新年早々この話はどうなのか? と思いましたが、私如きがあまり気にし過ぎてもしょうがないなと開き直って更新します。
※新年早々残酷な描写及び過激な描写を含みますので何卒ご了承ください。
──私は、一度死んだ。
特に何か語ることもない平々凡々な……いや、“屈辱”に満ちた生涯であった。
私は生まれてより“醜かった”。
両親は別段そんなことはないにも関わらず、その遺伝子を受け継いだ私はとかく醜かった。
初めは母の浮気が疑われ夫婦喧嘩にも発展したという。しかし、検査の結果、正真正銘自らの子であると証明されてからは父も“諦めた”らしい。
両親は私に“何の期待もしなかった”。ただ“義務”を果たさんと最低限の世話を焼くのみで興味すら示さなかった。
私は同年代の者たちより劣っていた。
自身の醜さ故に上手くコミュニケーションが成り立たず、相手は不快そうな表情を浮かべて離れるばかり。
これでは、幼少期に育むべき能力が劣るのも道理であった。
その結果、初等部に入って真っ先に孤立した。
幼年期に友達と遊ぶという経験が欠如した私は自然と外で体を動かすこともなく育ち、運動神経に致命的な遅れを見せていた。
子ども時代は“運動神経が良い奴がヒーロー”だ、逆に運動が出来ない奴は侮蔑される傾向にある。
その根拠はよく分からないが、事実としてそのようにあるのだから理由などどうでもいい。
孤立とは、すなわち“迫害”への序曲である。
初等部、中等部に上がってからも私は当然のようにいじめられた。
それ自体は、最早“どうでもいい”。今更どうこうできる話でもないししたいとも思わないし“思い出したくもない”。
──だが、そんな日々の中で一つだけ。私に光を見せてくれた存在がいた。
『ちょっと、彼が何をしたって言うのよ!』
そう言って私の前に立ち、堂々といじめっ子たちを叱責する彼女。彼女だけは私の味方をしてくれた。
ただ家が近所というだけで幼年期よりなにかと世話を焼いてくれ、その上、私をいじめから守ってくれた。
私にとって彼女は天使、というよりも“女神”のような存在であった。
『……あんなのは気にしなくていいのよ。貴方にはあなたの“長所”があるんだから』
そして、彼女のこの言葉で私は思い出した。
そうだ、私にはこの“知能”があったと。
幼い頃より孤立していた私だ、時間だけはたっぷりとあり暇つぶしにと始めた勉強も中等部の頃になれば目に見えた成果を上げるくらいにはなっていた。具体的には“学年トップ”になれるくらいには。
それからの私は一心不乱に勉学に打ち込んだ。
その後もいじめは続いたが光明を見出した私はそれを意に介さず、ひたすらに知識を深めた。
『すごいじゃない!』
そう言って、時折褒めてくれる彼女に随分と救われていた。
褒められるたびに気分が高揚し勉学への意欲が増した。その頃にやってようやく気付く。
ああ、私は彼女に恋をしているのだと。
──必死の勉強の甲斐あってか、私は県内でもトップクラスの高校へと進学できるまでになっていた。
機嫌がよさそうにあれこれと進めてくる教師に辟易としながら私は、それら全てを
高校へと上がればこれまでの人間関係は一旦リセットされる。それ即ち“やり直し”のチャンスだ。
今からでも必死にやれば、この“体型”くらいはどうにかできるかもしれないし人間関係だって無難なものを築けるはずだ。
私にとって進学は“新たな世界”への旅立ちにも似た吉兆だった。
──そんなもの、ただの“まやかし”に過ぎないというのに。
進学した私は、これまでと同じように“いじめられた”。
当たり前だ、コミュ障で小太りおまけに顔も醜いとくればそうなるは当然の帰結。
さらに悪いことに、“彼女”は別クラスだった。
助けてくれる存在もいない、友すらいない、ただそれでも“彼女”への憧れと。偶に会う度に心配してくれる彼女の優しさ。
私は強がりから「上手くやっている」と嘘をついていた。
