日常系は推理モノより事件が多い!?   作:あずきシティ

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【19話】ウニクロ

さて、今日は5月の末だ。文芸部で発刊した月刊誌はめでたく第2号を迎えた。

配分方法は部室前と上田の協力で生徒会室前の2ヶ所に「ご自由にお取りください」コーナーを設置した。

さすがに配り歩くわけにも行かないからな。

4月末に出した冊子は無くなるまでに学校がやってる日数で10日かかったが、5月末の分は何日かかるかな。

 

「うーん……7日くらいですかね」

 

虎谷は期待も込めたのか、先月よりは早くなくなると予想する。

俺も、そうだな~、先月よりは早く7日くらいで無くなってくれたら嬉しいのだが。

発行部数やこの無くなるまでの日数も全部、記録することにした。

上田曰わく、先生たちには数字で結果を見せないと納得してもらえないだろうから、とのことである。

アンケートも入れている。どの作品が面白かったかや、どう思ったか等々……。結果は、虎谷の作品が人気になる傾向だ。悔しいとかは無いぞ。

というか、もう勝てない。

先輩のプライドとかそういう意味のないつまらないものは捨て去っている。

結果、誌面も割合も7:3となってしまったがな。ちなみに7が虎谷だ。

 

「ねーねー鈴木さん、ご飯食べに行きましょーよー」

 

虎谷がまたそんな事を言い出した。そこへ上田もやってくる。虎谷は上田が来る日を狙って俺を誘っているのかな。

 

「上田さんもご飯食べに行きましょー?」

 

やっぱりな。俺としても色んな意味で上田がいてくれた方が嬉しいし、良いんだけどな。

 

「ごめんなさい!今日はちょっと用事があってね!ダメなの……ごめんね!また誘って!!」

 

そういうと上田は申し訳なさそうにさっさと帰ってしまった。

 

「さ、鈴木さん、行きますよ!」

 

お?上田がいないからキャンセルかと思いきや、2人で行くのかよ。

今回は2人になったが、また高校近くにあるの繁華街に向かった。

というか虎谷は彼氏いるのに俺みたく別の男と2人で食事に行くって大丈夫なのか……。

 

「彼氏から許可はもらってますよ」

 

なるほど、そりゃ安心だ。手を出したりするつもりは1ミリも無いが、彼氏から許可が出てるなら美人局って事もないだろう。

繁華街に着いて、どこに行くか相談した結果、行き先は牛丼チェーンの吉野屋になった。

 

「吉野屋好きなんですよね~」

 

そう言いながら牛皿と焼肉皿に味噌汁とご飯の付いたモーモー定食を美味しそうに虎谷は、ほおばっている。

ここでよかったのか一瞬不安だったが、別に俺に気を遣ったとかではないみたいだ。

とはいえ、吉野屋なのですぐに食べてすぐに店を出る。前のサイ世リヤみたく数時間もダベったりはできない。

 

「じゃあ次は、百均いきますよ」

 

解散かと思いきや、虎谷は俺を連れ立って、百均に向かう。拒否権無く、そのまま2人で百均に向かう途中、虎谷は立ち止まり俺に話しかけてきた。

 

「あれ上田さんじゃないですか?」

 

虎谷の目線の先には、喫茶店があって上田がいる。楽しそうで幸せそうな顔をしている。庄司先輩も同席しているな。

 

「まぁ口挟まな方が良さそうだな」

 

つい見てるのが、しんどくなってそんな風に口走る。

 

「まぁ邪魔したら悪いですもんねー」

 

俺の意図に気付いているのか、気付いていないのか分からないが、さっさと歩き出す。

虎谷は百均で何やら探した後、見つからなかったと言いながら何も買わずに出てきた。

 

「じゃあ次はウニクロ行きますか」

 

拒否権は無いまま、俺たちはウニクロに向かう。ウニクロでは、虎谷が何やら服を見ながら手に取ったり鏡の前に立ったりして似合うかどうか試している。

 

「どっちが良いですかね~?」

「うーん……どちらかと言えばこっちの方が好きかなぁ」

「そうですか」

 

2着のどちらにするかを悩んだ結果、俺が好きと答えた方を買ってきた。

なんだろう、何か言葉にしにくいが、すごくいいと思ってしまう。

が、これも全部、彼氏に報告されているんだろうなぁと思うと、心は揺れないけどな。

 

いや、俺の心が揺れないのは、まだ上田に未練があるからなのだろうが……。

でも、あの幸せそうな顔を歪ませたくもないんだよな……。

 

「鈴木さん、どうかしました?」

 

虎谷は、案外よく気付くな……。とはいえ本当の事は言えず適当にごまかす。

 

「なんか甘いものでも食べるか?」

「あーイチゴ大福が食べたいですねー」

 

虎谷のリクエストに応えてコンビニでイチゴ大福を買い、適当なベンチに座ってのんびりする。頭が回っていない俺もまったく同じイチゴ大福を買ってきた。

 

しかしまぁ、あんなことを言っていた上田に笑顔が戻っているなら疑惑は良い意味で解消されたのかな。

 

そんな風に思いながら遠くの景色を眺めていると庄司先輩らしき人影を見つけた。

のだが、手をつないで一緒に歩いているのは上田ではない別の女子……、見たことない女の子だな……大学が同じとかか?

 

俺はとっさに、スマホで写真を撮ろうとしたが、虎谷がいたことを思い出し、スマホをしまう。このままじゃ俺がただの盗撮犯だ。

だいたいこんな証拠写真撮ってもどう使えばいいか分からないし。

 

「ごちそうさまでした。イチゴ大福おいしかったですね~」

 

満足そうな虎谷とは裏腹に俺は大福の味なんて分からなかった。

この後、さらに虎谷の買い物に付き合うことはなく、ここで解散となる。上田の件は、また後日に探りを入れてみるしかないな……。

 




同じ日の同じ時間にダブルヘッダーはやんちゃすぎるだろwwww
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