現在私は魔法の森の方に向かってるよ。目的地は香霖堂。
あそこには外の世界の物があるから、何か面白そうな物があったら買おうと思ってるんだ。それに私は元々外の世界の人間。霖之助と外の世界の道具の話で盛り上がれるかもしれないしね。因みに霊奈の能力で道を教えてもらったよ。
いいなぁ、物凄く便利じゃん、あの能力。私の能力なんてほとんど使わないよ。使ったのは練習してる時に、間違って攻撃を当てちゃったお父様や紅魔館を治した時くらい……駄目だなぁ私って、全然親孝行できてないじゃん…。
そう考えながら歩いていると、目の前に建物が見える。あれかな? 私は中に入る。
「こんにちわ~」
「ああ、こんにちわ。おや、君は?」
「どうも~、ちょっと前に此処、幻想郷に攻め込んできた者です~」
自分で言ったことながら、この自己紹介はどうかと思った。
「という事は君は吸血鬼かい?」
「はい、エル・スカーレットって言います」
やっぱり自己紹介は名前を言うのが一番だね
「エルか、良い名前だね。おっと失礼、まだ僕の事を言ってなかったね。僕は森近霖之助。此処、香霖堂の店主だ。よろしく」
「こちらこそよろしくね」
私は店内を見回す。
霖之助side
お客が来たので接客をするとしよう。
それにしても何故この吸血鬼、エル・スカーレットがここに来たのか、それが不思議でならない。この香霖堂はお世辞にも妖怪に名前が知られているとは思わないし、エルは幻想郷に来たばかり、長く住んでいる妖怪ならまだしも、来てまだ一か月程のエルがここを知ってるとは思えない。さらに、ここは外から来た道具を扱う店だ。もしエルがここの事を知ったとしても、来ようとは思わないだろう。
僕がそう考えているとエルがテレビに近づいて眺めているのに気づく。テレビの事を説明しようとすると。
「このテレビ古いなぁ。今何年だっけ? 紅魔郷が2002年発売だから2002年だとして、今はそれから二十年前、つまり1982年かな? そりゃあ古いか」
!? テレビを知っている!? 更にエルはラジオに近づき。
「このラジオも古いなぁ。まあラジオなんて使わないからいいけど」
そこで僕は話しかける。
「知ってるのかい?」
「知ってるって、何が?」
彼女は自分が言っている事の重大さが分かっていないらしい。
「テレビやラジオを知っているのかという事さ」
「そりゃあ当たり前でしょ。第一テレビっ子の私が、テレビを知らないってのはありえない話……で」
「テレビっ子?」
彼女の口から聞きなれない言葉と同時に、大変な言葉が出て来た。『当たり前』だと…。
その瞬間彼女に胸倉を掴まれる。
「おっと」
「今の言葉はきれいさっぱり忘れなさい。OK?」
ここは素直に従っておこう。
「OK」
その瞬間エルが勢いよく倒れる。
「……何やってるんだい?」
起き上がるエル。
「いや、色々と。妖怪だからこそできる体を張ったネタ再現」
? まったく答えになってないんだが…まあいいか。
「話を戻すが君は分かるんだね?」
「ええ、色々分かるわ」
「それじゃあ僕が使い方を分からない物があったら、使い方を教えてくれないか?」
「報酬は?」
報酬か…どうしようか。
「君が気に入った物をタダであげよう」
「いいよ」
「それじゃあ早速君に使い方を聞きたい物があるんだが」
「ほいほい、ただし機械は殆どの場合動かないからね」
「いや、僕はあくまでも使い方を知りたいだけだから大丈夫だ」
「そうなの? 変わってるねぇ」
「君も妖怪にしては随分変わってると思うけどね」
「そう言われたのは初めてだなぁ」
「意外だね」
何はともあれ、僕は中々良い取引をしたかもしれない。
数年後、香霖堂から帰ると紅魔館にあの人が、紅魔館の皆はあの人に大苦戦。
次回「紅魔館最大の危機」
次回もサービスサービスゥ!
エル「ねえ」
「ん?」
エル「サービスサービスゥって言うならすぐに見せてよ」
「………」