1人のフラッグファイターがソレスタルビーイングのオペレーターと共に、ガンダムマイスターとなって戦い抜く   作:通りがかりのフラッグファイター

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1st Season
プロローグ


世界から化石燃料が枯渇した西暦2307年……人類は新たなエネルギー源として太陽光発電を選び、赤道上にそびえ立つ3つの柱【軌道エレベーター】と【太陽光発電衛星】により、安定した電力を手に入れる事が出来るようになった。

 

しかし、そのエネルギー分配権は軌道エレベーターの開発に協力した国家にのみ与えられた。それにより世界は軌道エレベーターを持つ3つの超国家に分裂してしまう。

 

アメリカ合衆国を中心とした【ユニオン】、中国・ロシア・インドを中心とした【人類革新連盟】、そしてヨーロッパを中心とした【AEU】…この3国は明確な戦争状態という訳ではないが、水面下では大いなるゼロサム・ゲームを続けている。

 

そう、24世紀になり世界共通の問題を解決した今日に置いても、人類は未だ1つに纏まる事が出来ずにいた…

 

これはそんな世界に住む、一人の青年の物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな超国家の1つ、ユニオンにある軍事基地の1つで現在、1人の青年がシミュレーターを使って訓練を行い、その横で2人の男性がそれを見ていた。

 

「どうだい、彼の成長ぶりは?」

 

「見事なものだ。1年前の彼とは、比べ物にならない。並みのパイロットなら3年は掛かるものを、1年で会得するとは……下手をすれば、私も落とされてしまうかも知れないな」

 

「君がそこまで言うなんて……師匠としての贔屓目かい、グラハム?」

 

「まさか…私もそう易々と落とされるつもりは無いさ、カタギリ」

 

「だろうね」

 

横で話している2人…長い茶髪をポニーテールにしている男性…技術顧問の【ビリー・カタギリ】と、シミュレーターを使っている青年の上司でMSパイロットであるクセのある金髪の男性【グラハム・エーカー】は、そのシミュレーターを見ながら話している。そこには始まってからのタイムと撃墜数に機体の破損状況が表示されており、中でも撃墜数は既に30を越えていた。

 

「それにしても、意地が悪くないかい?コレ、君が1位の記録を出したレベルと同じだろう?」

 

「さすがは技術顧問、お見通しだったか。この私の師事を受けているんだ…やるからには、師匠と同レベルにはなってもらわないとな」

 

「やれやれ……彼も難儀な人を師に選んだものだよ」

 

「彼の人を見る目は確かだと思うが?」

 

「自分でそれを言っちゃうのかい?」

 

グラハムの言葉に苦笑を浮かべるカタギリ。そこにシミュレーターの終わりを告げるブザーが鳴り響く。

 

画面に目を向けると、撃墜数は1位の記録45機には届かずも、41機という2位の記録を叩き出していた。

 

「このレベルでこれ程撃墜数を上げるなんて…」

 

「それも驚く事だが……カタギリ、コレを見てくれ」

 

そう言ってグラハムが指差したのは、ライフルの弾の残弾数であり、画面には52/100と表示されていた。

 

「これがどうかしたのかい?」

 

「コレと撃墜数、撃墜方法を見比べてみろ」

 

「んん?……これは…!?」

 

グラハムに言われて2つを見比べていたカタギリは、そこであることに気づいた。撃墜数と消費した弾の数の差が余りにも少ない事を…そして敵機の撃墜方法は全て、ライフルの射撃によるものだった事も。

 

それはすなわち、彼の射撃が百発百中に近いという事を意味していた。

 

「そう…彼は射撃に関しては、私以上の才を持ち合わせているのさ。だから、そんな彼がどこまで成長するか楽しみで仕方ない」

 

「これは確かに、君の言う通り楽しみだね」

 

