Fate/Grand Order 時空歪曲特異点 Re:CREATORS   作:色々し隊

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オルガの霊圧が…消えた…


それぞれの明日(みらい)

 レクスと別れた後、マシュだけが顔を俯かせ深く考えていた。通信機片手に歩く事など気にせずに

 恐らく先の件だろうとメテオラは大方の検討をつけた上でマシュに話しかけた。

 

メテオラ

「どうかされましたか?」

 

マシュ

「……実は…」

 

 

 

 松原宅に集合した一行は通信機から映し出されたホログラムのダ・ヴィンチに注目する。

 全員が真剣な眼差しを崩さない。理由は簡単だ。

 

 被造物であるアリステリア

 セレジアの見立てではこの場にいる誰でも勝てないほどに強い存在だと言う。その推測は正しい。

 

『緋色のアリステリア』

ファンタジー伝記漫画、神聖ウルターシュタイン王国の姫君であり、 戦闘においては、王家に伝わる『ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンの篭手』を用いて、戦闘に臨み移動手段として空を飛べる白馬グルファクシを現出させる事ができる。籠手の能力もさることながら彼女本人も相応の戦闘力を保有している。

 

 

 

 ならば、レクスはどうなのか? アリステリアすら怯ませる剣の冴えを見せた彼は被造物以上の脅威かもしれない。

 

ダ・ヴィンチ

『立香君は《聖堂教会》については知ってるかな?』

 

 通信機越しの天才からの問いにただ一言「知らない。」とだけ答える立香。

 

ダ・ヴィンチ 

『まぁ、そうだろうね〜 今までの特異点で君は彼らとは会っていないだろうし、この話は君達が会ったあの魔術師について関係のあることだ。

 私たちの世界には大きく分けて三つの勢力がある。《魔術協会》《アトラス院》そして《聖堂教会》』

 

 一つ、魔術協会とは魔術士と呼ばれる集団が学ぶための学校の様な機関である。全12学科に分かれ君主(ロード)と呼ばれる者たちによって管理されている。

 

 二つ、アトラス院はこの世に訪れる滅亡を回避するために活動する組織、7大兵器と呼ばれる一機で世界を滅ぼし得る礼装を開発した。

 

 そして三つ、聖堂教会。使徒と呼ばれる吸血種を殲滅する《代行者》が所属し三つの勢力の中で保有する戦闘力が最も高い。

 使徒に対して武装し一人一人が人という枠組みを超えた強さを有する。

 

 説明の中で疑問を見つけたメテオラがその場で会話を遮る。レクスがアリステリアに向けた剣、あれはこの世の理に反した代物だった。物理法則を完全に無視して刃を形成していた。

 

メテオラ  

「その話から予測するに、あのレクスという人は聖堂教会…代行者ということでよろしいですか?」

 

ダ・ヴィンチ

『そう考えるしかないだろうね〜 何せそっちの世界は神秘も何もあったもんじゃない。現実が(しゅ)の場所だ。魔術や魔法なんて一見すると摩訶不思議な現象などは否定されて終わるだろうからね。』

 

 では何故? とメテオラの中からの言葉はダ・ヴィンチの行動に先を越された。新たなホログラムが展開される。幾多もの国の文字が描かれた雑誌、情報誌、児童誌、それら全てにある共通点、『レクス・アクタイオン』の姿。

 

ダ・ヴィンチ

『ヤレヤレ、立香くんの好奇心が幸いしたのか……彼女が書店で購入した書籍を少々拝見させてもらったよ。

 見たところ彼はそちら側の世界では王手企業の社長らしい。』

 

『レクス・アクタイオン』

 巨大複合企業《A.G.W.I》の代表取締役、四年前に頭角を表し、始めは日曜家具の販売から始まった。

 人体のみを斬らない超安全な調理用ナイフや収納性を高め無駄を省いたデザインと機能美が輝くタンスなどで瞬く間に世界中に浸透し翌年にはテレビや印刷物などで彼の顔を見る様になった。

 出演した際に必ず一つ“マジック”を披露し大衆を驚かせ続けている。そのために映像媒体には引っ張りだこで半ば社長というよりかわエンタメスターの印象が強かった。

 

ダ・ヴィンチ

『元来、魔術士しというのは大勢に自分の(魔術)を見せることはない。魔術を秘匿し大衆に気づかせない。それが道理さ、マ!仮定はあるにはあるけど安易に決めるのは難しいね!』

 

 危険度を表すのなら

 

アリステリア・フェブラリィ ★★★★☆

煌樹まみか         ★★★☆☆

レクス・アクタイオン    ★★★★★

 

