第4十刃が異世界に来るそうですよ?   作:安全第一

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いよいよウルキオラと白夜叉の対決です!
どうぞ!


6.第4十刃VS白き夜の魔王

 黒ウサギは戦慄していた。

 

(ま、まさかウルキオラさんがあの白夜叉様と同格の存在だなんて……)

 

 白夜叉から発せられる星の殺意すら意に返さず、それを容易く押し返す。その様な事が出来るのは最低で四桁以上の魔王だけだ。

 彼はそれを軽くやってのけた。それがどれ程の力が彼の中に有るのか黒ウサギには理解出来た。それは四桁の魔王級の実力を持ち、尚且つ最強種である星霊の白夜叉と同じ次元に立っているという事だ。

 

(ウルキオラさん、貴方は一体何者なのですか……?)

 

 理解と同時に感じる恐怖。

 

 何故、恐怖が感じられたのか彼女は知らない。

 

 それは、彼女が思っていた以上に彼の存在が強大過ぎた為か。

 

 はたまた、何も感じ取る事の無い彼の感情を理解出来ない為か。

 

 それとも、彼の姿が最悪の天災“魔王”に似つかわしいと僅かながら頭に過ってしまった為か。

 

 

 それは、誰にも分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界を覆う煉獄の灼熱。それの温度は太陽のプロミネンスに匹敵する。

 白夜叉は扇子を扇いだだけでそれを発現させた。星霊の力ならばこの程度など小手先の手段にしかならないだろう。

 まずは牽制を兼ねた小手調べ。

 相手はそれを双眼に捉えたまま一歩も動く事は無い。避けるまでも無いという事だろう。

 

 ならば好都合だ。

 

「はっ!」

 

 白夜叉の発声と共に、煉獄の灼熱がウルキオラを呑み込まんとばかりに覆い尽くす。

 牽制を兼ねた小手調べとはいえ、この攻撃が直撃すれば無傷では済まない。それに加え、この攻撃は回避は愚か防ぐ事すら容易では無い。

 

(さて、それをどう対処するか)

 

 白夜叉は煉獄の灼熱に包まれるウルキオラの様子を見ながら、そう思っていた。

 しかし、その思惑は直ぐに崩れて行く事になる。

 

 

「……その程度か?」

 

 

 腕の一振り。たったそれだけで煉獄の灼熱は幻想の如く、儚く散り消えていった。

 ウルキオラは斬魄刀を持っていない方の腕で薙ぎ払う様に振るっただけ。

 

 防ぐ事は愚か、躱す事すらしなかった。

 

「!」

 

 その事実に、白夜叉は目を見張る。予想の斜め上を行く結果に驚愕していた。

 

(先の攻撃は牽制とはいえ、それなりに威力を込めて放ったのだがな……)

 

 それをたった腕の一振りで掻き消すか。益々強大さを増していくウルキオラに、白夜叉は嬉々とした視線をウルキオラに向ける。

 

 しかし、それと同時にウルキオラも少々驚愕していた。そして、振り払った自分の腕を見る。

 傷は一つも付いていない。服も焼けておらず、煉獄の灼熱による焦げ跡が残っている訳でも無い。だがウルキオラは驚愕のまま、手の部分を見つめていた。

 

(この俺の鋼皮(イエロ)を焦がすとは……)

 

 “鋼皮”とはウルキオラ達“破面”が持つ特性の一つで、自身を守る鎧の様なものだ。その硬度は己の霊圧に比例する。

 ウルキオラの元々の鋼皮も相当硬いものであったが、全ての能力が大幅に向上している今、その硬度は以前よりも強化されている。

 だが、更に硬くなったその鋼皮を焦がす程の威力を持つ攻撃を白夜叉は繰り出した。星霊の側面を持つ彼女の攻撃は、幾ら牽制だったとはいえそれ相応の威力が込められていたのだ。

 お互いに驚愕し、双方は同じ事を心中に刻み込んだであろう。

 

 

 

 油断すべき、相手では無いと。

 

 

 

 双方、心中にそれを留め次の手を打って行く。

 次に仕掛けたのはウルキオラ。傍から見れば、刀を手にしている姿を連想して接近戦タイプだと想定するであろう。

 だが、ウルキオラはその予想の斜め上を行く。

 

「何と!?」

 

