「失礼します」
「パレオ?急にどうした?」
有咲の家の蔵で練習していたとある日、突然パレオがやってきた。特に約束もなかったから気になって俺がどうしたか聞いたけど
「不法侵入!!」
と有咲が言い出したけど……わざわざここまで勝手に来るやついないだろ
「ちゃんとおばあ様に許可をもらって来ていますよ」
「パレオはその辺ちゃんとして……ってか普通はそうするか、周りのせいで俺の感覚もおかしくなってきてるかもな。それよりどうした?お前ならアポ取ってから来ると思うんだけど」
「アポイント無しの訪問になったことに関しては申し訳ございません」
「アポイント?」
香澄そこからか……パレオがアポ無しのことを謝ってるところで有咲が香澄に説明している。それを置いておくかのように
「今度は……何?」
沙綾がここに来た目的を質問した。凄く警戒した形で……
「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。今日の目的はこれを渡しに来ただけです」
「ありが……とう」
そう言って差し出したのは封筒だった。まぁ十中八九RASに関係することだろうな。戸惑いながらも香澄が受け取った。
「それと……これはパレオの個人的なお願いなんですけどついでに1ついいでしょうか?」
「ってことはこの中身はRAS関係ってことか」
「鋭いですね、さすが優弥さん。その通りです、それと個人的なお願いなんですけど優弥さんかまギター弾いてるところ見せてもらえませんか?」
「俺の?」
なんで俺がギター弾いてるところ見たいんだ?なんかありそうだな。まぁでも
「休憩中だし俺は構わないぞ、何弾けばいい?」
「いいんですか!?ではR.I.O.Tお願いします」
……了承したことに驚いたパレオだったけどリクエスト曲がR.I.O.Tってことにはこっちも驚いてる。まぁ弾けるからいいけどさ
「こんな感じかな」
「わぁ〜素晴らしいです!ありがとうございます優弥さん。では私はこれで失礼します」
……ええ〜なんだったんだあいつ?いきなり来て何かを渡して俺のギターを聞いてそのまま帰るって……チュチュのやつ何企んでるんだ?何か企んでるならパレオ使わずに自分で来ればいいのに
「あいつ……何がしたかったんだ?」
どうやら有咲も同じこと思ったみたいだ。
「香澄ちゃん、その封筒の中何?」
「私も気になる」
パレオが帰った後りみとたえが香澄がもらった封筒の中身のことが気になっていた。まぁそれは有咲や沙綾、俺もだけど…
「開けてみるね……これライブのチケットだ、しかもワンマンライブの」
『ライブチケット!?』
みんな一斉に驚いていた。チュチュのやつほんと何考えてるんだ?まぁみんな行くことに関しては反対する人いなかったけど。
----その後チュチュのマンションでは-----
「ただいま帰りましたー」
「おかえりパレオ、ちゃんと渡してくれたでしょうね?」
「はい!Poppin’Partyのみなさんにも六花さんにも渡して来ました。チュチュ様のおっしゃる通り優弥さんのギターは素晴らしいですね、実際に弾いてもらいました」
「弾いてもらった?」
「……?はい」
「ずるいわよ!!私も直接弾いてもらいたいのに!!」
「も、申し訳ございませんチュチュ様〜」
-----ということが起こっていた-----
<ライブ当日>
「あ、友希那先輩リサせんぱーい!」
「戸山さん?それに優弥たちも」
ライブ会場に入ると中で友希那先輩とリサ先輩を見つけ香澄が走り寄っていった。相変わらず知り合い見つけるとすぐ走るんだよな。
「友希那先輩、招待されて来ましたか?」
「ええ、それを聞くと言うことは貴方たちもかしら?」
「そうなんですよ。俺らが蔵練してる時に…アポ無しだったからたまたま蔵で練習してる日で良かったですけど…」
「そうなのね、私たちの方はCiRCLEの練習終わりにチュチュが何度もしつこく来たわ」
「こっちはパレオでしたね」
「しかもその時ゆーくんがギター弾いたんですよ!しかもR.I.O.T」
Roseliaはチュチュ、ポピパはパレオが来た話になると香澄は俺がR.I.O.Tを弾いたことを言ってきた。それ言わない方がいいと思うけどな。
「パレオずるいわね」
「そうだね〜今度Roseliaに連れてきてFAIRBARDとか弾いてもらおっか」
「いいわねリサ、採用するわ」
「採用しなくていいですよ!?」
ほらやっぱりこうなった。なんか知らないけどギターが絡むとこうなるんだよな〜なんで?でも採用しなくても……
「え〜でも紗夜や燐子もきっと喜ぶよ?」
「ぐっ、断りにくくするとは……さすがリサ先輩」
「ポピパの練習に支障が出なければいいですよ?」
ちょっ!?何故香澄が答える!?
