香澄side
「確保ー!」
「ええ!?」
りみりんにバンドはやれないって言われた次の日、私と有咲で山吹ベーカリー前で待ち伏せをしてみた。りみりんいつもここのチョココロネ買ってるみたいだからね。さーやの家のチョココロネ…だけじゃないけどパンすっごく美味しいから買いたくなる気持ちはわかるよ。
あ、話逸れちゃったね。それで理由を聞きたくてりみりんを捕まえたの。
「ごめんりみりん。やっぱりちゃんと聞きたくて」
「え?」
「やっぱりできないって言われただけじゃ諦められないの。言いたくなかったらいいの。でもやっぱり私は理由を知りたい!」
「ごめん……私……」
「りみりんごめんね!?言いたくなかったらほんとにいいの!?」
「そんなこと……ごめん!」
「りみりん!?」
理由を聞こうと問いただしたらりみりん泣いちゃった……言いたくなかったんだね……
りみりん……本当にごめんね
香澄side out
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「今の香澄と有咲?なんか元気なさそうだけど……何かあったのか?」
今日は事情があって弁当用意出来なかったから前に気に入った山吹ベーカリーのパンを買いに来たんだけど……ここに来たら香澄がしょんぼりしながら歩いていくのが見えた。有咲は香澄と一緒に歩いてる感じがしたが……沙綾に知ってるか聞いてみるか。
「いらっしゃいませ〜ってゆーや!?」
「よっ、パン買いに来たけどまだある?」
「うん、まだ色々あるよ。珍しい……というか初めてだね、朝買いに来たの」
「今日は弁当用意出来なくてさ、それでめっちゃ美味いここのパンを買いに来たってわけ」
「そんなこと言っても割引ないよ〜」
「え〜」
「ふふ」
「まぁおふざけはここまでにしてっと、何買おうかな〜」
聞きたいこともあるけどまずはパン選び。チョココロネが他より少ないってことは牛込さんが来たのかな?
「それじゃあこれお願いしまーす」
「はーい…って前買ったパンだね」
「美味かったからな」
俺が選んだのはカレーパンとメロンパンとチョココロネ、元々カレーパンとメロンパンは好きだったが、チョココロネはここのを食ってから好きになった。
袋に入れてもらってる間に話をするか。
「なぁ、さっき香澄がしょんぼりしながら歩いて行ったけど何か知らないか?」
「っ!?」
俺がそう聞くと沙綾の手が一瞬止まった。だがそれも一瞬で直ぐにパンを袋に入れて俺に渡してきた。
「話してる内容はわからなかったけど……香澄が牛込さんに何か聞いてる感じで、突然牛込さんが泣き出しちゃったんだよね……」
「そうなると……バンド関係の話か……」
「バンド……」
「あ、ごめん、沙綾の前でする話でもないか…」
「わ、私は大丈夫。でも2人が心配だよ」
事情は知らないけど沙綾はバンドをやめている。その沙綾の前でバンドの話をしちゃったけど……沙綾は大丈夫って言ってくれた……本当に大丈夫かわかんないけど……
とりあえず2人のことを先に解決させないとだな。
「とりあえず2人のことは何とかできればしてみるよ」
「ふふ、できればって、何とかするとは言わないんだね」
「確実に何とかできるとも限らないしな。それよりもうすぐ手伝いも終わるんだろ?一緒に行かないか?俺待つよ」
「……へ!?///私と!?///」
「他にいる?」
「そ、そうだね///じゃあちょっと待ってて///」
「オッケー」
店の中だと他の人に迷惑になるかもしれないし外で待つことにした。そして少しすると沙綾が出てきた。
そういえば……さっき誘った時沙綾赤くなったけどどうしたんだ?