 白夜叉はその攻撃に目を見開く。ウルキオラから繰り出されたのは接近戦を展開するものでは無い。

 

 剣圧による斬撃であった。

 

 白夜叉は驚愕しつつも、慌てずにその攻撃に対応する。放たれたのは三つの斬撃。

 一つを横へ回避し、その間に迫って来た二つの斬撃を電撃の盾を発生させ相殺する。

 その後も油断せず、隙を見せない。だが、内心で失態だと自分を叱責していた。

 

 ウルキオラを接近戦タイプだと見誤ってはならない。彼はどの様な状況に置いても完璧に対処出来るオールラウンダータイプだ。

 

「逃がしはしない」

 

 立て続けにウルキオラの追撃が白夜叉を襲う。先程灼熱を振り払った手で全ての指先に少しの霊力を収束させ、それを放つ。

 

「“虚弾(バラ)”」

 

 指先から放たれた五つの弾丸。その速度は第三宇宙速度に匹敵していた。

 虚弾自体に然程の威力は無い。拳銃と同様で相手を牽制する為の技であり、十刃達がそこまで多用する様な技では無い。

 しかし高が弾丸程度の威力と侮るなかれ、十刃が放つ虚弾は十分な威力を伴っている。それも第三宇宙速度を誇る速度だ。

 その馬鹿げた速度を伴えば幾ら虚弾と言えど、高威力へと変換される。

 

「っ!」

 

 白夜叉はその小柄な身体を利用し三つの弾丸を避け、残り二つの弾丸を扇子を用いて反射的な速度で弾き、軌道を逸らした。

 軌道が逸れた二つの弾丸は高く聳え立つ巨大な氷山の方向へと飛んで行き、一つは空の彼方へ、もう一つは氷山へと迫りーーー

 

 

 

 

 

 ーーー氷山の大部分を粉々に打ち砕いた。

 

 

 

 

 

「な……!」

 

 その声は白夜叉か、又は問題児達から発せられたものか。たった一つの弾丸が山河を砕く一撃を秘めるなど見た事も聞いた事も無い。氷山が崩落する中、彼等は戦慄した。

 しかしウルキオラの追撃は終わらない。もう一度五つの虚弾を放ちその上で斬撃を織り交ぜ、攻撃と攻撃の間を埋め尽くす。

 

「厄介な……」

 

 そう愚痴り、白夜叉は雷神にも勝るとも劣らない雷撃を前方に放ち五つの虚弾を相殺する。残る斬撃は最小限の動きで躱した。それは自分の体格のメリットを大いに理解し使いこなせている証拠だ。

 

「お返しだの」

 

 躱しながらそう言いつつ、そのまま反撃へと転じる。愛用の扇子を広げ、ウルキオラに向けて縦に大きく振るう。

 

「!」

 

 その攻撃動作を危険だと判断したか、ウルキオラは“響転(ソニード)”を発動させ、一瞬でその場から消え去る。

 

 

 

 刹那、大地が大きく二つに引き裂かれた。

 

 

 

 その一閃は勢いを止める事無く炎と雷を伴った閃光と化し、辺りの地形を地獄絵図へと崩壊させる。

 電撃が辺りへと迸り、灼熱は地形そのものを駆逐して行く。その規格外の威力に観戦していた問題児達は冷や汗をかく。最強種である星霊の一撃が此処までのものだとは思いもしなかったのだろう。

 

「おいおいマジかよ……アレをモロに喰らっていたら存在そのものが蒸発していたぞ」

 

 特に十六夜は星霊とは何たるかを理解していた為、他の二人の問題児達よりも驚愕は大きいものだった。ウルキオラの一撃も規格外だが、白夜叉の一撃もまた規格外であると。

 

「ふふ、コレを避けてばかりでは私には勝てんぞ?」

 

 もう一撃。そう言わんばかりに白夜叉は再び扇子をウルキオラの方向へと向け一閃を放とうとした。

 だが、

 

 

 

「そんなもので俺の動揺を誘えるとでも思ったか?ーーー」

 

 

 

「ッ!」

 

 その声が響いた直後、白夜叉は本能から危険を察知した。

 

 アレを喰らえば拙い、と。

 

 ウルキオラの人差し指から莫大な霊力が収束していくのを察知した白夜叉は、自らが放つ次の一撃の威力を咄嗟に高め、それをウルキオラへと振るった。

 

