Fate/Grand Order 時空歪曲特異点 Re:CREATORS 作:色々し隊
本格的な登場はだいぶ先になるかもですが、お許し下さい。
数日後、街の目立つビルの下で三人はある人物を待っている。
???
「もしもし、あなた方が先日松原殿に連絡をしたという方々ですか?」
現代の私服に身を包んだ小柄な少女は落ち着いた声で話しかけてくる。
先日、弥勒寺優夜から受け取った情報を頼りに連絡を取ることが叶った人物で一連の事件の関係者。
少女の名は『メテオラ・エスターライヒ』彼女もまたお話の中から来た人物、軍服の姫君と遭遇した時に彼女の危険な思想を危惧し活動していた。現在は現界したキャラの一人セレジアとその創造主である人物と活動を共にしている。
『松原崇』人気ライトノベル『精霊奇想曲フォーゲルシュバリエ』の作者。初めてコンタクトに成功した創作者の一人であり事態を把握している数少ない『普通の人間』
メテオラ
「真偽を確かめる為に今日私一人できたことを謝罪します。それで、私達のことは誰から?
…………成る程、弥勒寺優夜。彼からこの事を、だとすれば現在我々が置かれている状態はご存知ではなさそうなので、私から改めて説明をしましょう。
彼女、軍服の姫君について知り得ていることは少ない。ただ分かっていることは彼女はこの世界と異なる世界を『衝突』させることによって世界のくびきを融解させる『大崩壊』を目論んでいると私は考えている。我々はそれを止めたい。どうか力を貸して欲しい。」
立香
「どゆこと?」
メテオラ
「端的に言えば、軍服の姫君によって世界が壊されるかもしれないので力を貸して欲しいと言うことです。」
立香
「いいよ!」キュピーン
オルガ
「早ッ!」
メテオラ
「感謝。して、そちらの方はどう言った作品から?」
メテオラはオルガに興味を示す。
数週間前に弥勒寺とコンタクトを取った時に“多くの人間に認知された存在”がこちら側の世界への切符を手に入れることができるという仮説を証明したかったのだ。
マシュ
「彼は『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』に登場するキャラクターです。特徴は変な髪をしていることぐらいしかありません…あ、後よく死にます。」
メテオラ
「成る程…辛い道を歩んだのですね。オルガ殿…そんなあなたに敬意を評します。」
オルガ
「お、おう。
つーか、あんたが優夜の言ってた人だろ?俺に起こったことについてなんか知らねぇのかよ。」
メテオラ
「残念ながら、推測しようにも情報が足らなすぎる。安易に仮定してしまえば足元を救われる可能性も、慎重になる必要がある。
まずはあなたの『創造主』を探し出すとしましょう。知っている情報を教えてほしい。」
立香
「えーとね、制作会社がサンライズで2015年から今年の春まで一期が放送して、秋から二期が始まって今はMA(モビルアーマー)を討伐したとこかなー」
オルガ
「こいつらはまだそこまでしかしらねぇが、実際のところアリアンロッドと殺りあって負けて壊滅したんだよ“俺たち”はな。」
メテオラ
「妙だ…創造主と被造物の間に時間のズレとは…一旦、私たちが身を寄せている家へ行きましょう。
あなた方も探してみるといい。」
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瓦礫が散乱する場所で男女二人が集っている。
男
「で、帰ってきたと?」
女
「なに?ダメだった?」
男
「計画に支障をきたすだろ。勝手をするなと言っているだけだ。」
女
「ヘェ〜君にそんなこと言う権利あるんだ。拾ってもらった分際で…」
男
「なに……?」
懐から取り出した銃を少女の額に向ける。引き金に指をかけ冷徹な目で少女を睨むが少女は気に求めず明るい声で男をなだめる。
女
「そんなことしてもいいのかな〜?私は君と違って彼とは対等。そんな私に手を出したって知ったら、どうなるか…わかってるよね?」
男
「知ったことか。僕らが忠を尽くす相手は“彼”じゃない。君とも仲間になったつもりもない。」
引き金を引く。放たれた銃弾は額に向かって真っ直ぐに……否、まるで押しつぶされたかの様にペシャンコに潰れ地面に落下する。
女