「まぁ私たちの練習に影響無ければ…」
「たしかにそれなら…いいですね」
有咲?沙綾?
「私たちも……また……聴きたい……///」
「燐子先輩!?」
友希那先輩たちと話してると突然燐子先輩が腕に抱きついてきた。ってか話聞いてたのか?
「なんならこのライブの後私の家で一緒に奏でるのも///…………と思ったけど日菜がいるから難しいわね」
反対側からは紗夜先輩が抱きついてきた。ってか奏でるってギターをだよね?顔赤くしてるけどギターでいいんだよね?
「「「2人ともずるい!私たち我慢してるのに!?」」」
「いやお前らな……」
燐子先輩や紗夜先輩が腕に抱きついて来たのを見て香澄と沙綾と有咲が揃ってずるいって文句言い出した。もしかしてたえやりみが見たら同じように言うのか?ってか我慢って……俺の方は別の意味で我慢してるのに……これはいいか。
「まぁこの話は置いておいて、2人もいったん離れましょうか。大勢の人いますし」
「そうですね///」
「残念ですけど……後で……また///」
「ん?まぁいいや、それにしてもどんな演奏するんでしょうね、ギター新しく入ってなければ打ち込みだと思いますけど」
何がまたなのかは置いておこう。
「そうなんだよね〜まぁ私たちも大ガールズバンド時代のニューリーダーっていうのも気になってたしそれで来てみたっていうのもあるよね〜」
大ガールズバンド時代のニューリーダー……たしかRASのことがみんなに知られた時にそんな言われ方してたっけ。
「みんなお待たせ」
「りみりんおたえ!あれ?」
「こ、こんばんは」
『ロック!?』
「人混みに流されそうだったから釣り上げてきた、ロックの一本釣りだね」
いや釣り上げてって……
「ロックも来たんだね」
「はい、来るか迷ったんですけどせっかく招待してもらったので……」
「「ロックも!?」」
ポピパやRoseliaだけじゃなくてロックまで……まさかロックがギター弾いてる動画流れてるのか?
「あの子何を……」
「とりあえず席行きましょうか」
チュチュが何を考えているのかは分からない。とりあえず招待してもらった席にいってライブを見ることにした。
時間になってライブが始まったがギターが打ち込みとは思えない程の完成度、ここにギターが入ったらどうなるのか…きっともっと凄いことになると思わせるくらいのライブだった。
ライブ後ますきがスポットライトを浴びながらドラムを叩いているところにチュチュが出てきて挨拶を始めた。そして……
「この度RAISE A SUILENはガールズバンドチャレンジに参加することをここに宣言するわ。そしてそこでRoseliaとPoppin’Partyを……ぶっ潰す!」
『!?』
こんな場面でぶっ潰す宣言するか普通?
