【悲報】ワイの専用機がマシュマロだった件   作:無名のサイドラ使い

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グリッドマンユニバースは『普通』でしたねぇ!!(最高でしたね)
あと正直、今回のお話はなるべく3スレ目まで見てからのほうがいいかも。


エピソード 0

夏のある日、その日はとても暑い日であった。

人々は誰も外に出ておらず、渋谷の街は閑散としている。

ジリジリと日差しが照り付け、都市圏一帯が最高温度を更新した頃…。

 

 

 

それらは、現れた。

 

 

 

───キィィィィン…

 

独特なジェットの音を響かせ、太陽の光をその銀色の装甲で反射させながら、それらは飛行機雲で渦を巻くかのように渋谷へ降りてきた。

 

「───!!」

 

「…!!」

 

垂直尾翼に鷲のマーク、主翼に日の丸を携えたそれらは地表へと落ちていく。

そして、それらの一機が急にスピードを上げ、それに続くようにもう一機がスピードを上げ、二機は追い越し追い越されを繰り返し、地へと落ちていく。

 

「「───ッ!!」」

 

まるで、チキンレースのように地表へと落ちていく二機は渋谷のアスファルトギリギリで機体を翻し向きを変え、地表と水平に飛ぶ。

それと同時に道路に止めてあった車が吹き飛ぶが、二機は一切気にすることはなく、優雅に飛び続ける。

 

「「…!!」」

 

それらは都市のビルを器用に避けながら、ヒラヒラと編隊を組み、アスファルトから大空へと舞い上がった。

 

「───!!──────!!」

 

「…!!」

 

そして、二機のうち一機が機銃の砲門を開く。

ガシャンとキャノピー下部から音がし、その後もう一機の後ろについた。

そして、コックピットのヘッドアップディスプレイの標準環にパイロットが目の前の一機を重ね、機銃が火を吹いた。

 

「…ッ!?」

 

高いレートと正確な射撃にもう一機はたまらず機体を翻し、それを回避する。

ヒラヒラと高度な操縦でそれらを回避していく一機。その後ろにもう一機がしつこくついて回る。

二機のドッグファイトはさらにヒートアップし、雲海の中へ突入する。

雲をその翼で切りながら、ドッグファイトを続ける二機。その中で後ろにいた一機の機銃の弾丸がついに底をつく。

そのタイミングを逃さず、前にいた一機は雲に隠れ姿を消した。

 

「───!!」

 

無論、それを許すほどこのパイロットは甘くはなかった。即座に計器に目を向け、自分の前の雲に隠れているそれを発見する。

発見したそれに向かって速度を上げると雲が途切れ、完全に目視で姿を確認できるほどの距離にいることが分かった。

背後を取った現在の状態を維持しつつ、ミサイルのトリガーに指をかけ、ヘッドアップディスプレイの標準環に、機銃を回避し油断した一機を合わせ、パイロットはニヤリと勝ちを確信した。

そして、ミサイルが火を吹く。

 

「───!?──────ッ!!」

 

その瞬間、自機の視界が雲に遮られる。遮っていた雲が消えると目視確認できていたはずの一機が消えていた。そしてその代わり、ミサイルのロックオンが外れミサイルが空を切る姿が確認できた。

パイロットが計器に目を向けると、そこには後ろについていたはずの自機がもう一機に後ろを取られていた。

 

「………!!」

 

「───!?」

 

それにパイロットが驚愕し、次の瞬間、ロックオンアラートがキャノピーに鳴り響く。

ロックオンされたことに気づいた時にはもう遅く、もう一機の放った二発のミサイルが彼を撃つ。

翼を捥がれた機体を何とか立て直そうとするパイロットだが、無理だと諦めて運命を受け入れる。

そして、機体は渋谷のビルの一棟に激突し───

 

 

 

 

そこで画面がプツンと消えた。

 

 

 

 

──────ガシャリ。

 

