この兄弟に祝福あれ   作:大豆万歳

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どうして星4ゆんゆんこないの?ダクネスとウィズの星4はきてるのに……


第5話

「ほ~れ、たっぷり食って肥えるんだぞ~」

「コケッ。コッコッコッ……」

「……こいつは冬には食べ頃になりそうだな」

 

 食料兼目覚まし時計として飼っている鶏達に餌をやりながら、そろそろ食べ頃な鶏をどう調理するか思案する。

 

『緊急!緊急!全冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってください!……特に、冒険者サトウカズマさんとその一行は、大至急でお願いします!』

「え?」

 

 何故俺達は大至急で向かわないといけないんだ?何か理由でも……

 

「……あ。アイツのことか」

 

 俺は鶏小屋の入り口を閉めて施錠し、装備を調えて正門へと向かう。どうせ城に来なかったことへの苦情を申し立てに来ただけと思ったのと、元気な姿を見せて驚かせてやろうと思ってスローペースで正門に向かった。

 

「──お前達には仲間意識というものがないのか?不当な理由で処刑され、怨念によってモンスターになる以前は騎士であり紳士であったつもりだ。その俺から言わせれば」

「悪い、遅れた」

 

 正門前の人集りをかき分け、先頭にいる和真の隣に立つ。見れば、デュラハンの後ろには配下と思われるアンデッドナイトが多数確認された。

 

「……あ、あれえーーーーーーっ!?」

 

 俺と目のあったデュラハンが、素っ頓狂な声を上げた。

 兜のせいで表情はよく見えないが、驚きに目を丸くしていることだろう。

 そのデュラハンの様子がおかしかったのか、アクアが腹を抱えてゲラゲラと笑い転げる。

 

「おい和真、状況を簡単に説明してくれ」

「あれから欠かさず、めぐみん日課をこなす。アクア、同行。デュラハン、怒る」

「把握した」

 

 めぐみんとアクアへの制裁は俺と和真が後で考えるとして、まずはベルディアだ。

 

「……おいお前。俺がその気になれば、この街の冒険者を1人残らず斬り捨て、街の住人も鏖殺できるのだ。いつまでも見逃すほど俺も甘くない。疲れを知らぬこの俺の不死の体。お前達ひよっ子冒険者が束になろうと傷1つつかんわ!」

 

 笑い転げるアクアを見て限界が来たのか、ベルディアが剣の鋒をこちらに突き付ける。

 

「見逃さないのはこっちの方よ!今回は逃さないわよ。アンデッドの分際でこんなに注目集めて生意気よ!消えて無くなりなさい!『ターンアンデッド』!」

 

 アクアの突き出した手から白い光が放たれる。

 駆け出しの攻撃など効かんと言うように、ベルディアは避けようともしない。

 

「言っただろう。プリースト対策もしてあると。俺と、俺の率いるアンデッドナイトの軍団は、魔王様の加護により神聖魔法に対して強い耐せぎゃああああああー!!」

 

 魔法を受けたデュラハンは、光を浴びた部分から黒い煙を吹き出しながら悲鳴を上げる。

 

「嘘!?効いてない!?」

 

 いや、思いっきり効いているんだろう。なんせ同じ上位のアンデッドであるリッチーのウィズに大ダメージを与えたんだ、これで無事なのがおかしい。まさか、魔王の加護とやらのおかげか?

 

「……いいか、説明は最後まで聞くものだ。俺の名はベルディア。魔王軍幹部が1人、デュラハンのベルディアだ!魔王様からの特別な加護を受けたこの鎧と、そして俺の力により、そんじょそこらのプリーストのターンアンデッドなど効かな」

「『セイクリッド・ターンアンデッド』!」

「ほぎゃあああああー!」

 

 何か言いかけたベルディアに、アクアはより強力な神聖魔法をぶっ放した。

 ベルディアの足元には白い魔法陣が浮かび上がり、そこから天に向かって突き上げるような光が立ち上っていた。

 さすがのベルディアも耐えられなかったのか、体のあちこちから黒い煙を吐き出して地面を転がりまわる。

 