 

 

「ーーー嘗めるな」

 

 直後に放たれる強大な翠の閃光、“虚閃(セロ)

 

 

 

 一閃と一閃がお互いに衝突し、辺りに衝撃波を発生させる。その一撃同士の余波で地獄絵図だった地形を更に破壊していく。

 最後はお互いの一撃が爆発し、ゲーム盤の空間に亀裂を入れながら相殺する形となった。

 

「きゃあ!」

「うおっ!」

「うぅっ……!」

「くうっ……!」

 

 問題児達と黒ウサギは悲鳴を上げながら己の身体が吹き飛ばされない様に身を屈めて耐え切る。その際に十六夜は両隣にいた飛鳥と耀の肩を掴み、無理矢理の形で伏せさせた。彼なりの配慮だったのだろう。

 一撃どうしが衝突し合った場所は爆発の影響で炎の海と煙幕が発生しており、ウルキオラと白夜叉の双方の姿が伺えない。

 その中で、白夜叉は冷や汗をかきながらウルキオラの放った一撃を思い出していた。

 

(霊力を一点に収束させる事によって放たれる一撃か。彼奴は力の操作までも完璧なのか……)

 

 虚閃といえど、霊力の違いによって威力は変動するが、それだけでは無い。

 霊力を操作する技術を備えていれば、それ以上の威力を放つ事が可能である。その技術が細部まで行き届いていればいる程、それは更に進化する。

 ウルキオラの放った一撃は正にそれの極地であった。もしもあの一撃を相殺せず直撃していればどうなっていたか。少なくとも無事ではいられないだろう。

 

「……さて、仕切り直しと行こうかの!」

 

 白夜叉はそう言い、柏手を一回打つ。すると、白夜叉の辺りに四つの光る球体が出現した。

 

 “牛”、“虎”、“戌”、“猪”

 

 其々の球体にその様な文字が現れ、燦々とした輝きを放ち始め、白夜叉の辺りを飛び回る。それは圧倒的な存在感を放っており、並の恩恵では無いと全員が瞬時に悟る。

 

「……ほう」

 

 対してウルキオラもその恩恵に並々ならぬ雰囲気を感じ取ったのか、如何にも納得した様な表情を作る。

 

「四つの球体に干支が印されている文字……まさか白夜叉の使い魔か?」

 

 十六夜がそう呟き、四つの球体を見る。

 実際に十六夜の推測は的を射ており、この球体達は一つ一つに星霊並の力が宿っているものであり、超は五つは付く超々級の使い魔である。要はそれ程の力を持つ人智を超えたギフトだ。

 すると、それを見据えていたウルキオラから大地を揺るがす程の霊圧が発せられる。

 

「……成る程、それが貴様の奥の手の一つという事か」

「無論、そうじゃの」

「そうかーーー」

 

 ウルキオラから発せられる霊圧は徐々に強大なものへと膨れ上がって行く。ウルキオラは翠の双眼で白夜叉を捉えたまま、呟いた。

 

 

 

 

 

「ーーー漸く、手を抜かずに戦う事が出来る」

 

 刹那、白夜叉の頭上には彼の斬魄刀が振り下ろされていたーーー

 

 

 

 

 

「!!!」

 

 衝撃、そして反射的な防御。だが間に合わず、僅かに肩を斬られてしまう。星霊並の恩恵が四つ有るにも関わらず、だ。

 その恩恵は超高速などの物理的なものではなく、一瞬にして相手を屠る事が出来る。もしもウルキオラの実力が高が知れる程度のものであれば瞬殺出来たであろう。

 だが、それはウルキオラも同じ事。“響転”を持つ彼にとって超高速などただ走っている速度に過ぎない。

 白夜叉の奥の手とウルキオラの今の状態(・・・・)での本気。これは両者にとって然程差異が変動する様なものでは無かった。強いて言えば、ウルキオラが若干優勢になった所か。

 

(まさか、アレで手を抜いていたとでも言うのか……? 信じられんっ……!)

