鏑矢達の月光曲 -契約者達への鎮魂歌・外史典- 作:渚のグレイズ
地下へ続く階段を降りると、そこは何かの研究室のような場所だった。
「ここで、いったい何を?」
「それは、これから調べたら分かるこっちゃな」
「・・・・・・・・そう、ですね」
シズ先輩と手分けして捜索。だけど、特に何も見つからなかった。
「アカンな・・・・資料的なんは全部処分されとるみたいや・・・・アカナの方は?」
「こっちもです。パソコンのデータも消されていて・・・・・」
「んん?パソコンやて?それ、何処や」
「え?こっちですけど・・・・」
パソコン、完全に初期化されちゃってて、データなんて残ってなかったけど・・・・・どうするつもりなのかな・・・・?
とりあえず、シズ先輩と一緒にパソコンの前にやってきた。
「えーっと・・・・これやったかなーっと」ゴソゴソ…
「USBメモリ?」
「エージ作の復元ソフトや!初期化してあってもデータをある程度は復元できる優れモンや!」
「さっすが瑛次くん!!こうなる事を見越して、シズ先輩に渡していたんだね!!」
「うんうん、せやねー。エージは凄いなー。憧れるなー」
あれ?シズ先輩、ちょっと不満そう・・・・なんで?
「っと、復元完了や。データ吸出しつつ、確認してみよか」
「はい」
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ここから転じて、この接続された素粒子群を、私は
同時に、このキューロンを使用し、旧暦にも存在しなかったであろう『最高の電子頭脳』を創造する事を決めた。
プロジェクト名は『フォトン・ドライヴ
・・・・なんて、どうだろうか?
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「フォトン・・・・ドライヴ・・・・?」
「どうやら、このフォトンなんたらを造るんに、大量の邪気が必要やったみたいやね・・・・」
最高の電子頭脳?素粒子で出来た神経細胞?
話が突拍子も無さすぎて頭が追い付かない・・・・
「とりあえず、この資料は全部大赦に持ち帰ろか。ウチらだけで判断するには・・・・ちぃとばかし、事が大き過ぎや・・・・」
「そう・・・・です、ね・・・・」
混乱する頭で荷物をまとめ、研究室跡地から立ち去ろうとした、その時だった。
「だれか・・・・いるの・・・・・?」
「ッ!!!今の声!!」
「え?声?あっ、アカナ!?」
微かにだけど、確かに声が聴こえた。
研究室の奥。牢屋の中に、ずっと会いたかった"彼"は居た。
「瑛次くん!」
「・・・・・ゆう、ちゃん?」
「瑛次くん・・・・瑛次くぅん・・・・!!」
「あぁ、ほんとに、友ちゃんだ・・・・」
牢屋越しに手を繋ぐ。だいぶ窶れてしまっているけど、瑛次くんはちゃんと瑛次くんだった。良かった・・・・
「おっ、エージ!」
「先輩も・・・・とうとう、ここを見つけたんですね」
「今出してあげるからね!」
牢屋の鍵を気合いでこじ開け、瑛次くんを牢屋から出してあげる。
「瑛次くん!!良かった・・・・良かったよぉぉ・・・・・(泣)」
「友ちゃん・・・・」
「つもる話は後や。今はここから逃げるのが先や」
「・・・・はいっ」
私は、瑛次くんをお姫様抱っこして、研究室を後にした。