「いやー驚いたなぁ。まさか幽々子が私みたいな考え方をするなんて。しかも大食いなんでしょ」
「はい…。それはもう大変で…。家計が…」
「でも、冥界の管理人なんてやってるんだから給料はすごいんでしょ?」
「つまりそういう事です」
ああ、それでもって事ね。
「まあ…頑張って」
料理の乗った皿を長方形の机に置きながら、別の机で同じ作業をしている妖夢と会話をする。さっきからこの話題で盛り上がっている。いや、盛り上がってるのは私だけか。妖夢の表情は暗い、西行妖が暴れていたのを見た時と同じくらい暗い。
「うーんしかし幽々子とは話が合いそうだなぁ。考えてみれば異変の時はすぐに寝ちゃって話ができなかったし、この宴会で話してみるかな」
「幽々子様と話しが合う方はなかなかいませんよ」
「共通の要素があれば大丈夫でしょ」
「その二人が今日の宴会に参加するのね……。ハア、疲れるわ」
料理を持ってきた霊夢が会話に入ってくる。まあいっぱい食べるからこそお手伝いをしてるんだけどね
「まあまあ霊夢、ため息なんかついてないでもっと明るくいこうよ。せっかくの宴会なんだしs「あんたが原因の半分なんでしょうが!」アウチ!!」
イタタタタタ。く、さすが妖怪退治を生業とする博麗の巫女。いいチョップだ。
「いやー確かにそうだけど、まあせっかくの宴会だし、パアっとやりたいし」
「あんたはいつもパアっとやってるでしょうが」
握り拳を作り、迫ってくる霊夢。前謝りに行った時と同じくらい怖い。
「ア、アハハハハ。や、やだなあ霊夢。そ、それじゃあ私は台所から料理持ってくるから」
急いで台所に逃げ……移動する。
「食欲は抑えられないから仕方ないよね。……ん?」
ふと横を見ると、縁側の下から何かがこちらを覗いているのを見つけた。あ、隠れた。………。
「…頭隠して氷隠さずって言うの、これ」
六本の氷のような物が丸出しになっている。明らかにさっき覗いてた奴のものだ。近づいて観察する。
「おお、すごい」
私は芸術とかはよく知らないけれど、これはすごいと思う。氷だから透き通っているのは当たり前だけれど、それがまた違って見える。なんというか、幻想的だ。
ちょんと突いてみる。すると、下から声が聞こえてくる。
「ん…」
「チルノちゃん頑張って!」
え、これって感覚あるの。……くすぐってみる。
「プ、ププププ」
「チルノちゃん耐えて!」
……なにこれおもしろい。次はデコピンしてみる。
「いてっ! ぐぬぬ、最強のあたいにダメージを与えるなんて…」
「チルノちゃん落ち着いて!」
抱き付いて頬ずりしてみる。あ~、ひんやりとしていて気持ちいい~。
「あ! ちょ! やめ!」
「チルノちゃん、あと少し! あと少しだから!」
叩いてみる。
「いたっ! ……さっきから何やってるのよあんた! いい加減にしてよ!」
「ゴフっ!」
イタタタタタ! 頭に何か当たった!? 頭を抱えて耐える。うぐぐ、どうやらぶつかったのは氷みたいだ。人の頭くらい大きい。吸血鬼じゃなかったら死んでたよ。
「アッハッハッハッハ! あたいったら最強ね!」
「ど、どうするのチルノちゃん。もう隠れられないよ?」
前を向くと、私より少し小さい女の子が二人立っていた。
「あんた誰?」
「あたいはチルノ、最強の妖精よ!」
「だ、大妖精です。あのー、これは」
「つまみ食いしにきたのよ!」
「チ、チルノちゃんーーーー!」
イメージとしては、青い子が勝気な子。緑の子が控えめな子ってところかな。バランスが取れてるね。しかしつまみ食いかぁ、つまみ食い……。
「一緒にする? つまみ食い」
「うん! いいよ!」
「え! ちょ! え!?」
まさか協力者がいたとは思わないだろうね。……霊夢にバレないように気を付けるようにしよう。