駄作   作:匿名希望ただの人

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怪物

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜になり、夕食を済ませ皿洗いや風呂を終えた頃の事だった。

「街でアニク主催の学生大会がやってる!?」

「なんでも、剣舞祭出場メンバーの残り枠を決める為に開くみたいだ」

「見に行くか?」

「いいや、参加して戦意削いでやる」

「ちなみに出場条件は精霊使いで神威使いの獣人限定だそうだ」

「いけやレオン、全員ぶっ殺してこい!」

「お前ならいけるぞ」

「いいんじゃないか、面白そうだし偵察も兼ねて行ってこいよ」

「あのですね、もう始まってますわ」

「…なーんだ、じゃあ観戦程度か」

「観光も兼ねて見に行ってこいよ」

てことで夜のアニマニア最大の都市エレメンタリアへ繰り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

エレメンタリア

夜になると街灯だけでなく空を舞う精霊達で明るくなりより栄えてみえる。

至るところにある飲食店から笑い声や怒鳴り声が聞こえる。

血気盛んな獣人達だ、盛り上がり方がまたアルガドとは違った風景である。

「やかましい所だな」

「ドルツェルブも大概だろ」

「あぁん!?」

「軍人も獣人も大差ないってことですわ」

「静かよりはマシだがな」

「このお肉美味しいです」

「フィーバードだ、旨いだろ」

レオンに買ってもらった、丸々とした鳥の丸焼きをかぶりつくルリーはその味に絶賛する。

「なにお前らだけ食ってるんだ」

「俺らも買わせろ!」

レオンが指差す屋台から丸焼きを買いに走り出すカズキとジェルマン。

「やれやれ、子供なんですから」

「骨も柔らかくて食えるからな、全部残さず食べれる」

「さすがに、骨はちょっと」

「んまー、やっぱ旨いは」

「歯ごたえがあって旨いな」

骨ごどバリバリ食べる二人。

「骨…食べれる?」

それを見て本当に食べれるのではないかと錯覚してしまうルリーは骨を噛むが、その咀嚼力では砕く事ができない。

「~~ッ」

「無理しないでくださいルリーさん、あれは野人ですの」

「そ、そうですよね。あは、あははは」

ノアの言葉でようやく正気に戻る。

「ルイスも堅物だよな、ミカルド先輩とダテさんと一緒に修行だなんてよ」

「どちらかと言えば、俺らがそうなるべきだろ」

本来なら剣舞祭に出場するメンバーが日夜惜しまず修行するはずなのだが、今は偵察とはいえ遊んでいる。

うっ、罪悪感が……。

「明日からだな」

「今日の所は、な」

「久々のアニマニアだし遊びてぇな~」

「わたくし達は遊びに来た訳ではありませんわ」

「わかってるよ」

「休息あっての修行だよ、今は楽しまないとダメ」

巨大なワニの下半身をもぐもぐさせなが言ってくるリューク。

「おま、クロコダイアの丸焼きを食べ歩くのは猛者だわ」

「そんなもん半分食べて体型変わらんとか、どうなってんだお前」

すでに半分は食べ終えているリューク、だがその体型はいつも通りスラッとした美しいプロポーションのままだ。

「美味しいわよ?」

微笑みながら食べ歩くその姿、食べてるものが可愛らしいものなら絵になるんだが。

巨大なワニ片手ではな。

「そろそろ着きますわ、飲み物とか買うなら今のうちですわ」

「肉、あの肉食べたい」

「あの店も気になるな」

「もう、始まってしまいますわ」

夕食後にも関わらず店を巡りながら試合会場へと目指す。

 

 

 

 

 

 

 