やけに大掛かりな二機の機械、フライトシミュレーターの扉が開かれる。

その中から二人の男がヘルメットを脱ぎながら降りてきた。

片方は真顔でその顔に少し汗を滲ませながら、もう片方は明らかに残念そうな顔で暑そうにパイロットスーツの前を開け、二人とも疲れていたのかフラフラと階段を降りていく。

そんな二人をスポーツドリンクを渡しながら一組の男女が迎えた。

 

「イェーイ!!さっすが真一兄!!」

 

片方は、白い髪に赤い目をしたアルビノ体質の少女、『新条茜(シンジョウアカネ)』。

 

「いやぁ残念やったなぁ『新条』?」

 

もう片方は、ニヤニヤといやらしい笑みをしながら新条と呼ばれた男を迎えるぽっちゃり体系の『堀井正人(ホリイマサト)』。

 

「うっせーぞ…『堀井』。」

 

そして堀井の迎え方に文句を言いたげな顔でスポーツドリンクを受け取り、ムスッとしているのが茜の実の兄である『新条勇(シンジョウイサム)』。

 

「今回は俺の勝ちか…すまない今何時だ?」

 

最後に、スポーツドリンクを受け取り、堀井に時間を聞いているのが我らが主人公の『真木真一』。

 

彼らは今日、堀井の父にフライトシミュレーターのテストを頼まれてここにいる。

なんでも、『最新型買ったはええねんけど、そういえば俺、当時はオペレーターやったから、お前らでテストしてほしいんや。ある程度自由に使ってくれてええねんけど、壊したらあかんで。』らしい。

簡単な初期設定だけして、堀井の父はどこかへ行ってしまったので、使い放題だった。

そこで茜が、『じゃあお兄と真一兄でドッグファイトしてみたら?』という提案をし、それを二人が了承し、現在に至る。

今現在は101戦中51勝50敗で真木の勝ち越し、新条が残念そうな顔をしていたのはそのためであった。

 

 

 

「だぁぁぁ…なんだよさっきの軌道!?堀井見えたか!?」

 

スポーツドリンクを一口飲んだ後、新条は脱力しながら叫ぶように言う。

それに答える形で、堀井がフライトシミュレーターにアクセスし、タブレットに映像を映した。

そのタブレットに全員が目を向け、堀井が解説を始める。

 

「問題のシーンはここやな。ここで新条がミサイルを撃つ。」

 

「おう。」

 

先ほどの新条が勝ちを確信し、ミサイルを撃った場面が再生される。

 

「で、この瞬間真木がフレアを炊きながら、速度を落とす。」

 

「ああ、そうだな。偏向ノズルならコブラができたんだが…。」

 

少しシークバーを進めると、新条が雲に隠れた瞬間にフレアを炊きながら速度を落とす真木の機体が写る。それを見た新条は頭を抱えて唸った。

 

「くっそぉぉぉ…ここで油断したのは俺の方だってわけかよぉ!!」

 

「お兄は詰めが甘いんだよねぇ~。ウケる。」

 

「んだとこのッ!!」

 

唸っている新条の頭をペチペチと叩き、プププと笑いながら煽る茜。それに怒ったのかキャーと言いながら逃げる茜を追う新条。そんな二人をほほえましく真木と堀井は遠巻きに見守っていた。

 

「あいつら、仲ええなぁ。」

 

「…ああ、本当にな。」

 

「そういえば、真一はどうなん?継夢さんとは話してはるの?」

 

「兄さんか…一人暮らしを始めようと、もうあっちに行ってしまったから、最近はあまり話はしてないな。」

 

「ほーん…まぁ兄弟は大切にせぇよ。」

 

「あぁ。」

 

そんな他愛もない話に花を咲かせながら、時計を見るともう針は十二時を過ぎていた。それに気づいた堀井は、真木を盾にする茜とそれに苦戦する新条を止める。

 

「こらこらお二人さん。そろそろお昼にせぇへん?」

 

「そうだぞ新条。茜ちゃんも、そろそろやめてくれないかな?」

 

「「わぁーったよ/はぁい。」」

 

そうしていつも通りの日常の中、新条と真木。二人の中学最後の決戦は幕を閉じた。

 

 

 