「どういうこと!?私の魔法がちっとも効かないなんて!」

「お前はデュラハンに効く魔法よりも、デュラハンの話を聞く耳を持て」

 

 日本語って面白いなぁ。

 

「こ、この……っ!台詞は最後まで言わせるものだ!ええい、もういい!おい、お前ら……!」

 

 ゆらりとベルディアが立つと、応じるようにアンデッドナイト達が武器を構え……。

 

「街の連中を……鏖殺せよ!」

 

 こちらに襲いかかってきた!

 

 

 

 

 俺は小太刀:百鬼丸と多宝丸を抜刀し、アンデッドナイトを迎え撃とうと構える。

 

「誰か、誰かプリーストを連れてきてくれ!」

「ハルキ!剣でも槌でもいいから、対アンデッド用の武器を何かくれ!」

「おう!他に必要な奴はいないか!?」

「俺には槍をくれ!」

 

 あちこちから切羽詰まった冒険者の叫びと……。

 

「クハハハハ、さぁ、お前達の絶望の叫びをこの俺に……。俺、に……?」

 

 そんな俺達を嘲笑うような、ベルディアの哄笑が響く中……。

 

「わああああーっ!!なんで私ばかり狙われるの!?私、女神なのに!神様だから日頃の行いも良いはずなのに!」

「ず、ずるいぞ!私だって日頃の行いは良いはずなのに、どうしてアクアにばかりアンデッドナイトが……っ!」

 

 ちっとも神様らしくない事を叫びながら逃げるアクアと、その後ろをダクネスが追っかけていた。

 アンデッドナイト達はベルディアの命令を無視し、なぜかひたすらにアクアだけを追いかけ回していた。あれか、女神であるアクアに成仏させてもらいたいのか。

 しかしこれは好都合だ。アクアに狙いが集中しているなら、こちらも攻撃しやすい。俺は刀を腰に差し、ダクネスを追いかける。

 

「兄さん!俺はこいつらをできるだけ街から引き離すから!兄さんはダクネスと一緒に待機していて!」

 

 ダクネスに追い付き、抜刀しようとしたところで和真にストップをかけられた。ただし、和真は俺に指示を出すときにめぐみんの方にも視線を送った。……そういうことか。

 

「さて、リーダーの指示に従って大人しく待機しようか」

「断る!誰かを守るのがクルセイダーの務め!ここで大人しくするなど……!」

「いいから行くぞ」

 

 俺はアクアの後を追いかけようとするダクネスを羽交い締めで押さえ、そのまま正門まで引きずっていく。

 

「我が力、見るがいい!『エクスプロージョン』ッ!」

 

 和真がアクアに街中のアンデッドナイトを擦り付け、街の外に出ると同時に待機していためぐみんの爆裂魔法が炸裂。正門前に巨大なクレーターが形成され、アンデッドナイトは1匹残らず消滅した。魔力を使い果たして地面にうつ伏せになるめぐみんを和真が回収し、街の冒険者達が歓声の声をあげる。

 

「やるじゃねーか、頭のおかしい娘!」

「頭のおかしい紅魔族の娘がやりやがったぞ!」

「名前と頭がおかしいだけで、やるときはちゃんとやるじゃないか!見直したぜ!」

 

 冒険者達の称賛を浴びているめぐみんの瞳は紅く輝いていた。『頭のおかしい』と連呼されて、かなりお怒りのようだ。

 そんなめぐみんを見て、ベルディアが肩を震わせ始めている。配下が全滅して怒りに震えている──

 

「面白い!面白いぞ!まさか俺の配下を、それも駆け出しの街で全滅させられるとは思わなかったぞ!では……」

 

 なんて甘い考えは、奴の笑い声でかき消された。

 

「この俺が直々に相手をしてやろう!」

 

 

 

 

 ベルディアが大剣を構えると同時に、俺は街の冒険者たちに大声を上げる。

 

「早まるな!俺たちが束になってかかったところで勝てるわけねえだろ!」

 

 俺の視線の先では、多数の冒険者が武器を手に駆け出そうとしていた。

 

「魔王軍幹部でも数の暴力には勝てねえだろ!最悪、時間稼ぎができれば街の切り札が駆けつけてくれる!」

「到着する頃には全滅しているのがオチだろうが!」

 

 街の切り札?そんな凄腕の冒険者がいたのか?