「そこでギターにロッカアサヒ、そしてアドバイザーにユウヤヤマモトをスカウトするわ!」
「はぁ!?」
「ええ!?」
ロックも招待した理由はこれか。つーか……
「「お断り(します)!!」」
当然断る。こういう所で聞けば承諾するとでも思ったか?でもロックも断ったな……まぁいきなり言われてもな。
つーかチュチュのやつなんで断るの?って顔してるな。なんでも自分の思い通りになるとでも思ってるのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なぁロック、本当に断ってよかったのか?」
ライブ後の帰り道、スカウトを断ったロックに本当に断ってよかったのか聞いた。俺はポピパから離れるつもりないからたとえRoseliaとかに誘われても動く気はない。でもロックはバンドやりたがってるから断っていいのか気になってた。
「……そうですね、いきなりで驚いたっていうのもありますけど……私バンドをやるなら前みたくこのメンバーじゃなきゃって人とやりたいんです。突然過ぎてさっきは断ったというのもありますけど気持ちの整理をつけたくて……でもあんな断り方しておいてやりたくなったら声をかけるっていうのも……」
「そこはお前の熱意次第だな、スカウトされたって言ってもどうせテストされる。たえの時もそうだった。迷ったままやってもロック本来の音は出せないしいいんじゃないか?」
「優弥の言う通りね、本気でやりたいと思うからこそ自分の力を発揮できる、そう思うわ」
「ゆーくんや友希那先輩の言う通りだよ、私たちだってみんなそうだもん。やり方はバンドそれぞれだけど本気でやってるからこそキラキラドキドキしてるんだよ!だからロックも本気で入りたいって思った時でいいと思うよ」
俺は本気でやりたいと思った時にやればいいと思ってるけどそれは友希那先輩や香澄も同じだった。他のメンバーもそれに頷いている。
「ありがとうございます皆さん、決めたら優弥先輩に伝えますね」
「おう、自分の気持ちに正直にな」
「はい」
ロックは今は保留の形を取った。まぁチュチュのやつがいつまで待つのか分からないけど。
……つーかしつこく来る可能性もあるか
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あれ……何?」
「凄い人だかりだね」
ポピパのみんなと……では無く今日は美咲や花音先輩と投稿して学校の前に来ると凄い人が集まってる。姿は見えてないけど
「ちょっと!?どいて!?」
チュチュの声が聞こえてきた。まさか直接スカウトしに来たのか?
「チュチュ様!優弥さん来ましたよ」
「「「……えっ」」」
ちょっと待て?今パレオの声聞こえたけど俺らの位置から見えてないぞ?美咲や花音先輩も一緒に驚いてる。
「what!?どこ!?」
「姿は見えませんが近くにいます、パレオには分かります」
「「「「怖い!?」」」」
姿見えないって自分で言ったぞ今!?
「風紀委員です。いったい何があったんですか!?」
「サヨ ヒカワね、ユウヤ ヤマモトに会いに来たわ。パレオが言うには近くにいるみたいなのだけど囲まれてて姿が見えないわ」
「たしかにいますけどここからでも見えませんね」
「いやなんでわかるんですか!?」
「おはようございます優弥君、それは貴方が私の大切な彼氏だからです」
「「納得(です)」」
あっれ〜なんか美咲や花音先輩まで納得しちゃったぞ?まぁいいや
「それでチュチュ、俺になんの用だ?」
「あの場では承諾しにくかったのかと思って直接来てあげたわ!」
「パレオは付き添いという名目で会いに来ました」
「「名目!?」」
「「「もしかして…」」」
パレオ付き添いが名目ってどういうことだ……チュチュの理由はまぁ想定内だけど。ってか美咲に花音先輩に紗夜先輩は3人で集まって何話してるんですか〜?まぁいっか
「別に承諾しにくかったとかじゃなくて承諾する気なかっただけだ。俺はPoppin’Partyの山本優弥であってRASのアドバイザーになる気なんてサラサラねーよ」
「そんなぁ……」
ん?
「そう……後悔しても知らないわよ」
「ポピパから離れる方が後悔するさ。それとロックもスカウトしてたけどどうせテストするんだろ?」
「off course!当然でしょ」
「なら1つだけ、たしかにロックのギターはRASでも通用すると思う。お前がどのレベルを求めてるかによるけど……ただ無理矢理連れていって受けさせるなよ?そんなことしてもロックの力は発揮しきれないからな」
「そう…わかったわ」
「これ破ったら許さないからな」
「ええ……今更だけどタエ ハナゾノの時は申し訳なかったわ」
ほんと今更だな!?
話が終わったから美咲たちと校舎の方に向かったけど…その時パレオが寂しそうにしてたのは気になった。まぁなんかあれば言ってくるだろってことで深くは考えなかった。
ロックの件は今度こそ約束を守ってくれると信じてみることにしたのだが……
「優弥先輩……RAS……不合格になりました」
チュチュが学校に来た2日後にロックからRASのテストが不合格だったことを電話で聞くことになった。
俺ロックからRASのテスト受けるなんて聞いてないぞ?まさかチュチュのやつまた……
とりあえず明日直接話を聞くことにした。
今回はここまで、次回は2話の最後の方の内容から3話にかけてになります。3話全てにはならないと思いますが……
なるべく早めに投稿出来るようにしますのでそれまでお楽しみに。