大丈夫だ、たとえ離れても彼女は変わらず見てくれるし気にしてくれる。私は私に出来ることを頑張って、そうしていればいつしか彼女も──
──半年後、“彼女”に彼氏が出来た。
相手は彼女が所属するテニス部の先輩、きっかけは共に練習に付き合ってくれたことだという。
初めは信じなかった、単なる噂話だったからだ。
しかし、手を繋いで仲良く下校する姿を見て──
──私は引きこもった。
何をする気にもなれず、何を考えることもなく。日がな一日ベッドの上で天井を眺めるだけの日々。
私に興味を持たない両親は何も言わず、最低限の食事を用意するのみで声すらかけなかった。だが、そんなのはどうでもいい。
それどころか、自分すらどうでもよくなっていた。
そんな私に──
『ああ、なんたる悲劇か。なんたる裏切りか。君の運命を定めたる“神”のなんと残酷なことか』
──
不気味な仮面を被り、漆黒の翼を羽ばたかせながら“彼”は語りかけてきた。
初めは混乱した、しかし明らかに“人ではない”姿を見て恐怖した。
だが、そんな私に“彼”は語りかける。
『これは“君のせいじゃない”、なにせ君は“被害者”なのだからね。だから──“復讐”のための“力”を教えてあげよう』
当然、“抵抗”した。部屋にある様々なものを投げつけて、必死に自らの“命”を守ろうとした。
だが、それらは彼にとって“攻撃”にもならず、投げつけられたモノを
そうして耳元に近付いた彼は再度、語りかけてきた。
『ああ、とても“残酷”な話だが。“コレ”を見てもらうより他にないみたいだ』
そう言って直後──
──私の脳内に“知らない映像”が流れ込んできた。
それは“彼女”の記憶だった。
それは彼女にとっての“青春”の記憶だった。
私が引きこもってからこれまでの、“彼女たち”の記憶だった。
私が知らない表情、声、姿を“ヤツ”に見せて喜ぶ姿だった。
私が知らない“秘密”を明らかにし“悦”を感じる彼女だった。
私が知らない、私が知らない君が──
それらが止めどなく、私の心を粉々にするまで続く。
そうして放心する私へと彼は声をかけた。
『私が君に“復讐”の機会を与えよう、力を与えよう。
さあ、どうする?』
“彼”の言葉は甘く蕩けるように“心地良かった”。
そして彼の言うがままに私は“魔術を習得した”。
非日常にして超常なる力。私はそれに“歓喜”した。
そして更なる力を乞う私に彼はこう答えた。
『これより先を望むならば、“復讐”を果たしてきなさい。そうすれば君は“もっと強く”、“もっと自由”になれるよ』
私は二つ返事で了承した。
向かう先は決まっている。
『■■くん!? 待って、今開けるわ!』
インターホンに出た彼女はひどく驚いた様子で私をすんなりと家に上げた。まあ、数ヶ月も音沙汰なしだったのだから致し方ない。
『突然、学校に来なくなっちゃったから心配していたのよ……』
部屋に招きながら彼女はそんなことを言っていた。でもそれすら今は
『今、お茶を──』
部屋を出ようとする彼女を背後から襲って、ベッドへと押し倒した。
『■■くん!? な、何を!!』
──知れたこと。
私はここに
──蹂躙だった。ただひたすらの“暴力”だった。
泣き叫ぶ彼女を、
彼女は
──ああ、君すらそんな目を向けるのか。
怒りと
もはや“優しい未来”は訪れない、救いはなく光もない。私は自らそれらを閉ざしたのだから。望むこともない。
ない、はずだったのに──
『助けて……
──その一言を聞いて、私の中でナニカが砕けた。
そして──
──気づけば彼女を
「あぁ……ああっ!」
ぐちゃぐちゃに汚された、否、
そこには死体だけかあった。
「ああぁぁぁぁぁ!!!!」
私は走った、その時何を考えていたかも覚えていない。
ただ確かなのは──
──階段で足を滑らせて滑落死したことだけだ。
『ハハハハハハハハハハハ!!!!
