Fate/Grand Order 時空歪曲特異点 Re:CREATORS   作:色々し隊

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お久しぶりです
こっちを一年以上放置してたから設定忘れかけ


指輪の魔法

 計画は進行していく。

 現界し続ける被造物(キャラクター)達、“聖杯”を求めて集う愚かな魔術士(マスター)、整合性は十分な程に歪んでいる。

 

世界の崩壊まであと少し

 

 異なる世界をアルタイルを使い繋げ、生合成を廃し、世界の(くびき)が軋み悲鳴をあげる。限界を迎え崩壊するだけの神々の世界(何もない現実)

 ヘルプサインを発信しようと既に遅く自然と自壊を待つだけの定め。

一世界の悲鳴を聞届けるモノはいない。

 

 役割を与えた5人の魔術士は我らが新たに力を授けてやった。

 被造物すら凌駕する希望(欲望)の力、最後の希望(指輪の魔法)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一つ、懸念点があるとすれば紛れ込んだ“異物達”だ。

 

 

 今まで静観していた“時の魔王”が協力者を使い可能な限りの干渉を開始した。

 第一陣として4年前、かの『魔導元帥』を経由し『レクス・アクタイオン』…いや『アクタイオン・スカルラット』を送り込み一連の計画を探っていた。

 

 奴は強大だ。人間という枠組みから外れかけている化け物だ。

 架空元素を二つも備え魔法の劣化版(既に失われた大偉業)を可能にしている。現地で活動し我等の情報を集め恐らくアルタイルについても検討はつけた頃合いだろう。

 アルタイルの創造主についても見透かされていると思っていい筈、シマザキセツナを幽閉しアルタイルを唆したのは紛れもない彼女なのだから……

 

 

 

 

 

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 この世界に来てから、書籍やアニメを鑑賞してオルガは理解した。

 良くも悪くも物語のキャラクターと言うものはどれほど悲惨な体験をしようと必ず前に向く。向いてしまう。

 引きずり、挫折しようと、結果として前に進む。創作物だからと言ってしまえばそこまでだろう。しかし、その姿勢は読者(オルガ)にほんの少しの勇気をくれた。

 

 

 途中で迷走しても“仲間”が救ってくれる。

 そうだ。今の俺は一人じゃない。

 ただ火星の街(トラウマの場)で死に続けた俺の前に現れた異世界の少女二人組、二人に応えるために

 

心の中の決意を伝える為に帰ろう。

 

 

 

 しばらくの間使っていたセレジアの創造主《松原崇》の家へと、合鍵を開け中に入る。

 

 部屋は物音ひとつなく静まりかえっている。ふと視線がリビングに置いてある机に向く、置き手紙と万札が丁寧に置いてあった。

 

 

『今日は俺も出かける。金は置いていくから何か買って食べとけ。』

松原崇

 

 

 よかった。てっきり誰かに捕まったとか想像しちまったが心配する事なかったな。

 

 日々の疲れも溜まった彼は札を持って買い物に向かう。

 

 

 

 

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 さて今日はメテオラとの会談の時、正直言って今回の一件は俺の不手際に他ならなず少なからずお詫びも入っている。アリステリアを制御できず矛先を向けさせてしまった。まみかがいなければあの空気…絶対戦闘になってただろうな。うん絶対そうだ。あの脳筋め! 昨晩も勝手しやがって…空飛ぶ馬を探すのがどれだけ大変だったか…

 おまけに支配人にも怒られるし…

 日に日に悩みの種が増えるばかりだ、ブリッツからの報告も併せて検討する必要があるな。

 

 ソファに座り資料に目を通していると後ろから まみか がひょこっと覗き込んできた。

 

 

「先生? 顔色悪いですよ。」

 

「ん、気にするな。時期に収まる。」

 

 

 まみかに余計な不安与えるのは良くない。

 

 この子はただでさえ壮絶な経験をしている。魔法少女は響き自体はよく聞こえるだろうが彼女の運命(ストーリー)はアリステリアに負けず劣らず悲惨だ。上っ面だけは子供向けの設定だがアニメ好きの部下の一人が教えてくれた裏設定には頭を抱えた。

 

 

