英傑召喚師   作:蒼天伍号

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会いたかった……会いたかったぞ!!
CV.中◯ァ!!(煉獄を見ながら




サマナー協会東京本部

白亜の道を進む。

 

天井、壁、床に至るまで綺麗な白で統一された清潔感のある通路は、先日訪れた対悪魔基地の司令部を想起させる。

 

……とはいえ、もちろんここは基地ではない。

 

「あ、ヒデオさん。お久しぶりです」

 

「あ……どうも、久しぶりです」

 

すれ違ったワイシャツ男子が爽やかな笑顔で会釈する。俺も頭に手を当てて会釈を返す、とそそくさとその場から早足で立ち去る。

これをすでに四度ほど繰り返している。

 

「やっぱ、今更顔出すのは気まずいなぁ……」

 

嫌だなぁ、という感情を思い切り顔に出しながらぼやく。

そう……俺は今、サマナー協会本部へとやってきていた。

 

 

 

 

 

――ジャンボリーでオサキを確保した後、俺は大急ぎで彼女の傍に転がっていたアタッシュケースの中を確認した。

そして、案の定“すっからかん”になっているのを確認してガクリ、と項垂れた。

 

その際、心配してくれたマスターに事情を話すと「……半分くらい、返そうか?」とご提案いただいたのだが。

流石に、迷惑をかけた手前もあり丁重にお断りした。それにいくら互いに世話になった間柄とはいえお金の問題でルールを破るのは良くない。

そもそも、詳しい話を聞けば、ジャンボリーに来た時点でアタッシュケースの中身は半分以下になっており、すでに多額の金がどこぞに流出していたという。

ならば、ジャンボリーにのみ返金を要求するのは“筋が通らない”。

なので俺は泣く泣く、眠ってしまったオサキを背負って帰宅した。

 

 

その後はもはや語るまでもないだろう。

 

著しい散財を成したオサキに謹慎処分を言い渡し、泣きつく彼女を無視して“協会行きの準備”を黙々と進めて就寝。

今朝方も、「なぁ……耳かきとか、してやろうか?」と“誘惑”を仕掛けてきたオサキを血涙を流しながら退けた俺は、休暇帰りのクダと英傑の二人をお供として協会に出向いた。

家を出る際に、「鬼! 悪魔! ロリコン(事実)! もう耳かきとかしてやんないもんね!」と罵倒されながらも“鋼の意思”で耐え抜き、電車に揺られて一時間超、今に至るわけだ。

ちなみに、新宿駅に着いたところでレイランやリンと合流した。

 

 

 

「主殿、主殿。ここには無数の“強い気”がありますね、一人くらい“殺り合って”もよろしいでしょうか?」

 

「よろしくないね。大人しくしてようね」

 

というか“気”ってなんだよ、ド◯ゴン◯ールみたいな表現するな。

相変わらず狂犬みたいなこと言い出すウシワカに辟易する。

……まあ、彼女の言う通り。ここは協会に属するサマナーの本拠地なわけだから、俺なんかよりずっと強いサマナーがゴロゴロといるのは確かだ。

かと言って、ウシワカのような戦闘狂ムーブをかますようなアブナイ輩はそうそういないが。

 

「……ちゃんと手綱、握っときなさいよ? ここで騒ぎ起こしたら私でも庇えないんだから」

 

怪訝そうな顔で忠告してくるレイラン。

おっしゃる通りです……コイツにはしっかり言っときますんで、すんません。

 

「まあまあ……その時は私が仲介してあげるわよ、これでも交渉ごとには長けてる方だし。まあ、報酬は弾んでもらうけど」

 

その報酬が怖いんですよねリンさん。

平気で箱いっぱいの宝石持ってくからね、この娘。

 

「……というかあんた、“ファン”の男たちから定期的に宝石たんまりもらってるじゃないのよ」

 

「(なんでオネェ口調……?)アレは流石に貰えないわよ……ちゃんと送り返してるわ…………勿体ないけど」

 

