1人のフラッグファイターがソレスタルビーイングのオペレーターと共に、ガンダムマイスターとなって戦い抜く   作:通りがかりのフラッグファイター

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初めましてだな、ガンダム!!

ソレスタルビーイングの声明から数時間…リュウト達は未だ、AEU領内の荒野で車を走らせていた。

 

「良いのかい?基地に戻らなくて…」

 

「もっと知りたいのさ、ガンダムの事を…」

 

「しかし、あのガンダムが出していた光は何なのでしょう?」

 

「ガンダムが現れると、レーダーや通信機器が障害を起こした…おそらく、あの粒子が原因だろう。カタギリ、あれが何か解るか?」

 

「う~ん……現時点では、特殊な粒子としか言えないね」

 

「特殊な粒子…」

 

「それがガンダムの動力源なのでしょうか…?」

 

「それはもっと詳しく調べないと…ただ、あの粒子はフォトンの崩壊現象が関係してると思うよ」

 

「だが、それだけではないだろう?」

 

「ああ、ガンダムにはまだまだ秘密があると思うね」

 

「フッ…好意を抱くよ」

 

「え?」

 

「興味以上の対象という事さ」

 

「独特な表現ですね、中尉?」

 

「乙女座の私には、ぴったりだろう?」

 

「まあ…女性ならそうでしょうが、男である中尉が言っても、気持ち悪いだけですよ?」

 

「……リュウト、お前はもう少しオブラートに包むという事を覚えろ」

 

「できたら善処します」

 

「…………基地に戻ったら今後の訓練量を10倍にする。覚悟しておけ」

 

「ホント、君達といると飽きないよ」

 

「……中尉、残念ですがガンダム談義はここまでのようです」

 

「そうか…残念だ」

 

3人はガンダムに関して談義していたが、そこに一台の車がやってくる。それを見つけたリュウトの言葉にグラハムは残念そうな笑みを浮かべながら外に出て、カタギリとリュウトもそれに続く。そして目の前で止まった車からスーツを着た男性が出てきた。彼はAEUで諜報活動をしている者で、今回は彼らに指令を届けに来たのだ。

 

「グラハム中尉、リュウト少尉、カタギリ技術顧問、MSWADへの帰投命令です」

 

「その旨を良しとする」

 

その指令に敬礼で答え、車に再度乗り込みここに来る時に使った輸送艦へと向かう。

 

「しかし口惜しいものだ…もう少し、ガンダムの情報が欲しかったのだが…」

 

「仕方ありませんよ、本部からの命令ですから」

 

「わかってはいるが……好物を前にして、待てと命じられている犬の気分だ」

 

「何を言っているんです。我々軍人は、ユニオンという国家の犬じゃないですか」

 

「おっと、そうだったな……なら、今は忠犬らしくお行儀よく尻尾を振っておくとしよう」

 

「ええ……今は、ですね」

 

「2人とも…その物騒な会話、止めてくれないかい?」

 

そんな上層部に批判的な会話をする2人をカタギリが遮る。下手をすれば所属国家に反逆するともとれる内容を口にする2人に、内心冷や汗が止まらないようだ。

 

「冗談さ」

 

「ええ、冗談ですよ」

 

「笑えない冗談だけどね…」

 

だが、反省の素振りを見せない2人にカタギリはため息を吐く。

 

それから数時間車を走らせ、駐留していた輸送艦に3人は乗り込んでいく。

 

「では中尉、自分はブリッジに行きますので」

 

「快適な旅を頼むぞ?」

 

「お任せを」

 

その途中、リュウトはグラハム達と別れて輸送艦のブリッジへと向かう。彼は大型艦船の操舵資格を持っていて、この航空輸送艦は彼が操縦しているのだ。

 

『これより発艦します』

 

艦内アナウンスをするリュウトの言葉で、輸送艦がユニオン領へと飛び立つ。

 

「しかし、ソレスタルビーイングの本当の目的は何なんだろうね?」

 

「本当の目的?」

 

「紛争根絶なんて、どう考えても荒唐無稽だよ。だったら、他に目的があると思わないかい?」

 

「確かにな…ガンダムもその為にあると思うのか?」

 