俺が疑問に思っている中、ベルディアは顔が地上を向くように首を放り投げて──俺のほうに向かってきた!

 

「危ない!」

 

 隣にいたダクネスが脇構えからの横薙ぎを防ぎ、俺はその隙にベルディアから大きく距離をとる。

 

「お前のように、勇気と無謀の違いを理解している者は優先的に殺すことにしている。その手の人間を生かしておくと、いずれ我々の脅威となって帰ってくるのでなぁ!」

 

 ベルディアは熱烈な殺意を俺に向け、そんなことを宣言すると同時に襲い掛かってきた。

 

「させん!」

 

 しかし、ダクネスがベルディアの前に立ちはだかり、楯で攻撃を防ぐ。

 

「ほほう、俺の攻撃を受けても無事とはな。だが俺の狙いはお前の後ろにいる男だ!どいてもらおう!」

「断る!」

 

 ベルディアの斬撃を防ぐべく、ダクネスは大剣を捨てて楯を両手で構える。

 

「和真」

「な、なに?」

 

 めぐみんを背負い、目の前の状況に慌てふためく和真に近づき、俺はただ一言告げた。

 

「俺とダクネスで時間を稼ぐ、それまでに策を練ってくれ」

「……わかった!」

 

 力強く答える和真に親指を立て、俺はダクネスの下に向かった。

 

「ふん!」

「甘い!」

 

 両手に筋力を増大させる特殊グローブを装着し、ミスリル製の六尺棒を構え、ダクネスの影からベルディアに突きを繰り出すが、ひらりと躱される。その後も振り下ろし、払い、打ち上げを織り交ぜて攻撃するも、尽くが回避され、防がれた。

 

「女の陰からこそこそ攻撃をするとは、とんだ玉無し根性無しだな!1歩を踏み出す勇気も時には必要だぞ?」

「踏み出して死ぬくらいなら玉無しで結構!根性無しで結構!」

 

 ベルディアの安い挑発に本心をぶちまけ、攻撃を続ける。

 あとは愚弟(和真)が策を閃くまで生き延びることだ。

 

 

 

 

 俺の視線の先ではダクネスがベルディアの斬撃を防ぎ、兄さんはその影からベルディアに金属製の六尺棒による攻撃を行っていた。

 しかし、上空に投げた首で戦況を俯瞰視しているベルディアに攻撃が尽く回避された。

 そして、俺は頭をフル回転させた。ゲーマーの意地を見せてやる。

 

「奴はデュラハン、即ちアンデッド。アンデッドの弱点といえば。日光、元気に動いているから恐らく通じない。大蒜、用意する時間がない。十字架、恐らく魔王の加護とやらで効かない可能性が高い。残るアンデッドの弱点は……」

 

 瞬間、俺は閃いた。そしてめぐみんを背中から降ろし、左手で狙いを定めて──

 

「『クリエイト・ウォーター』!」

「ぬおっ!?」

 

 俺が詠唱をするや否や、ベルディアは落ちてきた自分の首を受け止め、慌てて回避した。

 

「水だああああっ!」

 

 

 

 

「『クリエイト・ウォーター』!『クリエイト・ウォーター』!『クリエイト・ウォーター』!」

「くっ!っとっ!おおっ!?」

 

 和真を筆頭に、そこかしこの魔法使い達が魔法を唱える。しかし、頭上から次々と浴びせられる水をベルディアはこれでもかと躱していた。

 

