特地の上空、それも雲に近い高度を、エグザマクス専用キャリアが飛行していた。内部には片膝立ちの空戦用エグザマクスが数機格納されており、降下指示を待っている。
『降下一分前。各機、最終チェックせよ』
「バックパックスラスター、容量満タン。マシンガン装填オーケー。カメラアイ、動作不良なし」
『ハッチオープン。各機、降下準備』
キャリアのハッチが左右同時に開かれ、風が流れ込む。
『全員準備は良いな! 第一波として空挺部隊がバスーン監獄に潜入、警備を弱めつつ救助対象を捜索しているはずだ! 俺たちは救助者輸送用ヘリを護衛しつつ、脱出を図る味方の援護を行う!!』
隊長が大声で任務内容を告げると、降下のベルが鳴る。
『空挺エグザマクス隊、Go!』
「降下します!」
鋼鉄の巨人たちは次々と降下していった。
バスーン監獄の中を静かに、それでいて素早く進む集団がいた。地球連合軍の空挺部隊であり、空挺エグザマクス隊が第一波と呼んでいた集団である。彼らが目指すのは、監視塔だ。彼らは裏口の警備兵を気絶させた後に中へ侵入、警備兵の詰所を襲撃する計画である。
「……(クイクイッ)」
先頭にいた兵士がハンドサインを送ると、後続が頷いて先頭と反対の位置へ回る。隊長がドアを少し開けると、兵士はスモークグレネードを投げ込んだ。
「ぶわっ! な、何だ!?」
「煙幕か、ゴホッゴホッ!」
「敵だ 誰か盾を!」
「Go!」
すぐに連合軍兵士が入り込み、兵士を撃ち抜いていく。咄嗟に盾を構えることが出来た兵士も、その銃弾にあっさりと倒れた。
「報告!」
「クリア!」
「クリア!」
「よし! ベータとデルタ、オメガは警鐘塔を押さえろ。残りで今度は看守室を押さえる」
どの牢屋に誰が収容されているかを知るために、そのリストがあると思われる看守の部屋へと向かう。
その頃、外では運良く兵士たちに片付けられていなかった警備兵たちが騒いでいた。
「お、おい! 何だあれは!」
「巨人が……巨人が空から降ってくる!」
降下してきた空戦用エグザマクスが次々と着地し、警備兵の注意を引き付けていた。
「おい、鐘を鳴らせ! あれが恐らく敵だ! 収容した貴族たちを奪還しに来たんだ!」
「警鐘員は何をしている!」
「くそ! 俺が行ってくる!」
一人の兵士が鐘のある塔へ登ろうとする。しかし――
「おい、敵だぞ! 何をやって―――」
その瞬間、胸を撃たれて落下した。既に回り込んでいた連合軍兵士3人が、警鐘塔を押さえていたのである。
「おい、早く鐘を外せ」
「分かってるよ。……うし、外れた!」
「こちらデルタ。警鐘塔の制圧完了。また空挺エグザマクス隊の到着を確認」
『了解。こちらはまもなく看守室へ到着する。……合流出来そうか?』
「警備兵は、巨人の対処に追われてる模様。どさくさに紛れ込みます」
『了解。看守室制圧後に、また連絡する』
まだ巨人に釘付けであることを確認した兵士3人は、素早く合流を目指して、進み始めた。
読んでいただき、ありがとうございました。次回はいつになるか不明ですが、どうかお待ちください。