 椅子から立ち上がり部屋を後にする。向かう先は下へと続くエレベーター、丁度支配人からメテオラたちが来たと連絡がきた。来客を待たせるなんて愚行は侵さない。二人にも持ち場に待機してもらっている。征くとしよう。

 

 まずするべき事は情報の精査、俺一人で結論づけるも良しだが折角《万里の探求者》と対談出来るなら彼女の推測も聞いておきたいしな。

 

 エレベーターのボタンが光り到着音が鳴ると2階と表示された電子盤を横目にフロントへ進む。視界に入る景色は想像していたコスプレ大会とは違いしっかりとしたこの世界基準の普通の格好だった。

 

 

「ようこそ皆さん、昨日は本当にすいません。それと、今日はありがとう。

 立ち話もなんですが…と言いたいのですが、その前にまず君達について聞かせてもらえないだろうか?

 君達は此方に来てから何日経つ? 

 現在把握している事柄は?

 来てからどういった行動をした?

 一から十まで教えてもらいたい。」

 

 

 焦ってつらつらと連続での質問攻め

 

 

「待ってほしい。貴方がたがどういった事情かは知りませんが、私達にも事態を知る権利はある筈です。

 それに今回、お互いの情報を交換し状況の理解を深める場と私は認識しているのですが…」

 

「……すまない。焦り過ぎた。

 まず第一に、ここは君達が居た場所とは違う。それは承知だと思うがもう一度言っておく。

 加えて世界間の移動は“余程の事がない限り”不可能だが、今こうして異なる場所から多種多様な面々が集まって来ている。時間軸を通り越してな。

 ここから想定される事柄は二つ、

 

《万に一つの確率が乱立し、本当に偶然集った》か《何者かに意図して集められた》か、だ。私は危機を察知した知り合いに連れてこられ迅速に対応したので大事にはなっていないと願いたいが、『介入した側』と『巻き込まれた側』では捉えている事柄が違う。

Ms.メテオラの言う通り。情報の擦り合わせ、意見を聞いて判断する為にこの場を設けた。」

 

「やはりそうでしたか。

ならば此方もその切意に応えましょう。

 

 その前にここでは人目につきます。場所を変えましょう。」

 

「それもそうですね。どうぞ」

 

 

 

 

 

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 レクス殿の仰った事柄は私達は把握している。ここは私達(被造物)を作った世界。言わば“神の暮らす場所”

 

 

 メテオラは快く自身が保有する情報を明かした。一欠片の漏れもなく、セレジアや立香が聞けば長すぎて眠くなる話すら、レクスは真剣に聞いていた。

 

 交換が終わり得られた情報をまとめる。

 

 一同に起こった世界移動の原因は軍服の姫君(アルタイル)が起こした事

 

 しかし、アルタイルもまた首謀者ではない事

 

 アルタイルの世界融解の手助けをした誰かがいる。

 この(創造主の)世界には大量の被造物が現界し続けている。アルタイルの目的が世界のキャパシティを越えさせ、整合性を保てなくなった末に起こる大崩壊。

 

 不明な点があるとすれば一つだけ

 

 

「オルガ・イツカとカルデア、君達が此処に来ているのはどういう原理なのか……か」

 

 

 考えられるケースを脳内で展開し思考する。自分も同じではあるが時間軸だけが違う存在とは遭遇せず現在に至る。

 それに“爺さん”も援軍をよこすのなら一言言う筈だ。または想像力が作り出した架空の存在が独自で現世に干渉してきた……と考えるのも一つか。

 しかし、俺の世界と似ていると考えるとその線も消える。

 

 

「ええ、彼女らは別世界より訪れた異邦の者。かく言う貴方も同じと聞きました。」

 

「誰から?」

 

「レオナルド・ダ・ヴィンチ、立香殿の所属する組織《カルデア》なる場所の上司と言う方から、貴方の保有する武器から想定されていました。」

 

「モナリザの作者だと…もしや聖杯戦争のシステムを利用し、召喚したとでも言うのか?

