自分に感動できる物語を書く力をください…。
時間を止め、迫ってくる枝を避け、ナイフや弾幕を当てるが、全然効いていない。
「チッ!」
流石に分が悪すぎる…。
私は霊夢と魔理沙と一緒に異変の元凶で幻想郷から春を集めていた西行寺幽々子に勝利し、異変を解決出来たのだが、その矢先に突然西行妖が動き出し襲い掛かってきた。そして、私、霊夢、魔理沙、幽々子と、西行妖の異変に気付きやってきた紫とその式の藍の六人で戦っているのだがちっとも決着が着かない。というのも、こちらの火力が西行妖の再生能力に負けてしまっているからだ。おまけに西行妖の枝はさらに増えていて、戦いが長引く程攻撃を避けにくくなっていってる。
「しまっ!?」
下から襲い掛かってきた枝に足を掴まれる。足を動かして抜け出そうとするがビクともしない。上を見ると、槍のように尖った枝が私に向けて迫ってきた。
「咲夜!」
霊夢達が私を助けようとするが、自分でも分かる、恐らく間に合わないだろう。枝が接近してくる。私は目を瞑り、心の中でお嬢様方への謝罪を述べる。
お嬢様方、すいませんでした。私、十六夜咲夜は紅魔館に戻れそうにありません。これは異変解決に行きたいというメイドにあるまじき我が儘を言った罰でしょう。…もし生まれ変わったら、必ず紅魔館に行きます。でも私が『十六夜咲夜』であるときも、最後まで一緒にいたかったです。
「咲夜あああああああ!」
エルお嬢様の声が聞こえる。勝手に死ぬ私を怒っているのでしょうか? ………変ですね? 枝がいつまで経っても刺さりません。
「ちょっと目開けてみてええええええええ!」
言われたとおりに目を開けると、枝が何故か私の目の前で止まっていた。…いや、よく見ると私の前に壁のようなものがあり、それで止められている。そして目の前と足に絡みついていた枝に私の後ろから撃たれた弾幕が当たり、消滅する。さらに巨大なレーザーが西行妖に当たり巨大な穴をあける。西行妖が動きを止める。恐らく再生に力を使うのだろう。後ろを向く。そこにいたのは。
「エルお嬢様!」
エルお嬢様がこちらを向いて立っていた。
「やあ咲夜、危なかったねぇ。でも私が来たからにはもう大丈夫!」
胸に握り拳を当て、いつものように笑うエルお嬢様。その姿を見た瞬間、言い表せない気持ちが胸の奥から沸き上がり、目から溢れ出てしまった。
「…ひっく…えっぐ…ふえぇ」
嬉しい、悲しい、怖い、そんなごちゃ混ぜになった気持ちが目からあふれるのを止めたくても止められない。そんな私を見たエルお嬢様は慌てだす。
「わわわわわわっ!? ど、どうしたの咲夜っ!? お菓子食べる!? 沢山あるよっ!? どれがいい!? 団子!? 饅頭!? あ、煎餅もあるよ!?」
「えっぐ…ひっぐ…ち、違うんですぅ。そうじゃ…えっぐ…ないんですぅ」
「………おいで咲夜」
私はエルお嬢様に近づく。すると、エルお嬢様は私の頭を抱き、胸に当てる。私の溢れ出る気持ちで、エルお嬢様の服が濡れる。
「ふぇ、エルお嬢様ぁ…えっぐ…き、汚くなっちゃい…ふっぐ…ますよぉ…」
「あははははは、大丈夫だよ、服が汚れるなんて日常茶飯事だし、何より全然汚れてなんかない。…だからもっと、安心しちゃいなよ、ね?」
その言葉を聞いた瞬間、さらに気持ちが溢れ出てきた。
「ふ、ふえぇぇぇぇぇえええっ! 怖かったですよおぉぉぉぉぉおおおっ!」
「ごめんね、私がもっと早く着けば、咲夜を傷つけずに済んだのに…」
違う、そんな事はない。
「違いますよおぉぉぉぉぉおおおっ! エルお嬢様のせいじゃないですよぉぉぉぉぉおおおっ!」
「…ありがとう咲夜」
私はこの気持ちが尽きるまで、エルお嬢様の服を濡らした。
次回「私の本領」
次回もサービスサービスゥ!
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