勿体ないとは思うんだね……まあ、宝石なんて普通に考えたら高級品だし。おいそれと手に入れられるものでもない。

ちなみに彼女のファンというのはもちろんサマナーだ。彼女が出先で知り合ったサマナーが、彼女の人柄に惚れ込んで時たま熱烈なアプローチを仕掛けてくるのである。無論、全て返り討ちだが。

ならば、と恋破れたサマナーたちが(勝手に)ファンクラブを結成。ファンレターと共に毎回大量の宝石が贈られているのだ。

……また、このファンクラブ。男はもとより“女性”も多数参加しているというから、なんというか。彼女の人徳的なのに敬服する。

……更に補足すると、彼女に告ってきたサマナーには少数ながら女性も含まれていたことを明記しておく。

 

「……今更だけど、こんなティーン真っ盛りの娘に対して告って来るとか。あいつら正気か?」

 

レイランの隣を歩く彼女を見れば、いつものホットパンツ(微妙にデザインが違う)にTシャツ姿。

見た目は完全にJK1、明らかな未成年である。

未成年に告るとかとても正気とは思えない()

 

「いや、普通に同じティーンが大半よ? まあ、中には大人の女性もいたけど」

 

なるほど、真に恐ろしきは性別の垣根を「なにそれ美味しいの?」してくるレズのお姉様方だったか……。

というかホント、よくモテるなぁこの娘。

 

「それに……モテるっていうならレイランも大概でしょ」

 

「……そこでなぜ私に話を振るの?」

 

突然矢面に立たされたレイランはジト目でリンを睨む。

 

「通ってる高校でモテモテじゃない! 男女共に!」

 

「う……やめて。この前、後輩の陸上女子に襲われたの思い出しちゃうから」

 

後輩陸上部女子に襲われる葛葉の巫女……濃いな。

それに、こちらでもやはり性別超越勢が一番ヤバいらしい。

 

どうなんだろう? 最近の教育現場、ヤバくない??

まあ、両思いのカップルなら素直に祝福できるんだが。

 

「ウッソ!? それで、どうしたの!?」

 

予想外にも食いついたリンが、若干身を乗り出して問い質す。

 

「普通に撃退したわよ…………まあ、ちょっと泣かれちゃったからほっぺにキスしてあげたけど」

 

「きゃー!」

 

両頬に手を当てたリンが楽しそうに声をあげる。

 

「ちょ、その反応やめなさい! ほんとにキスしただけなんだから!

……それに、キスした所為なのかその子、普通にストーカーしてくるようになったし。流石に帰宅する時は撒いてるけど、学校にいる間、ずっと遠くから見てくるのは地味に恐怖よ?」

 

「あ……それは、うん。ごめんなさい」

 

真顔で告げるレイランに、リンも真顔で謝る。

 

「そもそも、私は“仕事”で忙しいから色恋沙汰(そういうの)に構ってる暇はないのよ」

 

「そんなこと言っちゃってぇ……ホントは気になる人、いるんじゃない?」

 

「なにを馬鹿な……そういう貴女はどうなのよ? ティーンにいっぱい告られてるんでしょ? 一人くらいはいい人いたんじゃないの」

 

「うーん……私も、今は研究の方に興味があるから――」

 

 

……なんだか盛り上がってる女子組。

俺はいい年したおじさんなので、彼女らの盛り上がる様を微笑ましく見守っていた。

 

 

「お館様、お館様」

 

と、ウシワカに変わって今度はチヨメちゃんが袖をぐいぐいと引っ張ってくる。

見れば、彼女はジッと遠くの方を見つめていた。

 

「どした?」

 

つられて俺もそちらに視線を向けてみると――

 

 

 

――やけにラフ……というか露出の激しい衣装を纏った少女たちが映った。

というか、アレだ。

 

鈴女と幻女だ。

以前、都内浄化作戦の際に出会ったちびっこくノ一たちである。

 

相変わらず教育によろしくない格好をしていることに内心ゲンナリするが、彼女たちの戦闘スタイルを鑑みれば無理に変えさせるのも良くない、かもしれない。

 

ジッと見つめるチヨメちゃんの視線のせいか、鈴女がこちらに気付いて幻女を伴い駆け寄ってきた。

 

 

「どうも、先日ぶりです。ロリコンさん」

 

「ちょッッ!?」

 

サマナー協会東京本部の廊下である、幾人もの関係者が練り歩く通路である。そのど真ん中で平然と俺をロリコン呼ばわりする鈴女氏。

彼女は俺を社会的に抹殺したいのだろうか?