「盛り上がってるな」

「剣舞祭出場を決める大会だもんな」

「俺らもこんな感じで個人の実力だけで見てくたら楽だったのにな」

「今回の剣舞祭は個人の力だけじゃなくてチームワークが必要なのですわ、それを見越してチームを生徒だけで作らせて連携や戦術を考える力をつけてさせてるはずですわ」

「俺らは元から決まってたけどな」

「結局は個の力だ」

「俺達は仲良いからな」

「そう思ってるのはお前だけだカス」

「本当にそう思っているのか?」

「そう思っていたら一緒に試合なんか見ねぇよ」

「えはははは」

「仲が良いの悪いのかわかりませんわ」

「おい、始まるぞ」

神威だけでなく精霊もつかった獣人と獣人の激しいバトル。

(つまらない試合ばかりだ)

何試合か見ているが、どれも眠くなるばかりだ。偵察だとか言っていたが所詮は予選大会だ。

強いには強いかもしれないが剣舞祭に出場するレベル、いやカズキのお目にかかるレベルではない。

そう思ってきたらなんか喉が乾きてきた。みんなに飲み物を買っていくと言ったら全員からパシリにされた。くそが。

まあ仕方ないかと買いに行く。

その道中で屋台の誘惑につられ食べていたのは内緒だよん。

なんなかんやで戻ってくると試合は盛り下がっていた。

「強い、強過ぎるぞヒメギ選手!その強さはまさしく怪物(モンスター)だ!」

実況の甲高い声だけが響いている。

「どったの?」

取り敢えず席に戻ってジェルマンに聞いてみる。

みんなもなんか唖然とした顔をしているからより気になる。

「カズキか、今戻ってきたのか」

「お前らがパシるからな」

「頬についた食べカスをとってから言え」

「……で、このしらけはなんだ?」

「さっきの試合なんだけどよ、相手に触れただけで吐血させてよ」

「普通だろ?」

「普通じゃないから静まってるんだろ」

どうやら、殴った蹴った刺したではなく、触れただけで弾け飛ぶように倒れたそうだ。

「そら凄い技だな」

「あんなのとやりあえるなんてたまらねぇぜ」

ニヤニヤ笑うジェルマン、狂人の異名は伊達じゃないな。

「お前も見ればわかるさ」

「んじゃあ、楽しみにしてる」

その言葉に期待を抱きながら観戦する。

見ていてもったいない、人よりも頑丈なつくりなのに我が身可愛さに普通の試合になっている。

俺だったら勝利の為だけにああは出来るなと思いながら見ていく。

「あいつが例の獣人だ」

青みがかかった灰色の長い髪を靡かせながら歩く、クールな表情をした美少女を指差す。やっとお目当ての選手が戦うのか。

「あいつか」

「よく見ておけ、あいつは強いぞ」

試合会場のブザーが鳴った瞬間、相手を足払いで転ばすと軽くジャンプをし一回転するとそのまま顔面に踵をめり込ませる。

あまりにも速く柔らかく力強い一瞬の出来事で大会の優勝を飾った。

「……あっけない終わり方ですわね」

「まだ力を隠している感じがする」

「てめえみたいだな」

「ほっとけ」

まだまだ余力を感じさせる戦い方、なんか誰かに似ている気がする。

「優勝者したヒメギ・ハムスロット選手には賞金と剣舞祭出場権を」

「待った」

二階にある個室からバリンとガラスを割って飛び出してくる大柄の獣人。

宝石が散りばめられた民族衣装に黒のマントを身につけた真っ赤な鬣のような髪が印象的だ。

「お前に資格あるか確めたくなった」

「こ、これはアニク様みずから」

アニクと呼ばれる獣人の登場には観客席からザワザワと騒ぎ始める。

「なんだ、あの獣人は」

「アニク・キーリン、アニマニアの王子だ」

レオンがそう呟く。

「そんなんよりも神伐隊四番隊隊長の方が知りたい情報だろ?」

