カプ厨隊士、大正を行く   作:イレブンバック

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感想ありがてぇ……。ウレシイ
という訳で感謝の2話目、需要があったら続きます。


おばみつはなんだかんだいって最後に思いが通じるのが良いよね(本誌から目を背けながら)

 その日、蛇柱・伊黒小芭内は朝から上機嫌だった。

 

 二日前に恋柱・甘露寺蜜璃から文通が届いた。そこには任務から帰ってきたこと、任務の最中に襲われた人を庇い、軽い打撲を負ったこと、たいした怪我ではないが、しのぶにも会いたいので蝶屋敷に寄ることなどが書かれていた。

 

 最初は怪我を負ったという蜜璃を心配し、傷付けた鬼に地獄を味合わせんとばかりに怒ったが、よくよく考えればすでに蜜璃によって斬られてる筈。深く息を吐き、冷静さを取り戻す。

 

 蜜璃が蝶屋敷にいるのならちょうど良い。そう思って小芭内も筆を取り、都合が良い日に食事に行かないかと誘う。鴉を飛ばせば、返事はその日の内に返ってきた。なんでも、明日は両親に顔を出すから、次の日に是非行きたいとのこと。急ぐ必要も無いのに若干走り書きになってでもその日の内に返すということは、どうやら喜ばれているらしい。思わず口元が緩んだ。

 

 あっという間に時間が経ち当日、小芭内は早くから自身の屋敷を出る。彼女は実家からこちらに来るだろうから蝶屋敷前を待ち合わせにした。予定より少し早く着いてしまったが、まぁ誤差の範囲だろう。

 

 目を瞑って待つこと30分。

 

「伊黒さ~ん!!待たせちゃった~!?」

 

 遠くからでも届いてくる彼女の声。それだけで暖かい気持ちになってしまう自分に苦笑する。

 

「いや、たいして待っていない、甘露……」

 

 挨拶をしようと目を開くと、衝撃の光景が飛び込んできた。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 もっと正確にいえば、笑顔で手を振ってこちらに走ってくる蜜璃と、そんな彼女と手をつないでこちらに駆けてくる、蜜璃より一回り背の高い男の姿が見えた。

 

 自分はいったい、何を見ているのだろうか?

 

 硬直する小芭内とは反対に、蜜璃は笑顔を浮かべて駆け寄った。

 

「待たせてごめんなさい、伊黒さん!!まだ時間に余裕があると思ってたの!」

「……ああ、まだ約束の時間を過ぎていない。それより甘露寺……」

 

 蜜璃の声を聞いてようやく動きだした小芭内は、彼女とつないでいた手を離し、膝に手をついて荒い息をする男を指さす。

 

「この男は、なんだ?」

 

 何故蜜璃と一緒にいるのか、何故手をつないでいたのか。聞きたいことは山ほどあったが、それよりこの男の素性を問い質そうとする。

 

「あ、彼はね……」

「ハア……ハア……、もう、大丈夫です。自分から、挨拶、させてください……」

 

 呼吸が整ってきたらしく、蜜璃の遮って男が声を出す。本来ならここで、「甘露寺を遮って話し出すとは塵屑め、貴様は礼儀も知らないのか」などとネチネチ責め立てるところを、今は特別に見逃す。

 

 男は背筋を伸ばし深々と頭を下げ、大きな声で挨拶した。

 

「はじめまして!私、影浦大和といいます!階級は戌、甘露寺さんとは先ほどお会いしたばかりです!」

「そうなの、ここに来る前に偶然会ったの!そのままお話してたら意気投合しちゃってね。お昼に伊黒さんと会うことを話したら大和君、「一度会ってみたい」って言うから連れてきちゃった!」

 

 なるほど、どうやらこの男が余計なことを口にしたせいらしい。しかもこの男、下の名前で呼ばせていると。小芭内のイライラはどんどん積もっていく。首に巻いた鏑丸も、男に対してシャーッと警戒音をたてる。

 ことは早急に終わらせるに限る。そう判断した。

 

「そうか、俺が伊黒小芭内だ。これで顔を合わせたな、なら立ち去るがいい。俺と甘露寺は昼を食べに行く」

「はい、たいへんしつれ「それなんだけど伊黒さん!」

 

 影浦の言葉を遮って、甘露寺はにこやかにしゃべり出す。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!」

「「!!?」」

 

 甘露寺の発言に、小芭内も影浦も驚きを示す。おかしな方向に話が展開してきている。

 

「いや、待て甘露寺。影浦とやらにも予定があるのかもしれない」

 

 焦りながら必死に小芭内は甘露寺に考え直すように告げる。せっかく二人の時間がとれる筈だったのだ。見も知らぬ男に邪魔されるなどたまったものではない。

 お前も否定しろというように影浦を睨みつける。

 

「そ、そうですよ。お二人の邪魔をするのも悪いですし、私このあと用事が……」

「あれ、さっきは一日予定がないって言ってたような……?」

 

 この男、さっきから余計なことしか口にしていない。

 ついには蜜璃が悲しげな顔で、

 