幸いにも今は誰も近くにいないのでよかったものの……いや、それを見計らって、俺をからかったのか?

 

「ロリコン……?」

 

鈴女ちゃんの言葉にレイランは不思議そうに呟く。

いけない、彼女にだけは“あの時の話”は聞かせちゃならない。

知れば誰もが俺を蔑むだろう、あの“発情事件”のことを!

 

「え、えーと。元気そうで何よりだね、君たち」

 

焦る内心を隠そうとするほどに動揺が表に出てくる。

 

「はぁ? なに気持ち悪い喋り方してんだ、ロリコン」

 

お、おいぃぃぃ!?

加減そうに、そして当然のように俺をロリコンと呼ぶメスg……幻女さん。なんで当たり前みたいに言うの……?

そもそもあの事件は君の能力の所為では?

 

「ねぇ、貴女たち。なんでさっきからこの男のことロリコンって呼ぶの?」

 

心の内側で抗議してる間に、興味を持ったレイランが直接鈴女たちに問いかけていた。

あ、ダメ――

 

 

「ん? だってコイツ、オレに発情したからな。ロリコンだろ」

 

「あ……」

 

――俺の懇願虚しく、幻女は禁断の言葉を解き放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……最低ね、貴方」

 

蔑んだ目で、俺を見るレイランさん。その顔は心底から軽蔑の色を放っており、まるで養豚場の豚を見るかのようだ。

 

――結局、幻女さんによって俺が都内浄化作戦の折に彼女に発情してしまった事実が暴露された。

それを知ってすぐさま俺から距離を取ったレイランさんは、こうして酷い目を俺に向けている。

 

「ま、まあまあ……それも幻女ちゃんの能力で、ってことでしょ? なら仕方ないんじゃない? ……気持ち悪いのは事実として」

 

リンさんが気まずそうにレイランをなだめる。しかし、あんまりフォローになってる気がしないんだが……。

というか、そろそろ勘弁してくれ……あの時だってかなりその話題引き摺られたし、俺だって常日頃から肉欲に塗れてるような変態じゃないんだからさぁ……。

 

年甲斐もなく涙が出そうだ。

 

「……」

 

そんな俺を真顔で見つめる幻女さん。

なんだよ? これ以上、俺をどう甚振るつもりだよ?

もう、もういい……好きにしてくれよ。

 

開きかけた彼女の口を見て、更なる軽蔑を向けられることを覚悟した俺は目を閉じた。

 

 

 

 

「いや……まあ、その。確かにオレの異能は()()()()()()()()()()()()()()()()からな。オレの所為っちゃオレの所為なんだ。

その後も、なんだかんだオレらのこと助けてくれたしさ……その、あんまり苛めないでやってくれよ、姉ちゃんたち」

 

だが、飛び出した発言は予想とは真逆であった。

少し恥ずかしそうに、目を逸らしながら赤面する幻女、さん。

……もしかして、俺を庇おうとしてくれてるのか?

 

鈴女も、小さく溜め息を吐いてから幻女に追随するように発言する。

 

「ええ、彼女の言う通りです。彼は、敵に捕まった私を助けに来てくださいました。更には孤立した幻女も、保護してくれたと聞きます。

命の恩人、という点では私たちは彼に感謝しているのです」

 

憮然とした態度で告げる鈴女に押され、レイランも少し眉根を下げてこちらに目を向けた。

 

「まあ、そういうことなら……そもそも、アンタの趣味趣向とか私には関係ないしね」

 

そうだな。そもそも、俺から見れば君()完全に子どもにしか見えないからな。改めて言うこともないがそういう対象には見れないからね。

 

それより――

 

 

「き、君たち……」

 

予想外の味方になってくれたくノ一っ子たちへ、感涙に満たされた目を向ける。

しかしこちらを見るなり彼女たちは嫌そうな顔をした。

 

「気持ち悪い……あと、喋り方も気持ち悪い。略してキモい」

 