「……まったく。なってないわよ、皆。脳裏に焼き付けなさい。水の魔法っていうのはね、こうやって使うものなの」

 

 やれやれと首を横に振りながら、アクアが一歩前に出てきて手をかざす。

 

「この世にある我が眷属よ……」

 

 アクアの周囲に霧の様なものが漂い、アクアの呟き──詠唱に合わせて霧は凝縮し、小さな水玉に変化した。

 

「水の女神、アクアが命ず……」

 

 ……この場にいる全員が不穏な空気を感じ取った。

 

「逃がさん!」

「大人しくしてろ!」

「くそっ!離せ!」

 

 こうして俺とダクネスが腰や脚にしがみついているベルディアが逃げることを最優先にしていることから、アクアのやろうとしていることがどれだけ危険なのかがわかる。

 

「『セイクリッド・クリエイト・ウォーター』!」

 

 そして、洪水が生み出された。

 

「おあああああーっ!」

「水が!水が、ごぼぼぼぼ……」

 

 ベルディアを始め、しがみついていた俺とダクネス。更には周囲にいた冒険者までもが洪水に飲み込まれ、街の中心部へと流されていった。

 やがて水が引いたその後には、地面にぐったりと倒れこむ冒険者達と……

 

「な……何を考えているのだお前は……。馬鹿か?もしや、服を着た馬鹿なのか!?」

 

 同じくぐったりしていたベルディアがよろめきながら立ち上がった。

 ベルディアの言う通りかもしれないが、これだけの水を浴びれば……

 

「皆ー!今がチャンスよ!私の活躍のおかげで、あいつもだいぶ弱ったわ!仕留めるなら今しかないわね!」

 

 あいつは今度縛り上げて吊るして、目の前で酒盛りしてやる。

 

「いくぜ!」

「こい!」

 

 和真が右手をかざすと、ベルディアは首を空高く投げ、大剣を両手で構える。流石は魔王軍の幹部。弱っていても、威圧感は衰えていない。

 

「『スティール』!」

 

 そんな魔王軍幹部に、和真はお得意のスティールを放った!

 

「ふん!駆け出し冒険者のスティールなど、この俺に通用……」

 

 最後まで言い切ろうとしたベルディアは、途中で喋るのを止めた。何故か?それは……

 

「……あ、あの~。首、返してもらえないでしょうか?」

 

 和真がベルディアの首をスティールしたから。

 か細い声を震わせるベルディアの首に、和真は満面の笑みを浮かべる。

 

「兄さーん!サッカーやろうぜー!」

「おう!どうせなら皆も混ぜてやろうや!」

「ハルキ。そのサッカーってのはなんだ?」

「サッカーってのはな……」

 

 和真がパスしてきたベルディアの首をトラップし、リフティングを行う。

 

「こうやって、足だけでボールを扱う遊びのことだよ!セドル!」

「おお!これ結構おもしれーな!」

「おーい!こっちにもくれー!」

「ああああああ!やめろ!目が、目が回る!」

 

 冒険者達の中に蹴りこむと、ベルディアの首から悲鳴が木霊し、連動するように体が狼狽える。

 俺は首のほうを和真達に任せ、ベルディアの装備している鎧を外していく。

 

「お、おい!俺の体に何をぎゃー!」

 

 鎧を剝かれていることを察知したベルディアが抗議の声を上げようとするが、悲鳴でかき消された。それを尻目に、俺はベルディアの鎧を1つ1つ外していく。

 

「……よし。アクア、神聖魔法をベルディアに」

「任せなさい!」

 

 上半身に纏っていた鎧を剝かれ、弱体化したベルディアにアクアの片手が向けられた。

 

「『セイクリッド・ターンアンデッド』!」

「ぎゃあああああああー!」

 

