プロヒーローの強い個性を使って駆除するため、オールマイト以外のヒーローが出動し、後始末をさせられたということにしました。
事の始まりは、とある殺人事件だった。
普通ならば警察の案件だが、ヴィランを逮捕するのが本業のヒーローが出動することになった。
その出動そのものは非公式であり、政府がヒーローの力を必要として大衆には絶対秘密状態で出動する事件となった。
オールマイトが知る限り、その事件にかり出されたプロヒーローの何人かが、精神衛生上の都合でいきなり休業したり、退職願を出したりした。
オールマイトは、偶然にも別の事件に出動したため、その事件には関わっていない。だがあまりにもプロヒーロー達が疲弊しているので、悩みがあるのか?っと、話を聞こうとしたのだ。
政府は、口を閉ざし、誓約書を書かされていたその事件に関わったプロヒーロー達も口を割らない。
だが、突然引退表明を出したプロヒーローのひとりが、ついに口を開いた。
しかし、語られた内容は、到底信じられるないようではなかった。
まるで悪夢のようなソレを現実に起こったのだということを理解するに至れなかった。
だが、その元ヒーローの憔悴した様は酷く、まさに廃人に近かった。あの時のことが脳裏に、目に焼きついてしまって、眠ることさえできないと。
そして、オールマイトは、事件について独自に調査をしようと考えたとき、政府の要人がオールマイトのもとへ来た。
政府から事件に関わるなと言われるかと思っていたが、その人物は、話があるとオールマイトに、どこか人知れず話せる場所をと頼み、そこで話をすることになった。
話をまとめると、こうだ。
政府は、秘密裏に、あの事件に関わる者すべてを洗い出そうとしていおり、密かに調査を進めているそうだ。
すると、あるカルト集団に行き着いたが、そのカルト集団は、すでにほぼ全員が死亡していることが分かった。
だが、生きている者がいた。
それもこの日本にだ。
緑谷病院という大病院の、医院長その人だったのだ。
掲示板の噂程度だが、緑谷病院にはカルトめいた不吉な噂もあったらしい。だが真実は、おそらく医院長により隠蔽されていたのだろうと語られた。
オールマイトは、その人物を逮捕すべきだと言ったが、首を横に振られた。
事は、もはや逮捕するとかしないとかじゃないのだと。
これは、下手をすると人類の存亡に関わることになっていると。
「どういうことかね?」
「…『出久』という存在に心当たりは?」
「イズク? いや、知らないな。」
「それが恐らく、あの事件の鍵を握っています。」
「それは、いったい?」
「私も…長らく様々な事件を担当してきましたが…、これにはさすがに参りましたね。ここだけの話ですが…、同僚の何人かが、長い休暇届けや、退職届を出していまして。てんやわんやですよ。残される者のことを考えていない。ですが…、私だって願えることなら、さっさとこの事件から離れたいですよ。」
「そこまで…?」
「異形系の個性持ちなんて…、本当に可愛いモノですよ。アレに比べたら……。そうそう、ミスター・オールマイトが訪ねたあの元ヒーローのことですが、あの後、自殺したそうです。」
「なっ…。」
「あなたの責任ではありませんよ。しかし、イイ選択だと思います。越えてはならない境界線を越えた者が救われるには、それしかなかったでしょうから。」
「越えてはならない? いったい何があったのだ? 彼が言っていたことは、まるで絵空事のようなことで…。」
「ソレを見てしまったら、いくら平和の象徴といえど…、ですね。ミスター・オールマイト。物事は、この地球上だけではありません。」
「話が飛躍しすぎているように思えるが?」
「ですが、事実なのです。あくまで私は、事実を語り、自殺した元ヒーローの方も、真実だけを語ったのです。元ヒーローの方は、きっとあなたなら事件を本当の意味で終わらせてくれるだろうと信じたのでしょうね。」
「そうか…。」
「実は、調査していて、引っかかることがありまして…。そのことと、今後についてご相談したく、こうして話し合いの場をと。」
「なんだね?」
「……緑谷病院に入院している、ひとりの患者が、出久という存在と深く関わっている可能性があります。名前は、爆豪勝己。14歳の少年です。」
「その少年が? 出久という存在と? なぜかね?」
「それは、分かりません。だが、このままでは、破滅しかありません。どうか、あなたの平和の象徴としての立場をもって、人類を救ってはもらえませんか?」
「それについては、私は惜しみなく協力したい。未来ある少年がそのような破滅の道を歩むのなら…。」
「助かれば…いいのですがね。」
「どういうことかね?」
「いえ…、出久という存在にすでに接触し、深く関わっているのなら…、爆豪勝己という少年は助からないでしょう。」
「!」
「私が願うのは、あくまでも人類の平和。異界からの侵略者から、この地球を守っていただきたいのです。そのためなら、ひとりの少年が犠牲になろうとも問題はありません。」
「なんてことを…。」
「あなたは、ヒーローとして、小さな犠牲で、大きな希望を救う存在です。忘れないでください。」
「私が少年を見捨てると?」
「……もう一度申し上げます。出久に関わっているのなら、爆豪勝己はもう助かりません。あなたが、やるべきことは、ひとつ、…“駆除”です。」
ぴしゃりと言い渡された言葉に、オールマイトは言葉を失った。
「病原菌を撒き散らすラットを駆除するのと同じ事ですよ。では、……こちらに、爆豪勝己の母親、爆豪光己の住所と連絡先です。彼女がもし、息子の勝己君について不信に思うようなこと、そして決定的じゃなくとも、なにかおかしいことを言っていたら、遠慮なく私に。すぐに警察機動隊を、及び後始末をする人間達を呼びます。」
「……分かった。この事件…、必ずや私が終わらせよう。」
「ありがとうございます。」
オールマイトの言葉を聞いたその男は、深く頭を下げた。
そして、早速と、爆豪光己に電話をする。
夜になる時間帯に急な電話に驚いた光己であったが、警察関係者だと話を通し、オールマイトと共にある事件を追っており、その事件に息子さんである勝己が巻き込まれている可能性があると話を出した。
慌てた光己だったが、すぐにオールマイトに変わりますと言い、携帯端末をオールマイトに渡した。
「私が出た!」
『お、オールマイトさん?』
「そうだ。私だ。ところで奥さん、近頃、息子さんに何かおかしなことはなかったかね?」
『息子は…勝己は……。』
「事件解決のため、なんでも良いのです。なにかおかしなことは?」
『それは……。』
そして光己は……。
※選択肢
『言う』
『言わない』
たぶん、オールマイトと会話をしている政府の人が、沙耶の唄での女医になるのかな?
でも、出久を駆除するのはオールマイトです。もう決めてます。
さて、次回で二つのエンディングかな。