【悲報】ワイの専用機がマシュマロだった件 作:無名のサイドラ使い
それではほんへどうぞ。
────ふと、目が覚めた。
────誰も彼もが
────暗い夜、いつも笑い合うみんなはいない。
────向こうに、見知らぬ人が去っていく。
────火を放ったその人は、一人の少女を連れて去っていく。
────よくわからない。
────前は赤くて見たくない。地面は黒くて見たくない。
───────だから、
───────空には、何もなかった。
───────音もないまま、私は
───────なにもみえない。
───────世界が、だんだん消えていった。
───────────だけど、その時。
────────────なにもないはずの空に、赤い
■■■
「…ん、朝か。」
朝日の眩しさで彼女は、『ラウラ・B・ボーデヴィッヒ』は目が覚めた。
そして久しぶりに『自分が
『おはようございます。少佐。』
「あぁ。おはようレーゲン。」
彼の名はシュヴァルツェ・レーゲン。ラウラのISコアの人格である。本人曰く、『ISコアで男なのは後にも先にも私だけです。』と言っているので男で間違いはない。シュヴァルツェ・レーゲンというのは彼にラウラが与えた愛称のようなものであり、自身の所属する『シュヴァルツェ・ハーゼ』から取っている。
「レーゲン、今何時くらいだ?」
『そうですね…今は8:30あたりです。』
「ふむ、そのくらいか…。」
ラウラはレーゲンから時間を聞き、窓の外からランニング場を見下ろす。今日は休日であるため閑散としているランニング場であるが、そこに一人、部下のクラリッサ・ハルフォーフ大尉がランニングしているのが見えた。
「少し早いが、ランニングでもするか?」
『そうですね。体を動かすのは良いことです。』
よしと彼女はベッドから降り、冷蔵庫を開ける。冷蔵庫の中の余り物をかき集め、朝食を作る。今日の朝はベーコンと卵が余っていたので、ベーコンエッグを作り、食べる。モグモグと彼女が食べているとレーゲンに父からの連絡が来たと知らされた。
『失礼、少佐。お父上から連絡が。』
「表示してくれ。」
『了解しました。』
レーゲンに表示してもらった画面には『ラウラ、君に新しい任務を与えようと思う。10時に大総統室へ。』と書いてあった。
「新しい任務か。しかし、部隊を招集するのでは無く、個人で招集されたということは…。」
『えぇ、おそらく単独での任務になるかと。』
「そうだな。あらかじめ部下たちに知らせておくとしよう。」
『そうですね、少佐。』
レーゲンと会話しているうちにベーコンエッグを食べ終わったラウラは食器の片付けをし、いつぞやに購入したランニングウェアを着て、外に出る。平日のこの時間帯だと食堂に朝食を食べに行く人で賑わっているが、今日は休日。おそらく部屋で寝ている人の方が多いのだろう。数人見かける程度で、ランニング場と同じく閑散としていた。
ラウラがランニング場まで向かっていると道の反対側からシュヴァルツェ・ハーゼの隊員が二人歩いてきた。
「「あっ、ラウラ少佐!!おはようございます!!」」
「ああ、おはよう。そうだ。急なことだが、私は今日単独で任務を与えられるかもしれん。」
「へぇ〜。珍しいですねぇ。お一人でなんて。」
「あの過保護な大総統閣下が少佐に単独任務…珍しいこともあるもんですねぇ。」
「全くだ。まぁ、与えられてから隊全体で連絡は改めてするが、一応伝えておくぞ。」
「「了解致しました!!」」
ラウラはこれはちょうどいいと二人に任務について伝えておく。その後は少し談笑した後、ラウラと二人は別れた。
彼女達と別れたあと、そのままランニング場へ向かう。途中の自動販売機でスポーツドリンクをクラリッサ大尉の分も買い、ランニング場へ到着する。
ランニング場に到着したラウラは、近くのベンチに先程買ったスポーツドリンクを置いて、少し準備運動をしてから走り出した。
「フッ…フッ…フッ…。」
小刻みに呼吸をしながら最初はゆっくりなペースで走る。その後少しそのペースで走ったらザッ、ザッ、ザッと土を蹴り、徐々にペースを上げて行く。普段はそのままゆっくりなペースで走っているが、今日は少しペースを上げている。
『なかなか良いペースですね。』
「そう、か?なかなか、普段から見れば、挑戦的だと、思うが?」
『確かにそうですが、これくらいのペースがちょうどいいかと。』
「そうか、これからも、このペースで行ってみるかな?」
