日常系は推理モノより事件が多い!?   作:あずきシティ

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【5話】休憩とか書いてるお城みたいな建物

さて、何週間かぶりに部活の時間がやってきた。

ん?テストの結果?知らんな。気にしたら負けだろ。

とりあえず、何かをツブヤイターに呟くために何かしら活動をしなければならないが……。

 

そうは思いつつも俺の関心は演劇部の練習へ。

なにやら庄司先輩とうちのゴーストライターという野郎2人が2人して小学生の女の子を演じているようだ。

 

「こないだ街で先生見たよ~」

「あたしも見た見た~なんか男の人と一緒に歩いてた~」

「私が見たときは男の人と2人でお城みたいな建物に入っていったよ~」

「なんか休憩とか書いてた~」

 

どうやら2人してアドリブが楽しくなっているらしく、中身が中身だけに先生役の女の子がとても困り果てている。

やがて何かを決心したのか飛び出していく。

 

「あの男とは別れたわよ!!そんなことより柿本さん!今日は三者面談でしょ?おうちの人にプリントは渡した!?」

 

先生役の子はなんだか吹っ切れたように突入し、話題を豪快に変えた。うまく庄司先輩他1名の悪乗りを自然にぶった切りやがった。

 

 

 

「って鈴木くんはいつまで演劇部の覗き見してるの?」

 

うわぁ!びっくりした!?いきなり上田から声をかけられてついビクッとしてしまった。

 

「ちょっと!?人の顔を見てそれって失礼なんじゃない!?」

「あ……あぁすまんすまん!つい……ってかいつ来たんだよ?」

「ついさっき。お城みたいな~のくだりあたりで。真面目に練習してたから静かに入って来ちゃった。そしたら案の定、鈴木くんには気付かれなかったわけね……」

 

上田は、ほんの最初の方はプンプンと怒っていたが、すぐにいつもの柔らかい雰囲気に戻る。

 

「まぁ、仕方ないわね。劇に人を引き込む力があるのは事実だし。それだけ鈴木くんが夢中だったなら彼らも役者冥利ってヤツだろうからね。でも、文芸部の活動に戻るわよ。」

「はいはい……」

「で、ちょっとコレ見て」

 

上田は俺に何やら新聞を渡してきた。そして一つの記事を指差す。

 

「これ、中学の時の友達なんだけどね」

 

そう紹介され記事を呼んでみると、別の高校の制服を着た女子が写っている。内容は、何やら当人が書いた作品が何かの賞を取ったということだった。

 

「この子ね、文芸部なんだって」

「つまり、俺も何か賞を取れと?」

「その通り、よく出来ました~♪」

「おいおい冗談は……」

「まぁ何かしらの賞、直樹賞とか芥河賞でも取れば、学校も認めてくれるでしょ♪」

「さすがに直樹賞、芥河賞は無いだろ……」

「でもさ、まず文芸部なんだし何かしら書いて、それを知らしめるために、何かしらに応募をするっていうのは大事じゃない?」

「それは一理ある。」

「あと、根本的な話なんだけど活動が週1回は少ないわよね?さすがに休日やりなさいとまでは言わないけど、せめて週3回くらいは活動した方がいいんじゃない?これは何か用事があるなら無理にとは言わないけど」

 

特にバイトとかをしているわけでもないから、特段の用事はない。

上田と会えるのが週に3回になるなら、それも面白そうだと思った俺を誰が責められよう。

 

「週3回も大丈夫そうね。じゃあそれでいきましょう。これまで通り私が週1回来てあげるから、毎週新しい作品を用意すること。」

「毎週新しい作品を書けと!?」

「うん!長編書くなら6週間で終わらせる事ね!」

「案外、キツいこと言ってないか?」

「そう?もう仕方ないなぁ……じゃあ誤字脱字のチェックと、どっかしら新聞か何かへの投稿くらいはしてあげるわ。」

 

結局、上田に押し切られて俺は毎週新しい作品を書くことに同意してしまった。

というか部活が週3回でも上田が来てくれるのは、週1回だけなのか……。

ちょっと残念……って俺は一体、何を期待しているんだか。

 

「じゃ、私はそろそろ生徒会に戻るから。」

 

と、上田が退席しようとしたところで庄司先輩がやってきて、止める。

 

「11月〇〇日はヒマか?」

 

庄司先輩は突然、上田と俺に同時に予定を聞いてきた。その日は数週間後の日曜日で特に予定は無い。

 

「俺は特に何も……」

「私も何もないです!」

「じゃあ演劇部の地区大会があるから、観に来てくれ!場所は……」

 

庄司先輩は断る暇を与えないまま場所と時間を伝えてきた。

そういえば去年もそうやって演劇部の舞台を観に行ったなぁ……。まぁ暇だし今年も観に行くか。

 

「庄司さん、退部した私にも声かけるって……」

「舞台は観てもらって初めて成り立つからな。退部とか関係ない。」

 

観てもらって初めて成り立つか……。

なるほど。文芸部としての俺は書いたらOKというスタンスで来たが、演劇部員だった上田からしたら、書いたものが読まれて初めてOKというスタンスなんだろうな。

だからここまでSNSを活用したりするアピール術を思いついたりするのかもしれない。

結局、庄司先輩から詳しいことを聞いてから上田は去っていった。

 

 

そういえば上田はなんで演劇部を辞めたんだろうな……。見た感じわだかまりがあるとか人間関係が……という風には見えないし。

気にはなるし庄司先輩なら何か知っていそうだが、そこをズケズケと土足で踏み入れるほど俺は野暮じゃないつもりだ。

いつか信頼関係が出来てから上田自身から語ってくれることを期待しよう。

 

 

それよりも今は突然、上田から1週間で作るよう言われた新作の創作が最優先だ。




生徒会長からの指示はとにかく書け!ということ。
これ、受験で作文の試験がある人(高校受験とかそういうレベルね)はわかっててほしいんだけど「とにかく書く」は案外役に立ちます。
作文なんて試験によって問題も全然違うし練習しても意味ないやん
って言いたいかもしれませんが、何かしら書く っていうのを続けていれば自然に文章能力が出てきます。
作文苦手やしポイ!って人はとりあえず日記を書くとかそういうことでもいいから始めてみましょう。

今回の鈴木くんは書くこと自体はそこまで苦でもないなんて言ってますが
じゃあとにかく書いて!と生徒会長のアドバイス。
まぁ廃部でもいっか なんて言いながら可愛い女の子に頼まれると断れないんですね~
気持ちはわかるw
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