「あっ、もしかして行きたくないのに強引に誘っちゃってた?ごめんなさいっ!私、気が回らなくて……」

 

 なんて言い出した。

 最悪だ、こいつのせいで蜜璃を悲しませている。そう考えた小芭内はとっさに、

 

「そんなことはない筈だ。そうだろう、影浦」

 

 そう影浦に同意を求める。一番大事なのは蜜璃を悲しませないこと。影浦を睨む目に圧を強めれば、影浦も察したのか「是非連れて行って欲しいです!」と笑顔で言った。汗をかいているように見えるのは気のせいだろう。

 

 その言葉で笑顔を取り戻した蜜璃は、「今日はよろしくね!!」と言いながら歩き出した。

 

「すまない甘露寺、道は逆なんだ」

 

 彼女は赤い顔をして道を引き返してくる。

 どうしてこうなった。

 小芭内は心の中で頭を抱えた。

 

 

 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 その日、蜜璃は朝から上機嫌だった。

 

 数日前、任務で追っていた鬼が一組の男女に襲いかかった。庇いながら戦っていると、女性の方が恐怖で錯乱してしまい、思わぬ事態に隙を晒した蜜璃を鬼が弾き飛ばし左腕を強く打ってしまった。

 幸いたいした怪我でもなく、鬼も即座に斬ったので被害は出なかったが、念の為ということで蝶屋敷に行くことになった。

 

 蝶屋敷で久しぶりに会った同じ女性の柱であるしのぶとおしゃべりしていると、よく文通している小芭内に食事に誘われる。男性からの誘いにキュン、と胸を鳴らし、すぐさま了承の手紙を送った。そんな蜜璃をしのぶは笑顔で見守っていた。

 

 当日、蜜璃はいつもよりおめかしして家族が住む家を早くから出た。思った以上に自分はこの日を楽しみにしていたらしい。蜜璃の体質故の食事量に理解がある小芭内との食事はとても楽しい。いつも美味しそうに食べる蜜璃を優しく見守るような彼の目が、蜜璃は好きだった。

 

 待ち合わせの蝶屋敷まで歩いて行くと次第に小腹が空いてきた。朝御飯はしっかり食べてきた筈だが、彼女の特別な身体を保つには少しばかり足りなかったようだ。

 本来、人との食事の前にものを口にするなどあってはならないが、お腹を鳴らしながら小芭内と顔を合わせるのは乙女の尊厳が許さない。

 

(ちょっとだけ!ほんとにちょっとだけだから!)

 

 心の中でそう言い訳して、蜜璃は通りにある行きつけの茶屋に入っていく。まだ時間には余裕がある。少しお茶していく分には問題ない。そう考えた蜜璃は三色団子を十本注文する。

 

 縁台に腰をかけ、お団子を食べていると、

 

「突然失礼します。もしや恋柱様ではないですか?」

 

 そんな言葉をかけられた。

 声の方を向くと、自分より上背のある青年が柔和な笑みを浮かべて立っている。恋柱と呼んだということは、彼も鬼殺隊の関係者だろう。

 

「えーと、ごめんね?会ったことあったかしら?」

「いえ、はじめてお会いします。申し訳ございません、お見かけしたのでついお声がけしてしまい」

「あ、気にしなくていいの!でも、よく私が恋柱だってわかったね」

「一度蝶屋敷で胡蝶様とお話されている姿をお見かけしたことがありますので」

 

 なるほど、青年も蝶屋敷にお世話になっていたらしい。

 

「じゃあ改めまして!恋柱の甘露寺蜜璃といいます!」

「はじめまして。階級は戌、影浦大和といいます。ご挨拶できて光栄です」

 

 影浦と名乗った青年隊士の紳士的な態度に、思わずキュンと胸が高鳴った。

 ふと、甘露寺は首を傾ける。影浦という青年の名を、以前にも聞いたことがある。いったいどこだったかと思いだそうとすると、しのぶの顔が浮かんできた。

 

「あーっ!!あなた確か蝶屋敷の問題児でしょっ!!」

「えっ、私そんな風に呼ばれているんですか!?」

「ダメじゃない!しのぶちゃんが安静にしなさいって言ったなら守らなきゃ!「すぐフラフラ何処かに行っちゃう」ってしのぶちゃん困っていたわよ!!」

「あー、お恥ずかしい。どうも動いていないと我慢できない性分でして」

 

 そう言うと影浦は頭を掻きながら困ったように笑う。その姿は少し子供っぽく見えた。

 話してみると、しのぶが言うほど影浦は問題児という感じはしない。話も上手く礼儀正しい彼のことを、ひとつ年下であることもあってか弟のように思えてきた。

 気づけば「大和君」「甘露寺さん」と呼び合うようになっていた。

 

「そういえば甘露寺さんは、このあとご予定はあるのですか?自分は無いのでこうしてお話してても大丈夫ですが」

 

 影浦に話を振られ、蜜璃はこれから小芭内と食事に行くことを話した。途端、影浦の目の輝きが強くなる。

 