「無駄だってわからない?君じゃ私には勝てないよ⭐︎」
銃を上げ諦め混じりの声で圧倒的な力に口を溢す。
男
「どうだか、とにかくもうあの世界に手出しはするな。あそこは本来僕らの管轄だ。よそ者に好きかってされるのはいい気分がしない。」
女
「そっか、忘れてたけどあそこ君の世界なんだよね。」
そう、あそこはまごうことなき僕の世界。親友を失い、絶望した僕を救ってくれたあの人に必ず恩返しをしてみせる。
そして何より僕には許せない相手がいる。
男
「厳密に言えば違うが、まぁそう言うことにしておこう。虚構から生まれ、仇も取れず、運命も変えられず、残ったのはこの『力』だけ…虚しいだろ?」
兄さん、僕は貴方を……
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オルガを除く一同は松原崇との対面した。部屋に招かれお茶を啜る中、メテオラが会話のスタートを切る。
メテオラ
「松原殿、あなたはセレジアの物語をどこら辺まで構想しておられる?」
松原
「そうだな…最新刊より先だったら捕らえられたカロンと一緒に敵基地から脱出するぐらいしか考えてないぞ。」
メテオラ
「セレジアは、どこまでの段階でこちらに来たのか教えてほしい。」
メテオラが指した赤髪の女性『セレジア・ユピテリア』フォーゲルシュバリエのヒロインであり彼女もまた軍服の姫君によってこちら側に飛ばされた『被造物』
セレジア
「私は確か…そうそう、アヴァロンブリゲートの作戦をカロンと一緒に阻止した後だったかしら…」
松原
「単行本の5巻のところだな」
メテオラ
「と、このように本来被造物が創造主の考える話の範疇を超える…つまり、原作者が把握しない話を被造物が体験する事は決して無い。
被造物は本来創造主の描いた話に沿って行動する。決められた運命より先へ行くことは不可能。その時点で起こったことも全ては創造主の手の上。しかし不思議なことにオルガ殿はその先のラインへ到達している。」
松原
「それとそいつのアニメ作ってるサンライズって会社は聞いたことがないぞ。俺が知らないだけかもしれないが」
立香
「エッ!?ガンダムだよ!!国民的アニメじゃん!!」
松原
「そう言われてもな…検索しても出てこないもんはしょうがねぇだろ?」
メテオラ
「………立香殿?」
巣食う疑問を解明しなければ先へは進めない。存在しない創造主、未来から来た彼女らはもしかすると
メテオラ
「あなた方は私をご存知ではありませんか?」
立香
「うん、メテオラが出てくる『追憶のアヴァルケン』って言うゲームは聞いたことがないよ。」
やはり、と顎に手を当て考える。
現在起こっている事件が余計ややこしくなるかもしれない。たどり着いた結論は一つ、確実な証拠も出た。
『並行世界』
それは同じ世界の隣に存在する似た場所、アパートのようなものだ。一つの部屋という世界があり、隣にまた部屋がありその隣も上も下も部屋がある。世界とは無数に広がっている。
無論、立香とマシュも創作世界から現界した可能性も考えたが彼女らが登場する文献は一切確認できず加えてオルガ・イツカの存在を創作物として認識していた事を考慮すると被造物であるという線は限りなくゼロだ。
松原
「……なんだ、て事はつまりこいつら三人は違う世界(?)から来たってことか?」
メテオラ
「おそらく」
松原
「信じられねぇ…」
セレジア
「なによ。私たちがこの世界にいる時点でさして驚くことでもないでしょうに」
皆が会話している最中立香のポケットに入っていた壊れたと思われていた通信機にノイズが走りダ・ヴィンチの顔が現れる。
ダ・ヴィンチ
『いや〜ごめんごめん!復旧にてこずっちゃってネ!』
セレジア
「誰!?」
セレジアは剣を、メテオラは魔法陣から機関砲を出し声の主に警告する。
立香
「ストップ!ストップ!この人は私たちの仲間だよ!」
メテオラ
「なんと!?ではあなたはこの事象について何かご存知ではないでしょうか?え〜と…」
ダ・ヴィンチ
「レオナルド・ダ・ヴィンチだよ、君と同じキャスターのサーヴァントさ。」
キャスター?その言葉に疑問が残る。自分達は軍服の姫君によってここに集められた被造物。それとも彼女達の世界では我々のような存在の事を『サーヴァント』と呼ぶのだろうか?