 

 速過ぎるウルキオラの攻撃回転速度。今は四つの球体達が己の身体を守っているが、その一撃一撃は間を縫って来るものばかりであった。

 球体の一つが攻撃を防いだと思えば正反対の方向から突如として攻撃が浴びせられる。超高速という次元を超えている球体達の攻撃速度も速過ぎるが、ウルキオラはそれすらも上回っていた。

 

「ぐっ……!」

 

 肩の次は腕を斬られ、距離を取って体制を立て直す。それを追撃するウルキオラ。迎撃する四つの球体。

 四つの球体から発せられる一閃の威力は先の白夜叉が見せた一撃と変わりない。喰らえば唯では済まないソレを紙一重で躱して行くウルキオラ。その間から彼の放つ虚弾が白夜叉を襲い、彼女も紙一重で躱す。

 

 しかし、白夜叉の真横に瞬間的に移動していたウルキオラは既に虚閃を放つ準備を終えていた。

 

「終わりだ」

「何だとっ……!?」

 

 そして至近距離からの翠の一撃。それは白夜叉を覆い尽くし、滅ぼさんと襲い掛かる。その後、辺りは再び煙幕に覆われた。

 だが、星霊とはそう容易に攻略出来る存在では無い。

 

 突如として、煙幕の中から閃光が二つウルキオラへと襲い掛かって行った。それも至近距離の為、“響転”が間に合わない。

 

「……ッ」

 

 ウルキオラの右脚と左腕に閃光が掠り、鋼皮を焦がし尽くし出血を伴わせた。

 その張本人である煙幕の奥、白夜叉は咄嗟に防御に回した二つの球体にて直撃を免れたものの、無傷では無かった。服は所々破け、額からは少々血が滴り落ちている。

 

「はぁ、はぁ……あれは危なかったぞ。被害を最小限に抑えなければ今頃私は消し炭になっていたであろうな」

「……賢明な判断だ」

 

 だが、白夜叉はただ防御に徹した訳では無い。あれだけの至近距離から虚閃を放たれたのだ。無傷で相殺出来る方が可笑しいだろう。

 白夜叉はダメージを覚悟でわざと(・・・)二つの球体で防御し、残り二つの球体で反撃に転じたのだ。有る意味博打だろう。

 結果的にそのダメージ覚悟の博打は成功し、ウルキオラにも傷を負わせる事が出来た。

 

「ま、お互いにどっこいどっこいと言う所だの」

「………」

 

 白夜叉の不敵な笑みから零れた言葉。それにウルキオラは何も言わず、己の出血をした箇所を見ていた。

 

「……そうか」

「……何?」

 

 あれだけ高密度だったウルキオラの霊圧が更に重く濃くなって行く。まだ本気の中に更に奥の手を潜ませていると言う事か。

 白夜叉は身構え、ウルキオラの次の攻撃に備える。勿論、此方の攻撃準備も終えている。

 

 

 

「やはり、俺は貴様を見誤っていた様だ」

 

 ーーー突如、彼とその斬魄刀から翠の掛かった黒い霊力が発現した。

 

 

 

(……次は一体何をする気だ? いや、あれは彼奴の刀に己の霊力を喰わせている(・・・・・・)?)

 

 ウルキオラの次なる一撃への動作に白夜叉は訝しむ。

先程の指先に霊力を収束させて放つ一撃とはまた違う、別次元の一撃。

 翠に包まれた黒い霊力はウルキオラの辺りを飛び回り、徐々にそれは斬魄刀へと凝縮されて行く。

 ウルキオラが斬魄刀を振るう為に横薙ぎの構えを取り、正確に狙いを定める様に翠の双眼で白夜叉を捉える。そして不意に彼は呟く。

 

 この技が代名詞でもあった彼を真似る様に。

 

 

 

「“月牙ーーー」

(ッ! 拙いっ!)

 

 

 

 再び本能による警告のアラートが悲鳴を上げる。白夜叉は四つの球体達を白夜叉の前方に置き、完璧な防御体制を作る。

 だが、それはかの技に対して無意味な事であったーーー

 

 

 

 

 

「ーーー天衝”」

 

 

 

 

 

 横薙ぎによる絶対的な一撃。

 翠の掛かった黒い霊力が放つ一撃に完璧な防御体制は容易く崩れ、白夜叉の身体を横に切り裂く。

 

「ガッ、ハァ……ッ!」

 

 白夜叉は口から吐血し、大きく吹き飛ばされる。だが、その身が横に真っ二つになる事は無かった。

 ウルキオラから放たれた“月牙天衝”が直撃する寸前に、僅かに後方へと退いたのだ。そうしなければ今頃白夜叉の身体は文字通り、横へ真っ二つになっていたであろう。

 

