文化祭2日目
羽丘との合同文化祭2日目の今日は羽丘に来ている。たえ以外のポピパと美咲や花音先輩と回っているところだ。ちなみに昨日はロックや明日香と花咲川の方を回っていた。さすがにこんなに集まって歩き回っていると他の人からの視線も凄いけどここはあえて気にしないでおこう。
「優弥くん、今って戸山さんの妹のクラスに向かってるんだよね?」
「まぁな、この時間明日香もロックも当番中だからな」
「たしかセッション…できるんだよね?」
「そうですよ花音先輩」
「優弥君がやるの見れるんだね」
美咲が向かってる先を聞いてきてそれに答えると今度は花音先輩がそこでできることを聞いてきたけど……
あれ?俺がやることになってる?まぁ明日香やロックとやってみたかったりするけど
「明日香ちゃんや六花ちゃんとやるんでしょ?」
「あっちゃん楽しみにしてたよ」
「もしかしたらあこちゃんともやったりして」
「「ありえるね」」
あっれ〜俺まだ何も言ってないのにな〜というか明日香楽しみにしてくれてたんだな。りみのあこともやるかもって発言に有咲や沙綾も納得した。
とりあえず行ってみてからかな
「あっちゃん来たよー」
「お姉ちゃん、ゆー兄も……って人数凄いね」
「まぁ花咲川の方で付き合ってる人とみんなで来たからな」
「なるほどね、入って入って」
受付をやってる明日香に大人数のことを驚かれると入るように促された。中に入ると商店街の会長たちがいたのには驚いた。しかも一緒にセッションしようと言ってるから香澄たちもノリノリでセッションを始めた。
俺は……可愛い彼女たちを写真に撮ろう。
「次の方は?」
「私……いいかな?」
「明日香ちゃんだね……受付は!?」
「変わってもらっちゃった」
「ふむふむ、まぁ彼氏が来てるから許してあげるよ」
係の人が次の人を募集すると明日香が立候補した。クラスの係の人驚いたけど彼氏がいるって理由で許された。ってかいいのかよ!?
ん?あれ?俺が彼氏ってこと知ってるのか?
「ゆー兄やろっ!」
「約束してたもんな、曲は?」
「まだギター簡単なのしかできないから……きらきら星でいいかな?」
「おっけ」
商店街会長たちと香澄たちポピパのセッションが終わると俺と明日香によるきらきら星が始まった。短いからすぐ終わったけどそれでも楽しかったな。
「ありがとうゆー兄!」
「どういたしまして、俺も明日香とやれて楽しかったぞ」
「優弥先輩次あことやろっ!私ドラムやる!」
明日香とのセッションが終わるとあこがやってきた。うん、普通に驚いた。
「曲は?」
「BLACK SHOUT!」
「……え」
待て待て待て!?ブラシャ!?Roseliaの!?
「ゆー君ファイト!」
「優弥なら弾けるよ!」
「が、がんばれ!//」
「大丈夫だよ優弥君」
ポピパ組何言って……
「私も見たいな」
「が、頑張って」
美咲や花音先輩も何言ってるんだ!?弾けるけどそうじゃなくて
「優弥がBLACK SHOUT弾くんだ」
「Roseliaと違う雰囲気になりそうね」
「私も優弥君のBLACK SHOUT聞きたいですね」
「わ、私も……です」
あっれ〜なんかRoseliaが集まってきてるぞ〜ってか誰も止めようとしないな〜
「分かったよあこ、ここに来てるRoseliaのメンバーが止めないし弾くよ」
あこが提案してきたのはRoseliaの曲、さすがにまずいと思ったけど、Roseliaのメンバーが集まってきていて(そのせいで盛り上がっているのは置いておく)何故か誰も止めようとせずむしろ聞きたがっているから弾くことにした。
そして弾き終わると
「優弥、貴方…Roseliaに全てをかける覚悟ある?貴方ならRoseliaのマネージャーに相応しいわ」
と友希那先輩が言ってきた。答えは当然
「ありません。俺はPoppin’Partyの山本優弥ですから」
ノーだ。
「ちょっと友希那先輩!ゆーくんは私たちポピパのですよ!」
「心配しないで戸山さん、冗談よ」
『(冗談に聞こえなかった)』
この時この場にいた全員が同じことを思った。
さてと、ずっと俺がやるわけにいかないし他の人と交代しよう……って思ってたら
「優弥先輩私ともお願いします!」
ロックが自分のギターを持って言ってきた。後で一緒にやるけどここでもやりたいのか。
「いいけどラストな?ずっと俺がやるの他の人に申し訳ないしさ」
「分かりました。ポピパさんの曲でもいいですか?」
「もちろんいいよ!みんなもいいよね?」
『うん!』
「じゃあキラキラだとか夢だとか〜Sing Girls〜をお願いします」
「わかった」
ロックのリクエスト曲を一緒に弾くことになった。まぁ香澄たちも乱入してきて一緒にやることになったけどな……
ロックたちのクラスのセッションカフェを楽しみ、他のクラスも回りながら過ごし、ついにライブの時間になった。
たえ……間に合ってくれ
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「ありがとうございました。高校最後の文化祭、みんなと素敵な思い出が作れて幸せです!