通信機に映る女とこちら側では情報がずれているのだろうか……
メテオラ
「一つ、よろしいでしょうか?あなた方の世界では我々のことをそのように呼ぶのですか?」
ダ・ヴィンチ
「まぁ〜君たちもサーヴァントも似たようなものさ。でもどうだろうネェ、何分と前例が無いから憶測でしか語れないのが現状だ。」
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成る程、確かに我々とサーヴァントは在り方が似ている。
メテオラは自分の体を見つめながらなんとも言えない気持ちになった。自分達が『作られた存在』であると言う確固たる証拠がそこにあるのだから
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ダ・ヴィンチ
『成る程、《大崩壊》か…確かにこの世界自体に怨みを持つならやってしまうだろうネェ』
メテオラ
「我々は早急に軍服の姫君を討伐し元の世界へと帰還せねばなりません。私達の存在そのものが世界にとって不都合に過ぎる。このまま戦いが長引けば自ずと彼女の目的は達成されるでしょう。」
ダ・ヴィンチ
『君たちの存在は歪だ。その状態をキープしたまま干渉し続ければ対消滅を起こすか、世界か君らのどちらかが先に自壊するだろうサ。』
メテオラ
「我々が早急にしなければならないのは、確認が取れない残りの『被造物』と軍服の姫君と関わっている女性を探し出すことです。被造物の正確な人数がわからない以上、警戒は怠らないことです。」
ダ・ヴィンチ
『それともう一つ、《聖杯戦争》のこともネ』
マシュ
「!?」
聖杯戦争、メテオラたちは分からずとも立香とマシュは理解した。だからこそ、声を挙げずにはいられない。
軍服の姫君によって引き起こされたであろう一連の出来事に一般の魔術師が関与しているのであれば捨て置く事はできない。この世界では現代技術が発達し、神秘が薄れている事が見てとれた。もしかすれば高度な魔術師は一定数いて、神秘の隠蔽が上手いだけかもしれないが、その場合は審判役がいてもおかしくない。だが来ない。と言う事は教会は機能をしていない事になる。ならば聖杯戦争は無いのではないか?
