今回は短めですが、タイトル通りボーゼス達の救出になります。
あらかじめ言っておきますと、本作品ではノーマは戦死しておりませんので、ご了承ください。
翡翠宮にて、徹底抗戦を続けるボーゼス達。彼女達に突如告げられたのは、敵国と裏で繋がっていた密偵の容疑で、騎士団の解散と同時に拘束すると言うものだった。当然、そのような事を受け入れられる筈もなく、こうして翡翠宮に籠城しているのだが……。
「まだこれ程の数が居るなんて……」
「クソッタレ! 自分の国の将来を考えてねえのかよ!」
「いや、考えた結果、講和ではなく抗戦を選んだのだろう」
ボーゼス、パナシュ、ノーマが敵を睨みながらも冷や汗を流す。向こうが複数の騎士団を集めているのに対して、こちらは小さな騎士団に過ぎない。圧倒的な数の差があった。
「先程の爆音は恐らくチキュウ連合軍による物だろうが、こちらへ駆けつけると思うか?」
「いや、距離がありすぎる。皇帝陛下を狙うならともかく、あたし達を構う余裕は無いだろ」
苦笑いを浮かべるパナシュだったが、相手の騎士団の様子がおかしいことに気付いた。彼らの後ろで何かあったらしい。
「この音は……」
ノーマは聞いたことがある。遠くから聞こえるパパパパと言う音を、すぐ近くで!
「勝機が見えた! 彼らだ! チキュウ連合軍が来てくれたんだ!」
「マジかよ!?」
「となれば、切り開くなら今! 全員構え! 挟撃する!」
ボーゼスの叫びと共に、薔薇騎士団全員が飛び出して敵兵士たちを切りつけていった。突如後ろから聞こえてくる悲鳴に気を取られていた主戦派騎士団は、薔薇騎士団に背中を晒してしまったのである。
「しまった! 全員態勢を立て直せ! 反逆者を拘束するのが優先だ!」
「し、しかし団長! 鉄の大蜘蛛が……!」
主戦派騎士団の背後に迫るのは、有人型ロイロイ。機銃を搭載した彼らは、容赦なく銃弾の雨を騎士団に浴びせていく。主戦派騎士団の数が多いことが幸いして、ロイロイの銃弾が薔薇騎士団に当たることは無かった。
『総員、攻撃中止! 後退しつつ奴らを引き付けろ!』
『宜しいのですか、隊長』
『敵兵の数が少なくなってきた。いつ流れ弾をするか分からん。残りは彼女達の獲物だ』
ロイロイに散々蹂躙され、主戦派騎士団の怒りの矛先はロイロイ軍団に向けられていた。攻撃を中止し後退しようとするのを見て、好機と団長は見た。
「あの大蜘蛛に一矢報いてやれ! 薔薇騎士団ごと――」
「ギャアァァァ!」
「っ! な、ば、馬鹿な!」
振り返ると、薔薇騎士団との距離は目と鼻の先で兵士達は斬り合うこともなく、的確に急所を貫かれて倒れていった。団長に迫るのは、返り血で肌や鎧を汚しながらも美しい金髪をたなびかせるボーゼス。
「覚悟ぉぉ!」
「ボーゼスぅぅぅ!!」
横一線に振り払い、団長の首は深く斬り付けられた。噴き出す血が降りかかるのも気にせずに、ボーゼス達は地球連合軍との距離を詰めていった。
『こちら、地球連合軍。確認だが、薔薇騎士団の方々で合っているな?』
「薔薇騎士団団長代理、ボーゼス・コ・パレスティーです。ご協力感謝します」
『ピニャ・コ・ラーダ殿下より、薔薇騎士団団員の救助要請を受けてここに来た。負傷者は?』
「かすり傷程度の者なら数名おりますが、大きな傷の者はおりません」
『了解。あなた方をアルヌスへ搬送する。ヘリに乗ってくれ』
ボーゼス達が見たのは、兵士輸送用のヘリコプター。最初は「まさかそれで飛ぶ気か」と思ったボーゼスだったが、地球連合軍には空を飛べる技術があることを思い出し、ロイロイ隊隊長の言葉に素直に頷いた。
「さぁ皆さん、殿下が待っています! 乗りましょう!」
「お、おいボーゼス? まさかあのグルグルしてる奴にマジで乗るのか?」
「あら、パナシュは馬で行くつもり?」
「そ、そうじゃねえけど! そうじゃねえけど……」
「ならさっさと乗る!」
「うわっ! は、離せって! はーなーせー!」
こうして、薔薇騎士団の団員は全員を無事に救出完了。残ったロイロイ隊は、門を破壊したエグザマクス隊と合流し、襲ってくる敵勢力の掃討任務へと移行していった。
読んでいただき、ありがとうございます。次回をお待ちください。