そんな未来を馳せていると、シミュレーターの扉が開き、 パイロットスーツを来た人物が出てきてヘルメットを脱ぐ。そこには短めの黒髪に少しつり上がった黒い瞳の目がキリッとした印象を与える、整った顔立ちの男【リュウト・シドウ】がいた。

 

「ふぅ……エーカー中尉、自分のシミュレーターの結果はどうでしょうか?」

 

「いやぁ~素晴らしいよ!!これなら、グラハムにも勝てるんじゃないかい?」

 

「カタギリ技術顧問、いらしていたのですね。いえ、自分はそこまで…それに格闘戦は、中尉に遠く及びませんから…」

 

カタギリの絶賛に男は謙遜するが、そんな彼の肩をグラハムが優しく叩いた。

 

「そこまで自分を卑下する必要はない。お前の実力は、私が1番理解している」

 

「中尉…」

 

「これからも、隣で君の活躍を見させてもらうぞ?」

 

「ハッ!!」

 

彼の言葉に男は敬礼で応える。尊敬する上司に褒められるのは、彼にとって至上の喜びであった。

 

「ところで……どうしてカタギリ技術顧問がこちらに?」

 

「僕はグラハムに会いに来たんだよ。またムチャな動きをして、フラッグを壊してないかを確かめにね?」

 

そんなカタギリの言葉に、グラハムは顔をしかめる。

 

「心外だ……心配せずとも、そんなムチャをそうそうしたりはしない」

 

「君のその言葉ほど、信頼できないものはないよ。君もそう思うだろ?」

 

「えッ!?あ、え~と…」

 

「構わない、今は我々しかいないんだ。遠慮せずに本心を言え」

 

カタギリの問いに言葉を濁すリュウト。そこにグラハムからの言葉で意を決した彼は…

 

「ハッ……確かに、中尉の変態軌道を見ると、あまり信用は出来ませんね」

 

オブラートに包む事なく、本心をぶっちゃけるのだった。

 

「うぐ…!!」

 

「アッハハハハハハハハ!!た、確かに…!!グラハムのマニューバはへ、変態染みてるね!!」

 

それを聞いてグラハムは再度顔をしかめ、カタギリにいたっては爆笑していた。

 

「笑うなカタギリ!!リュウト!!この後の訓練はいつもの3倍とする!!いいな!!」

 

「ちょッ!?中尉!!それはさすがに横暴ですよ!?それに、中尉が本心を言えと言ったんじゃないですか!?」

 

「やかましい!!その変態軌道を、お前の骨の髄にまでみっちり叩き込んでやる!!」

 

「それは望むところです!!」

 

「ええいッ!!皮肉を理解できない奴は…!!」

 

「アハハハハハハハハ!!やっぱり君達は、良いコンビだよ……あ、そういえば」

 

親友とその弟子のコント染みた会話に笑いつつ、カタギリはあることを思い出した。

 

「どうした、カタギリ?」

 

「実は今度、AEUで新型MSのお披露目会があってね。それに招待されたんだ」

 

「AEUが?」

 

「どのような機体なんでしょうか?」

 

「それは見てからのお楽しみだね。それじゃ、僕はグラハムのフラッグを整備してくるから」

 

そう言って去っていくカタギリ。リュウトはそんな彼を見送りつつ、隣に立つ上司兼師匠の顔を覗く。その顔には笑みが浮かんでいた。

 

「行きたそうな顔をしてますね?」

 

「……リュウト、頼みがある」

 

「解りました。輸送艦の運転はお任せを」

 

グラハムの頼みを変える聞く前に、リュウトはその頼みを先読みして答えた。それが合っていたのか、グラハムが笑みを浮かべた。

 

「フッ……頼れる弟子だ」

 

「尊敬する師の為ですから」

 

互いにそう言って歩き出す2人。この時、リュウトは知るよしもなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのお披露目会で自分の人生を変える存在…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“紛争根絶”を成し遂げるために舞い降りた天使達……機動兵器【ガンダム】と、それを所有する私設武装組織【ソレスタルビーイング】と邂逅する事を…

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