「リルトット様。もしリルトット様が
「……ムシャムシャ。どうした突然?」
キルゲ・オピーの配下である
「……いえ。このゼロス・ブランツ、時々思うんですよ。もし死神や
まぁそんなの死んでも嫌ですけどね。と笑うと再び少し寂しそうな顔に戻って続ける。
「そこまでいかなくても。もし戦う道を選ばなければ、どんな人生を歩んでいたのだろうか……そう思いましてね。まぁこのゼロス・ブランツは戦うどころか常に逃げ回っていますけどね!」
はははっ、と笑うゼロスに反して、リルトットはホットドックをゴクンと飲み込むと顎に手を置いて考える。
(俺が星十字騎士団にいなかったら……考えたこともなかったな)
常に冷静さを保ちながら戦況を見定める頭脳を持ったリルトットはその場で数分ほど考えて、口を開く。
「パテェシエ……かな」
「パテェシエですか?」
なぜパテェシエなのですか? とゼロスが尋ねる前に、リルトットは考えを述べる。
「俺は食べるのが好きだからな。ケーキやクッキーなどのお菓子を毎日食えるなんて夢のようだな」
「なるほど」
お菓子を作っている自分の姿を想像したのか、少しだけ頬を緩めるリルトット。それに釣られてゼロスも微笑む。
ほほえましい光景だった。……ゼロスが次の言葉を発するまでは。
「まぁパテェシエは楽しそうなイメージが先行しますが、大半は工場労働者とかわりないですけどね。毎日小麦粉などの材料をきちんと揃え、計量するといった裏方仕事の繰り返し。
重い小麦粉を運んだり粘り気の強いクリームを大量にこねたり卵ばっかり割っていると臭いで気分も悪くなるとか。あとカスタードを作る時が少しでも手を休めると焦げ着いちゃいますから腕がつりそうになって辛いのだそう。
かなりの重労働で
パテェシエのマイナス面を説明していたゼロスは目の前の光景に凍りついた。
そこには口を餅のように伸ばし、自分を捕食せんとするリルトットの姿があった。
ウソのような本当の小話。
『天才・涅マユリの秘密道具』を見ながら。
「いやぁ、この小説面白いなぁ。……よし、この小説の作者に負けないように私も『リルトット・ランパードの憂鬱』頑張ろう!!……ん?」
解説。
『天才・涅マユリの秘密道具』と『リルトット・ランパードの憂鬱』の作者は同一人物。