「ロックー!」
「優弥……先輩」
俺は学校が終わり急いで羽丘に来た。昨日ロックからRASのテストを不合格になったと聞いたからだ。ポピパの練習には遅れるって伝えてあるし、ローテーションで途中まで一緒に帰るはずだった紗夜先輩や燐子先輩には別の日にってことにしてもらってるからこっちは問題ない。
「それじゃあ六花、ゆー兄、私はこれで」
「明日香ちゃん……ごめんね……ありがとう」
「気にしないで」
「ありがとな明日香」
「んっ///どういたしまして」
明日香は俺が来るまでロックと一緒にいてくれていた。ロックも俺もお礼を言って明日香は帰っていった。俺はキス付きでだけど。
「とりあえず落ち着いて話せるところに移動するか」
「はい……」
学校前で話すわけにもいかないから歩き出して羽丘から1番近い公園に移動することにした。
ちなみに……
「今の優弥とロックだよね?」
「今日紗夜先輩たちの日だったような……何かあったんだね」
「そうみたいだね」
「2人とも優弥のことわかってるね〜」
「「当然」」
俺とロックが歩いて行くところをAfterglowが見ていた……ってことをつぐみからの電話で知った。
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「それでロック、昨日RASのテスト不合格って電話してくれたけど自分から行ったのか?」
「いえ……昨日はGalaxyのバイトで終わった後少しギターを弾いていたんです。それをますきさんが聞いてたみたいでいきなり連れていかれて……」
「ますきが?」
となるとますきの独断でチュチュの指示ではないってことか?でもなんでますきが?
「多分私がR.I.O.Tを弾いていたからそれでだと思います」
……なんか考えてること伝わってたな。
「正直RASさんと一緒にやりたいか迷ってる状態で……それでR.I.O.Tを弾いたら何か分かるかもって思って弾いたら……」
「いきなりますきが来て答えが出る前に連れてかれたってことか」
「はい……」
ほかのメンバーにも無理矢理連れていかないように伝えてもらっておけばよかったな……
「RASのみなさんとR.I.O.Tを弾いて……他人の顔色を伺うようなギターはいらないって言われて……それで不合格になりました」
「そうだったのか……」
こうなるから無理矢理連れていかないようにってお願いしておいたんだけどな、チュチュ以外が連れていくことを考えておけばよかった。
「話聞いてもらってありがとうございます」
「俺が聞きたいって言ったんだし気にすんな」
「ありがとうございます、私今日番台に立たないといけないので……」
「おう、気を付けてな」
そう言ってロックとはそこで別れた。さてと……チュチュのマンション向かうか。前にパレオがしたみたいにアポ無し突撃といくか。
「優弥君?」
「レイ?」
ロックと別れてからチュチュのマンションに向かおうとしたらレイに声かけられた。
「これから練習か?」
「今日は練習ないよ、チュチュが急遽休みにしたから」
「チュチュが!?」
「……行くんでしょ?」
「!?」
なるほど、チュチュが練習休みにした事は驚いたけどそういう理由……どこに行くか言わないけど伝わった。
……つまり俺の行動はバレてるってことか。
「なんか気を使わせたみたいだな」
「チュチュも花ちゃんの時のこと本当はすごく気にしてたからね。口では知らないとか言っても実際はね」
「この間会った時謝ってきたよ。今更感あるけど」
「今回もごめんね。うちのメンバーが迷惑かけて」
「謝るのは俺にじゃなくてロックにだ」
「そうだね……ごめん」
口は悪いけど音楽のことには本気で取り組んでるのはわかってる。まぁ周りのこと考えて欲しいところあるけどな。
「それじゃあ俺もう行くわ。どんな経緯でロックが連れて行かれたかは本人から聞いてたし」
「私も行く」
「そっか」
「うん」
1人で行くつもりだったけど予定が変わりレイと一緒にチュチュのマンションに向かうことになった。
「(いつも人のために動いてるよね…カッコイイな//)」
「ん?レイ顔赤くないか?」
「そ、そんなことないよ!?///」
「そうか?」
「う、うん、なんでもないから///」
一緒に歩いてると視線をずっと感じてたしちょっと赤くなってると思うんだけどな……なんでもないって言うしそっとしておくか。
気にせずにレイと話しながらチュチュのマンションに到着すると
「待っていたわ。予想してたよりちょっと遅いけどレイヤと一緒だったのね」
「レイヤさん……優弥さんと2人きりで……羨ましい」
「「「ぱ、パレオ?」」」
いきなりどうしたんだ?