 だろう、レクスは聖堂教会の使者の可能性が高く所属していたのなら恐らくトップクラスの人間だろう。黒鍵の扱い方だけではない、巨大な黒鍵、アレは正式装備ではない。そんなデータは存在せず予測ではあるが自前だろう。代行者でありながら礼装を生み出し、表立って公表する。それだけの度胸を備えているのは本当のバカか相応の実力と知恵を持つ者のどちらかだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 後日、晴れの日、雲ひとつない太陽が照りつけるカフェテリアにはガヤガヤと会話を楽んでいる。少なくても2人は座っているであろうテーブル達の中、1人コーヒーを飲みながら今朝刊行された新聞を興味深そうに見る髭を蓄え場違いな格好をした中年がいた。

 彼は知っている、新聞に書かれた事件が誰によって起こされたのかを、今頃“(レクス・アクタイオン)”によって始末されているであろう暗殺者、若干気の毒に思いつつ事件の裏にいるであろう暗殺者の雇い主を見つけることが当分の仕事になりそうだ。

 

レクス

「やぁ、待たせたかい?」

 

 新聞から目を移しやってきた依頼主を見た。サングラス越しに鋭い眼光を光らせながら観察する。しばらくした後警戒を解き反対側の椅子を指しレクスは座る。

 

???

「全く、こんな人目のつく所で待ち合わせとは……君は何を考えてる?」

 

 呆れた口調で手で顔を覆う。仕事柄秘密事項を取り扱う事は多々あるがこんな人目が多く誰が聞いてるかもわからない場所を情報交換の場にするなど考えられなかった。

 これまでの取引も人目が少ない場所ばかりだったのに、何故今回は……

 

レクス

「さて、久しぶりだね。ブリッツ」

 

ブリッツ

「あぁ、君のおかげで忙しい限りだよ。」

 

 運ばれてきたコーヒーを片手に「得られた情報は?」とブリッツに詰め寄る。

 ここで言うのかと大きなため息を吐きつつここ数日で得た事を話す。

 

 被造物(創作物)が新たに現界しその者が起こしたであろう殺人事件、まるで食い殺された様な様から現界したのは獣の類だろう。  

 次に彼個人が接触した被造物『弥勒寺優夜』小規模な戦闘になりはしたが余計な被害を出す事なく撤退できた事。

 

ブリッツ

「それと、軍服の姫君についても調べたのだがね。彼女の事はわかっても“周り”の事についてはからっきしだ。」

 

 本来の名は『アルタイル』星の名を冠する軍服の少女、能力は候補が多く不明ながら創造主(作者)は特定できた。

 

《シマザキセツナ》

 本名は島崎由那、二次創作系のイラストを投稿したくさんのファンがついていたが突如消息が絶たれ警察の捜索も虚しく行方不明扱いとなっている。元の世界で探偵をしていた彼にとって朝飯前だが問題はここからだ。後は “視認した”全てを歪める少女、万物をすり抜ける幽魂を宿す少年、わかっていることなどこの程度だ。明確な対応策も無く、遭遇すれば負けるだろう。冷静かつ客観的に判断を下しコーヒを口に運ぶ。

 

レクス

「ありがとうブリッツ」

 

ブリッツ

「それと一つ、これは私が気になっている事だが…君が連れて行った女騎士について調べてみたが、随分と危険な思想を持ってるそうじゃないか?」

 

 アリステリアは自分の運命(ストーリー)を描いた創造主()を引っ捕らえ無理矢理改変を実行しようとしていた。レクスが阻止し創造主である高良田概を保護(監禁)したからよかったものの、あのままことが進めば自分の世界を作った存在を殺してたかもしれない。

 自分で自分の首を絞める行為にブリッツは否定したくても気持ちを理解できてしまう。彼女も自分も似た様な存在だと…

 

レクス

「問題ない。彼女については盤石。多少現実を知り対話を積めば心も変わるだろうさ、丁度進展がありそうな人材を見つけたからね。それよりも君の心は決まったの?」

 

ブリッツ

「……正直言って、まだ君の言葉を完全に信じているわけではない。“娘を蘇らす”そんな絵空事が叶う程この世界は簡単ではないことも知った。

 創造主を殺すか、娘を助けるか、今の私にそこまでの大ごとを判断する余地はない。」

 

 だからこそ今レクスに協力している。自分たちを作り出した神の世界を知り、復讐を遂げたいと言う願いを押し殺してまでブリッツは観察した。レクスが言うような事まで実現させてしまう力があるのかどうか見極める為に

 

レクス

「殺すも生かすも好きにするといい。その決断に誤りがない事を私は祈る。君に運命(ストーリー)を課した創造主の考えは理解出来ないが、君が娘を大切に思っている事は知っている。」

 

 「報酬だ。」とレクスがテーブルに置いたジュラルミンケースを開くと銃弾が3ダース程と別に丁寧に納められた五発の銃弾があった。

 

ブリッツ

「炸裂弾、通常弾、斬弾と重力弾の予備……随分とあるじゃないか、これは私もそろそろ君と合流せねばならなくなってきたか?」

 

レクス

「いや、最近被造物の現界が活発化して来ている。伴って本格的に“奴ら”が動き出すかもしれない。ソレは護身用だ。君は無闇にぶっ放したりしないだろうから普段よりもサービスしておいた。」