場面は変わり、とあるファミレスの中で四人はそれぞれ好きなメニューを頼んで昼食をとっていた。

そんな中、茜がとある話を切り出す。

 

「そういえば、真一兄と正人兄は進路どこにするんだっけ?」

 

それは、新条を除いた二人の進路の話であった。

やはり、中学二年生となればこのような話に興味を持つのかワクワクした顔で二人の話に耳を傾けた。

 

「俺は、新条と同じく公立の高校に行く予定だよ。その後大学に行くかどうかはまだ決めてないかな。」

 

「え、お前大学に行くかもしれねぇの?」

 

「…もしかして新条は行く気ないのか?」

 

「あったぼうよ。ふつーに航空学生として空自に入る予定だぜ俺は。」

 

「…なら俺もそうするか。」

 

どうやら、高校進学までは決めていたがその後の事はあまり気にしていないらしい。しかし、こんなフワフワした進路でも就職先の目標はしっかりと決めているようで茜は少し安心した。

 

「俺は管制系に行こうか思ってるから工業高校行く予定や。」

 

「へぇ~。やっぱりお父さんがそういう仕事だったから?」

 

「そうやな。俺は親父に憧れて自衛隊入ろ思ったんや。それは二人も同じやろ?」

 

「「ああ。/おう。」」

 

堀井の言葉に二人が頷く。そう、ここにいる三人は皆、自分の父に憧れて空自を目指しているのだ。

 

少し、昔の話をしよう。

今から十年以上昔のこと、航空自衛隊にはとある部隊があった。

その名は『流星隊』という、隊員たちは軍服の胸の部分に流星のマークをつけており、空自のイーグルドライバーの中でも選りすぐりのパイロットを集めて作られている部隊である。

その初代リーダーは『村松敏夫』、それに追従するメンバーが『嵐大助』、『井手光弘』、そして『早田進』それにオペレーターの『富士明子』を加えての五人である。そして、それらのメンバーが引退するに続き、他にも多くのメンバーが入隊し引退しを繰り返していた。

そして、その最後のメンバーが真木真一らの父親、『新条哲夫』、『堀井雅美』、そして『真木舜一』であった。彼らは歴代流星隊の中でもトップクラスの実力を持っていたとされている。

特に『真木舜一』、彼は公にはされていないが、十年前に起きた『白騎士事件』。白騎士とともに事件を解決に導いた立役者である。

しかし、その後白騎士事件が終わってから真木舜一は息子である継夢のために自衛隊を離れ、それを機に流星隊は解散。現在は廃止状態となっているらしい。

それらを復活させるのが彼らの幼いころからの夢であった。

そんな夢を持って、それに向かって努力している三人を茜は羨ましそうに見ていた。

 

「…やっぱ、お兄たちのそういうとこ、羨ましいなぁ。」

 

そして、そんな夢を追う三人が茜は大好きであった。

 

 

 

 

中学最後の決戦から数日が経ち、世界はとある一つの話題で大騒ぎであった。

それは、『世界初の男性操縦者の発見』である。この事実は世界中の男性たちに影響を与えるに至り、現在は日本でも男性操縦者を探す検査が始まっている。それは、無論この三人も検査対象に入っていた。

 

「あぁ~…めんどくせぇなマジで。なんだよ『現在10~30代までの男性が検査対象』って。」

 

「まぁ、仕方ないやろ。俺らはその対象に入ってもうたんやから。」

 

「しかも、真木の奴は今日いねぇんだろ?」

 

「なんか今日は、『悪いがその時間は少し用事があってな。』とかゆうとったしなぁ。」

 

そして今日、この二人はその検査に行く予定である。最も、二人とも動かせるわけがないと思っているので、ただ面倒臭そうにしていた。本来ならここに真木もいるはずだったのだが、真木はタイミングが悪く、用事があったようなので二人で行くこととなった。

二人で駄弁りながら検査会場につく二人。だが…

 

「うわっ…めっちゃ人いるやんけ。」

 

「マジだ…これ絶対時間かかるやつだぜ。」

 