「ああ、キモいな。こっち見んなおっさん」

 

しっしっ、と手を振る彼女たちだが。それもまた照れ隠しだろう。

所謂、ツンデレってやつ。

実に良い子たちじゃないか……。

 

「あとで飴ちゃんあげるからね」

 

慈愛に満ちた顔でうんうん、と頷く。

対し幻女はガッと吠える。

 

「舐めてんのか!?」

 

「飴だ「それ以上言ったら(社会的に)殺すぞ?」……はい、すみません」

 

調子に乗り過ぎた俺に、ドスの効いた声で脅しをかける幻女さん。

俺は粛々と口を閉じた。

 

 

 

 

「……はぁ、私たちも別に遊びに来てるわけじゃないんで。そろそろ行きますね」

 

黙った俺を尻目に、散々チヨメやレイラン、リンと語り合った鈴女たちは。最後に俺へ視線を向けて面倒くさそうに告げた。

 

「おう……あれ、そう言えば何の用で本部まで来たんだ?」

 

彼女たちは壬生のサマナーだ。今は協会に積極的に協力しているとはいえ、元の所属は國家機関のはず。

そんな彼女らがわざわざ本部に来ることなど、有事を除いてないはずだ。

そう思っての疑問だったのだが。

 

「……貴方のせい……いや、貴方の()()()ですよ」

 

少し恥ずかしそうに答える彼女。

はて、俺は特に彼女たちを援助した覚えはないのだが……。

本気で身に覚えのない俺は悩み、それを見兼ねた鈴女が再度口を開く。

 

「先日のダークサマナー討伐の功……貴方が()()()()()()として報告をあげたおかげで、会長から直々に“昇格”の話が来たんです。その件で本部までやって来たんですよ」

 

彼女に言われて、そういえば、と思い出す。

あの地下異界でダークサマナー・豚皮豚ノ介を討伐した後。病院で目覚めてから書き上げた都内浄化作戦の報告書に、彼女たちの手柄としての記述を残していた。

 

「おう、そのおかげで“しれいかん”からも軽いお説教で済んだんだぜ。ありがとな」

 

補足するように幻女がにこやかな笑顔で礼を告げて来た。

改めて屈託のない笑顔を向けられると、少し照れる。

普段が普段なだけに、こう、ギャップみたいなアレで。

……見る限り、計算してやってるわけじゃなさそうなのが怖いところだよ幻女さん。あんた将来、すごい女になるよ。

 

「そ、そういうわけですので。私たちはこれで失礼します。

……あ、チヨメさん。その、また今度、ゆっくりお話したいです」

 

くるりと身を返そうとして、チヨメを見た鈴女は。俺とは真逆の可愛らしい声でそう告げる。

 

「承知。拙者も壬生の忍術とやらには興味があるでござる。

……お館様の許しがあれば、また会いたいでござるが」

 

チラッチラッとこちらを見るチヨメさん。

分かってるよ、そんなあざとい真似しなくても別に拒否したりしないっての。というか俺ってばそんな鬼畜に見えるか?

 

「別に構わないさ、事前に言ってくれさえすれば好きに会えばいい」

 

爽やかに応える俺へ、すかさず鈴女が介入する。

 

「束縛系男子は嫌われますよ」

 

別に束縛してねぇだろ!?

仮にもサマナーと仲魔なんだから、有事のことを考えてだなぁ。

 

「温情、ありがたく! では、その際はお館様の“すまほ”に連絡くだされ」

 

さらっと俺を中継機にするチヨメさんは絶対強かなお嬢さんだと思う。

 

「はいっ! 私も幻女のスマホで連絡します! ……直接、連絡先を交換するのは、ちょっと、嫌なので」

 

おいこら。

そういう小さな嫌味が人の心を傷つけるんだぞ。

 

「さらっとオレを中継機にしやがる……まあいいけどよ」

 

図らずも俺と同じ事を思っていらっしゃる幻女さんに謎の親近感を覚える。

 

「……あ? なにこっち見てんだ」

 

「いやいや、お互い苦労するなぁ、と」

 

「?? 気持ち悪い……?」

 

