はふっ、おっほ! ふひっ! ブヒィ!!
とにかくきゃわたん(カッコいいとかようやく服着たとか色々感想あるけどとにかくきゃわたん
というか最近、ウシワカ成分の供給量が急激に上がってて俺のハートが尊死しそうなんだけど!!!?
あとは千代ちゃんだけやな…(欲張り
――私が、敵襲に気づけたのは偶然ではない。
あの“こんぷ”なる摩訶不思議なカラクリの中に居ようとも、この身、この魂にまで刻み込まれた“呪いの恐怖”を忘れること叶わず。
しかし突然、全身を震わせるほどの“怖気”を感じて咄嗟に“巫術”を使ってあの異空間から独断で飛び出した。
あの場から今に至るまで、お館様に伝える機会がなく……いや、伝える勇気が無く胸の内にしまっている状態ではあるが。
あの怖気、紛れもない
生まれてより常に我が傍に在り続け、死の間際まで私という存在を蝕んで来た忌まわしくも縁深き大蛇の呪。
――即ち、
「……」
高層建築物の屋上に立ち眼下に広がる“建物群”を見下ろす。
とても“異界内”にあるとは思えないほどに作り込まれ、よく整備された高度な建築技術の産物だ。
我ら“悪魔”の本拠たる“裏世界”、人間の敷いた“理”を超越した神秘の支配する異界。魔界とも呼ばれる超常の世界においてこれほど大規模な拠点を構築するなど
しかし、これを成したのが
「……ん」
――瞬間、自らの思考に
何か、大事なことを忘れているような、或いは
はて、
そもそも、
『いけませんねぇ……護国のために生まれし
――直後、
『貴方は兵器だ、護国のため、御国の守護のためだけにある道具に過ぎない。
道具は道具らしく、
――
どこか、
『どれ、私が少し
……アハッ! そうだ、せっかくだから
――男の姿が霞む、声もよく聞こえない。それどころか
『
さあ、堕落を。
“
「ぐっ……!」
直後、激しい頭痛が襲いかかり
何かを考えていたのは分かる、だが詳しい内容までは思い出せない。
「……いや、
そうだ、ただ一つ、ただ一念のみが我がうちにある。
即ちは
「そのために……俺は、我ハ――」
――二つの軍勢がぶつかり合う戦場に、新たなる風が吹き荒ぶ。
「フロイライン……年若き身でよく鍛錬された技術だ。
…………いや、貴様。
英傑ウシワカとの激闘の最中、白い機体はウシワカへと賛辞を述べた。
「貴様も、その“不粋なカラクリ”を纏っていながら、源氏武者にも匹敵する槍さばきよ。寧ろ、そんなカラクリ、脱ぎ捨てた方が戦いやすいのではないか?」
ウシワカも挑発混じりに返答する。
……しかし、その頬には汗が一筋流れており俺の目から見て彼女はかなり
――
あの廃寺でヨシツネソースを取り込んでから飛躍的に能力を伸ばしたウシワカはもはや俺が連携を取れる領域にあらず。これまでの基地での戦闘を見る限り、神族すら膾斬りにしかねないほど強力な仲魔となっていた。
特にその俊敏性能は目を見張る……否、目で追える段階を遥かに超えており、かの韋駄天……インドの“スカンダ”に匹敵する速度に達していた。
それを、槍にて正確に捉える白い機体。
次いで、神族級の実力となったウシワカを相手に善戦するどころか“劣勢”に追い込むまでの実力。
単純な膂力や能力だけでない、
伝説に語られ、名高い英雄として高い知名度を持つヨシツネないしウシワカは、知名度=信仰として見た場合かなり素の能力にブーストが掛けられているはずだ。
無論、技術はウシワカの素だろうがそれ以外の能力においては生前を超えている…………はず、たぶん。
いや、もしかしたら生前から
ともかく。
“俺の”超強いウシワカを苦戦させるほどの強敵ということ。
「なるほど、貴様が“情報”にあった
ならばその剣技の冴えも納得がいくというもの」
槍を突きつけながら白い機体は冷静に語る。
“情報”という言葉から、敵はすでにこちらのことを知っていたということになるが。
さて、どこからそんな情報を入手したのか?
協会やそれに準ずる“大國たち”、葛葉が知っているのなら分かるが。
明らかな敵対組織であり、見覚えも聞き覚えも無い組織がなぜに知っているのか。
俺が奴らの“素性”について考察を進めていると、不意にコートの袖をくいくいっと引っ張られた。
見ればチヨメちゃんが傍でこちらを見上げていた。
「どうした?」
「お館様に、お伝えせねばならないことが……ある、のでござるが」
途中まで凛とした様子で述べたが、後半に連れて声が小さく、曖昧な言葉に変わった。
「何か、あるのか?」
言い淀んだことに疑問が湧き問うてみる。
「その……ここに、
「ッ!! そ、それは、確かなのか?」
予想外の答えが返ってきて咄嗟に身が強張る。
皆の援軍のおかげで命拾いしたとはいえ、チヨメちゃん共々斬殺される寸前まで追い込まれた相手だ。俺に至っては右腕を切り落とされているし。
しかし、なぜチヨメちゃんはヤツの存在に気付いたのか?
