ガールズ&パンツァー 超重戦車烈伝   作:信濃氷海

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遅くなり申した。いや違うんだ………wotbの新モードが妙に面白くて………………


そ、それでは本番ですわよ!!


4. ウサギは出会い、戦車が現る

「全く分かりませんわ!!」

 

 一時間後、早々に音を上げた凪沙が叫んだ。その周りでは、梓やななせら一年生ズが無数の本の山に埋れていた。

 

 そう、ここは学校の図書館。無鉄砲に走り回ろうとした凪沙を何とか引き留め、まずは何か手掛かりを探そうと、こうして無数の図書と格闘していたのだった。

 

「全然ないよー」

 

「戦車のせの字もないし」

 

 あや、桂利奈の二人も根負けしたように呻く。ここまでありったけの本を読み漁ったが、今の所手掛かりらしきものはゼロ。

 

「そもそもなんで戦車道廃止しちゃったのかなー?」

 

「やっぱ人気ないからじゃない?古臭いし」

 

「確かにー」

 

 ズバリとひどいことを言うあゆみ。もっとも、戦車道が古臭いというのはここにいるほぼ全ての人間の総意ではあったが………

 

 無論、そう思わない人も、居るには居た。のだが

 

「何をおっしゃいますか!戦車道が古臭いと………………いえ、確かに現状では何の魅力もないですわね」

 

 この惨状を思い返してあっさり掌を返す。戦車すら無く、ただ探し回っているこれが戦車道!第一本当にあるのかどうかさえ…………………

 

「でもとにかく探すしかないね。何か一冊ぐらいは手掛かりになるものがあるだろうし」

 

 古い辞書をペラペラ流し読みしつつ、ななせがどこか自分に言い聞かせるように言う。だが、返事は返すもののもはや一年生ズのやる気はドン底だった。

 

 

 

 

 ——————と

 

 

「……………ん?なんですのこれ」

 

 凪沙が何かに気づく。それは、床に落ちた一枚の………………古紙?

 

「随分ヨレヨレですわね、これ。………どなたか落としまして?」

 

 だが、皆あやふやに首を傾げるのみ。まぁどれかの本に挟まっていたんだろうと思い、凪沙は二つ折りのそれを開いた。

 

 が…………………

 

「……………………????なんですの、これ?」

 

「見せて見せてー!……………んー?」

 

「なにこれー、英語?」

 

 そこには、無数のアルファベットの羅列が。早々に解読を諦めた桂利奈や優希は、しかし自分の事は棚に上げて凪沙を煽る。

 

「凪沙読めないのー?お嬢さまっぽいのにー」

 

「留学とかしてそうなのにねー」

 

 あまりの偏見に、凪沙はキレた。

 

「馬鹿にしないでくださいまし!わたくしとて外国語の一つや二つぐらいペラッペラで……………す……………………わ………………………?いやマジで何語ですのこれ、全く読まませんわ」

 

 もっとも、キレたところで無理なものは無理だ。それに、そもそもこれは……………

 

「………微妙に普通のアルファベットと違うね。一部の文字の上に…………点?」

 

 顔をしかめて考え込んでいたななせが指摘する通り、この文字は明らかにアルファベットではなく、少なくとも確実に英語ではなかった。

 

 他の言語………しかし、なら何語だ?仕方が無いので各々辞書を持ち出してきたり、携帯電話で調べようとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………………………Esperanto」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これまで、少なくとも凪沙の知る限り一言たりとも言葉を発して来なかった紗希が、

 

 ポツリと、()()を呟いた。

 

「!?さっ、紗希が喋ったーーーー!!!!」

 

「「「「ええええええ?!」」」」」

 

 びっくり仰天した梓が叫び、他の面々もそれに追随する。だが紗希はそれらに構う事なく、再び沈黙しゆっくりと何かを書き出した。

 

 何事かとそれを見ていたななせは、一拍おいてハッと何かに気付いた。

 

「————!そうか!!エスペラント語か!」

 

「「「「「「えすぺらんと?」」」」」

 

 一斉に、首を傾げる他の面々。エスペラント、とはなんぞや?

