ボーイズラブ臭がしますが、あくまで友情以上恋人未満ぐらいを目指しています。
「おい、デク。」
「なに、かっちゃん?」
ある日の夜、勝己は出久に聞いた。
「お前…、なんか隠してねーよな?」
「なになに? お父さんに何か言われた?」
「……“その時”って…なんだ?」
「……。」
「てめー、やっぱ隠してんな?」
「ごめん。隠しているとかそういうことじゃないんだ。」
「どういうことだ?」
「僕にもよく分からないことなんだ。」
「意味分かんねー。」
「そうだね。分からない。僕にいつそれが来るのか…、分からない。始めてお父さんのところに来たときは、それが来るのが楽しみで仕方なかったのに。今じゃ、ちょっと分からなくなったんだ。」
「……はあ。まるで女子にある月経みてーな話だな。」
「うーん。近からず遠からず?」
「はあ? 実はお前、女だったってオチか?」
「かっちゃんには、僕がどう見える?」
「……男?」
「この星では、女とか男とかって、性別がハッキリと別れている動物が多いよ。人間もそういう種類。でも、どっちでもなかったり、どっちにもなれる動物もいる。僕は、どっちかっていうと、なろうと思えばどっちにでもなれる方かな?」
「どっちにでもって…。」
「“僕ら”にそういう概念は、あくまでも手段でしかないないんだ。だから、かっちゃん達の目から見れば、僕は見たままなんだろうし、どちらでもないんだと思う。」
哲学めいたことを言う出久に、勝己は軽く頭痛を覚えた。
「めんどくせーな。デクはよぉ。」
「ごめん…。」
「謝んな。……俺はよー。どっちだろうとどーでもいいぜ。」
「えっ?」
「デクは、デクだ。そうだろ?」
「う、うん?」
「だーかーら、それ以上でもそれ以外でもねーだろって言ってんだよ。お前はお前。俺は俺。そういうもんだろ?」
「えっと…。」
「性別云々は、生まれつきだろうと、後付けだろうがどーだっていいんだ。そう…思った、それだけだ。」
「なんか…変だよ? かっちゃん。なんで急にそんな…。」
「なあ……、俺が外に出たくないって言ったらどうする?」
「えっ?」
「あの肉共は、きっと俺がとち狂ったって大慌てするだろうぜ。俺は、肉共と生きることを強要される外が無理だ。」
「そ、そんなぁ…。」
「けど、だからって、このまま病院で一生を過ごすつーてもな……。お前がいなきゃ、無意味だぜ。デク。」
「かっちゃん。」
「お前がいなかったら、俺はとっくの昔に発狂ってやつになってただろうぜ。……ああ、でも、もう十分狂ってるか? あの日…、俺が意識を取り戻して、目が見えるようなったその日からなぁ。」
「かっちゃん!」
「お前の親父に言われたぜ。心の在り方は、心を持ってる自分で決めるんだってな。だから、俺は正直になろうって、思った。」
「それは…。」
「だからよぉ…。デク…、お前に正直に話してんだ。分かるな? 分かれよ?」
「……早とちりだと思うよ。」
「あぁ?」
「……元に…戻りたいって思わないの?」
「もう元の生活戻るなんざできねーってことは、自分でよーく考えて分かったんだ。肉共が極力入ってこないようしてもらったおかげで、考える時間がたっぷりあった。」
「………元に戻せるかも…って言ったら?」
「はあ?」
「でも…、まだできるかどうか試してみないと分からない。けど、かっちゃんの脳の状態じゃ、人間の力じゃ治せないのは分かってるんだ。」
「どういうことだ?」
「僕…、勝手にかっちゃんのカルテとか、検査のデータを見た。僕、お父さんから色んなこと教わって、それでいっぱい勉強したから分かる。人間の今の技術力じゃ、どう頑張っても治せないし、どこが壊れているのか分からないと思う。」
「……まさか、お前が治そうってのか?」
「うん…。僕にはそれができる。でもまだやっことがないだけ。失敗しないためには、事前に実験でかっちゃんと同じ脳の状態を作る必要があるけど…。かっちゃんには、その逆をすれば治せるんだ。」
「治る…のか?」
「うん。僕なら。」
「けど…俺は……。」
「うん。分かってる。かっちゃんの気持ちは分かる。分かってるつもり。だけど、すぐに答えを出すには早いよ? だから、考えて欲しい。元に戻るか…、それとも……。」
「俺は……。」
※選択肢
『元に戻る』
『このままでいい』
エンディングは、原作ゲーと同じで、三つにしました。
まず、次でエンディング、一つ目。