 

ブリッツ

「君と同じ魔術士(マスター)か……全く厄介ごとばかり起こるのも勘弁してほしいものだが…」

 

レクス

「ハハ、すまない。私はなんでも思い通りに出来る神ではないし、この先起こることに関して完全に予測できているとは言い難い。それこそ君の助けがあってこそだ。

 

 ……感謝してるよ。ブリッツ、君がいなければこうもコトがスムーズに進まなかったよ。」

 

ブリッツ

「君の“眼”には心底驚かされる。あの2人も君の御眼鏡に叶ったのか?」

 

レクス

「当たり前だよ。アリステリアは生真面目すぎるとこがたまに傷だが本質は善だ。まみかは……そうだな、ある種の懐かしさを感じる。」

 

 そういったレクスの目はどこか遠くを、もう二度と得られないモノを想う自分と同じ目をしていた。

 追求する気になれない。

 

ブリッツ

「………さて、そろそろ私は失礼する。ここは君持ちで構わないかね?」

 

 伝票をレクスの手前へ投げ愛用のタバコを取り出し火をつけようとするがこの世界のマナーを守ってくれとレクスに止められるのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 チョップで気を失いほぼ丸一日ソファーで寝かされていたアリステリアは現状、何が何だかさっぱりわからないでいた。

 目が覚めた時にはレクスの姿はなく自身が助けようとした少女が目の前で心配そうに見つめていた。

 

アリステリア

「……何だ?」

 

まみか

「よかったー! 目が覚めたんだね!」

 

 そっと体を起こし何が起こっているのかわからない感情を伝える。

 

まみか

「アハハ…そうだよね。実はレクスさんのチョップで気を失った貴女をずっと見張ってたの、ごめんね! あの人もああするしかなかったみたいなの…」

 

 両手を合わせて謝罪する。アリステリアの目に映るまみかは屈託のない笑顔を浮かべる無垢な少女で過去の光景と酷似した。

 

アリステリア

「そうか…くッ、私としたことがあんな男に不覚を取るとは……」

 

まみか

「そんなにあの人が嫌いなの?」

 

アリステリア

「当たり前だ。私の世界を救うと言う使命を阻み今もこうして私を拘束している。その様な輩を好きな訳がないだろう。後もう少しで世界を救う(大団円にする)事が出来たというのに!」

 

 悔しさに握りしめられた拳が震える。己の世界を作った人物を捕らえ大願成就を為せると思った矢先に訳の分からないレクスに敗れ付き従う羽目にまでなった。無念としか言いようがない。

 だが、諦めるなどと言う選択肢はない。世界(緋色のアリステリア)を救う為に、目の前のまみかの目を見て言葉を発する。

 

アリステリア

「一つ聞きたい事がある。魔術士が連れてきた男は何処にいる? 私は其奴に会わなければならない。」

 

まみか

「ごめんなさい。私もその人の事は知らないの…レクスさんと会った時にはあの人と貴女だけだったから……えーっと、アリス“テレス”さん。」

 

 シンプルに名前を間違えたので気まずそうに自分の名前を訂正してあげた。「アリステリア」と、

 慌てて謝り再度名前を復唱したが、また間違えアリステリアが訂正する。そんなやりとりが複数回ありついにアリステリアが挫折して「好きな様に呼んでくれ」となり、以後まみかがアリステリアを呼ぶ際は『アリスちゃん』となった。 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 まみかは、レクスが手配していた数あるホテルの一室で自分が登場する様々な媒体を見ていた。漫画、アニメ、舞台、どれもこれもが過酷な物語(人生)側から見ても挫けても仕方ないレベルの強敵に果敢に立ち向かう魔法少女(まみかと仲間達)

 見ていて辛かった。ここ数日ひたすら考え事に耽るアリステリアの側で自分にできる事は何かを考え、運命と向き合おうと決めた。

 

 人々から『微笑みの力』を奪う《アクマリン》を倒すために立ち上がった少女達、しかし道のりは険しく数多もの強敵に膝をつくことも多かった、その度に立ち上がり勝利を収めてきた姿は人々を魅了し熱狂の渦へと誘った。

 客観的に見て作品(世界)を見て愛し広める今界の人々はあくまで第三者視点からしか見ない。でも少しはわかっている、まみかを見つけると眼を輝かせ声をかけてくる子供達の姿。幼く無邪気にただ自分を慕ってくれている。そういえば昔も同じだったなと、記憶が蘇る。笑顔の力を奪われて笑わなくなった人達の為に自分は契約したんじゃないか。こっち(現実)に来てもする事は変わらない筈…

 新たな答えを見つけたまみかは確かめる為に行動に出る為にメテオラと交換した松原宅の電話番号へと部屋の備え付け電話からかけるのだった。




 今後の展開考えると多重クロスにしたほうがいいかもしれないと思う今日この頃、色々詰め込みたくて仕方無いんです。
 広げた風呂敷を爆発させたい(止まらぬ衝動)
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