こいつは傑作だぁ!! ハハハハッ!!
素晴らしい、素晴らしいよ■■くん!
こうまで見事な“堕落”は久しぶりだ!!
──お礼に、いや、約束通りに。
安心したまえ、君を預けるのは“私の同志”の中でも特に“相性が良い”相手だからね。君も、気にいるはずさ』
マハラギオンでオーク共を薙ぎ払った後、そのまま駆け出そうとして膝をついた。
「ハァ……ハァ……ッ!」
立ち上がることも難しいほどの疲労感に、ようやく冷静な思考が戻ってきた。
……頭に血が上って、つい魔法を放ってしまったが。考えなくても分かるほどの愚行であったと今更後悔する。
とりあえず、コートの内ポケットから『チャクラドロップ』を取り出して口内へと放り込み噛み砕いた。
瞬間、体内に僅かながら“MAG”が戻りなんとか立ち上がる。
ちなみに『チャクラドロップ』とは、名の通り飴の形をした回復アイテムだ。“奇妙な紋様”が描かれた飴玉という外見ながら、その効果は“MAGの蓄積”というレアなモノ。更にはこれを食することで“失われたMAGを補充できる”のだ。
悪魔と違って人間は“体外からのMAG補給が出来ない”。いや、何らかの“術”や“装置”を使えば可能だが総じて手間と金が掛かるし基本的に人間はMAGを自己生成するしかない。
術や装置なしにMAGを吸収できる奴は最早“人間をやめている”。
無論、術や装置で日常的にMAG補給を行なっている連中は確かに存在するし、前者ならば“葛葉ライドウ”が良い例だ。
……え? このドロップ使えばMAG補給しながら脱出も魔法連発も出来るんじゃないかって?
うむ、世の中そんなに甘くはない。
ドロップで補充できるのは精々がマハラギオン一発分だし、そもそもが高級品過ぎて数も揃えられていない。
手持ちは今食べたのを引いて残り二つしかない。
「だから俺はそもそも物理型なんだってのに……」
他ならぬ自分に言い聞かせるようにして気を持ち直して銃を構えた。
狙いはもちろん、目の前で何やらプルプル震えている“肉塊”だ。
真琴からもらった写真と一致する外見から“豚皮豚ノ介”に間違いない。
と。
「くそっ! あいつらも追いついてきた!!」
苦々しげに幻女が発したその言葉に、未だ俺たちがオークの群れに追われていた事実を思い出した。
同時にこの部屋に飛び込むのは早計であったと後悔する。
チヨメちゃんが囚われている場所なのだからボス部屋である可能性、そうであるならば挟み撃ちを避けるべく追手は殲滅、少なくとも撒いておくべきだった。
とにかく、俺もそちらに対処しようと振り向いたところで幻女が待ったをかける。
「こっちはオレが受け持つ! お前はその“豚”を叩け!!」
返事も待たずオークの群れに立ち向かう彼女。接近してすぐに異能と幻術を用いて迎撃を開始していた。
あの物量では流石に……と思ったが、どうやら入り口が狭いことを利用して侵入してくる少数のオークに“強制発情”からの幻術コンボで動きを止めて苦無で仕留める。という地雷戦法で安定して対処している様子。
あの歳で中々に頭の回る……いや、若いからこそ頭が柔らかいということか、と感心した。
ならば、と俺も改めて目の前の“ダークサマナー”へと意識を戻した。
「不粋な雄猿風情が……俺の工房を荒らしてただで死ねると思うなよ!!」
肉に埋もれた額へ青筋を浮かべて吠える。その度に口端から唾液が飛び散りなんとも見るに耐えない。
「唾、飛んでんぞ」
口元を指差しながら告げる。
すると、奴は更に眉間のシワを深くして激昂した。
「黙れッ!!」
叫んで、怒りをそのままに乱暴な仕草で手に持つ杖を振るった。
応じて魔法陣が現れるのは奴の真ん前。それも“召喚プログラム”で見たことのある大規模なモノであった。
幾重にも重なる複雑な魔法陣、そしてそこから濃密に漏れ出るMAG。しかも放たれるMAGは時を追って増えている。
それら総合的な“体感”からしてこの魔法陣から現れるのが“何なのか”が嫌でも分かってしまった。
「これ、は……」
そして、既視感のある光景で悪魔が呼び出される。
「ブフゥ……!」
その身体まさに“豚”。
食用豚がそのまま“二足歩行”している様な姿。
背部には黒い剛毛が生え揃い、それを覆う様にして“マント”が風に棚引く。
頭頂部に生えた立派なアイ◯ラッガーの存在が“これ”をただの豚ではないと証明し、手に持つ立派な鉄杖を高らかに掲げている。
小柄ながら圧倒的威圧感を放つソレに対して豚ノ介は臆することなく命令を下した。
「そこなる雄猿は我らが“大願”を阻む不届きモノ、速やかに滅すべき障害に他ならない!!