そんなことを話していると、前方をゆっくりと走っているクラリッサが見える。しかし、普段より速いスピードで走っているラウラはそのままクラリッサを追い越した。
「
そう言って追い越すと、後ろからクラリッサの驚いた声が聞こえてきた。それを横目にラウラはスピードを下げ、そのままベンチの前で止まって、休憩する。すると、程なくしてクラリッサも休憩のためにベンチ前で止まる。
「ゼェ…少佐ぁ…ハァ…速すぎじゃ無いですかぁ!?」
「フゥ…今日は少し…ハァ…ペースを上げてみたんだ…。あぁ、そうだ…フゥ…スポーツドリンクでもどうかな?」
「いただきます…。」
「そういえば、私は今日単独で大総統閣下に呼ばれていてな。」
「ほほう。単独で…。」
息を整えたラウラはクラリッサに例の件を話す。すると先程の二人と同じく、意外そうな顔をした。
「珍しいですねぇ。少佐が単独でなんて。」
「…言うほどか?」
「言うほどですよ。なにせあの娘に甘々な大総統閣下ですからねぇ。」
「そうなのか?」
娘に甘いと言われても、ラウラは普段の父のイメージは、プライベート以外ではかなり厳格なイメージを持っていたので、首を傾げた。
最も、実際はそんな事はなく、どの階級の人間にもおおらかに接している。しかも、たまに自分の娘を自慢したりしているので、娘に甘い大総統と言う事実はかなり広まっている。しかしラウラはその事は知らない。
「そうですよ。まぁ、流石に娘を変なとこに送るなんて事はないと思うので心配いらないんじゃないですか?」
「…それもそうだな。少し安心したよ。」
「それは何より。」
そんな話をしていると、レーゲンから声がかかる。
『少佐。そろそろお時間です。』
「…もうそんな時間か。それではな、大尉。」
「えぇ。それでは。」
■■■
ここはヨーロッパのドイツ。
この国は世にも珍しき『大総統閣下』と呼ばれる地位の人物が首領となっている国である。本来の世界のドイツでは『例のあの人』の所為でこの名を嫌っているであろう。しかし、このドイツはそうではない。否、『例のあの人』自体はかなり嫌っているが地位自体はそこまでなのだ。何故か、それは現大総統閣下が人格者であり平和主義だからである。なにせ、
しかし、裏の世界では黒い噂の絶えないことでも有名なのがこの国だ。
そう、例えば─────『大総統閣下は人間ではない。』とか─────。
「ふむ。相変わらず今日も平和だ。」
噂の張本人たる大総統閣下『
「当然です。そんな毎日事件が起こってたまりますか。」
「なんだ。聞いていたのかね。」
「いえ、聞こえたのです。」
相変わらず君はいい耳をしている。と彼は自らの側近の耳の良さに呆れる。しかし、それ以上に気になる事をラースは側近の彼に聞いた。
「…それより例の件はどうなっている?」
「あぁ、娘さんの『IS学園入学』に関しての件ですか。」
そう。それは自らの愛娘のIS学園への入学に関してのことだった。彼の娘は近々、IS学園に入学することになっている。
「ああ。いい加減あの子にも学園生活を送ってもらいたくてな。」
「…いや、それだけじゃないでしょう?」
「…そうだな。第三世代機のプロパガンダというのもあるが…もっと別の理由だ。」
その理由は、『男性操縦者をドイツに引き込む為』である。世界初の男性操縦者を引き込めれば、第三世代機の作成に遅れを取った分を巻き返せると考えてのことだった。
「我が子を国の思惑に巻き込むのは少し気が引けるがね。」
「…既に手遅れだと私は思いますが。」
「だからこそだよ。本来彼女の年齢ならば高校に通っている時期だ。軍人ではなくね。」
彼の娘は今年で年齢は16。大体高校一年生の年齢である。しかし彼の娘は現役のドイツ軍人であり、学校には一切通ったことがない。
「我々は彼女を…彼女たちの生命を弄んだのだ。直接であろうと、なかろうと。ならばその責任を負うのもまた我々の義務だろう?」
「…それもそうですが、今回はあなたがただ学校に通わせたいだけだろうに…。」
「ハッハッハッ。」
「全く。」
冗談のように言っているがラースの言葉に嘘はなかった。気付かなかったとはいえ、人に造られた彼女たちが処分される前に助け出せなかった自身にも罪はあり、ラース・ブラッドレイは大総統の位に着くべきではないと自身を未だに許せないでいる。何故なら
(『例外はあれど、人の命より重い物は無い。』)
