってるけど、多分そういう事してくれてる……んだよね。

 

「……やはりか。気付いていないようだから言うが、指導者が寝るとだな。我々は消(・)え(・)る(・)」

 

「……はへ?」

 

「指導者の個性である我々は、指導者の意識がない限りは存在出来ない。分かるか、お前は寝ている時、または意識を失っているときは完全に無防備なんだ」

 

「……嘘!?」

 

 え、えぇ。えぇぇぇー。それマジ? マジすか?

 ど、どおりで毎朝起きたらわんわんが居ないと思ってたよ!

 というか今ヤーさんに喧嘩売ってる状態でそれって、かなり不味いのでは……。

 

「そうだ。指導者は端的に言えば起きている限りは無敵だ。だがな、寝ている限りはただのどこにでも居る幼女だ、ソレを踏まえて次にすることは……隠れ蓑(ミノ)を探す事だ。お前が寝ていても無事なような、な」

 

「な、なるほど……隠れ蓑ね。うん」

 

 た、確かにこの廃ビルじゃセキュリティもクソもないよね。

 でも隠れ蓑って言っても……なぁ。

 

 そうなるとこの潤沢な資金を使って一人暮らし用のマンションでも買うのがいいんだろうけど、身元が保証出来る物がない以上は辛いし。

 そうなると非合法な場所を探すしかないけど、折角の非合法な専門家のヤーさんには喧嘩売っちゃってるし。

 誰かに頼ろうにも、その頼った人を感染させたくない感はあるし。

 でも自分の安全には代えられないから探さないといけないし! あー悩ましい!

 

「わ、わんわーん! 私どうすればいい!? もふもふ、もふもふもふっ!」

 

 あっ唸(うな)られたごめん怒んないで!

 

「……感染についてだが、鉱石病に最も感染しやすくなるのは源石に長時間接触したり近くに居た者だ。軽度な感染者の内は、直接的な接触を何度も繰り返さない限りは問題ないんじゃないのか?」

 

「……」

 

 極論だよねそれ……まあそうかもだけどさ。

 ロドスだって感染者が一杯いるけど、その分感染してない人も居るというのは知ってる。

 でもその感染率も絶対に0じゃないと思うと食指が中々……。

 

「深く気にしていたらどこにも進めないぞ。それに指導者は我々よりもこの世界に詳しいだろう、なら何らかのアテはあるんじゃないのか」

 

「むぅ……そりゃ、気になっている人は、居るよ」

 

 その人はオフィシャルな正義(ヒーロー)でもなければ純粋な悪(ヴィラン)でもない。その中間のグレーに位置している半端な悪。

 ヒーローや警察に目はつけられてるけど未だ誰にも捕まってない逃走上手。かつ、ハッキングの出来る仲間にも恵まれている存在だ。

 

「ではそいつに当たればいいのではないか?」

 

「うー、当たってみたい。個人的には凄い当たってみたいよ。その人達好きだし。ただねー、その人達ねー……ちょっとね……!」

 

「……?」

 

 多分隠れ蓑に簡単になってくれる気がするんだけど、なんというか割と目立ちたがりな人っていうか! うーん、難しい人達なんだよね……!

 

 うー、でもまあ。駄目元やってみようかなぁ……。

 いつまでもこのビルで、ってのはちょーっと厳しいし……ここお風呂ないし。

 水道水で体拭くのも嫌だし……。辛いし……。うん、頑張る!

 

「――会話中にすまない指導者よ。報告だ。この地域の死穢八斎會の店は全部潰し終えた。これが上納金だ」

 

「あ、お、お疲れさまです。サルカズ大剣士さん……ありがとう」

 

 わ、わぁい、貴金属(ジュエリー)、お金(現ナマ)、武器(チャカ)にお薬(ハーブ)だぁ。リュニちゃんこういうの大好きぃ。

 ……うーん。ありたいけど、どんどんヤバイ物が集まってくるなぁ……。このヤバ気な薬とか本当どうしようかな……使い道がない。

 

「あとは当然だが、我々が暴れ回った結果奴らは躍起になって犯人探しを始めている。指導者は外見から疑われることはまずないだろうが……注意することだな」

 

 おぉぅ……そりゃまあそうだろうね。

 うーん割とここって暴れた店から近いし、疑われる可能性もあるなぁ。

 この仮拠点もそろそろ潮時かね、デブ蛙さんありがとう。そろそろビル返すね。どこにいるか知らないけど。

 

「とは言え今は敵連合とかいう奴らを絞って調査してるようだったがな」

 

 え、そうなの? まあでも勘違いしてくれてるならそれはそれでいっか。

 おのれ敵連合め。なんて悪い奴らなんだー。(棒読み)

 




悲報:テントさん買ってきたのに出番少ないかも。
テント「解せぬ」

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《レユニオン図鑑》
・今日もお休みです。

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  • 少し切り替えが多いのでは?
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