赤ちゃんが寝た後、私達は現在リビングで話し合っています。
「で、まずは赤ちゃんの食事よ」
「私達が食べている物は、赤ちゃんが食べられない物ばかりですしね」
美鈴の言う通り。一番良いのは母乳だけど誰も出ないしねぇ。
「パチェ、魔法で何とか出来ないの?」
フランお姉様の案。一番手っ取り早そうだけど…。
「ごめんなさい、調合はあまり得意じゃないのよ」
やっぱりそういう手っ取り早そうな案って失敗するんだね。
「んじゃ、これ使えば?」
テーブルに置かれる牛乳。いや、ミルクかな? 赤ちゃんが飲みそうだから。ミルクを置いた人物を見ると。
「霊奈…何でいんの?」
「戸締りはちゃんとしてるのかしら?」
「はい、門や窓は全部閉まってます」
「んじゃあどうやって入って来たの?」
私の疑問に霊奈は。
「閉まってたらぶっ壊すのが常識って、私は思ってるわ」
『はあ!?』
何言ってんだコイツ…。いや、言ってる意味は分かるよ。ただ言ってる事がおかしすぎる。
「馬鹿じゃないのあんた!?」
「で、どう? それ使う? 沢山あるからいくらでもあげるよ」
無視すんな。
「ちょっと霊奈! いきなり来ていきなり無視しないでよ!」
「あ、そうそう聞いてよ。私の耳って都合の悪い言葉は聞こえない様になってるの。すごいでしょ?」
「絶対聞こえてるよね!? 今それ言ってる時点で完全に聞こえてるよね!? 何!? 嫌われてる!? 私嫌われてるの!?」
悪いことした覚えないんだけどなぁ…。
「さっきからうっさいわよエル。馬鹿っていう方が馬鹿っていうでしょ? そういう事よ」
「やっぱ聞こえてんじゃねーかよ!!!」
むかつく! 何で私がこう言われるの!?
「落ち着いてくださいエルお嬢様!」
美鈴に言われて何とか抑える。…ここは泣きわめいてスッとしようかな?
「で、霊奈は何でここに来たのかしら?」
「私も同じような事があってね」
という事は…。
「霊奈の所にも赤ちゃんが?」
「そういう事よ」
そう言って自分の背中を見せる霊奈。そこには眠る赤ちゃんが。
「これでわかったでしょ? 私がここに来た理由が。で、どうするのミルク?」
「ええ、ありがたく貰うわ」
「んじゃ神社から持ってくるわ」
そのまま扉を出る霊奈。
「………別のから出ようかな」
バリンッ!
『おい』
霊奈の奴、わざわざ別の窓割って行きやがったよ…。
「…後で直しておきます」
「…それじゃあこの子に名前を付けましょうか」
皆立ち直り早いなぁ。しかし名前を決める。この時を待っていたよ。
「十六夜咲夜が良いと思います!」
「何で?」
理由はどうしようかなぁ。
「良いと思ったからです!」
「気に入った!」
「ありがとうございます!」
ちょっと劇画タッチになったような気がしたけど、別にそんな事は無かったよ。
「それじゃあこの子の名前は十六夜 咲夜に決定ね!」
「それじゃあ早速お祝いの準備をしてきます」
やったね! パーティだって! ん? これって私が名付け親って事かな? 中々嬉しいねぇ。
「ちょっと待ちなさい美鈴達、咲夜の目が覚めたわよ」
皆で咲夜が寝ているベットに近づく。
『これからよろしくね咲夜!』
皆でそう言う。すると…。
「…ウッ!」
『ウッ?』
「ウエッ!」
『ウエッ? …もしや!』
「ウエェェェェェェェェエエエエエン!!!」
『やっぱりですか!?』
「は、早く泣き止まさないと!」
「ちょっと待ってて! オモチャか何か持ってk」
ツルッ!
「あっ!」
ドンガラガッシャーン! ズガッシャ―――ン! バリリリリリリリン! メメタァ
………赤ちゃん育ててる人って人間辞めてるんじゃないかな?
紅魔館に新しく増えた家族、十六夜咲夜。紅魔館の住人はその可愛さに癒されていく。そして再び襲来するあの人! もう帰れやお前。
次回「赤ちゃんは癒し」
次回もサービスサービスゥ!
エル「今回全然世話してないよね?」
「………」
エル「あんたも都合の悪い言葉は聞こえない耳してるんだね」
「…そういう事」