故に、行け!
英雄神
カマプアア。
その名は、南国ハワイの神話に語られる豚の“神”だ。
ハワイにおいて豚は野生化し猛獣として恐れられる存在だった。それに関連してか同地域では豚を日本の妖狐や化け狸のような“人を化かす妖怪”として認知したとも言う。
そんな豚を司るかの神は“力”に秀でた立派な武神である、現に火山を司る苛烈な火神・女神ペレと壮絶な戦いを幾度も繰り返し初戦においては圧勝している。
更にこの神は“海”をも司り、
ペレとの戦いではペレの火山流と、津波によって争ったとも聞く。
要するに、“ちゃんと名の知れた立派な神”ということ。
更には“武”に優れた武神。
「っ……!」
胸に手を当て
あの廃寺での戦い以来、俺の霊力は
以前の、鎌倉後の痛みに比べれば大したことはないが“霊力が戻ったことは事実だ”。
つまり、今ヒノカグツチを使えばどうなるか分からない。
そもそも、鎌倉で使えたこと自体が“異常”なのだ。あの頃は霊力を取り戻す兆しすらなく確かに俺は弱いままだった。
アレは一体……
「いずれにしろ現状は変わらない……!」
逸れ始めた思考をリセットして現実を見つめる。
鉄杖を掌で弄びながらこちらを見据えるカマプアアの目は完全に“殺る気”だ。その身から溢れる“霊力”は俺を遥かに上回る。
信仰の無い日本でこれだけの力、ヤツは確かに立派な神様であった。
焦る俺を見て溜飲が下りたのか、先程より、幾分か落ち着いた様子の豚ノ介は杖をペシペシと掌に当てながら口を開いた。
「ぶっひっひっひっ! ようやく俺の力に恐れを抱いた様だな猿?
純然たる神なりしカマプアアを従える私の力に!!
いい表情だぞ! さあ、此奴のすかした顔面を整形してやるのだカマプアア!! 結果次第では我が同志、オーク軍団の新団員にしてやるのも吝かではない!!」
「煩イ“クズ”ダ、シカシ、コイツガ“主”デアルノモマタ事実。大人シク命ニ従ウトシヨウ」
テンションを上げる豚ノ介の姿に嘆息しながらも、カマプアアは鉄杖をしっかりと構えて──
──神速で面前へと現れた。
「速いっ!」
慌てて居合抜きをして間一髪で杖の一撃を防ぐ。
「ホゥ……」
ギリギリと鍔迫り合いの形で押される、こちらは全力を出しているというのに一方的に押し戻されている。
そして、俺の力が一瞬途切れた隙に一気に弾き飛ばされた。
高速で宙を飛び、石壁へと激突する。それだけで壁は崩壊し衝撃で投げ出された俺の身体は床に落下した。
「がはっ!」
血反吐を撒き散らしながら、なんとか四肢に力を込めて立ち上がる。
その目の前にはすでに杖を振り被ったカマプアアの姿が。
「ぐっ!?」
横薙ぎに頭部を打たれて軽く意識が飛ぶ、そこから回復する間もなく腹部を蹴り上げられ宙に浮いた胴体に鉄杖の先端が突き出された。
「があぁっ!?」
そしてまたも飛ばされる。
今度はなんとか空中で体勢を立て直して床を滑りながらも素早く立ち上がった。
「遅イ」
──が、眼前には奴の姿がすでにあり再び打ち飛ばされる。
その繰り返し。
「ドウシタ? マルデ手応エガ感ジラレンゾ?
