私達は今、玄関に来ている。
「さあ、行きましょうか」
レミリアお姉様がそう言う、と私達は町に向けて出発する。メンバーは私、レミリアお姉様、フランお姉様、数人の召使い。召使いには血の回収をさせるだけだけど。
「ねえ、エル」
「何? レミリアお姉様」
「いくら強いからって油断しちゃ駄目よ」
「大丈夫、油断なんかしないよ」
「怪我なんかしたら、許さないからね」
「大丈夫だよ、フランお姉様」
町が見える。私達は入り口に降りる。前には町長らしき人物と数人の男。さあ、予想は当たるのかな?
「君達が手紙の送り主かな?」
「ええ、そうよ。手紙の返事を聞きに来たわ」
「手紙の返事ですが、…君たちの要求を吞みます」
「という事は処女を引き渡すと」
「ああ」
ありゃ!? 予想が外れちゃった。
「肝心の処女が居ないのだけれど」
確かに居ない。いるのは男だけ。
「ああ、彼女達には伝えていません。逃げられたら困りますからな」
「ほう」
「ささ、此方に来ください、私達が連れて来ましょう」
そう言って手招きする町長(仮)。
罠だよね、これ……。
この町は東西南北に入り口があり、町の中心が十字路になっている。私達は今南の入り口に、町長達は十字路の北の方にいる。つまり、私達が前に行くと十字路の中心に行く事になる。
罠だよ、絶対罠だよこれ。中央に来た私達を囲んでボコす気だよ。
「罠だよね、これ」
「どうするのお姉様?」
「…罠にかかってあげるわ。お前達はそこで待っていなさい」
『畏まりました』
私、レミリアお姉様、フランお姉様の三人で町長達の方に行く。十字路の中央に来たところで…。
「止まってもらおうか」
町長が言うと、数人の男たちが刀や槍などを出し此方に向けて来る。そんな長い物どうやって隠してたんだ…。
「これは?」
「見て分かるだろう」
「要求は吞めないと…」
「そういう事だ」
すると、私達が来た道以外(つまり北東西)から、ぞろぞろと兵士たちがやって来た。昼間の内に呼んできたらしい。
「こいつらか」
「ええ、処女を求めたところ、恐らく吸血鬼でしょう」
兵士達が此方に武器を構える。銃まであるのかぁ。
しかしこの町長中々良いキャラしてるなぁ。漫画やアニメに居る敵の幹部みたいで。
兵士の人数は七十人位かな。
「どうするのお姉様達」
「人間がせっかく三等分に別れてくれたのよ。私達も別れるわ」
相手は一方向に二十五人程。チュートリアルにはちょうど良いね。
「私は北の奴らと遊ぶわ」
レミリアお姉様が前に一歩、歩み出る。
「それじゃあ私は東で」
フランお姉様が右を向く。
という事は私は…。
「私は西かぁ。西は好きな方位だよ、何故かは知らないけど」
私は左を向く。
「そいつらを殺せ!」
『了解』
私は兵士達に近づき。ある程度近づいたところで止まると…。
「おいおい、こんな弱そうなのが相手かよ」
「気晴らしには丁度良いだろ」
「ハハハ、違いねえや」
何て言ってくる。確かに私は弱そうだ。
ただ、そう言う発言は止めてもらいたいなぁ。たとえ妖怪だろうと、悪口を言われれば傷つくよ。
「悪口は止めてほしいなぁ」
「いきなり何言ってるんだお前」
「怖気づいてんじゃねえの?」
「弱そうだしな」
イラッと来るなぁ。学生かよ。この会話。
私はキライなんだよなぁ。こっちの考えてる事と逆の事言う奴。私は怖気づいて無いのに、何で怖気づいてると思うんだよ。
「じゃあ、どうしたらやめてくれるの」
「お前が俺らの何倍も強かったらやめてやるよ」
「お子様にゃあ理解出来ねえよ」
「つまりやめるのは無理って事だ」
『ギャハハハハハ』
成程! じゃあ簡単じゃないか!
私は右腕を伸ばし、一番前に居た兵士の頭を掴む。
「へっ!?」
兜があるが関係無い。そのまま握り潰す。頭を潰された兵士は当然、倒れる。
「え……」
兵士達は何が起きたか理解出来なかったのだろう。死体を見て数秒固まった後、怒鳴り声をあげ、武器を構える。
「て、てめぇ!」
「よくもダチを!」
「むちゃくちゃ苦しませてから殺してやるよ!」
此方に向かってくる、私もなんか言ってからやろうかな?
「安心して、皆すぐに会えるから」
………なんか中二っぽいなぁ。別のにしよう。
…決まった!
「頭ねじ切ってオモチャにしてやるぜ!」
…私は激しく後悔した。
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