初人間狩りから三か月がたった。あれからも二週間置きに人間狩りをしているよ。
町に行くと時々、私達の事が話題に出ていてびっくりしたよ。でも何だか嬉しかったね。有名人っていうのはこういう気持ちで外を歩いているのかな?
現在私は、小さな質量爆弾を窓の外に放り投げるという(周りに危険極まりない)遊びをしているよ。私の腕力ならかなり遠くまで飛ばせるので、飛距離の新記録を(周りに迷惑を掛けながら)目指して投げている。
テニスボール程の大きさの質量爆弾を作る。
ちょっと疲れたし、この弾は力抜いて投げよう。
質量爆弾を投げる!
塀の外に落ちる! 力抜きすぎたかな?
「ふぎゃあ!」
ん? 何だろう?
私は窓から塀の上に飛んで移動し、下を見る。
赤い髪のチャイナ服を着た女の人が頭から血を流して倒れてました。
…え、私のせい?
いやいやいや! 違うよね? 確かに私の質量爆弾はこのあたりに落ちたよ! それは認めるよ! だけど当たったら普通(当たった方が)粉々になるからね、あの質量爆弾! この人全然粉々じゃないから、きっと転んで頭打っちゃったんだよ!
必死に言い訳をしている私は気づいた。この人に妖力があると。つまり、この人が妖怪だという事を。
私の言い訳はすべて、相手が人間前提の話である。つまり…。
さっきの質量爆弾当たっちゃった!?
嘘でしょ、嘘だよね。嘘だと言ってよ、バーニィ。やっぱり私が原因じゃないか! いや、妖怪でも地面に頭ぶつけたら死んじゃうかもしれないし! そう、きっとそうだよ! それじゃあ仕方ないよね。よし、私が弔い(と証拠隠滅)の為に
私は自分の舌を巨大なワニのような口に変化させ、倒れている妖怪に伸ばす。
これで証拠隠滅できる! そう思った瞬間。
「ん」
妖怪が呻く。
…今呻き声をあげたよね。この妖怪。…つまり。
よかったああああああああっ! 生きてたああああああああっ!
私は舌を戻して妖怪に近寄る。
…よし! 呼吸もある。
私は妖怪を背負って窓から自分の部屋に入る。此処で妖怪の気がつくまで…。
「エル、何してるの?」
私が後ろを向くと、お姉様達が立っていた。
「エル、背中に背負っているのって…」
「い、いや、これは別に何でも…」
ピトッ
妖怪の血が床に落ちる。
『………』
これは不味い…。何とか誤解を解かなきゃ、…私がやったから誤解も何もないじゃん! この光景が全てを物語ってるじゃん!
「ち、違うんだよこれは『エルゥゥゥゥウウウウウッ!』うわっ!?」
お姉様達が凄い形相で迫って来た。
「どうして! どうしてこんな事したの!」
「言ったでしょ! 悩みがあったら相談してって!」
「い、いや、これは…その…」
「まさかエルが殺人なんて…」
「お姉様! エルを助けるにはどうすればいいの?」
大変な事になってるぅぅぅぅうううううっ!どうすれば…。
「あの~」
『えっ』
後ろを向くとさっきの妖怪が立っていた。どうやら気がついたようね。
妖怪を見るお姉様達。
「…私の顔に何か?」
『生きてる』
「へっ!?」
『よかったああああああああっ! 生きてるううううううううっ!』
「えっ!?」
この妖怪のおかげで何とかなったぁ。
というかこの妖怪………美鈴!?
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