マダ、マダ隠シテイルハズダロウ?」
「ぐっ、がっ、ぎぃ!?」
怒涛の攻め、意識を奴に向ける暇も無いほどの連撃が続く。
まるで閃光のような速さで杖が振るわれその度に意識が飛ぶほどの痛撃が叩き込まれる。
しかしそれでも、これはまだ
俊敏性、鍔迫り合い時の膂力。なにより保有するMAG・霊力を鑑みて、奴ならば“容易く俺を殺せるだけの力が予想出来た”。
もはや計算も意味を成さないほどの圧倒的な力の差。
はなから勝ち目なんか見えちゃいない。
俺はなす術もなくひたすらに“蹂躙”された。
「ぶほっ、ぶほほほほ!! なんだアイツは!? まるで“弱過ぎる”ではないか!! ぶほほほほほほほ!!!!」
──杖で膝を叩きながら呵々大笑する豚ノ介。
その様を見てチヨメは殺気の篭った視線を向けた。
「んんー? なんだその目は?
“拙者の主さまを愚弄するなー!”とでも言う気かね?
だが見たまえよアレを! そんな言葉すら掛ける“価値”も無いほどにアレは弱過ぎるだろう! ぶふっ!」
言い切る前に耐え切れず吹き出す。
「っ、貴様っ!!」
自らの主、お館様を愚弄されたことに煮え滾るほどの怒りが込み上げる。
確かにあの人は“弱い”、だがそれを補って余るほどに“忍びたる自分を気に掛けてくれる”。
捨て置くべき自分に対して、辱められんとした自らに対して。彼は本気で怒ってくれた。
忍びとして“失格”だと理解しつつも、それが何より嬉しかったのだ。
だからこそ、愚弄することは許さない。
たとえ、
「……貴様は一つ間違いを犯した」
一転して落ち着いた声音で呟いたチヨメ。それを妙に思った豚ノ介が興味を示して近付いた。
「んー? 誰が間違っているって?」
蹂躙されるヒデオの姿が愉しくて仕方ない、と言った様子で笑みを浮かべながらも耳だけはチヨメに傾ける。
その鼓膜へと、彼女は“悦”を含んだ声を届けた。
「──ふふっ、油断したな。
“
──彼女がその言葉を発した瞬間、その身体から“ナニカ”が飛び出して一瞬にして豚ノ介の身体に絡み付いた。
「ブヒヒヒっ!!!? な、なんだぁ!?」
突然のことに混乱する彼を他所に、脂の乗った身体を締め付ける力は更に強くなる。肉が溢れそうになるほどに。
しかし、サマナーとして相応の霊格を有する豚ノ介は巻き付いた“ナニカ”の姿をゆっくりとだが目視することに成功した。
「へへ、蛇ぃぃ!?」
そこにいたのは大きな蛇であった。それこそ“大蛇”と呼ぶに相応しいほどの大きさ、長さを持った“蛇”。
それは
残された数匹の大蛇は、チヨメを縛る鎖や、磔とする十字の石材を自らの牙にて容易く噛み砕く。
あっさりと解放されたチヨメは床に足をつけるなり、腰の短刀を抜き放ちもう片方の手の平を“斬りつけた”。
「っ!」
横一直線に切り開かれた傷口からはボタボタと大量の鮮血が流れ出して床に血溜まりを作り出す。
流血するその手を面前に持って行き人差し指と中指だけを立てて叫ぶように自らの“奥義の名”を唱えた。
「“
【あとがき】
福袋はジュナオでした。意地でも来ないマーリンシスベシ。
これからも不定期更新があるかと思いますが五章まではとりあえずやり切りますので今年もよろしくお願い申し上げます。