博麗神社に向って飛んでから十数分、私の視界に神社が見えてきた。今日は異変解決の宴会をするらしい。てっきりもう終わってるかと思ったけど、霊夢達が私の風邪が治るまで待っていてくれたらしい。ありがたい。というわけで風邪が治った私は博麗神社に向けて飛んでいるという事だ。因みに治ったと言ってもまだ完全じゃない。時々鼻水が垂れてくる。だからティッシュを右手で持っているよ。
「到着!」
両手を広げ、Tのような感じになって神社に着地する。様になったね!
「ハックション!」
それと同時に鼻水が出る。急いで鼻水をティッシュで拭きとる。…全然様になってないや…。
「あら、結構早かったのね」
目の前で宴会の準備をしている霊夢が言う。
「料理を確認しなきゃいけないからね!」
親指を立てて当然のように言う。宴会の準備を手伝いながら料理を把握する、もはやこれは私の恒例行事と化している。…と言っても今回で二回目なんだけどね。
「さあ霊夢、私は何をすればいいの? どんどん命令して頂戴!」
「…あんたってホント吸血鬼っぽくないわよね」
「…そう?」
元人間だからまあそこは仕方ないかな。…でも人間だった頃って十年ちょっとなんだよね。
「あんたの所の長女は誰かに命令されるなんて嫌でしょ?」
レミリアお姉様…確かにそうかもしれない。頼みならともかく命令なら速攻で怒りそうな気がする。ただし確証はないからはっきりは言えないけど。
「まあ…多分」
「でしょ…私のイメージとしてはレミリアが吸血鬼の基本形だと思うのよ」
霊夢…それはちょっとひどいと思うけど。いや、確かに言ってる事には一理あるけど…吸血鬼はプライド高いけど…流石に基本形って言うのは言い過ぎな気がするよ。というか私達はいつまでこんなくだらない話を続けてるんだろうか…。
「まあその話は置いといて。なんかやる事ある?」
「じゃあ前みたいに料理運ぶのお願い」
「はいはーい」
博麗神社の台所に入る。隙あらば美味しい物をつまみ食いでも…。
「うわっ!?」
「へ?」
……私の目の前に見える銀髪おかっぱ。ふよふよと浮く半霊。間違いない、冥界にいた妖夢だ。
「なんで妖夢がここに居るの?」
「エルさんこそ、どうしてここにいるんですか?」
「私は宴会で出される料理を確認するって言う恒例行事があってね」
「恒例行事…」
「で、妖夢は何でいるの?」
「幽々子様の命令で来ました」
「なんて命令?」
「準備を手伝ってあげなさいって言われました。それと美味しそうな料理を確認しなさいとも言われましたね」
「………」
私と同じ目的…だと…。私は今年一番の驚愕を味わったと思う。