「へぇー。まさか甘露寺さんと蛇柱様がそういったご関係であったとは」

「ふぇっ!!?」

 

 突然すぎる言葉に変な声が出る。自分の顔が尋常ではないほど赤いことは見ていなくても分かる。必死に否定しようと蜜璃は言葉を探した。

 

「いや、ね!違うの!そんなんじゃないの!だって伊黒さんは優しいし親切だし!柱になって間もない私を助けてくれてるだけなのよ!」

「あーはい、分かりましたそういうことにしておきます」

「ほんとにわかってる!?」

 

 どこかニヨニヨした影浦の背中を蜜璃はバシバシ叩く。「いたっ、ちょっ、止めっ」と言っている影浦の声は耳に届いてない。

 蜜璃の顔色が落ち着いた時には、二人とも息が荒くなっていた。

 

「でも蛇柱様かぁ、会ってみたいなぁ~」

「えっ、そうなの?」

「もちろんですよ。私水の呼吸なんで、蛇の呼吸は参考になるかもしれないじゃないですか」

 

 思ったよりまじめなことを言い出す影浦に蜜璃は驚く。そんな台詞を聞いて、蜜璃の頭の中に閃きが訪れる。

 

「そうだ!今から一緒に会いに行きましょう!!」

「え、今からですか!?」

「そーよ!この機会を逃したらいつ会えるかわからないじゃない!」

 

 そう言って蜜璃は勘定を済ます。余裕があるからといってゆっくりしすぎた。走らなければ遅れてしまうかもしれない。蜜璃の突然の発言に、対応が出来てない影浦の手首を掴み走り出す。

 

「いや、ちょっ待ってください!?」

「ほら急ぐわよ!伊黒さんが待ってるわよ~!」

 

 

 実をいうと、この時点で蜜璃の頭の中には、影浦も含めた三人で食事に行く計画が出来ていた。

 それは決して、影浦の発言のせいで、小芭内と二人きりで顔を合わせるのが恥ずかしくなった訳ではない。

 ないったらないのだ。

 

 

 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 おばみつデートするんだって?きゃわいい!ってしてたら、その同伴をすることになっていた件について。

 何を言っているのかわからない?私もだよ!

 

 朝、街の中ぶらぶら歩いてたら、ピンクな頭をした女性を発見。声を掛けてみたら案の定甘露寺さんでしたよ。

 おしゃべりしてたらこれから伊黒さんとデートなんですって!尊い。

 それで甘露寺さんをからかってみたらものすごい顔を真っ赤にして否定するんです。尊い。後痛い。

 

 そのとき私、伊黒さんに会ってみたいなぁってポロッとこぼしちゃいまして。

 そしたら甘露寺さん、「じゃあ会いに行きましょう!」と言い出して私の腕掴んで走り出したんです。待って止まって私引きずられてる!

 

 そして来ました蝶屋敷。門の近くに伊黒さんが立ってます。あっ、こっち見て固まってる。どう考えても私の存在のせいですね。

 到着して早々に私を指さす伊黒さん。でも待って。これだけは言わせて欲しい。

 

 おばみつとうとぉぉぉいぃ!!

 二人並んだときの女の子の方が若干背が高い感じ!良いよね!伊黒さんの私に向けるのゴミを見る視線と甘露寺さんへの優しいまなざし、ほんと最高ですありがとうございます!また息が荒くなっちゃう!!

 

 なんとか挨拶して、伊黒さんにはよ帰れって言われる私。うんわかってる、ここから先は私邪魔ですよね。大丈夫、今すぐこんなゴミは消え去るから。私は脳内で二人のデートの妄想をしてますね!

 

「せっかくだから、大和くんも一緒に行かない?三人でお昼を食べに行こうと思うの!!」

 

 ……ぱーどぅん??

 ちょっと待ってくださいよ甘露寺さん?いつの間にそんなことになってるんです?ほら、伊黒さんが私に向ける視線の圧がどんどん強くなってる!「どうして貴様と一緒に飯を食わなければいけないのだ」って訴えてきてる!伊黒さんも待って、ちゃんと私断るから!

 

「あっ、もしかして行きたくないのに強引に誘っちゃってた?ごめんなさいっ!私、気が回らなくて……」

 

 ……涙目はやめてぇぇ!!

 伊黒さんの目がとんでもないって!「よくも甘露寺を泣かせたな」って言ってる!あぁ、刀に手を置かないでほんとに待って!つーかさっきから待ってしか言ってねぇな私!鱗滝さんに「判断が遅い!」って殴られちゃう!会ったことないけど!

 

「そんなことはない筈だ。そうだろう、影浦」

 

 もちろんです!!

 

 

 ……はい、こうして私はデートに同伴することになりました。

 誰か二人の邪魔をする私を殺せぇぇ!!

 




先日、リアルの友達にこの小説もどきを読まれ、「やっとぎゆしのの魅力がわかったか!」と言われました。
……この主人公のモデル、お前なんだよなぁ!
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