疑問形で気持ち悪いって言ってくるやつ初めてだよ。

 

 

 

 

 

 

 

――その後、いつまでも手を振ってくる彼女らを見送って。俺たちも会長室への歩みを再開した。

 

「貴方も、意外と人の為になることしてるのね」

 

「意外と、は余計じゃないかなぁ……」

 

トゲのあるレイランさんの褒め言葉に複雑な思いを抱く。

 

「……いえ、主殿は、結構人のことを気にするたちですよ?」

 

突然、これまで大人しくしていたウシワカが口を開いた。

 

「むしろ、()()()()()()きらいがあります」

 

むぅ……仲魔から改めてそう言われると、自分でも治すべきだと思い始めるが。そう簡単に人の性質は変えられない。

 

「……そんなの、私も分かってるわよ」

 

不意に、ぼそりとレイランが何事か呟いた。

 

「ん?」

 

「いえ、なんでもないわ。流石、仲魔は貴方のことをよく見ていると思っただけよ」

 

「お、おう」

 

僅かに怒気を含んだ声に、内心ビビる。

いやぁ、レイランさん怒らせたら俺なんか一秒足らずでスクラップですからね。下手に刺激しちゃあいけない。

 

俺は猛獣を相手にしている感覚でレイランの機嫌を伺いながら歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて、辿り着くのは本部棟の最上階。会長室、と書かれたプレートを飾った扉の前だ。

 

「……」

 

改めて来てみると、決心したはずの精神が揺れる。具体的には会長の恐ろしさを思い出して怖くなる。

 

「ここまで来たんだから覚悟決めなさいよ」

 

「お、おう……分かってる」

 

呆れ顔のリンになんとか平静を装い応える。

直後、レイランが扉をノックした。

 

「葛葉の巫女ヨウ・レイランです。先日お伝えした件で参りました」

 

『ああ、入ってくれ』

 

はつらつとした彼女の声の後に、威厳のある男性の声が返ってくる。この声は間違えようもない会長の声だ。

内心、実は今日は不在だったりして、と淡い希望を抱いていたのだが。

 

「失礼します」

 

ビビりまくる俺を他所に、さっさと扉を開けて入っていくレイランとリン。

 

「? ほら、主殿も!」

 

一向に彼女らに続かない俺の背をウシワカがぐいぐい押して無理やり入室させられた。

 

「ちょ、押すなって「ほう……ヒデオか。久しいな」うひぃ!?」

 

入室してすぐ、ウシワカに抗議する俺の耳に低音の声が響いた。思わず変な声が出てしまったが致し方ない。怖いからね!

 

真っ先に俺へ声を掛けられては、そちらに振り向かないわけにはいかず。無意識に拒絶する首をなんとか声のした方へ向ける。

 

そこには、大きなデスクの脇に佇む男性。

金髪をオールバックにし、鋭い茶褐色の目を向ける男。顔に僅か見えるほうれい線は、先日の大國大臣と同じく“様になっている”という意味で違和感を感じさせない。

つまり、かっこいい大人の男性、といった容貌だ。

 

……まあ、俺からしてみれば怖い人以外の感想は出ないわけだが。

 

「お、お久しぶりです。会長」

 

「なんだその堅苦しい呼び方は……前のように名字で呼んで構わんぞ」

 

変わらない声音でそう言う会長。いやぁ、うへへ……そんな恐れ多いっすよ。

……せめて、もっと優しい声出ない??

 

萎縮する俺から視線を外して、レイランたちをざっと見た彼は僅か口角を緩めて告げる。

 

「そちらが“英傑”の……ならば改めて名乗っておいた方が良さそうだな」

 

こほん、と咳払い一つ。彼は変わらぬ厳かな声で自己紹介する。

 

「サマナー協会二代目会長を務めている。

 

 卜部(ウラベ) 正孝(マサタカ)だ。

 今後とも、よろしく」

 

 

 

 





【あとがき】
とりあえず、レジライ。
ほんと、お前……(万感の思いを込めて

カーマちゃん可愛いねっ!!!!
なぎこさん最高だねっ!!!!

石無いねっっっ!!!!!!!!
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