 

「エスペラント語っていうのは………今から百年ほど前に()()()()言語。英語に似ているけれど、違うところも大分ある。……………でもまさか、丸山さんがそれに精通してたなんて………………」

 

 感心しきったように呟くななせ。その視線の先では、いつもの無表情のまま翻訳作業を進める紗希の姿が。

 

 それにつられ、他の面々も紗希の意外すぎる特技(?)に感嘆した。

 

「紗希ちゃんすっごーい!」

 

「エスペラント………紗希にそんな才能が…………」

 

「紗希まるでバイリンガルじゃん〜」

 

 ……………そして、わずか数分後。ペンを置いた紗希が、翻訳文の書かれたノートをななせに渡す。そこには…………

 

「えーっと——————『いずれ必ず現れる後輩たちよ、我々は決して諦めないという決意を示す為この手紙を遺す。諸君、戦車は残存している。場所はウサギ小屋内部。闘え、闘え、闘え!大洗戦車道は未だ終わらず、未だ死なず。後輩たちよ立ち向かえ。()()は強大であるが、しかし必ずや勝機はある。大洗に栄光あれ————————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 色々“何か”ありそうな文章ではあったが、しかし今は戦車の捜索である。手紙の指し示す通り、ウサギ小屋へと向かうと…………………

 

「!ありましたわ!!」

 

 早速気づいた凪沙が歓声を上げ、小屋へと飛び込む。が

 

「わわわ!可愛いですわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 そこでのんびりしていた数匹のウサギに、瞬く間に気を取られる。へたりこんでもふり始めた凪沙を、ななせはジト目で見るも、しかしその眼前に鎮座する()()()()()に近づきそっと触れた。

 

「これが………………」

 

「戦車、ですね」

 

 彼女に近づき、頷くように言う梓。しかしななせはそれを聞くと、何故かしかめっ面になる。

 

「…………別に敬語じゃなくていいよ。そもそも私も一年生だし」

 

「ええ?!そうだったんで………そうだったの?!すごい背が高いし、カッコいいからてっきり上級生かと…………」

 

 衝撃の事実に、梓は思わず叫んでしまった。そして、それを聞きつけ足元にてウサギと戯れていた他の面々もそれぞれ驚きの声を挙げる。

 

「ななせさん一年生だったの?!」

 

「うそ〜、全然見えない〜!」

 

「宝塚に出てそうなのに〜!」

 

 ちょっと待って、とななせは動揺する。

 

「…………そ、そんなに老けて見える?」

 

 同級生達から、普通に年上だと思われていた、というのは少々どころか大分ショックだった。そして、一気にどんよりしてしまったななせを見て、慌ててフォローする梓達。

 

「ち、ちがうよ!老けてるって事じゃなくて、すごくかっこいいし、スタイルも良かったから上級生なのかなぁって!」

 

「そうだよー!まるでモデルさんみたいだしー」

 

「読者モデル〜?」

 

「ななせちゃんすっごーい!」

 

 ワイワイきゃっきゃ。乙女達の桃色空間が、そこにはあった—————

 

 

 

「皆様脱線しすぎですわよ!今は戦車のことですわ!!」

 

 キリリとした声がその空気を粉砕する。振り返ると、そこには

 

「……………………いや、凪沙が一番脱線してたでしょ」

 

 ………ウサギを抱え、何故か目だけ鋭い凪沙の姿が。うーんこの…………

 

「何のことかさっぱりわかりませんわ!!………………そんな事よりこの戦車は…………………………M3中戦車、ですわね!」

 

 真○は一つ!と言わんばかりにビシィッッッ!と指を指す凪沙。それを聞き、驚愕したようにななせがポツリとこぼした。

 

 

 

「…………………凪沙、意外と戦車詳しいんだね」

 

「意外と、は余計ですわ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「八九式中戦車甲型、38(t)軽戦車、M3中戦車リー、Ⅲ号突撃砲F型、それからIV号中戦車D型…………どう振り分けますか?」

 

 数時間後。なんとか倉庫前に運び込んだ計5輌の戦車。それらを前に、河嶋がメンバーの振り分けについて角谷に尋ねた。

 

「うーん、見つけたもんが見つけた戦車に乗ればいいんじゃない?」

 

「そ、そんな事でいいんですか?!」

 

 小山の驚きも特に意に介さず、河嶋は言われた通りの振り分けを始める。

 

「分かりました。我々は38(t)として………西住、お前たちはIV号だ」

 

「え……は、はい!」

 

「では……IV号=Aチーム、八九式=Bチーム、Ⅲ突=Cチーム、M3=Dチーム、38(t)=Eチームだ。……………天草、お前の戦車は今どうなっている?」

 