 いや、可能ではあるか…《奇跡》を求めて争い競い合う魔術儀式、魔術士(マスター)道具(サーヴァント)によるバトルロワイヤル。

 勝者にはあらゆる願いを叶える願望器たる《聖杯》が与えられる…例の…だが、それ程“昔の人物”を…」

 

 

 一人考察を進めるレクスにマシュが話しかけた。

 

 

「その…前からお聞きしたかったのですが、やはり貴方は聖堂教会の人間なのでしょうか?」

 

 

 初めて会った時に持っていた剣は形は一般的なロングソードと大差が無かったが、巨大な黒鍵だった。さらには聖杯戦争の事を知る人物。この二つに合致するならば消去法的に聖堂教会の可能性が高くなる。

 質問に少し間を置いて視線だけをマシュに向ける。

 

 

「君たちもか?」

 

「いえ、我々カルデアは魔術協会側です。初代所長の《マリスビリー・アニムスフィア》が第四次聖杯戦争に勝利した後に得られた資産によって発足されました。」

 

 

その説明を聞いてレクスの資料を見る視線が固まった。

 

 

「何? ……優勝者がいたと?」

 

「え…? はい。」

 

「……なら、違う。私が聖杯戦争の情報を知っていたのは友人が監督役として現地に出向いていたからだ。さらに付け加えるなら《七祖》の乱入によって聖杯戦争は破綻、最後は監督役の友人が対象を消去(デリート)し幕を閉じた。

 結局、サーヴァントは全滅。魔術士も殆どが殺され、教会の保護の元生き残った者達も発狂して死亡。

 生き残りは“狂気(ワラキア)の夜”を打ち破った聖銀空騎士団の団長と、魔術士(マスター)として参加した“アウェイのバカ七祖”の1人、計2人だけだ。」

 

「「……………」」

 

 

 知識としてマシュは聖堂教会の事情を知る機会があった。だがレクスが言った言葉はどれもこれもわからない事だらけだ。

 

《七祖》や《聖銀空騎士団》など、どれも聞いた事がない単語が山の様に溢れ疑問は深まるばかり、ダ・ヴィンチならばわかるのかと考えていると、何かを納得したレクス

 

 

「訳がわからない。そういった顔をしているな。

 となると私と君たちの世界は似ているようで違う並行世界(パラレルワールド)から来たと言う事だ。それぐらいなら魔術協会所属なら知っている筈だ。なんせ宝石科(キシュア)がある。

 それにしても…天体科(アニムスフィア)が…」

 

 

 考えても埒があかないと、手を叩き気持ちを切り替える。

 

 

「それで、私がどうしてこの世界に来れたかだったね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それを教える前に、まず手始めに君たちの実力を測らせてもらう。」

 

 

 レクスが指を鳴らした瞬間、それまで存在した部屋が文字通り全て消滅し、辺り一面は何もない空間が広がっていた。

 

「これは…」と困惑の声を漏らすメテオラ。  

 だが手を組むのであれば実力を知っておきたいというのは至極真っ当な意見だとメテオラは行動で承諾の意を示す。

 

 アリステリアとまみかが上から落下しメテオラたちの前に着地する。どちらとも戦闘体制へ移行しておりいつでも戦う準備は出来ている。

 

 目の前のレクスは立香に手を出し穏やかな口調で話す。

 

 

「さぁ、どうぞ。相応しい武闘を見せてくれ。」

 

 

 一つ、消えず残っているソファーに腰掛けながらまるでどこぞの魔王の様に立香の前で座りつづけるレクスに戦闘が始まる直前アリステリアが小さく声を出した。

 

 

「本当にやるのか?」

 

 

 「無論だ」とレクスからのシンプルな答えにため息を吐くと愛槍を構える。

 

 

「では、魅せてくれよ。」

 

 

 レクスの宣言で二人が跳躍する。初めの一撃はアリステリアの槍がセレビアの脳天を捉えた。

 今立っている空間、足場は視認できないだけで確かに存在している。しっかりと踏み締めて槍の一撃を愛刀のソード・リベリオンで受け止める。

 

 

「こんのッ! あんた達いつからここに!」

 

「ずっとだ。お前達の会話も聞いていた。しかし…成る程な、軍服の姫君。アレの裏にナニカがいるとは、私も今…知った!!」

 

 

 アリステリアの腕力に任せた一撃に吹き飛ばされるセレジア。

 

 