それを補足するようにカズキが言う。

「なに!?あいつが神伐隊の隊長だと!?」

「メーテル様と同格ですのね」

「はわわわ」

その威圧の前でヒメギは

「資格なんていらない」

表情を崩すことなくそっけない返事をする。

「なに!?」

「そんな資格いらないから賞金をくれ」

それどころか手を出しヒラヒラさせる。

「剣舞祭で優勝すればどんな願いも叶えてくれる。こんなちっぽけな賞金なんかよりも」

「賞金は友達の為に、願いは私の手で叶える」

「世界から猛者が集まる大会だ、勝ち抜き掴み取れば良いだろう」

「興味無い」

「むう、わかった。好きにしろ」

「それじゃ」

賞金が入った封筒を受け取ると耳をピコピコさせて嬉しそうに去ろうとする。

「待つんだヒメギ」

急いでやってきたアディラが息をきらしながら呼び止める。

「アニク様、ヒメギは剣舞祭優勝に必要な人材です」

「お前がそこまで言うのなら、そうとうな実力者なのだな」

「私よりも強いとみています」

「聞いた事がある名前だ。たしか神伐隊の隊長を務めていた獣神のアニクと同じな気がする」

「ほう、その情報を知っているとはな」

「その前にこの国の王子様なんだけど」

「王子でも隊長でも関係無い、でもこの人が獣人最強……面白い」

封筒をアディラに渡すとアニクの方を向いて微笑む。

「気が変わった。闘おう」

「おい、アニク様に失礼だろ」

「良い。気が変わってくれて感謝するヒメギ」

「それじゃあ……こいよ」

ヒメギが手招きをした瞬間、アニクは目にも止まらない速さで距離を詰めると大木のような豪腕を振るう。

続けて前蹴りをぶちかまし後ろへ吹き飛ばそうとする。

「神伐隊の隊長だから期待したが……」

しかし、軽く浮いただけで終わり特にダメージが入っていないヒメギは露骨にガッカリした表情をだす。

「なに!?」

「神格化をつかえ、私は強いよ?」

「なめられたものだ、神威武装も使ってないのに神格化を御希望とはな」

そのなめられた態度に苦笑する。

「王者の一撃(キング・クロー)」

強く踏み込んだ大きく振り下ろされる鋭い爪を伴った拳。

助走の勢いを殺す事なく放たれる体制を低くしてからの上へ凪払うかのような回転蹴り。

その威力は凄まじく、パァンと高い音が響く。

「!?」

「もう一度言う、私は強いぞ」

クールな表情なんてものじゃない、完全に殺す顔をしている。

腕は弾かれ、黒く焼けた痕と煙が立ち上がっている。それにはアニクは狂喜の笑みを浮かべた。

「王家に伝わる相伝の技を弾くか……。撤回しようヒメギ、いやその強さを表意して怪物(モンスター)と呼ばせてもらおう」

「モンスターは余り好きじゃない。でも嬉しい、久々に本気で闘える」

「百獣槍(ベスティアロード)」

真ん中に巨大な刃を中心とした五叉、真ん中に獅子を連想させる模様が刻まれた真っ赤な大槍。

「これが我の神威武装だ、貴様の神威武装を見せてみろ」

「……神威武装?」

その言葉に首を傾げる。

「まさか、使えないのか?」

「武器は出せない、でもこんなのは出来る」

そっと地面に手を置くと巨大な地震が起こる。

その振動は凄まじくコロシアムに亀裂が入り地面が断裂しかける。

「おっと、やりすぎちゃったかな」

手を放すと大災害とも言える揺れが一瞬で止まる。

「属性能力か!?」

「それは違う、って言われた」

ヒメギ本人は無自覚で使っているが、原理としては神威を流し伝わせることにより振動を起こす技。

武器も能力も使えない余した圧倒的な神威の量を持つヒメギだからノーリスクで出来るものであり、当然威力は凄まじい。