 唯一の自分用戦車持ちたる天草に尋ねる。すると、凪沙は満面の笑みでVサインを作った。

 

「問題ありませんわ!明日中にはなんとか持って来れますの!!」

 

 そうか、と返し河嶋は受講者全員の方を向く。そしてそのまま明日の諸連絡を始めた。

 

「明日はいよいよ教官がお見えになる。粗相の無いよう、全車綺麗にしておけ」

 

「どんな人が来るんだろう〜!」

 

 既に角谷から「カッコいい人、来るよー」と吹き込まれていた沙織がワクワクしながらニヤつく。………それを聞いていたみほは、戦車道関連でそんなカッコいい()()()居たかな……?と首を傾げるが、しかし新しく人が入ったか何かなのだろうと軽く考え何も言わない(スルーする)

 

 その後、それぞれの戦車の掃除を開始する。鉄錆やら油汚れやらを水で洗い流し、ブラシで磨き少しずつ綺麗にしていく………

 

「冷たいですわーーーー!!!!」

 

「すごい汚れてるなー…………」

 

 今の所戦車のない凪沙とななせは、友人達の戦車であり、一緒に探した縁もあるM3の掃除に加わる。

 

 結局、全て完了したのは日も傾いた夕方のことであった。

 

「よし、良いだろう。後の整備は、自動車部に今晩中にやらせる。それでは、本日は解散!」

 

 河嶋の号令と共に、くたくたになった受講生たちが終わった終わったと騒ぎ始める。

 

 …………そんな中

 

「…………会長、少し良いですか?」

 

 一人ななせのみ、角谷に何かを話しかけていた。

 

「?どったの島原ちゃん?」

 

「実はその整備のことで———————」

 

 

 

 

 …………しばらく話していた二人は、やがて角谷が満面の笑顔となって終わる。と、同時に

 

「ななせさーーーん!!帰りますわよーーーーー!!」

 

 凪沙に大声で呼ばれ、苦笑いしながら追いかけていく。その背中を眺めながら、角谷は()()()()()を得たことで内心飛び上がらんほどにほどに喜び小さく呟いた。

 

「…………流石に自動車部にも限度はあるからねー。西住ちゃんといい天草ちゃんといい……それに島原ちゃんも、すっごい良い子たちだよ、本当に」

 

 

 

 

 

 

 そして、翌日

 

 

 

 

 

「騙された………………」

 

「でも、素敵そうな方ですよね」

 

 

 

 

 

 少女たちの“初めての戦車道”が

 

 

 

 

 

「練習試合よ!」

 

「ええ?!いきなりですか!?」

 

 

 

 

 

 幕を開ける—————————

 

 

 

 

 

「ギアってどれーー?」

 

「ブロックされた!?」  

 

「会長、快調に進んでいます」

 

「……………どちらぜよ?」

 

「わぁぁぁ!ぶつかるぶつかる!!」

 

 

 

 

 

 ……………のだが、

 

 

 

 

「ところで会長、天草たちは…………」

 

「あー、まぁ、なんとか午前中には着くって言ってたし、途中参加で良いんじゃない?」

 

 

 

 

 

 お嬢様チーム、不覚………………………ッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………結局、試合はある意味で一方的なものだった。

 

『DチームM3、Eチーム38(t)、CチームⅢ号突撃砲、Bチーム八九式、いずれも行動不能』

 

「…………私たち勝っちゃったの?」

 

「…………みたいです?」

 

「——————すごい!西住殿のお陰です!!」

 

「………勝ったというか、他のチームが脱落したと言うのが正解だな」

 

 最後に冷泉麻子がポツリとつぶやいた様に、Aチームはそこまでの事はしていない。いや、むしろ退路を塞がれ追い詰められていた方なのだが……………

 

 …………まぁ、皆初心者なのだし、完璧な包囲撃滅などできなくて当然………なのだが………………

 

(………………でもそれは、私たち(Aチーム)も同じ。それなのに———————)

 

 全弾命中し、包囲網を逆に殲滅してしまった。

 

 

 

 

 

 ……………凄まじい、才能!

 

 

 

 

 みほはぼんやりと、しかし明確な確信をもってそう感じていた。

 

 

 

 

 

 そして何より……………………

 

 

 

 

 

「…………………すごく、良かった」

 

 

 

 

 

 戦車道でこんなに楽しい気持ちになったのは、随分久しぶりな事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………………みほたちが少しずつ勝利に沸き始めている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間の事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『よって、AチームⅣ号の勝———————————

 

 

 

 

 

ズドォォォォン!!!!

