そしてこの小説ももう七十話になりました。ここまで続けられたのも皆様のおかげです。ありがとうございます。
いやー昨日は大変だったね。まさかあんなに早くフランお姉様が来ちゃうとは…。推測で行動するってのは駄目だねぇ。かといって推測で行動しなきゃいけないときもたくさんあるんだけど。
そんな事を考えながら歩いていると、咲夜がいた。
「お~咲夜、今日も仕事頑張ってね~」
「はい、エルお嬢様」
咲夜はお辞儀をする。やっぱりすごいね咲夜は。この感想も何度目だろう。……。急いで咲夜のいたところに戻る。
「ねえ咲夜」
「どうしました?」
「私もやっていい? 家事」
「へ!? か、家事ですか?」
物凄い驚かれたよ。いや、確かに私は家事なんて殆どやらないよ。昔召使い達のお手伝いしたくらいだよ。でも、転生前は結構手伝ってたよ。
「そう、家事。手伝わせて」
「いえ、大丈夫ですよ。エルお嬢様にそんな事させるわけにはいきませんし」
何だろう、物凄い馬鹿にされたような気がする。いや、咲夜は別にそんな気は無いって事は分かってるけどさ。恐らく咲夜は、『家事はメイドの仕事だから』って意味で言ったんだと思うけど、私には何故か、『絶対なんかやらかすから』って意味に変換されたよ。
「一回だけでいいから。それにいっつも能力使ってやってるから、殆ど一人でやってるんでしょ?」
「はい」
「なら毎日大変でしょ。ちょっとくらい私に手伝わせておきなって」
ちょっとは休憩も必要だと思うのよ、私は。
「い、いえ、大丈夫ですよ」
両手を振って断る咲夜。う~ん、これは強硬手段に行くしかないね。私は右手を掴み、咲夜を強引に連れて行く。
「へ!?」
「ほら、まずは形から! メイド服はどこにあるの?」
私は何事も形から入る方だよ。
「ぎゃ、逆です」
「………\\\」
…物凄い恥ずかしい…。
咲夜side
断り切れずに連れて来てしまいました。手伝っていただく事は嬉しいんですが、何故でしょう、物凄く不安です。
「おお、メイド服なんて初めてきたよ~」
様になっていますよ、エルお嬢様。少し不安が軽くなった気がします。メイドの格好をされたので家事が得意に見えるようになったからでしょうか。…というか私はなんて失礼な事を思ってるのかしら。
「どうよ」
個性的なポーズ(ジョジョ立ち。どれかはご想像にお任せします)をして私に見せるエルお嬢様。
「お似合いです」
「え、ホント!? ありがと~。で、私はどうすればいいの?」
あ、そこは私に任せるんですね。エルお嬢様らしいです。悪い意味じゃありませんよ。
「それでは洗濯物を干すのを手伝ってもらっていいですか」
複雑な仕事でもありませんし。
「いいよ、で、洗濯物はどこ?」
「こちらです」
洗濯物が置いてある部屋に向かう。部屋に着くとエルお嬢様が洗濯物の入った籠を持つ。
「あ、私が持ちますよ」
持とうとするが、エルお嬢様は籠を私から遠ざける。
「このくらい私がやるよ」
「分かりました」
私達は庭に出る。晴れた日はここに洗濯物を干すのが定番になっている。
「よーし干すぞー! 沢山干すぞー!」
エルお嬢様が物干し竿に掛けているハンガーを使い、服を掛けていく。因みにこのハンガーは香霖堂で貰ってきたものです。
「あ、咲夜はハンガー使うもの以外をやってもらっていい? こっちが終わったら手伝うから」
「分かりました」
布団やハンカチなどを洗濯バサミなどを使って干していく。
「そう言えばさ、ソーセージってあるじゃん」
「はい」
ソーセージ、確か八雲紫が持ってくる食糧の一つだ。何でもエルお嬢様が頼んだとか。エルお嬢様の話は私の知らないものが多い。中にはパチュリー様が知らないようなものもある。
「あれって中は鳥獣類だけど、皮には羊の腸を使ってる場合が多いらしいよ」
「そうなんですか」
「うん、中には皮が無いのもあるらしいけど」
へえ、初めて知りました。……あ、それだけなんですか。
「終わったから手伝うね~」
「あ、お願いします」
洗濯バサミを使い干していく。十数分後、全ての洗濯物を干し終える。
「終わった終わった」
背伸びをしながらエルお嬢様が言う。
「おかげでいつもより楽になりました」
そう言うとエルお嬢様はにっこりと笑う。
「そう言ってくれて嬉しいよ。さて、次は何をすればいいの」
「そうですね。それじゃあ次は料理を手伝ってもらっていいですか?」
「了解! それじゃあ行こうか」
私の腕を掴む。
「はい、行きましょうか」
…結構つまみ食いされました。
美鈴とともに門番の仕事をしてみるエル。
次回「美鈴と私の一日」
次回もサービスサービスゥ!