「……ほう、あの一撃を僅かに退く事で致命傷を避けるか。英断だ」

「……ゴホッ、恐ろしい一撃だったぞ。直撃していれば消し炭どころか死んでいたの」

 

 口から吐血している中、戦慄による冷や汗をかきながら体制を整える白夜叉。あの一撃は規格外どころかそれを上回っている。アレを連発で使わされていたら恐らく自分は敗北の二文字を喫していたであろう。

 

 そんな白夜叉の心中を他所に、ウルキオラの内心は驚愕の一色に塗り潰されている、何て事は無かった。

 彼自身、何故“月牙天衝”を放つ事が出来たのかは分からない。だが、彼には“月牙天衝”という技が自然と身に染み付いている様であった。

 

 まるで『最初から知っていて、今の今まで思い出せなかった記憶』の様に。

 

(……黒崎一護、此れはお前の仕業なのか……?)

 

 ウルキオラは記憶の中に存在している彼に問う。しかし、その彼からの返答は無い。する訳が無い。

 

 そして、自身の持つ斬魄刀の“名”も“月牙天衝”の発動と同時に彼の記憶に刻み込まれていた。

 

 

 

(……この斬魄刀の名は“天月”)

 

 

 

 “天月”それはまるで黒崎一護の卍解である“天鎖斬月”を捩った様な名前であった。

 そして、彼の斬魄刀である“天月”は既に始解の状態であると言う事。これも常時解放型である黒崎一護の始解“斬月”と同様であった。

 

 この斬魄刀については後から対処しておこう。そう思い自己完結したウルキオラは視線を白夜叉に向ける。

 

「……この一撃に対しても貴様は生き延びた。ならば礼として見せてやらねばならんな」

 

 ウルキオラの指先を斬魄刀で少し切り付け、指先からは血が流れ出る。

 それをウルキオラは白夜叉に対して向け、莫大な霊力を収束させて行った。

 

(先程の一撃の後は何だ……? アレよりも更に嫌な予感がするのは気のせいか?)

 

 白夜叉のその予感は直ぐに悪寒へと変わる。今までの戦いの中で最も酷い警告音を本能から察知出来たからだ。

 ウルキオラの指先からは超が付く程の莫大な霊力が指先に収束して行く。規格外の霊力の収束に腕から翠の電流の様なものすら迸っている。その中で、ウルキオラの口から懐かしむ様に言葉が発せられた。

 

「かつて、俺達十刃には虚夜宮(ラス・ノーチェス)の天蓋の下で禁じられていた事が二つ有った」

 

 

 

 一つは、【十刃の為に存在する虚閃】

 

 もう一つは、【第4十刃以上の帰刃】

 

 

 

「……まさか」

「そうだ。俺が今から放つのは【十刃の為に存在する虚閃】だ」

 

 白夜叉の嫌な予感の原因はこれである。ウルキオラから放たれた翠の閃光はただでさえ白夜叉すら下手をすれば致命傷を与える代物だ。それを上回る閃光など白夜叉の想像では到底追い付かないだろう。白夜叉からは青褪めた顔しか伺えなかった。

 

 白夜叉の感じたソレは先程の“月牙天衝”の比では無い。

 

(ッ! 迎撃するしか無い! せめて相殺せねば!)

 

 最早回避や防御は不可能と判断したのか、白夜叉と四つの球体の其々の強大な一撃の威力を最大まで増大させる為、霊力を一点に集中させた。

 

 そしてお互いにそれを収束し終えーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「“四色の超速閃光(フォース・オーバー・レイ)”」

 

「“王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)”」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー絶対破壊の閃光を打ち出したーーー

 

 

 

 




ウルキオラの判明した情報

:ウルキオラが月牙天衝を放てる事

:ウルキオラの斬魄刀の名は“天月”
※解号不明、常時解放型。ウルキオラは何故か名を知っていた。例外の中の例外。






安全第一のどーでもいい妄想

今回のお題:ポケモンの金銀版に出て来るレッドが強すぎる件

捕まえたてのホウオウ(Lv70)でレッドのピカチュウ(Lv81)に挑んだら、10まんボルトで「こうかはばつぐんだ!」と「きゅうしょにあたった!」で一撃で沈められてしまった思い出がある(震え声)

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