「むしろあれだけの性能だ…世界支配を目論んでいると言われても不思議じゃないよ」

 

「フム…」

 

艦内のMSハンガーでソレスタルビーイングについて語るグラハムとカタギリ。その頃リュウトは、ブリッジクルーと話していた。

 

「いやぁ…とんでもないテロ組織が出てきましたな、少尉?」

 

「ええ、お陰で中尉がガンダムにお熱でしてね」

 

「ハハハハッ!!少尉ともあろう人が、ガンダムとやらに嫉妬ですかい?」

 

「まさか、私はそこまで嫉妬深くはないですよ。キャプテン」

 

「こりゃ失礼…(ピピッ)ん?司令部より暗号通信?」

 

そんな楽しげな会話の最中、一通の通信が輸送艦に送られてきた。それを読んだキャプテンの顔が焦りに染まる。

 

「どうしました?」

 

「……ッ!!大気圏外から降下してくる2機のモビルスーツだとッ!?」

 

「なッ!?」

 

その通信の内容は宇宙(そら)からMSが降下してきているとの事だった。しかし、今の技術ではMSで大気圏を突破する事は不可能だ。つまり、それだけの能力を有している事になる。そして彼らはつい最近、そのモビルスーツに出会しているからこそ気づけた。

 

「中尉達に連絡します!!」

 

「頼む!!」

 

その正体を悟ったリュウトは、グラハムへと素早く通信を繋げる。

 

『どうした、リュウト?』

 

「中尉ッ!!宇宙からガンダムが2機、降下してきています!!」

 

『ッ!!ガンダムの降下予測ポイントはッ!?』

 

「キャプテン!!」

 

「お待ち下さい!!」

 

キャプテンが通信内容を確認する時間すらもどかしく感じつつ、結果を待ち続ける。そして場所が判明したキャプテンが叫んだ。

 

「降下ポイントはインド洋にある旧スリランカ領、セイロン島です!!」

 

「中尉、場所は旧スリランカ領のセイロン島です!!」

 

リュウトの通信に答えたのは、グラハムと一緒にいたカタギリだ。

 

『旧スリランカ……確か、多数派のシンハラ人と少数派のタミル人の民族紛争が20世紀から断続的に起きていて、人革連が10年前から少数派のタミル人に肩入れしてた場所だね』

 

『ああ、紛争の平和解決という名目だが、実は違う。人革連の目的は、セイロン島東部の海底を通っている太陽エネルギーの安全確保だ。あの周辺はタミル人勢力が強いからな。だが、人革連の介入により紛争は悪化、無政府状態にまで陥ってしまった』

 

「民族紛争………ッ!!まさか!?」

 

『リュウトも気づいたか。ソレスタルビーイングの目的は恐らく…』

 

『もしかして…彼らはこの民族紛争に武力介入を!?』

 

『だろうな』

 

そこでグラハムが沈黙し思案する顔になった。

 

(あの顔、ガンダムを一目見たいと思っていそうだな)

 

それをモニターで見ていたリュウトは、グラハムの考えをすぐに察した。

 

「キャプテン、ルートを変更しても?」

 

「え?ああ……しかし何処へ?」

 

「目的地は変わりませんよ。ただ、途中にセイロン島付近を通過する様にしたいのです」

 

「なッ!?」

 

その内容にキャプテンは唖然とする。しかし、このキャプテンもグラハム達と共にする事が多く、その手の事には慣れていた。なので…

 

「解りました。進路をそのように変更しましょう」

 

「助かります」

 

『リュウト、頼みがある』

 

ルート変更が認められたところで、グラハムから通信がきた。それに彼は笑みを浮かべながら答えた。

 

「それでしたら、ルートをセイロン島付近を通るよう変更済みです」

 

『さすがはリュウトだ………………と言いたいところだが、今回は50点だな』

 

「え?」

 

しかし、グラハムの採点は満点とはいかなかった。一体何が足りなかったのか…それが気になったリュウトはグラハムに問う。

 

「では、他に何が…?」

 

『整備班に、私と君のフラッグを整備してほしいと伝えてくれ』

 

「え?」

 

