グダグダ回。
私は今、ベッドで寝っ転がっているよ。台所にあったクッキーを食べながら。このクッキー、食べる許可を得ていないよ。つまりつまみ食い、いや、盗み食いだね。丁度小腹がすいた時に、咲夜がこのクッキーを作ってたもんだから、三時まで待ちきれず、ムカデと一緒に盗むチャンスが来るまで待っていたんだけど、咲夜がレミリアお姉様に呼ばれたんで、速攻で一皿盗ってきたんだ。怒られることは覚悟してるよ。
それにしても、何で咲夜はレミリアお姉様に呼ばれたんだろう? それが気になるよ。あ、クッキーが一個落ちた。あ、でもムカデが近くにいる。
「ムカデ~、それ取って~」
「…自分で…取れ」
…すいません。腕を伸ばしてクッキーを拾う。
「…もうちょっと愛想良くしてもいいと思うんだけどな~」
「…無理」
速攻? で拒否ですか…。というかムカデは、私を利用しているだけじゃないだろうか。私の下についてれば、危険を冒さずにご飯にありつけるし。少なくとも忠誠心なんてモノは無いからね。まあ、ペットだから別に良いんだけど、もうちょっと心を開いてくれてもいいんじゃない? ペットだし。まあ、心の中で思ってても仕方ないんだけどね。それにムカデをペットだと思ってるのも、失礼なのかもしれない。
そんな事を考えていると、外の廊下から足音が聞こえる。結構速い、多分走ってるね。ディラックの海にクッキーを隠す。隠し物をここに隠したら絶対にバレる事は無いよ。もし相手がここに隠したと分かっていても、中にある物を取り出す事が出来るのは私だけだしね。
さて、廊下を走るなって怒ってあげようか。ベッドの上に座る。扉が開く。来た!
「ろうk「聞いてくださいエルお嬢様!!!」!?」
まさかのキャンセル。
「いやだk「実はですね!!!」…はい、何でしょうか?」
ベッドから降りて正座をする。隣にいるムカデも正座をする。
『どうぞ』
「私にも能力があったんですよ!!!」
『マジすか。で、どんな能力なんです?』
あ、台詞被った。知っているからイマイチ驚きが薄い私。ムカデは単純に興味が無いっぽいね。しかしそんな事を気にせず話す咲夜。私達の反応は気にしないらしい。
「はい! 『時間を操る程度の能力』って言うんです!!!」
「へえ」
やはり反応が薄い私。ってあれ? ムカデの反応が無いぞ。横を向く。そこには瞳をキラッキラに輝かせたムカデがいた。ちょっと待ってよ、私にも向けた事が無いよね、そのキラッキラした瞳。
「どうしたの?」(小声)
「…DIO様!」(小声)
成程ね。確かにDIO様を連想するよね。
「…ねえ」(小声)
おや、ムカデから話しかけてくるとは珍しい。
「何?」(小声)
「咲夜に…DIO様の…真似を…させたい」
…それだ!
「それは思いつかなかったよ! 後で角砂糖三つと、よしよしをあげるよ」(小声)
「結構です」(小声)
あ、そうですか。
「よし咲夜」
「はい?」
「咲夜にはその能力を使うために色々と教えてあげるよ」
「? 使うためには何か必要なんですか?」
「うん、でも大丈夫。すぐに覚えられるよ」
実際すぐに覚えられる事だし。
「そうなんですか」
「…そう…そう」
「じゃあいくよ」
「はい!」
「まず、時を止めるときは『ザ・ワールド、時よ止まれ』って言わなきゃ駄目なんだよ」
「そうなんですか!?」
『うん!』
基本だね。
「次、…あ、そういえば武器はどうなったの?」
「ナイフになりました」
「おお、それは良かった、んじゃあナイフの構え方を」
「お願いします!」
「ナイフはエプロンを縛っている紐に差し込んで、他は両腕で持つんだよ」
「こうですか?」
「そう…そう」
分かりにくいけど、DIO様が承太郎にナイフを見せびらかした時のやつだよ。
「よし次は…」
私とムカデの時止め講座は続く。と思いきや。
「咲夜!」
『!?』
うお!? びっくりした。後ろを向くと、皆がいた。え、何事?
「あのー…何か?」
「エル、ムカデ、一体咲夜に何を教えていたのかしら?」
「あー、そのー…色々?」
「へえ、色々ねぇ」
「ところで何でこっちに来たの?」
「私の能力でね、このままじゃ咲夜が大変な事になるってね」
ま、まさか!? それは。
「レミリアお嬢様! 見てください! ナイフを構えるときはこうするらしいです」
私が教えた構えをする咲夜。ちょっ!?
「…へえ、色々ねぇ」
『………』
この後むちゃくちゃ怒られました。
それから数年、紫から異変を起こすよう頼まれ、それを承諾する紅魔館の皆。そしてエルはどうするのか?
次回「ようやく異変」
次回も、サービスサービスゥ!