「そ、それは……オロチ、大蛇が。大蛇の呪が“ざわめいた”のでござる」
俺の疑問に答えて僅かに身を震わせるチヨメちゃん。
なるほど、だから言い淀んだのか。
「とりあえず、位置は分かるか?」
「具体的には……方角なら、少しは」
まあ、それもそうか。
彼女も“ざわめいた”と抽象的な表現に留めた通り、あまり正確に気配を感じ取ったわけではないのだろう。
ただ、それでも十分だ。
「なら、
「え……」
俺の言葉にチヨメちゃんはなぜか呆けた顔を見せた。
少し気になるが構わず続ける。
「だって、うっかり遭遇でもしたら大変だろう? 先の戦いでも手も足も出なかった相手だ。今戦ったところで結果は同じ、なら手を出さない、出させないのが適当だろう。
触らぬ神に祟りなし、ってな」
次戦えば確実に死ぬ自信がある。
ヤツの強さは身をもって知っているし、何より
ここは他力本願で基地の人々に頑張ってもらうほかにない。薄情な話だが俺は自分の命と……何より身内の命の方が遥かに大事だから。
そう結論付けて、ウシワカの方へと向き直る。
今はコウガサブロウよりも目の前の敵、ウシワカが相手にしている白い機体への対処が優先だ。
ヤツらの素性を解くことで有効な対処法を探ろうと思っていたが、そんな呑気なことを言っている場合ではなさそうだった。
見ればウシワカは“機体の硬さ”に苦戦して、その隙を突かれてどんどんと劣勢になっている。
「やはり物理耐性か……となると、魔法が有効かもしれないな。とりあえず他の耐性を探るためにも俺のなけなしのアギ系とオサキの呪殺で――」
そう思いオサキの方を振り向けば。
「……」
なぜか仏頂面で黙ってこちらを見つめていた。
何か言いたげな顔だ。
「なんだ?」
「……ん」
クイっと顎でどこかを指し示すオサキ。その先には何やら思い詰めた顔のチヨメちゃんがいた。
「チヨメちゃん?」
問えば、おずおずといった様子で口を開く。
「拙者は…………」
それから長い沈黙を経て。
やがて首を振った。
「……いえ、なんでもござらぬ。邪魔をして申し訳ござらん」
「いや、別に良いけど……」
いったい何を言いかけたのか、気にはなるが。目を伏せ、戦闘時の真剣な表情に戻った彼女を見ては問い返すのも躊躇われた。
「まあいい。それで、オサキ?」
一連の流れを側から見ていたオサキは小さくを溜め息を漏らしてから仕方なさげに俺の言葉に耳を傾けた。
「ぎゃあ!?」
戦場と化した基地内にて、弾薬補給のため前線を離れていた隊員の一人が胴体を真っ二つに切り裂かれた。
横方向へ綺麗に分かたれた切り口は、鋭利な刃物で一息のうちに寸断したような異様な凹凸のなさを持ち。現に、被害者は切り裂かれてからしばらくの間、息をしていた。
――尤も、それは苦痛の継続という代償の上にある生存であったが。
「……」
これを成した張本人、否、悪魔は手にした小太刀を振るって刀身を濡らす血を払う。
そして冷静に“敵の本丸”を見据え、そこまでの経路を思考のうちで構築、成功の算段をつけたところで一気に駆け出した。
「え……うぎゃ!?」
途中、進路に立っていた隊員を間合いに入れると共に両断。
次いで進路の障害となる者たちを次々に切り裂きながら一直線に“
憂いはない、迷いはない。
この身は国防兵器なれば。
御国に仇なす輩は即刻斬るべし、滅すべし。
それだけが我が存在理由なのだから。
――されど。未だ心のうちに燻る“違和感”が拭えない。
何か、間違えているような。
そもそも、
「ッ!!」
そんな疑問を抱くたびに
『なりません。貴方は兵器、護国の道具、なればこそ貴方自身が思考するなど愚かなことです。成すべきは明らか、ならばどうする?』
「しれたこと。全て、斬る!!」
――こうして、“洗脳”されたコウガサブロウは。己が義憤を覚えた相手とは見当違いな勢力へと刃を振るうのであった。
「っ、あぁ!!」
――その頃、ウシワカの戦いを見守りながら迫り来る“敵兵”を捌いていたチヨメを特大の悪寒が襲った。
――間違えるはずもない、忘れるはずもない、よく知った“蛇の気配”。それも“先日対峙した時と同じ規模”の気配だ。
それを感じ取ってすぐ、手元が震え手にしたクナイを取り落とした。
「チヨメちゃん!」
敵前で無防備な姿を晒した彼女に気付いた主、ヒデオは咄嗟に駆け寄り彼女へと発砲しようとしていた敵兵を斬り捨てた。
そして呆然と佇むチヨメの肩を掴む。