そこには検査する男性で溢れかえっていた。よく考えれば『10~30代の男性』という広い範囲が対象なのでここまで多いのは当たり前である。

それを見て、二人とも絶対に早く帰れないことを悟り、受付に行った後自分たちも列に並んだ。

ぞろぞろと進んでいるかどうかもよく分からないほどゆっくりと進んでいる行列。そういえば、茜の付き添いで行ったウルトラマンのイベントもこんな感じだったなぁと二人は思う。

 

そしてそれから約一時間が経った頃、ようやく二人はISの前までたどり着いた。

 

「はぁい次の人どぞ~…。あ~ほんとなんであんたら男のためにこんなことしないといけないのよ…。」

 

検査を監視する高慢な女性にいやな顔をしながら、まずは堀井からゆっくりとISに触れる。

しかし…

 

「…ん?」

 

「はいありがとうございました~。次どぞ~。」

 

一切反応がなく、即座に検査が終わり彼は拍子抜けしてしまう。そして、新条に向けて渋い顔をしながら堀井は検査会場の出口へと去る。

それを見た新条も渋い顔をしながらゆっくりと面倒くさそうにISに触れる。

 

「…うおいってぇ!!?」

 

すると触れた瞬間にバチリと電気が手のひらに走る。突如、手のひらに流れた静電気のような痛みが反射的に新条に腕を引かせた。

その腕とISを交互に見て、高慢な女性に目を向ける。

 

「あ~それ静電気よ静電気。多分、きっと。」

 

「…そうっすか。」

 

しかし、彼女は静電気と主張し、まったく取り合ってくれず、新条に早くどっか行けという顔をしながらスマホに目を向けた。新条はその態度に一瞬、中指を立てたくなったがそれをなんとか抑え、堀井の待つ出口へ向かった。

そして、出口から外に出た後、しっかりと検査会場に二人で中指を立てて悪態をつきながら帰った。

 

 

それから数日が経ち、朝の九時。現在、春休みが終わりかけ、新生活に向けて学生たちは生活リズムを戻している最中であろう。しかしこの男、新条勇は違った。

 

「Zzzzz…Zzzzz…。」

 

寝ていた。寝ていたのである。恐らく、大体の高校生の通学時間である八時を超過し、この男は寝ていた。彼は生活リズムを一切考えず惰眠を貪る。

そんな彼の睡眠を妨げるものがいた。

 

「ちょ、お兄起きて!!起きてってば!!」

 

それは彼の妹、新条茜である。彼女はとてつもなく焦りながら彼を起こそうとしていた。彼女の明らかな動揺と焦りを声色から感じた新条は眠い目を擦りながら、ゆっくりと起きる。

 

「あんだよ…珍しいなぁおい…怪獣でも出たか…?」

 

「怪獣が出たらもっと喜ぶけど…ってそうじゃない!!取り合えず来て!!」

 

「…わーったわーったからそんな引っ張るなって…。」

 

起きた直後の機嫌の悪さを一切隠さず、茜に寝巻の袖を引っ張られながらリビングへ向かっていく。

そしてリビングに着き、既にリビングにいる両親に挨拶をしようとした瞬間、テレビに眠気も吹き飛ぶほどの驚愕する内容をアナウンサーが話していた。

 

『速報です!!今、新たな男性操縦者が発見されました!!名前は真木真一君です!!繰り返します…』

 

「…は?」

 

 

 

 

すべてはここから始まったのだ。

 

 

                                         NEXT→




感想オナシャス!!センセンシャル!!
このお話に出てくる名前がある人物は全員元ネタがあります。
キャラ紹介とかはまたどこかで。
元々、新条と堀井が真木と友人関係を持っているのはどこかで書こうと思ったのですが、ご存じのとおり投稿ペースが速くないし文才もあまりないのでこのような形で登場。
再登場は絶対します。
というか、一つに詰め込みすぎたという感想しか出ないと思います。兄さんのお話とか流星隊の話とか絶対二話くらいに分けた方がいいと思いますが、正直これ以上は自分の文才があれなんで。
まぁ今までが分けすぎだったというのもありますが。


それではまた次回。

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