その内容に、リュウトの思考が一瞬止まり、すぐに再起動する。

 

「まさか……ガンダムと一戦交えるつもりですか?」

 

『出来たら……だがな?』

 

グラハムの言葉に頭を抱えそうになるが、それは逆に師であるグラハムらしいと思ってしまったリュウト。なので、それに彼はこう答えた。

 

「解りました。整備班に連絡してからそちらに合流します」

 

『待っているぞ』

 

そこで通信が切れ、リュウトは操舵席から立ち上がる。

 

「すみませんキャプテン、自分は席を離れます」

 

「大丈夫ですよ。副操舵士も優秀ですから……しかし、大変な人を師にしましたな?」

 

そんなキャプテンの言葉に苦笑してから、表情を引き締める。

 

「逆に、だからこそ付いていこうと思えるんですよ」

 

「こりゃ愚問でしたな。ご武運を」

 

「ありがとう、キャプテン」

 

ブリッジを出たリュウトは整備班に連絡後、素早くパイロットスーツに着替えてMSハンガーに移動すると、そこには既にパイロットスーツに着替えていたグラハムとフラッグを整備しているカタギリがいた。

 

「中尉、お待たせしました」

 

「いや、そこまで待ってないさ。さてリュウト…もしかしたらガンダムと一戦交えるかもしれないが……覚悟はいいか?」

 

「無論です」

 

「頼もしい限りだ」

 

それから2人は雑談しつつ、ガンダム戦へ気持ちを高めていく。そして数時間後……その時はやって来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラハムside

 

『艦内各員に通達!!本艦の近隣にモビルスーツ反応あり!!警戒体制に移行する!!繰り返す!!警戒体制に移行する!!』

 

「来たか…!!」

 

艦長のアナウンスに、私は笑みを浮かべながらフラッグのコックピットに乗り込み、システムを起動させていく。

 

『まさか本当に見つかるとは、思ってもいませんでしたよ』

 

「だがこうして出会えたのだ。神にこの巡り合わせを感謝せねばな」

 

『出撃準備完了です!!お2人とも、ご武運を!!』

 

「了解した!!」

 

艦のハッチが開き、出撃体制が整った私はフラッグのレバーを握り……

 

「グラハム機、出るぞ!!」

 

そう叫んでから、飛行形態のフラッグと共に空へと躍り出た。そのすぐ後にリュウトが乗ったフラッグも出てくる。

 

「リュウト、最初に決めた通りお前は周囲の警戒だ。ガンダムや他の国家の機体が出てきたら知らせろ」

 

『了解です。ですが、中尉が落ちそうになった時は遠慮無く参戦しますので』

 

「フッ……背中は任せたぞ?」

 

『ハッ!!』

 

遠ざかるリュウトのフラッグを見送りつつ、モビルスーツの反応がある場所へ飛ぶと、青いガンダムが視界に写った。

 

「あの機体は…AEUに現れた…!!」

 

それを見た瞬間、私の心が高鳴った。

 

まさかあのガンダムだったとは…運命の赤い糸とやらを信じたくなる!!

 

そう思っていたら、ガンダムは右腕の大剣を展開してこちらへと向かってきた。

 

ダンスの誘いには乗ってくれたようだな…ならば、こちらも相応の身だしなみに整えねば!!

 

私はフラッグを飛行形態からモビルスーツに()()()()させて、左腕に収納されていたプラズマソードを抜き放つ。

 

その時、ガンダムの動きが一瞬鈍ったのを私の目は見逃さなかった。どうやら彼は、グラハム・スペシャル(このマニューバ)を見たことがないらしい。

 

そしてお互いに勢いのまま互いの剣をぶつけ、そのままつばぜり合いになる。

 

せっかくの機会だ。ここで挨拶でもしておこう!!

 

「初めましてだな、ガンダム!!」

 

外に向けて声を飛ばすが、ガンダムからの応答は無かった。

 

いや、彼らも組織に属しているのだ。そう易々と情報を渡しはしまい……ならば、君に一方的に名乗らせてもらう!!この私の名をッ!!

 

「グラハム・エーカー……君の存在に心奪われた男だッ!!!!」

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