ラースはかつて彼女を見捨てるところであった自身に、諭してくれた日本の中学生を思い出す。確か、家族と旅行に来ていたとか言っていたその中学生は、今は年齢的に彼の娘と同じ高校生となり、IS学園に通っているという。
(確か名前は────。)
ラースが物思いに浸っていると、集合時間の10時になった。それと同時に大総統室のドアをノックし、ラウラが入室してきた。
「失礼します。シュヴァルツェ・ハーゼ所属、ラウラ・B・ボーデヴィッヒ少佐であります。」
「おっと、もうそんな時間かね。ラウラ少佐、休日なのに呼び出してすまないな。」
「いえ、構いません。」
「で。今回呼び出した理由だが、君にはドイツを離れ、単独の任務に着いてもらう。」
(やはりか…。)
ラースの言葉に、ラウラはレーゲンが言っていたことを確信に変えた。
「了解いたしました。しかし、行き先は一体どこでしょうか。」
「うむ、日本にあるIS学園は知っているな?」
「はい。」
「そこに転校生として、『ドイツの第三世代型ISのプロパガンダ』のため、それと『男性操縦者をドイツに勧誘する』ために行ってもらうことになっている。」
「なるほど。承りました。」
(男性操縦者か。それは予想外だったな。)
プロパガンダということ自体は第三世代の専用機であるレーゲンを受け取った時にラウラ自体、ラースから聞いていたことであった。しかし、男性操縦者。最近になって見つかった織斑一夏を始めとする数名。それをドイツに引き入れることはラウラにとっては予想外であった。
何故なら、その役目は自分とはまた別の人間の役目だと思っていたからだ。
「さて、任務については以上だ。ここからはプライベートな話になるが…。」
「構いません。」
「よし。ラウラ、今日は妻も一緒に街に行かないかね?」
「そうですね…これからは機会がなくなりそうなので是非。」
「わかった。それでは時間は追々連絡する。それとレーゲン君を置いていってくれないかね?少し話したいことがある。レーゲン君は構わないかね?」
『構いませんよ。大総統閣下。』
「?…わかりました。それではまた。」
ラウラはレーゲンが了承したということで、そのまま彼を置いて大総統室を退出した。
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ラウラが退出したところでラースは自身の側近すらも退出させ、レーゲンに話し出す。
「さて、レーゲン君。君は、未だに我々人類を恨んでいるかね?」
ラースが聞きたかったのはこの一点だった。かつて、シュヴァルツェ・レーゲンと言うISは自ら『ラウラを除く全人類を恨んでいる』と言及していたからである。そのISが今から世界の中でも重要な場所であるIS学園に行くのだ。これだけをラースは確認しておきたかった。
『…その質問ですか。いいえ、一部を除いては恨んでおりませんよ。』
「…理由を聞かせてもらえるかね?」
『私は、この数年間様々な人間と触れてきました。その中で、人類という種族が悪いわけではないと知ったのが大きいでしょう。』
「…そうか。」
レーゲンの声にラースはどこか温かみを感じた。かつての無機質な機械の音声ではなく、人間の肉声のように。だからこそ、ラースは安心した。彼ならば、ラウラの良き相棒となってくれるだろうと。彼女を支えてくれるだろうと。
「───あぁ、安心した。」
本当に、安心したのだ。
感想オナシャス!!
というわけで。
よう、読者様…数ヶ月ぶりだな…。座れよ…読者様。
タイトルはシンプルにブラッドレイ。やっぱこれがラースっしょ!!って事で。
あと、うちのラウラさんは別にちっふーに固執してはいません。まぁ定番です。
一番最初の───これがついているところはラウラの出生とか。
それ以外にはレーゲンにしっかりとした人格があり、どこか人類に恨みを抱いていた様子。
あと、ここのブラッドレイさんは傲慢ではなくちゃんと憤怒です。
以上!!
次回から真木君の方に戻ります。
それでは次回〜。
スレを長くして欲しいか短くてもいいか
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長めでいい
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短めでいい
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どっちでもいい