 壁もなく平坦な地平線に打ち込まれるハート型の魔弾、ステッキを振りメテオラと戦闘するまみか。2対2の戦闘が始まる。戦場は何もなく見えない地面だけが広がる地平線、方角を見失ってしまいそうな場所での第一線が切って落とされた。

 

 

「さて、松原崇さん。私は貴方方創造主にも、お聞きしたい事が沢山あるのですが、彼女らの戦闘を観ながら…どうです?」

 

 

 腕試しとはいえ、殺気が飛び交うこの場において平然と話すレクスに松原は少しの恐怖を覚えた。逃げたいとも思ったが、この空間そのものの異常性、セレジアもそうだが被造物の力は人間のソレを凌駕する。

 故にそれ以上とメテオラが評するレクスから逃げるなど叶うはずもない。

 腹を括って、出現した椅子に座り込む。

 

 

 

「アリステリアの件も私の友人も含めて、貴方にお聞きしたい。

 被造物が新たに力を得る方法、いや世界を書き換える術を」

 

 

 

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 《ブリッツ・トーカー》は創造主(作者)によって娘を殺された悲劇の探偵だ。

 彼の中にあるのは創造主に対する憎しみだけだった。軍服の姫君(アルタイル)によって現界させられ、当てもなく彷徨いレクスと会った彼は真実を知らされた。彼は復讐の炎を宿らせ運命(ストーリー)を課した人物に会いたいと決心した。

 

 どうしてあんな悲劇を描いたのか?

 何故娘でなければならなかったのか?

 何故生体兵器などを作ったのか?

 

 金銭面はレクスからの指名依頼もあり困る事は無く、食事や読書を楽しむ余裕が十分に取れる。

 幾分かの余裕が生まれたある日、ブリッツはあることに気づく。この世界…詰まるところ神様の世界の平凡さに。

 ブリッツの世界の様に犯罪者が野を平然と歩くわけでもなく、この世界で初めて目にした漫画やアニメで観た様な光景はどこにも見られない。『平和』と言ってしまえば響きは良いが、結局は『変化がない』それに尽きる。

 誰も彼もが神にもなれる可能性の塊でありながら、気づかずに寿命を浪費する大多数のヒト(神様)

 

 喫煙所でタバコを吸い空を見上げて太陽に目を細めた。

 その時、彼の殺伐とした世界での探偵としての勘が目の前の信号へ注目し警告を鳴らした。

 顔を向けるといつもと変わらぬ風景、スーツを着て歩く社会人ばかり…いや視界に入った“異常”はブリッツに隠し持っていた銃に手をかけさせるには充分だった。

 

 木刀を肩に掛け一般人とは隔絶された気配を振り撒く青年。サングラスと思われる奇怪な掛け物の中から覗くその眼はギラギラと輝きブリッツを捉えて離れようとしない。

 

 信号が変わり横断歩道から喫煙所へと足を進める。

 

 

「よぉ、おっさん。こんな真っ昼間から黄昏れるたァ暇してるみてぇだな?」

 

「生憎、私には雇い主がいる。金払いがよくてね。不自由なく自由を堪能させてもらっている。」

 

 

 煙草を蒸し、煙が空に消える。コートに隠した銃を握りいつでも応戦できる姿勢を崩さない。弾丸は満タン、弾種も申し分ない。

 

 目の前の青年は明らかに好戦的な態度でブリッツを挑発している。木刀で肩を軽く叩きながら顎で指した場は昼なのに薄暗い裏道だった。

 

 やれやれ、とブリッツは呆れなが挑発に乗った。

 

 

「ここなら、人目にはつかないな。

 単刀直入に聞こう。君は味方か?」

 

「銃突きつけて言うセリフがそれかよ。だが、アンタがそう言って事は少なくとも俺よりこの世界に詳しいらしい。」

 

「わかったのなら話は早い。私と来てもらう。君の所にもそろそろやってくる頃だろう。」

 

 

 「アァ?」と目を見開いた。喧嘩を売ったのに答えるつもりがないのかと、仕掛けようと木刀を振ろうとした弥勒寺はブリッツの視線の先の空を見上げた。

 建物に挟まれ見える空、そこに漂う魔法使い(化け物)

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