それでは次のライブはこのカップルです!どうぞー」
彩先輩がふってくれたし俺とロックも準備完了しているからいつでもいける。
「行くか、ロック」
「はい!」
「1組ってゆーくんたちだったんだ!?」
「そういうこと、みんな、前に言った通り俺を信じてステージ袖から離れないでたえのこと待っててくれ。頼む」
「わかった、信じるからゆーくんたちは最高のライブにしてね!」
「おう!」
「はい!」
ステージに上がると歓声が上がった。いやまだ出ただけだぞ!?
「みんな盛り上がってるかー」
\イェーイ!!/
「もっと盛り上がる準備できてますかー」
\イェーイ!!/
Afterglowや彩先輩たちのおかげでかなり盛り上がってるな。
「早速曲に!っていきたいところだけどまずは自己紹介だ!花咲川学園2年の山本優弥と」
「羽丘学院1年の朝日六花です!」
「短い時間だけどみんなよろしくなー!
今日俺たちがやるのはカバー曲になるしギターとボーカルだけになるけどみんな楽しんでってくれ!それじゃあいくぞ!」
簡単な自己紹介を終わりにすると俺とロックが岐阜で組んでたバンドのみんなとやっていたカバー曲の【God knows...】を披露した。ちなみに俺はギター&ボーカル、ロックはギターだ。
急遽やることになって練習はそんなにできてない。でも
\アンコール!アンコール!アンコール!/
やり終わるとアンコールをもらえた。これでまだ時間稼ぎできるな。
「それじゃあ1曲だけな!」
「アンコールでやる曲は去年とある場所で披露した曲です、聴いてください!」
「「ロストワンの号哭!!」」
アンコールでやる曲は【ロストワンの号哭】、これはロックの言った通り去年SPACEで弾いた。まぁ唐突に言われたんだけどな。今回はその時以上にできている。盛り上がったままアンコールも終わらせることができた。
「ありがとうございました!みなさん、どうでしたか?」
\良かったよー/
\もっと聴かせてくれー/
こんな風にあちこちから聞こえるし素直に嬉しい。でも俺らはここまでだ。
「ありがとうございます!そう言ってくれて嬉しいんですけど…これ以上俺たちが独占しちゃうと他に申し訳ないんですよ〜ですよね?」
ここで俺はいったんステージ袖の方を横目でみる。するとたえが息を切らした状態で到着してるのが見えた。ポピパの衣装には着替えているが今のままじゃちょいきつい。
そう思っていると袖から3人が出てきた。その3人は事前にお願いしていたバンドメンバーのうちの3人だった。
「Roseliaのみなさん!」
「そうだよ〜2人だけずるいよ」
「すみませんってリサ先輩、ここからはお願いしますね、友希那先輩たちも」
「任せなさい。Roseliaのライブはいつだって最高の音楽を聴かせるわ」
ステージ袖から出てきたのはリサ先輩燐子先輩あこの3人、そして観客席の方から友希那先輩と紗夜先輩がステージに上がってきた。
そしてステージに1人近付いてきてる人がいる。どうやら俺がギターを貸す必要はないな、なんたって…日菜先輩が使ってほしそうな顔をしてきてるんだから。
ステージ近くについた日菜先輩から紗夜先輩はギターを受け取って準備を始めた。
「友希那先輩、少し時間稼ぎお願いします。たえは到着してるけど息を切らせてるので…」
「えぇ、少しだけ私たちに付き合ってもらうわよ。
優弥、それと六花だったわね、あとは私たちに任せてちょうだい。それと休むのは優弥、貴方もよ。最高のライブにしなかったら許さないわよ」
「もち!」
Roseliaと交代して俺とロックはステージ袖に下がった。たしかに2曲連続は疲れてるし友希那先輩の言う通り休まないとな。
Roseliaは【Determination symfony】を披露、その間に俺やたえは少しでも体力回復につとめていた。もちろんライブを見ながら。
「よかったよたえ、間に合ってくれて」
「でもよく間に合ったな、おたえどうやったんだ?」
「優弥のお父さんにバイクで送ってもらったの」
『ええ!?』
そう、あらかじめ俺の父さんに頼んでおいた。前にたえに家に来てもらった時にな。ただそれでも間に合うかどうかは五分五分だったけどそれでもなんとか間に合うことに成功した。
間に合った事情を話しているとRoseliaのライブが終わった。友希那先輩がこっちを見たから俺も目で大丈夫と目線を送った。