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「香澄ー!おーい!香澄ーーー!」
「気付いてないね」
学校に着いてクラスに到着すると香澄が席に座っているのが教室に入る時に見えた。俺と沙綾は荷物を自分の席に置いて香澄のところに来たんだが……香澄が呼んでも返事しない。まるで俺たちがいることに気付いていないかのように。
牛込さんは……やっぱり暗い顔してるし今話せる雰囲気じゃないな。後で話してみるとして……隣のクラスに行ってみるか。
「たしか有咲の席は窓側の……って……マジか!?」
隣のクラスを覗いて有咲に聞いてみようとしたんだが……行動読まれてた?俺が教室を覗くと同時に廊下に出て一目散に走ってった。これじゃあ聞けねぇや。
「ゆーや……行動バレてたね?」
「み、みたいだな……さすが新入生代表……」
「それ……関係あるかな?」
どうやら沙綾も様子を見に来ていたみたいだ。朝のことを聞けないとわかったし教室に戻り自分の席についた。
-----昼休み-----
「……っ!?ゆーくんお昼食べよ〜!」
「……無理してテンション上げなくていいぞ香澄。授業終わってることにも気付いてなかっただろ」
「うぅ……」
昼休みになってから香澄が無理にテンションを上げて声をかけてきた。何故無理にとわかったのか……それは授業終了後10分、香澄は前を向いて座ったまま動いていなかった。まぁ授業中も集中できてない感じだったが……
「とりあえず中庭行こうぜ、沙綾も有咲も待ってくれてる」
「うん」
「話はそこで聞かせてくれ」
「うん……」
こんなに元気ない香澄見ることは滅多にないな。それだけ朝の牛込さんとの出来事がショックだったのか?事情が分からないから何も言いようがないけど……
「あ、香澄〜ゆーや〜」
「おう!」
中庭に着いたら沙綾と有咲の2人だけがいた。俺たちの姿が見えると手を振ってきてくれたけど……なにあれ可愛いんだが。
「お待たせ」
「遅せぇよ」
「ごめんね有咲……私が授業終わったの気付かなせいでゆーくんまで巻き込んで」
「まぁ……そこは山吹さんに聞いてたけど」
「それより話は食いながらだ、腹減った」
「そうだね、私もお腹空いたよ〜」
「香澄が言うかそれ……」
沙綾と有咲もどうやら食べるのを待っていてくれたみたいだった。みんなで食いながら朝のことを聞くと、無理矢理聞いたわけではないみたいだ。でも牛込さんは何か訳ありみたいでないてしまった……ということみたいだな。
とりあえず無理矢理聞こうとしてないことはよかったかな……
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放課後
「あれ牛込さんじゃね?」
「ほんとだ、って外国人だ!」
「おい香澄!?」
放課後香澄と帰っていると牛込さんを見つけた……のはいいんだが外国人に何か話しかけられている。そこに香澄が駆け寄ったのだが……
「ハロー!アイム香澄!アイムギタリスト!」
「「What's?」」
訳の分からんことを言い出して外国人の2人も何のことを言っているかわかっていなかった。まぁわかるやつの方がおかしいか……
とりあえず道が聞きたかったみたいだから俺が伝えておいたが……
この後は3人で公園に移動することにした。
「よかったね〜案内できて」
「お前のは案内になってなかったけどな」
「でもありがとう。私すぐに固まってテンパっちゃって」
いやまぁ……外国人にいきなり話しかけられたら普通はそうなるって。隣にいるやつがおかしいだけで牛込さんは普通だって……言うのはとりあえずやめておくか。
「香澄ちゃんがバンドに誘ってくれたのは嬉しかったの。でもみんなに見られてるって思うと頭真っ白になって動けなくなっちゃう」
俺も香澄も今は黙って聞いている。牛込さんが自分で話そうとしてくれてるからな。
「お姉ちゃんみたくカッコよくできない。間違えたらみんなに迷惑かけちゃうしガッカリさせちゃう」
「そっか」
「ごめんね」
「ううん、りみりんとまた話せてよかった!じゃあ私有咲の所行くね!2人ともまたね〜」
「……え?」
「……は?」
また牛込さんと話せて嬉しかったのは見てればわかる。ずっと落ち込んでたからな。でも有咲のところ行くって……急に言い過ぎだしマイペースすぎだろ!?
「な、なんかごめんな?香澄自分勝手で」
「ふふ、香澄ちゃんらしいね」
お、おい香澄……お前いないところで笑われてるぞ。
「さっきの話なんだけどさ、別に牛込さんのお姉さんみたくやる必要もないんじゃないか?」
「え?」
「牛込さんは牛込さんなんだからさ。自分がやりたいようにやればいいんだよ。まぁみんなに見られると頭真っ白に……っていうのは簡単にどうにかできるとは限らないけどさ」
「私がやりたいように……できるかな」
「やりたいって気持ちがあればな。もし牛込さんがバンドやりたいって思ったら香澄に声掛けてあげてやってくれ。あいつ喜ぶだろうからさ」
「うん。山本君はやらないの?」
「俺はパス、趣味でギターやってるだけでバンドをやるつもりはないんだよ。まぁセッションくらいならできるけどさ」
「そうなんだ」
香澄が帰った後少し牛込さんと話してから俺たちも帰路についた。帰りながら山吹ベーカリーのパンについて話していると、牛込さんはそこのチョココロネについて暑く語り出した。めっちゃ美味いのは分かるけどそこまで語れるとは思ってなくてかなりびっくりしたのは内緒だ。
今回はここで終わります。なるべく早く投稿したいと思っているので次回もお楽しみに。
そして評価10をしてくださったスクイッドさん。ありがとうございます。嬉しいと同時に、これからの励みにもなります。