日常系は推理モノより事件が多い!?   作:あずきシティ

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【41話】後夜祭

ふと気付くと日が傾き始めている。時間的には体育館で最後の予定である吹奏楽部の演奏会をやってる頃合いだな。

 

流石に文化祭のメインかつビックイベントである吹奏楽部の時間は誰も来ない。在庫はあと数冊だ。

 

あぁそうだ。忘れちゃいけないことがある。

 

「虎谷、いいか?」

「なんですか?」

「俺も1冊ずつ買う。ほい200円」

「ありがとうございます……って別に部員は持って帰って良いんじゃないですか?」

「まぁ良いんだけどな。ある意味で記念だからな。」

 

俺は200円を虎谷に渡して同人誌を取る。これは思い出だな……。

結局、俺が最後の客となり体育館から拍手の音が聞こえる。どうやら吹奏楽部の演奏会が終わった合図だな。

 

「残りましたね……」

 

虎谷は何やら悔しそうに言うが残ったのは手で数えれるくらいだ。

 

「俺はこれでもすごいと思うぜ。虎谷のおかげだ。ありがとうな」

「私、何もしてませんよ」

「いやいや出張販売やら占いやら色々と手段を考えてくれたろ。それに作品だっていっぱい書いてくれたしな。虎谷のおかげでここまで来た。ありがとうな。」

「フフッ」

 

俺の謝辞を虎谷は鼻で笑って流す。

まぁ悪気があるわけじゃなくて、虎谷なりの感情表現なのかなと今なら思えるが。

 

「これにて文化祭のすべてのプログラムが終了しました。」

 

放送部がそんな放送をする。クラスルームで出欠確認して後片付けという段階だな。

幸いたくさん売れたもんでほとんどブースをほとんど片付けるだけで終わりだ。

これなら1人で出来るだろう。

 

「じゃ後は俺が片付けとくから虎谷はクラスの方にでも行ってこい。」

「良いんですか?私片付けますよ?」

「俺の最後の仕事だ。任せてくれ。」

「分かりました。ありがとうございます。」

 

こうして虎谷と俺は解散する。

ホームルームを終えて俺はまず売上金を事務室に持ち込む。

ここで金額を計算し明細を発行してもらう。売った数と金額はバッチリ合ったので精算はこれにて終了。

次はブースの机や何やらを部室に戻しに行く。これも量が少ないので2往復もしたら終了だ。

 

 

すんなり終わって俺は体育館に向かう。確か後夜祭があったはずだからな。

 

 

 

体育館に着くと、イスの片付けなどが始まっていた。

準備をした時は上田と俺とその他2名だったが、今回は大勢が片付けを手伝っている。

 

「お疲れ~」

 

俺の姿を見かけた上田が駆け寄ってきて挨拶してくれる。

 

「お疲れ様。何をすればいい?」

「イスの片付けをお願い!今回は後夜祭に参加する人全員に片付けをお願いしてるからすぐ終わると思うけど……」

 

上田の言葉通り、みるみるうちに片付いていく。俺も加勢するかな。

どれだけ後夜祭を楽しみにしてる人口がいるのか分からないが、一致団結したら早いものだな。

俺もポツポツとイスを片付け、15分もすれば土足用のマットを直す作業までたどり着いた。

この作業だけは多人数でするわけにもいかないので、俺たち関係のない加勢組は体育館をいったん出る。

ここは生徒会と石橋先生の出番だ。

 

その間に俺は教室に戻って帰り支度をしてから、再び体育館へ。

体育館では入り口で待ち構えていた上田が何やら棒を渡してくれた。

なんだこれ。

 

「折ったら光る棒よ。サイリウムっていうのかしら。これは石橋先生からのプレゼント♪」

 

なんだかんだ気の利く先生だなぁと思いつつ、そのサイリウムとやら受け取って体育館に入る。

どうやらサイリウムは後夜祭の観客全員に配っているらしいな。気前が良すぎて不気味だ。

 

「何が不気味やねん。」

 

おっと、石橋先生からツッコミが……って心を読まれた!?

 

「声に出とるわ。普段、学生には色々と無理強いさせとるしな。俺のせいちゃうけど」

「分かりました。先生ありがとうございます」

「俺も出るから、サイリウムはありがたく使えよ」

「はい……はい??」

 

石橋先生はそれだけ言い残すとステージの方に向かう。

しかもどこからかマイクを取り出して。

そしてしゃべりながらステージに飛び上がった。

めちゃくちゃなことをするなぁ。

 

「おっしゃぁ!後夜祭始まりや!!お前ら持ってる棒を折れ!!!」

 

これまた見たことのないタイプの顔を見せる石橋先生。

言われたとおりに棒を折ると、確かに発光し始めた。

そしてどっかで聞いたことのある曲が流れ始める。

 

「ほないくぞ!!」

 

そう言って石橋先生はどっかで聞いたことのあるノリのいい曲を歌い出した。

多分、幼少期に見ていたアニメの曲だろうなぁ。

 

「サンキュー!」

 

歌い終わるとノリノリで挨拶。そして別の曲が流れ始める。

 

「見てるか!!みんな!!!」

 

その馴染み深い声に心が躍る。

石橋先生がステージから飛び降りると舞台の裾から上田が飛び出してきた。

 

「1!2!3!GO!!」

 

上田が聞いたことはないもののとてもノリのいい曲を歌う。

演劇とは違うが、そもそも上田が舞台に立つ姿をなんだかんだ初めて見るが、とても生き生きしてるように見えるなぁ。

 

「一緒なら So Beautiful world!!……ありがとうございま~す!!生徒会でした~!次は軽音部さんです!」

 

上田はそう言うと持っていたマイクをステージのマイクスタンドにセッティングし裾へ戻っていった。

1曲だけだったか……。もっと聞いていたかったな……。

 




いやぁ切り位置ミスったなぁとwww
文化祭パート残りが少なかったので前回の最後に押し込んで今回は後夜祭だけにするべきでしたね~
ごめんね~

後夜祭はとりあえず歌って盛り上がればいいと思うwwww


そして・・・
後夜祭が終わったら、もう結論を出さなきゃね・・・・・・
時の流れは速いよなぁ


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