「みんな、短い時間だったけどありがとう、最後は結成1周年のこのバンド、Poppin’Partyよ」
「行ってくるけど呼んだら来てね」
「わかってるよ、打ち合わせ通りだろ?」
友希那先輩からバンド名を言われるとまず香澄たちが出ていった。まぁ俺もすぐ行くことになるけどな。
「イェーイ!みんな文化祭楽しでるー?」
\イェーイ/
「今日はポピパ結成1周年!こんな記念すべき日にライブができて嬉しいです!まずはメンバー紹介!」
打ち合わせ通りまずは香澄たちが出ていっていつものメンバー紹介を始めた。そして香澄まで紹介されたらライブ…とはならずここで今日まで秘密にしていたことを実行する。
「そろそろ…か」
「「優弥君」」
「紗夜先輩に燐子先輩?」
「「が、頑張ってくださいね///」」
「っ、もちろん、ありがとうございます」
そろそろ出ていくところ…と思っていたら紗夜先輩や燐子先輩がエールをくれた。赤くなって手を握りながら…だけじゃなくて両頬にキスされて…さすがに驚いた。
ロックからも…と言いたかったけどポピパが揃ったことを知るとすぐに客席に行ったみたいだ。
「そしてなんと!今回のポピパ1周年記念ライブではもう1人います!ギター山本優弥!」
「じゃあ…行ってきますね」
「貴方たちの演奏しっかり聴かせてもらうわよ」
「はい!」
近くにいたRoseliaに挨拶してからギターを弾きながら登場していった。
\キャー/
\さっきのイケメンギタリストだー/
\またお前のギター聴けるのかー/
\でもそのポジション羨ましいぞー代われー/
えっと…なんでこんな盛り上がるの?つーか代わらないからな?
「みんなの言う通りイケメンギタリストのゆーくんです!ギターも上手なのはもちろんみんな知ってるよね?」
「おいおい、ハードル上げすぎだろ」
『大丈夫!』
「揃うな!?」
\あはははは/
「ったく、まぁいいや、てなわけでまたよろしく!ついでにこのポジションは譲らないんで!」
なんか知らんけど笑いが取れた。そんなつもりなかったんだけどな〜
とりあえずあとは香澄に任せた。
「それじゃあライブ始めます!1曲目はSTAR BEAT!〜ホシノコドウ〜!」
1曲目は去年の文化祭でポピパのメンバーが揃って初めてやった曲。あれから色んなことあったな。まさかみんなと同じステージに立つことになるなんて結成時は思ってもみなかったな。
この曲は俺はギターのみ、それでも一緒にやれるのは楽しい。
「1曲目!STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜でした!」
\わぁーーー!/
「次で最後の曲です!」
\ええー!/
香澄が最後の曲って言ったらみんな残念がってくれた。ステージに立つ側からしたらこれは嬉しいことだな。
「文化祭でのステージはこれが最後の曲ライブハウスでライブやったりしてるからそこにも是非来てね!今度ポピパの主催ライブあるからそこにも来てくれたら嬉しいな!」
「「ここで宣伝かよ!?」」
主催ライブの宣伝をするとは思わなくて思わず有咲とツッコミが被った。そのせいでみんなから笑われてるよ。まぁその間に俺もマイク持って立ち位置変更して香澄の隣に来た。
「えへへ〜それじゃあ最後の曲行きます、ティアドロップス!」
2曲目の曲【ティアドロップス】、とある演出をするために香澄の隣へと移動していた。曲が進みその時がやってきた。
「「この手を離さない」」
\きゃー!/
\おおー!/
香澄と指を絡めながら手を握って2人でこれを言った。女子からの声が凄いけど男子の声もよく聞こえてるな。
……まぁ離さないと言いつつギター弾くために握った手は離してるけど。
「ティアドロップスの前にも言いましたが今度ポピパの主催ライブやるから来てくれたら嬉しいです!今日はありがとうございました!」
『ありがとうございました!』
ライブが終わり香澄が再度主催ライブの告知をした。まぁほんとはここだけのはずだったけどな。1周年記念ライブは最高の形で終わることができた、ほんとにたえが間に合ってくれてよかったよ。
みんなでステージ袖に戻っていくけど……俺はもう疲れで倒れるのを我慢してる状態だった。後夜祭の前にちょっと休まないとな。
はい、というわけでアニメとは違って間に合いました。次回はオリジナル回にする予定です。
次回の更新までお楽しみに