「気にしないで下さい、さぁチュチュ様中に入りましょう」
「そ、そうね…着いてきなさい」
「わかった(チュチュも動揺してるな、ほんとどうしたんだ?)」
パレオの言動はちょっと気になったけど外で立ち話する訳にもいかないし4人で中に入った。部屋に着くまでレイに対してパレオが凄い視線を向けてたからみんな何があったのかと気になってはいた。
「座ってちょうだい」
「わかった」
部屋に着くなりソファに座るように促された。向かいにはチュチュが座った。パレオやレイも座ればいいのにチュチュの後ろに立っていた。
「2人は座らなくていいのか?」
「大丈夫だよ優弥君、ありがとう」
「ありがとうございます優弥さん、ですが私たちのことはお気になさらず結構ですよ」
「うん、凄い気になる」
「大丈夫だから、チュチュ」
「ええ、ユウヤ、貴方が来た理由を教えて貰えるかしら?大方予想はついてるけど」
あ、このまま話すんだ。まぁいいや
「簡単に言えばロックのことだ」
「「「やっぱり」」」
3人とも理由は分かってたみたいだな。
「ロッカ アサヒは貴方のガールフレンド、試験に落ちたことを電話していると思ってたわ」
「ロックのギターならRASでもやっていけると思っている。まぁプロデューサーはチュチュだし、合格の基準がどのくらいか分からないから合否判定を覆すために来たわけじゃない。ロック本人から他人の顔色を伺うようなギターはいらないって聞いてるし。そういう風に弾いてるなら不合格でもおかしくない。
ただ問題はそこじゃないのは分かってるよな?レイから聞いたけど今日の練習急遽休みにしたみたいだし」
「ええ、その前にレイヤ。今回の件はいいけどバンドの情報を簡単に他の人には話さないようにしてちょうだい」
「うん、ごめん」
「sorry、話を戻すわ。
今回ロック アサヒはマスキングに連れてこられた。様子からして本人の意思じゃないことは何となく予想はついていたわ。マスキングが嬉しそうに連れてきたことと、私自身聞きたいと思ってしまってそのままテストしてしまったわ。その結果昨日の結果になってしまった。
本当にごめんなさい。貴方から無理矢理連れていっても本来の力を発揮できないと聞いていたのに止めずに……」
「ちょっと待った!!」
『!?』
チュチュが謝罪をすると同時にますきが勢いよくドアを開けて入ってきたからびっくりした。急いできたみたいだけど……見たことない制服だな。
「昨日のことは私に責任がある!あいつがR.I.O.Tを弾いてるのを見てRASで一緒にやりたいのかと思って……無理矢理連れてきたのは私だ!だからチュチュを責めないでくれ!
それと本当にごめんなさい!!」
チュチュの謝罪を止めてますきが謝ってきた。ただ一応言っておくと……
「ますき、俺はチュチュを責めてないぞ?」
「えっ?」
「話し始めたばかりだからな」
「連れてきたのはマスキングだけど私もそれを止めずにやったわ。プロデューサーとして止めるべきだったのに……だからごめんなさい」
「私たちも謝ります」
「怯えてるの分かってるのにそのまま進めた、だから……」
「「ごめんなさい!」」
お、おう……こうなるとは思ってなかった。まさかメンバー全員から謝られるとは……
「みんなもういいから顔上げてくれ」
『……でも』
「それじゃあ1個だけお願い聞いてくれ」
「何かしら?」
顔上げてもらったけど納得してない状態だからお願いを聞いてもらうことにした。
そのお願いとは……
「もしロックが自分からテストを受けに来たらもう1回だけチャンスを与えてくれ」
「1回だけでいいの?」
「他にも希望者いたと思うけどその人たちは1回しか試験受けてないだろ?」
「あ、それもそうね」
「でも大丈夫ですか?六花さん自分から受けに来るかどうか…」
「たしかに、私が無理矢理連れて来ちまって不合格になって……来ないかもしれない」
「そこは俺も手助けするけどロック次第かな」
「多分大丈夫じゃないかな?」
『え?』
お願いの内容は自分からテストを受けに来たらもう1回チャンスを与えて欲しいってことだ。パレオやますきは不安でいるけどレイは2人ほど心配してないようだ……なんで?
「実は優弥と会う前花ちゃんと六花ちゃんのこと話したんだよね。だから香澄ちゃんに伝わってると思う」
「それはたしかに大丈夫かもだけど……」
「えっと電話は花ちゃんからかかってきたんだけど……」
どうやらたえから電話をかけたみたいだ。ロックが元気無いってことを知ってたみたいだけど……明日香から香澄に話がいってそこからたえがレイに聞いたって流れかな?
「そっか……それなら俺たちポピパに任せろ!」
『!?』
「だからさっき言った通り自分の意思で受けに来たらまた見てやってくれ、頼む!」
「わかったわ」
「ありがとう」
なんとか話はまとまったな。今回はチュチュだけじゃなくてみんなにも話したから大丈夫だろ。
……ちなみにこの後ロックがテスト受けに来た時の音が残ってたから聞かせてもらったけど……こんなに変わるのか、これなら不合格になってもおかしくないな。
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「お待たせ」
「ゆーくん!ロックのための曲を作りたい!協力して!」
「ちょっ!?落ち着け香澄」
チュチュのマンションを出て蔵に到着すると直ぐに香澄がロックのための曲を作りたいと言ってきた。階段降りてる途中に言われてびっくりしたから落ちそうになった……大丈夫だったけど
「あ、ごめん」
「レイから電話が来てロックがRASのところに行ったこと知ったの」
「レイから聞いてきたよ、行ったというより他のメンバーに連れていかれたって言った方が正しいけどな」
「そこも知ってる」
「ロックちゃんRASに入りたいんじゃないかなって話してて」
「私たちに何か出来ることないかなって話してたら」
「香澄がロックのための曲作りたいって言ったんだよ」
「「「「「みんな同じ気持ち!」」」」」
みんなロックの事情を分かっててロックのために曲を作りたいみたいだな。香澄の独断だったら1回止めるところだけどそうじゃないみたいし断る理由ないな。
「みんな同じ気持ちなら問題ない」
『よかった〜』
「ここに来る前にチュチュに話してきた。今回は無理矢理連れていかれたから今度自分の意思でRASのところに行ったらまたテストしてもらうことを承諾してもらった。だからロックの背中を押すような曲をみんなで作ろう!」
『うん!』
ガールズバンドチャレンジ最初のステージはGALAXYでロックのための曲に決まった。普段なら俺は曲作りに関わらないけど今回は最初から関わっていった。曲だけじゃなくてライブの方法も……みんなで色々準備をしていきライブの日を迎えた。
今回ライブシーンまで行こうと思ったけど次回に回します。ポピパのライブとロックの再試験は次回です。この2つは絶対書きますので次回までお楽しみに