 

 

 

 

 

 ()()()()()()が、周囲にこだました。

 

 

 

 

 

 

「………やれやれ、主役は遅れて登場ってわけかー」

 

「お手並み拝見といこうか!」

 

「戦うのは私たちじゃないけどね…………」

 

 38(t)の車内で、生徒会三人衆が苦笑いする。全く、とんでもないタイミングだ。やはりあのお嬢様は、色々ナニかを持っているのだろう————————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーっほっほっほ!!お待たせいたしましたわ!!わたくし、見☆参☆ですわぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」

 

 

 

 轟音と土煙と共に、やって来たソレは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ、()()は!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 優花里が信じられないと言わんばかりに叫ぶ。ソレもそのはず、だってその戦車は……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「——————————てぃ、()()()()()()()?!」

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()レギュレーション違反の、とんでもない代物だったのだから…………………

 

 

 

 

 

 

 —————皆の混乱をよそに、当のT-54の車内では……………

 

「あーっはっはっは!!!愉快爽快ですわ!!!!」

 

「完全にレギュレーション違反だし、結局メンバー集められなかったけどね……」

 

 車長席の凪沙は実に嬉しそうだが、操縦手席のななせは額に脂汗をかきながら必死に運転し、そしてこの状況に苦言を呈する。が、凪沙はどこ吹く風だ。

 

「まぁ仕方ありませんわ。そもそもこの子(T-54)()()()()()()()ですもの。チッ…………あの糞爺(伊能)め、何が半年で仕上がるですか!全然出来ないではありませんか!!」

 何やら御下品な事を仰られたようだが、幸いにして、マイクをオフにしていた為、エンジン音にかき消されて誰の耳にも入らない。

 

 …………いやしかし、それでも仕方ないものは仕方ない。第一これは練習試合だ。別にレギュレーション云々で硬い事を言われたって聞き流せば良いさ———

 

「よしっ!切り替えますわよななせさん!仕様がないのでわたくしは装填と砲撃を行いますわ!なのでななせさんは好き勝手に動いちゃってくださいまし」

 

「車長不在って…………まぁいいや。それじゃあ運転は私の好きにさせて貰おうか、なっ!!」

 

 

 

 言うが否や、ななせは素早くカーブし車体を斜めにして停止。そしてゆっくりと砲塔が動いて———————

 

 

 

 砲口がピタリとⅣ号を見据える。

 

 

 

 

 

「——————さぁ、覚悟なさいAチーム!!このわたくし率いる()()()()が、けちょんけちょんにぶっ潰して差し上げますわ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ————————練習試合、未だ終わらず…………………ッ!!

 

 

 

 

 

 




紗希さん…………まさか貴女にそんな(エスペラント)特技が…………(驚愕)

E100だと思った?残念T-54でしたーーーー!完全にレギュレーション違反だよっべーよマジでマジで。

あ、ここからはどうでもいい話なんですけど、wotbの新モード、マウスツリーの戦車が凶悪すぎるよマジで。100トンオーバーの超重戦車が時速60キロオーバーでラムアタックするのほんとヤバい。

あ、感想書いてくださる方マジで本当にありがとうございます土下座土下寝土下埋。………で、ですがもはや全てに返信するのはキャパオーバーになりました。その代わり毎日投稿は死守するので許して下さい土下埋。あと感想の所に質問とかあったら返信はできないですが、なるべく回答はこの後書きとかを使って書こうと思うので……………ご理解とご協力お願い致します。

次回はⅣ号対T-54の決着ですね!軍神対戦後第一世代主力戦車………どっちが勝つんだ????

んで、その投稿は明日中には、必ず…………………!


《質問回答欄》
・なんで凪沙は戦車道無い大洗なんかに入学したん?
→ズバリほとんど何も知らなかったからです!!まぁ彼女は戦車道は一人一台戦車買ってやるものだと思ってたぐらいですし…………

・E100なんか導入して自動車部死なない?大丈夫??
→死にますね。そりゃそーだ、そもそもナチスドイツだって無理だったんだから。その為今作では色々そこらへんも弄ります。今話でも…………?

・聖グロ無理ゲーやろこれ
→一体いつから………強化されるのが大洗だけだと錯覚していた?無論他校も改変しますめっちゃ変えます。だってタイトルにもあるでしょう“超重戦車烈伝”と!!!!

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