目眩がする……。 さっきやった模擬戦闘シュミレーション? って奴をやってから考えがまとまらない……。
さっきの人ら……英霊? だっけ……。 あの青い服を着た女の子……綺麗だったなぁ。
「…………い。 …………下さい。 …………起きて下さい!」
誰? 俺を呼ぶのは……? でも、もう目を開けるのも億劫なんだ……。
意識が沈む……。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
てしてしという動物の足音が聞こえる。 このカルデアには動物がいるのか?
「フォウフォウ。 フォフォウ?」
「フォウさん。 もっとてしてしして下さい。 そしたらこの人も起きるかもしれません」
さっき意識が途絶える寸前に聞こえた声だ。
周りの確認しようと目を開く。 そこに居たのは薄紫色の髪をした少女と、白い……犬? リス? よく分からない手のひらより少し大きい生物がいた。
「う……君……は?」
「大丈夫ですか? 先輩」
「先輩? どういう事?」
俺がそう聞いたら後ろから声がかけられた。
「やぁ、目が覚めたかい? マシュは君が目が覚めるまでずっと傍にいてくれたんだよ」
そこに居たのは緑のスーツに身を包んだ温和そうな見た目をした男性だった。 にこやかな笑顔をしているが……俺にはどうしてもその笑顔を信用する事が出来なかった。
「そうだったのか……。 えっと、マシュ? さんだっけ?」
「さん付けは要りませんよ、先輩」
「さっきもそうだけど、先輩って?」
「マシュは君の事を先輩とする事に決めたらしいね。 マシュには事情があってね。 良ければ君が先輩になってはくれないかな?」
「まぁ……良いですけど。 改めてよろしく。 マシュ」
「改めて自己紹介ですね。 私の名前はマシュ。 マシュ・キリエライトです」
マシュ・キリエライトが差し出してきた手を握りながら応える。
「俺は藤丸。 藤丸立香」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとはよろしくと言ってレフ教授は行ってしまった。 さっきの胡散臭そうな感じは気の所為だったのかな?
「所で先輩はどうして廊下で寝ていたんですか? もしかして、ベットではなくて床でないと寝られない性癖のお方ですか?」
「いや……そうじゃなくて。 俺、実はさっきこのカルデアに来たばっかりで、その時にした戦闘シュミレーションをした時に妙に疲れちゃって」
「そうだったんですか。 でも、シュミレーターでの召喚はほぼ魔力を消費しないはずですが?」
そう言われても……気まずくて髪をカシカシとかきながら言う。
「いや……そもそも、俺が何でここにいるのか分かってないんだよ……。 献血の検査中にいきなり変な職員に呼び出されて、その後白服の集団に君が必要だって言われて……。 そもそも、魔力って何?」
俺がそう話すと、マシュはポカンとした顔で俺を見つめた。
「……つまり先輩は魔術とは何かを全く知らない一般人なのですか?」
そんな話に聞いた事あるけど実物は見た事ないような珍獣を見たような顔をされても……。
そんなやり取りをしていたら、通路の向こうから足音が聞こえる。 まぁマシュの話によればマスター? ってのは俺を含めて48人いるらしいし。 それ以外のスタッフがいてもおかしく……
!?違う! 同じマスター? サポートのスタッフ? そんなレベルじゃない! 同じ人間なのか? 魔術なんて今まで聞いたことも無い俺ですら分かる、これが魔力! 通路の向こう側の人が近づくだけで体が強ばる……!
「先輩? どうかしましたか?」
「マシュ……通路の向こうから来る人達は……?」
俺が嗄れた声を絞り出すと、マシュが向こうの人に手を振りながら応える。
「はい。 彼らこそカルデアに集められた48人のマスターの中でも最高の魔術師達。Aチームのマスター達です」
この人達がAチーム。 最高のマスター達。
キリシュタリア・ヴォーダイム
オフェリア・ファムルソローネ
カドック・ゼムルプス
スカンジナビア・ペペロンチーノ
芥 ヒナコ
ベリルガット
デイビッド・ゼム・ヴォイド
もし、彼らに合わなければ。 そんな運命を感じずにはいられない。 今日を迎える。