GATE 量産機よ、異世界でも立ち上がれ   作:G大佐

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お待たせしました、今回は原作キャラと共に新たなキャラクター登場です。


コダ村の騒ぎ

 バイスたち第3調査班は、エルフの少女を救出すると、コダ村へと向かった。村の入り口に立っているポルタ・ノヴァが目印になっており、迷うことなく到着する。

 

《……隊長さんよぉ。あのポルタ、背中にデカイ得物持ってるな?》

「あぁ、持ってるな。ありゃあ……俗に言うサムライソードか?」

《サムライソードならどれだけ良かったか……》

 

 レイスがポルタ・ノヴァの背中に装備されている武器を見た瞬間、様子がおかしくなった。まるで会いたくない相手に会ってしまったかのような反応だ。

 

《あれは、対艦刀だ》

「……タイカントウ?」

《まだ水中戦仕様の機体が開発されて無かった頃に、どこかの国が“艦砲射撃を食らう前に接近して軍艦を潰す”ってコンセプトで作ったらしい。ま、開発に成功したけれど、その間にポルタ・ノヴァの水中戦仕様が生まれちまったから、日の目を見ることが無くなった武器だな》

「よく知ってるな?」

《あんな武器を対エグザマクスで使う変態なんか、あたしは一人しか知らねえよ》

 

《そいつは、“切り込み隊長ゴードン”だ》

 

 バイス達は衝撃を受ける。切り込み隊長ゴードンと言えば、エグザマクスを使った接近戦のプロだ。曰く弾丸を刀で弾いた、動きが速くて残像が見える、通常のポルタ・ノヴァの3倍のスピードを出してる等々、噂が絶えない男だ。

 

《よりによって、かぁ》

「苦手なのか?」

《あいつの動きが変態すぎて、掩護射撃なんか要らないくらいだ》

《変態とは随分と失礼だな、亡霊》

「っ! ゴードン……さん?」

 

 通信に入ってきた、低い男の声。バイスたちの背筋がピンっと伸びる。

 

《よう、ゴードン。相変わらずだな》

《お前の態度も相変わらずだな、レイス》

 

 どうやら、知り合いらしい。詳しく聞こうとしたが、事態がそれを許さなかった。

 

《ドラゴンの事を伝えたところ、お前達が遭遇したのは炎龍と呼ばれる個体らしい。人の味を覚えた炎龍は村を襲うとのことで、コダ村も避難体制に入った》

「我々は、その手伝いと護衛ですね?」

《あぁ。落ち着き次第、この世界の情勢などを話してくれると言ってくれた》

「分かりました。第3調査班も協力します」

 

 そして、バイスたちも村へと足を踏み込んだ。

 

 

 

 

 

 コダ村の避難民の中に、大量の書物を積んだ馬車があった。

 

「しかしまぁ、変わった連中じゃのぉ……」

「…………」

 

 己の師であるカトーと共に馬車に乗っていた少女、レレイは頷く。巨大な剣を持った巨人と共に現れた、兵士と思われる集団。彼らは遥か遠い所から来たと言い、この地帯に詳しくないために教えてくれないかと頼んできた。発音が所々おかしなところがあったが、こちらを見下すことはなく丁寧な言葉で話してきた彼らに、村民は少しずつ緊張を解いていった。

 

 余談だが、地球連合軍の兵士たちは特地の言葉をある程度学習している。というのも、Gシティ侵攻の際に捕虜となった帝国兵士の中には、「どうせ帰国して処罰されるなら」と特地の言葉などを話しまくったからである。それらの文法の解析は今もなお続けられており、兵士たちの言語学習は絶えることがない。

 

 話を戻そう。緊張が解きつつあったコダ村の村民たちだったが、別の情報が再び緊張を引き起こした。巨人の兵士たちは胸についてある小さな箱で何かを話した後、龍のような生き物を見かけたと伝えてきたのだ。しかも炎を吐く赤い龍だということで、炎龍だと理解するのに時間はかからなかった。

 こうして村はたちまち騒ぎとなり、そして大移動が始まったのである。

 

「進まんのぉ。何かあったのかね?」

「あぁ、カトー先生! 今馬車の一台が泥濘にはまっちまって、動けないんですよ。巨人の兵士さん達が手伝ってくれてますけど」

「見てくる」

「これ、レレイ!」

 

 今なら、不思議な集団を近くで見れるかもしれない。そう思ったレレイは馬車から降りた。

 

「そぉーれっ!」

「歩兵の魂を見せてやれぇ!」

「気合い入れるぞー!」

 

 よく見ると、荷車を引き上げる彼らの見た目はあまり統一性が無い。彫りが深く鼻が高い者もいれば、褐色の肌を持つ者、黒い髪に黒い瞳という者もいた。しかも、男だけではなく女性まで力仕事に加わっている。彼らには男女の隔たりが無いのだろうか?

 

「危ないから下がってください」

 

 茶髪の女性が注意してくる。恐らく野次馬に見えたのだろう。彼らの仕事を邪魔するのもいけないだろうと、レレイは下がろうとする。

 

「エミリー、こっちに擦りむいた女の子がいる。診てやってくれ」

「分かりました」

 

 エミリーと呼ばれた女性が、荷車の持ち主であろう家族の娘に向かい、治療を施す。今度は、とても目立つ存在である巨人に目をやる。

 巨人たちはキョロキョロと辺りを見回し、まるで警戒しているかのような仕草をしている。

 

(警戒している。兵士として巨人を調教できるなんて、彼らは何者?)

 

 レレイの興味は、巨人の兵士に注がれていたのだった。

 




読んでいただき、ありがとうございました。次回はいよいよ、エグザマクスvs炎龍です。
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