いや、先の少女の事もある。あれは魔眼や魔術などとはまるで違う“何か”だ。もはや《魔法》の域、対象を空間ごと歪ませネジ殺す。推測不能の事態だ。どうするのが最善か天才は考える。現地協力を得られる被造物もいるだろうがそうでないのもいる。戦闘になった場合、現行の戦力では太刀打ちできない可能性もある。物は試しにサーヴァントを召喚しようにも霊脈がないせいでできない。
彼の話が本当なら何が起こるか予想がつかない。それこそ《人類悪/ビースト》以上の危機が迫るやも…
ダ・ヴィンチ
『やはり、味方は多い方がいいか…ここの戦力で全てだろう?他に当てはあるの?』
メテオラ
「先も言ったように、あなた方が初めてコンタクトを取った弥勒寺優夜も今の所は大した害はありません。他はまだわかりませんが…申し訳ない」
立香
「いいのいいの、私たちにはオルガがいるし、何かあったら盾ぐらいにはなってくれるよ。まずは調査から始めなきゃ!こういう時は情報が命ィ!マシュ!ここで一句」
マシュ
「先輩は
こちらの秋葉を
観たいだけ」
メテオラ
「お二人共、息があっておられる。素晴らしいな」
ダ・ヴィンチ
『違う、そうじゃない』
マシュ
「おそらく先輩は、敵に被造物がいた場合その正体を迅速に掴むべく様々な資料がある秋葉に行きたいのだと考えられます。ブックオフでもいいと思いますが…」
立香
「夢がないッ!」
マシュ
「今は出来るだけ早く情報を集める事が先決です!先輩!」
心底悔しそうに床をドンドンと叩く。
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メテオラは気になることがあった。被造物と思われる怪奇事件が立香達と出会ってから増加したことだ。それまでは少しだけだった怪奇事件が山のように増えたのだ。
スクランブル交差点で人が急に細切れになったり、侍の格好をした何者かが刀を大量に盗んだり、他にも沢山事例が存在するがここでは割愛する。
このまま世界の整合性を維持出来なくなれば自壊するのも時間の問題になってくる。一刻も早く事態の収集をしなければ取り返しがつかない。出来る限り被造物を集め、押さえ込まなくてはならない。それが最善、最良の道なのだから
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暗い夜道に一人、現代では目にかけることができないであろう服装で足を進める女が一人いた。
鎧を見に纏い、身の丈に匹敵するランスを携え、険しい顔を崩さない。その理由はただ一つ、今いるこの場所が自分のいた世界と違い、さらに付け加えるなら自分と自分の身の回りに〈絶望〉と言う名の試練を課した忌むべき場所であるかもしれないと言うこと。そして試練を課した張本人である彼女自身の創造主。
此方の世界へ流れ着いた自分を《軍服の姫君》は歓迎した。だが騎士としての“感”が『信用してはならない』と言っている。事実信用してなどいない。だが、もし軍服の姫君の言う事が正しいのならば、この男はあの様な凄惨な光景を意図的に生み出した。ならば……『ウンターベルト』よりも先に我が槍の糧にしてくれよう。
本来なら直ぐにでも人っ気の少ない場所に愛馬で向かえばいいのだが調査も兼ねて徒歩で移動している。この行動が後に、悲劇的な運命を変える事を本人も周りも知らない。
見る景色全てが“非現実的”鉄の塊が跋扈し角ばった建物がそこら中に聳えている。周りの人間は自分を驚きの目で見ている。驚いているのはこっちなのに、
なぜみんな同じような格好で歩いているのか?遠征などの類ならば皆が同じ方向へ向く筈なのに向かう方角はバラバラで、武器と呼ぶには物足りないサイズの四角い箱を持っている。
実に難解、理解できない。この世界が
創造主…つまるところの神様の世界ならば、何故このように統率が取れているようで取れていない珍妙な場所なのか?皆バラバラなのだろうか?それならば似たような…と言うより殆ど同じ服装なのだろうか?
女騎士の脳内はあらゆる可能性でいっぱいである。元より頭より先に体が動くタイプのいわゆる脳筋と呼ばれるタイプの彼女は半ばパンクしそうな勢いである。
???
「くッ…!何なのだこの世界は!!空気も悪い!人も多い!こんな所に私の世界を作った『神』がいると言うのか!?」
周りを歩く人が女騎士を凝視する。怒りで周りが見えていないため機に求めてないが、まるで哀れみを込めた眼差しを向けていた。
観るだけ無駄と判断し、愛馬のグルファクシを召喚しようとした刹那。
???
「貴様が求めているものは何だ?」
男の声だ。声だけでわかる強者、もしやコイツが探していた『本物の神』やも知れぬ。ようやくだ。長年の闘いを生み出し…あまつさえそれを『娯楽』と言った忌々しい存在を目に焼き付ける事ができる。自分の復讐は果たされる。
そう、思い込んだ。
男は女騎士の方に手を置き囁く。