「原理はわからないが、これが私の力。あなたは受け止められる?」

足に力込め手を突きだしながら一気に駆け出す。

「大破壊(ミルクラッシュ)」

間一髪かわくアニク、その拳が壁に触れた瞬間だ。落ち葉の山が風に吹き飛ばされるように儚く脆く容易く一瞬にして崩れた。

観客席にも被害が行き、逃げ惑う獣人達。

「粉砕王!」

避けたアニクに向け手を広げ掴みにかかる。咄嗟に岩を投げ掴ませると砂と化す。それだけでその威力が恐ろしいかがわかる。

「どれだけ威力があろうとも当たらなければ意味はない」

「!?」

「スピードには自信があるんだ」

足の裏から爆発し猛スピードでヒメギめがけ飛んでくる。

「トライデント」

風を切る速さで一直線に槍を突き刺してくる。

体を曲げかわす。直ぐ様アニクの方へ体を向けるが、目の前に五叉の刃が迫っていた。

キイィン

大口を開けて刃を歯で噛み止め、その止まった隙にアニクの手に触れる。

指先からくる振動、咄嗟に槍を捨て後ろへ下がる。

「ぺっ、まじゅい」

「触れただけでこの威力か」

「内部ぐちゃぐちゃにしたと思ったのに」

「揺れ程度で崩れるほど柔な鍛えはしていない」

とは言うが、触れられた腕は力が入らない。骨は砕け内出血を起こしている。

もし後ろへ下がらなければ一瞬で振動により爆死していた。

触られたら即死という状況で接近戦闘は明らかに不利、だが飛び道具も効いてくれそうにもない。

「……飛べるの?」

アニクの体から速度を持った流体が放たれ浮き上がっている。

「属性能力、極大噴出(ジェットブースト)だ。なかなか便利なものだぞ」

ジェットブーストを使った圧倒的速さによる攻撃と回避。

どんな威力も当たらなければどうてことはない。

噴流を利用した激しい猛攻。当然一撃一撃が速く重たい。

だが、能力を数倍にも引き上げられたアニクに対応出来るヒメギ。

それに疑問と焦りを感じ始める。

王族の血統を引き、その実力素質を神に認められ鍛えられ神伐隊の隊長の席に座り悪魔や魔物と戦ってきた。それなのにこんな得体の知れない小娘に。

「グラス・ギア。大地を凍てつかせろ」

アニクの命令に従い試合場の床全体が凍り、ヒメギの足をも凍らす。

「氷の精霊か」

振動を起こし氷を砕くも、アニクにとっては充分過ぎる隙だった。

「我が拳に纏え、バーニング・ギア」

炎の拳を数発腹部にもらい後ろに崩れるヒメギ。

「ブルードスライス」

続けて槍を横一閃に振るい、胸元を斬った後すぐ蹴り飛ばす。

「トライデント」

さらなる追撃をかけた刺突は腹部に刺さった。

柄を両手で掴み貫く事は阻止できたが、重症だ。

「っあああああ!」

アニクを蹴り怯ませた時に力で押し返し、強引に引っこ抜く。

「本能のままに捻り潰してやる」

声を荒上げ怒りを露にしたヒメギ、ビリビリと体から稲妻が迸る。ゴゴゴッと大地が揺れる。

「余裕が消えたか」

ヒメギの鬼気迫る表情。それは鬼も裸足で逃げ出す程のような凄まじいものだ。

「余裕が消えた?まさか、素の戦いをしても良い相手と認めただけだ」

「そうか、ならやってみるがいい素の戦いを」

「後悔するなよ、あと被害請求代は任せた」

そういうと再び地面に手をつける。

「また地震か、何度も同じ技を」

「崩壊連鎖」

さっきの地震なんて生易しいものではなかった。

亀裂や断裂なんてものじゃない。言い現表すなら崩壊だ。

地面が津波のように粉微塵に砕けていく。コロシアムは瞬く間に崩れ、地面に接しているもの対象全て関係なく崩壊していく。

幸いな事にコロシアム周辺には誰も居なく、死者は出ていない。

ジェットブーストで飛んでくるアニクは穴底が見えないその威力に固唾を飲む。

