地震が発生した翌日。帝都はとても静かであった。それもそのはず、今まで大地が動くわけがないと言われていた大地が音を立てて揺れ、あらゆるものが崩れ去ったのだ。崩れた瓦礫や割れた食器の片付けに追われる中、彼らを再び恐怖が襲った。
「隊長、迫撃砲の用意完了しました」
「分かった。弾を込めろ」
「了解。弾込め用意」
外交員に銃口を向けられたと連絡を受けたラーテル隊は、当初の命令通り、報復(と言うよりは脅迫に近いが)を行うことになった。
迫撃砲に弾を込め、観測係は着弾点を予測する。その着弾点は、元老院の門前。
「人もいない。瓦礫の撤去に追われてるのだろうな」
「こちら、装填完了。いつでも撃てます」
「よし。……撃て!」
迫撃砲から弾が放たれ着弾すると、少しだけ遅れて爆音を轟かせた。
「着弾確認」
「よし、撤退するぞ。第2、第3波の連中に通信しなきゃならん」
「撤収、急げ!」
元老院が大騒ぎになる中、ラーテル隊はすぐにその場を離れた。
帝都の住人たちが見たのは、巨大な鋼鉄の鷲だった。つんざくような音を轟かせながら空を飛び、そして、元老院の屋根にぶつかるギリギリの高さを通過していった。
それはまるで、『お前たちの国など、簡単に入ることが出来るぞ』と言っているような気にさせるものだった。
だが、一番の恐怖は……空を飛ぶ巨人であろう。背中に翼の生えた巨人が空を飛び、元老院の近くに降り立ったのだ。少しの間元老院を見下ろすと、巨人は翼から青白い炎を噴き出し、空を飛んで消えてしまった。
この巨人は、空中戦仕様にカスタマイズされたアルトである。低反動ショルダーキャノンを固定武装とし、飛行用バックパックで一気に戦場を駆ける機体である。今回の出撃では施設の破壊は許可されていないため、威嚇としてただ警備兵たちを睨み付けたのだ。
十数メートルの巨人だけでも恐ろしいのに、空から現れ、こちらを睨み付ける姿は兵士たちに恐怖を与えた。そしてその姿を見た貴族たちも、その姿に震えたのだった。
帝都、悪所のラーテル隊仮拠点。迫撃砲の攻撃と空戦部隊に連絡を終えた彼らは、情報収集に務めていた。
夜。地震を相談しに来て以来ちょくちょく来るようになったミザリィがやって来た。
「隊長さん、いるかい?」
「ミザリィか。仕事はもう終わったのか?」
「地揺れの瓦礫なんかを片付けるのに忙しくて、仕事どころじゃないよ。帝都はみんな片付けに追われてるし、昼間は大鷲や巨人が来たもんだから、さらにビクビクしてる。男たちなんて来やしないよ」
「そうか。茶でも飲むか?」
「さっき軽く一杯やってきたから結構さ。それと、少し気になる事を聞いたよ」
「む?」
それは、ラーテル隊を驚かせるものであり、帝国との戦いが本格的になるかもしれない内容であった。
読んでいただき、ありがとうございます。来週から本格的に忙しくなるため、更新はさらに遅くなるかもしれません。ですが、時間を見つけて書いて投稿出来るようにします。
それでは、次回をお待ちください。