 アクアの魔法を受けたベルディアの悲鳴が、冒険者達の足元から聞こえる。

 流石に今回のターンアンデッドは通じたようだ。ベルディアの体が白い光に包まれて、やがて薄くなり、消えていった。

 ベルディアの首も消えたのか、足元には兜だけが残っていた。

 ……こうして、魔王軍幹部はなぜこの街に来たのか、街の切り札とは誰のことなのか、そういったことが謎なまま、魔王軍幹部討伐は終わった。

 

 

 

 

 翌日の朝。

 筋肉痛に苦しんでいるはずが、それを感じさせない軽やかな足取りで、俺はギルドに歩いていた。いや、隣を歩く和真もウキウキ気分で歩いていた。

 

「おい和真。さっきから顔のニヤニヤが気持ち悪いぞ」

「兄さんこそ、俺に負けず劣らず気持ち悪いニヤニヤ笑顔じゃない」

 

 普段ならガンの飛ばしあいに発展するところだが、この程度の罵倒も許容できるほど俺たちは浮かれていた。

 何せ、魔王軍幹部を討伐したのだ。どれほどの高額報酬が懐に入るのか、その金で何をしようか、あれこれと考えながらギルドに向かっていた。

 

「あっ!ちょっと2人とも、遅かったじゃないの!もう既に、皆出来上がってるわよ!」

 

 人の熱気と酒の臭いが混ざり合った空気の中、アクアが上機嫌に笑いかけてきた。

 

「早くお金を受け取ってきなさいよ!もう皆受け取ってて、残るはあんた達なんだからね!今回の報酬はね、それはもう凄かったわよ!この通り結構使って飲んじゃったけどね!」

 

 ジョッキ片手に笑いながら、アクアが報酬の入った袋を俺たちに見せてくる。

 ひとまず酔っ払いどもを放置し、俺と和真は報酬を受け取りに向かった。そこには、ちょうど報酬を受け取ったらしいダクネスとめぐみんがいた。

 

「来たか。ほら、あとはお前たち兄弟だけだ」

 

 ダクネスに促され、俺は報酬を受け取った。

 続いて和真の番になったが、何も渡されなかった。何故だ?

 

「実は、カズマさんのパーティーには特別報酬が出ています」

「え!?お、俺たちに!?」

 

 和真の疑問の声に、冒険者の誰かが答えた。

 

「おいおいMVP!お前らがいなかったらデュラハンは倒せなかったんだからな!」

 

 周りの酔っ払いたちもそうだそうだと言っている。

 誰が受け取るか相談した結果、リーダーである和真が代表で受け取ることになった。

 

「……では。サトウカズマさんのパーティーには、魔王軍幹部ベルディアを見事討ち取った功績を称えて……ここに、金3億エリスを与えます」

「「「「3……億……!?」」」」

 

 あまりの高額報酬に俺たちは絶句し、それを聞いた冒険者達も静まり返った。

 そして……

 

「おいおい、3億ってなんだ!奢れよカズマ!」

「神様仏様カズマ様ー!どうか奢ってくれー!」

 

 冒険者達の奢れコールがギルド中に響く。

 しかし、一向に報酬の入った袋は出てこない。

 和真も不審に思ったのか、ルナさんの顔をじっと見つめる。ルナさんも申し訳なさそうに視線を右往左往させると、和真に1枚の紙を手渡した。

 それは、0が沢山並んだ紙。……おそらく、この世界の小切手。

 いつのまにか隣に来ていたアクアが手元の紙を覗き込む。

 

「ええと、ですね。今回、カズマさん一行の……その、アクアさんの召喚した大量の水により、街の入り口の家屋が一部流され、損壊し、洪水被害が出ておりまして……」

 

 ルナさんの態度から察知しためぐみんの襟首を俺が掴み、遅れて察したアクアの襟首を和真が掴む。

 そして、状況を察した冒険者達はそっと目を逸らした。

 

「報酬3億に対し、弁償金額3億4千万……カズマ、明日から強敵相手の高額クエストを請けよう!」

「嫌じゃあああああーっ!」

 

 和真の肩に手を置き、満面の笑みを浮かべるダクネスの言葉に、和真は悲鳴で答えた。

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