ヒメギが立っている場所だけが崩れず綺麗な円柱が出来ている。

「さっきまではお遊び程度の威力だったのか」

「大威震」

両手から神威を放ち大気を揺らす。その振動に当てられたアニクは血を吐き出しながら落下する。

「空間までも。空を揺るがせ、ブラスト・ギア」

地面に墜落する直前に風の精霊が爆風を起こし直撃を免れる。

「殲滅せよ、ライジング・ギア」

指先から迸る雷、それをまともに受けるヒメギだが。

「私に雷は通じない!!」

即死級の電圧を受けても平然と立ち向かってくる。

「ならばこれならどうだ!風雷(トルネール)」

風と雷を合わせたエネルギー弾を放つが、弾き飛ばされる。

「雷神激昂」

空一面に黒雲立ち込め、激しい稲妻が降り注ぐ。

「なに!?」

「威堕天」

体に纏った雷は、自身を雷と化し雷速で近づき蹴り飛ばす。

「こ、この速さは。うぐ」

雷の如く激しい殴打。そんなものに対応出来ずなすがままにやられるアニク。

(あの時と同じだ、また負けるのか)

数年前、神伐隊の隊同士の試合で受けたあの屈辱。たった一人に全ての小隊がやられたあの屈辱試合。全てを圧倒した試合内容、それも任務をこなしながらだ。

(こんなカズキ紛いに負けるのか!)

あの時、ほんの数秒で倒されたあの時と同じだ。

二度とあんな屈辱は許さん、負けはもう許せん!

「うおおおおお」

ヒメギの顔を掴み地面に叩き付ける。

「礼を言うぞヒメギ、剣舞祭前に目が覚めた……」

「?」

「その礼として、みせてやる。神格化を!」

両手を肩に添え力み始める。

「我は大自然に猛り狂う野獣の狩人。その至大至剛の身をもって陸海空その全て制する全獣を司る神よ、我が血肉に宿れ。獣神転生ッ!」

真っ赤な髪は腰まで伸び、背丈筋肉が急成長する。八重歯や爪が鋭くなり、体には赤い剛毛が生え黒の縞模様が浮かび上がる。

その姿はまさしく獣達の神に相応しい堂々としたものだ。

「これが、神格化」

「いくぞ、小さき獣人」

「雷電」

激しい雷を纏った掌をアニクの心臓めがけ放つ。

「ぐおおお……効かないな」

「なに!」?

「獣神百烈拳」

ヒメギの手を振り払うと残像を残す速さで拳を叩き込む。

それに対処出来ず後ろへ下がろうとする。

「獣神激烈掌」

「がはっ」

すかさず距離を詰め両手を合わせ突き出し衝撃波を内部へ流す。

「雷槍脚」

「ぐっ、そんな生易しい攻撃なんぞ効かないぞ」

「粉砕王」

「王者の一撃(キングクロー)」

アニクに向けて伸ばす手は届かず上から叩かれグシャンと地面に潰れる。

「なかなかの強さだヒメギ。だが、そこまでだ」

地面は蜘蛛の巣状に亀裂が入り陥没してるヒメギを見て勝利を確信する。

「全生物の頂点に立つこの圧倒的力で、カズキに勝つ!」

「カズキに勝つ?笑わせるな、私に勝ててないくせに。勝ててないのに、今(私)を見ろよ…私をおおおおおおお」

咆哮を上げ立ち上がる。

「私を見ろ!二刀にひれ伏せ!天上天下全ては炎に焼かれ、希望絶望同じく雷(いかずち)に砕かれる。私と天地無双刀の下、三千大千世界等しく滅びる。さぁ、ぶっ壊してやる!!」

激しい光を放ちながら双方の手に現れた深紅の刀と漆黒の刀。

額からの出血も相まって、その姿はまさに鬼神。

「その刀は!?まさか!?」

「嘘、でしょ?」

その武器その姿を見てアニクとアディラは絶句する。

「天地無双刀。火陽鬼神刀、雷鳴龍神刀……なぜ、貴様が」

「私が、娘だからだ」

 

 

 

 

 

 

つづく

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