「どうした!?」
肩を揺すり、かけられた主の言葉でようやく我に返ったチヨメは焦燥しながらも視線を落として返答する。
「あ、ぅ……お館様。申し訳、ありませぬ」
「いや……それより、何か、あったのか?」
――そんな問いを投げかける彼だが実のところ、原因は分かりきっていた。
即ち、コウガサブロウ。彼が今、近くまで来ているのだろう。
その気配を感じて思わず動揺したのだろうと彼は理解していた。
果たしてその推測は正しくチヨメは震える唇で言葉を紡ぐ。
「サブロウが、おりまする……」
やはりか、と思いながらも努めて冷静に問いかける。
「どこだ? どこにいる?」
――問いかけながら、場所が分かり次第即刻この場から離脱しようと思考を巡らせる。
――だが、返答は予想の斜め上をいっていた。
「ここより南……いや……? だんだん、近く……なって?」
――彼女がそう言うのと、その後方の建物の影より“奴”が飛び出してくるのはほぼ同時だった。
「っ!!」
――咄嗟の抜刀、ヒデオが自慢できる数少ない特技の一つ。極められた居合い抜き。
チヨメを後方へと突き飛ばし前に出る形で流れるように抜き放たれた刀身は僅かな隙すらなく小太刀と接触した。
まさに間一髪。
敵を目視するのとほぼ同時に動けなければ防ぐことすらできなかったであろう神速の一撃が愛刀を通じて彼の腕を僅かに痺れさせる。
「ッ、コウガサブロウ!!」
「む? ……なんだ、貴様か」
行動を始めてから初めて自らの斬撃を防いだ相手に僅かに驚いて意識を向けたサブロウは、しかし、相手が先日の戦闘でコテンパンにした弱者であると気付いて途端に興味をなくした。
「せっかく拾った命を投げ出そうとは愚かな。だが、俺の邪魔をするなら――」
斬る、そう言い終える前にヒデオは声を上げた。
「うるせぇ!!」
次いで、サブロウの身体を襲う浮遊感。
遅れて、それがヒデオに“押し返された”のだと気付いた。
「なに……?」
地を滑り後方に退がった彼は、ヒデオの予想外の膂力に驚いた。
しかしすぐに、彼の身体から立ち昇る霊力を感知して察する。
「ふん、あの“捨て身の
それは公園で見せた“明王の加護全部盛り”。
――ではない。
「生憎だが、アレは早々使いたいもんじゃないんでな。その廉価版ってやつだ」
答える彼の左腕に装着されたガントレット型COMP、その画面には『ヒートライザ』の文字が表示されていた。
ヒデオは、サブロウとの鍔迫り合いの最中に体内の魔力を操作してヒートライザの術式の“スイッチ”をオンにしていたのだ。
涅槃台との初戦時に使用したヒートライザ、あの時は最低にまで落ち込んだ霊力のせいですぐにガタが来ていたが。
ウシワカとの出会いからこの方、僅かながら霊力を取り戻したことでなんとか発動を維持できる状態となっていた。
――それでも、コウガサブロウに膂力で対抗するには難しく。足りない部分は
また、公園の時とは条件が違う。
あの時は豚ノ介らとの戦闘で疲弊しており、万全ではなかった。
対して今は療養も済み食事もとったことで抜群のコンディションである。
ならば初戦時よりパフォーマンスが上がるのも道理である。
「どけ。どけば、俺の邪魔をしなければ命だけは奪わん」
対し、コウガサブロウも初戦時より幾分か落ち着いていた。
そうして冷静にヒデオを観察して、彼が“自身の標的”とは関わりがない存在であることを理解していた。
それ故の発言であったが。
「それは流石に
俺だって協会所属のサマナー、自分から余人を食わせに行かせるわけねぇだろ。
ましてや
彼とて自ら死地に赴くほど蛮勇を抱いてはいない、現に先程までは目の前に現れなければ不干渉を貫こうとしていたほどに“臆病”だ。
しかしそれは、
こうして現れ、余人を殺そうと滾る相手を前に「どうぞ」と道を譲るのは他ならぬ彼の“信念”に背く行いであった。
――尤も、その信念も“新たに”得たモノではあるが。
「――痴れ者が」
なけなしの勇気で立ち塞がるヒデオへ、コウガサブロウは“自らの信念”を力に変え、手にした小太刀を強く握りしめた。
【あとがき】
大正義エレナママ、ニトちゃん、静謐にまで霊衣来るとか最高かよぉ。そして我が心のアイドル、エウエウにまで!!
ちなみに三姉妹の最推しはステンノ様です。はい。
あと、前話でちょうど投稿から一年経っていたことに今気づきました。一年も投稿してたんか、我…