春秋時雨です
今回はシュウvsスポースカー!!
どうぞ!
「・・・スポーツカーが10台に1台が先行してたって話だから11台・・・
盗難車ってことなのかそれとも武偵殺しは金持ちなのか・・・」
自動銃座付きのスポースカーを前に俺は何の気負いも無く剣道で言う火の構えをとりつつ
断空のバリエーション違いの技・・・そのうち射程・威力に重きを置いた一刀を
初太刀に選び
(
振りおろす!!
その斬撃は
次は俺の左右を抜けようとする2台、流石に一本の刀だけで同時に左右の敵を斬り裂くすべはもっていない・・しかし
(商品にする予定だったからあんまり使いたくは無いが・・そうも言ってられんか)
俺は懐からマークⅡ手榴弾・・通称パイナップルを取り出し運転席に投げ入れる
もちろん安全ピンは抜いてありそんなものを投げ込まれた車の末路は・・・
ドドン!!
(まあ、
俺は再び正面を向き現在進行形で俺を轢こうとしている車に対し
「甘い」
キイン!
サイドステップで側面に回り込み一閃・・それだけで車が斬れるなら簡単だが
そんなことは至難の技・・故に俺は一つの細工をした
これも断空のバリエーションの一つ射程・威力ともに断空に劣るものの
発動速度そして必要な体力が少ないという利点がある
要するに簡易断空というわけだ
俺はこれを用い刀のリーチを広げ車を斬った
今度は4台ほぼ同時八の字を保ったまま俺を轢くコース
(俺の退路を断ちつつ轢ける・・いいポジショニングだ)
退路は・・ある、上に跳べばいい・・しかしそれを行うと4台キンジ達の本に向かってしまう
俺は左膝を地面に近づけ刀を立て
(必要だとはいえ最近は風式のオンパレードだな・・・)
アリアと戦っておいてよかったと思う
武偵は自分の長所、短所、技などの情報を敵に隠す
3年生にもなればいずれ商売敵となるのだから身内にもそれを行う
だが
そして天地の剣は相手にそれを
知らずに相手が倒れればそれまで、剣を避わし、理解した相手はその技を警戒せざるを得ない
遠隔斬撃を警戒し、距離を自分から詰めてきたアリアのように
アリアと戦っていなければこんなに積極的に天地の技を使おうとは考えなかっただろう
(
先程はタメを作る時間が無かったため使えなかったがこれもまた断空のバリエーションの一つ
威力は少し小さくなる程度だが射程も発動速度も断空に及ばない・・が
(・・・ついでだ!)
俺は旋空で巻き起こった気流に左手でパイナップルを放る
すると・・・
ドドドドン!!!
手榴弾から飛び散った破片は風に阻まれ俺には届かず
車のみを破壊した
(良し次は・・
ドン!
「ガアアァ!」
俺の思考を遮るように撥ねられた・・そして
スガガガガガン!!
「ぐっ・・つう!!」
空中に居る俺に容赦なく9mmの弾丸が襲いかかる
街頭に体を打ちつけ地面に落ちたタイミングで
ドンッッッ!!
また撥ねられた・・
(ただでは終われるか!!)
俺は握りっぱなしの刀を空中で手放し
懐からナイフを二本取り出す
(・・当たれ!)
ヒュ
わずかな風切りの音と共に俺の投擲した二本のナイフは
キンッ! ボスン!
一本はホイールに当たり
もう一本はタイヤに当たった
その結果
キュルルル・・ドガン!
片方の車は大きく曲がりトンネルの壁に突っ込んでいった
だが一台は逃してしまった
ベシャッ
ダメージを受けすぎ、空中でナイフを投げバランスを失った俺は受け身も取れずに
重力に従い地面に叩きつけられた
(くそ・・・スマン・・キンジ・・・アリア・・ここ・・で・・落ちる・・・・・)
そこで俺は意識を失った
「・・・・・・・・・・ううっ」
真っ暗だった視界が明るくなり目を開けると同時に頭痛に襲われる
(俺は・・・そうか・・気を、失ったんだな)
時計を確認してみると・・・
(気を失ってたのは5分ぐらいってトコか)
短いようで長い時間だ・・・これでは事件は成功にしろ失敗にしろ終わっているかもしれない
俺は状況確認のために通信を・・繋げなかった
(地面に叩きつけられた時かねぇ)
壊れていた
文ならば修理できるだろうが残念ながら銃・機械関係は専門外(というか刀のみ専門)だ
仕方が無いので歩いて
授業に出なかったとしても文句は言われないだろうし事件で負傷者が出た場合、処置を終えた者から事情を聞くこともできる
そんなことを考えながらふらつきながらも、俺は
「・・・体の前面に軽度の打撲・・車に2回撥ねられて銃弾の雨を受けて良くその程度ですみましたね・・・」
などと半ば失礼なことを言われつつも俺は診察室を後にした
俺の睨んだ通り
要約すると、最終的にはレキの狙撃でこの事件は解決したらしい・・・が
アリアが頭部を負傷したらしくその傷はどうしても後が残るらしい
キンジから聞いたがアリアのおでこはチャームポイントだったらしい
感情的ですぐに暴力を振るうがアリアも女の子だ・・・その気持ちは男の俺には分らないが
・・・ショックなんだろうという想像くらいしかできない
そんな俺自身に腹を立てながら病院で一夜を過ごした
翌日・・・俺は昨日のうちに頼んでおいたものであるものを作り
今は
(まあ、これで元気を出してくれるといいがな)
そんなことを考えながら病室の前にたどりつき
「アンタが武偵をやめる理由なんて・・・大したことじゃないに決まってるんだから!」
(・・・・・なんだ?)
そう思い病室を覗いて見ると・・・
驚いた様子のアリアと・・・
拳を振りかぶった状態で固まっているキンジの姿が目に入った
・・・キンジの表情はここからでは見えないがなにか・・悲しみ、絶望している・・・
そんな印象を受けた・・・
少ししてキンジが出て来た
「・・・シュウ」
「ようキンジ・・・今日は帰らないから」
「・・・恩に着る」
キンジは一言で察してくれたようで礼を言った
まあ、聞こえたワードでどんなことになったかは大体の想像がつく
キンジは少なくとも今日一日、一人にしておいた方が良いだろう
・・・コンコン
「・・・どうぞ・・」
ガチャ
「何?今度はアンタ?」
「オイオイお見舞いに来てやったってのにずいぶんな言い草だな」
アリアはまあ、案の定不機嫌だった
「それで?用件は?」
「だからお見舞いと・・・謝罪だな」
「謝罪?」
アリアは後者の用件が意外なのか聞き返してくる
「ああ・・・取りあえずお見舞い・・・これ・・好きなんだろ?」
そう言って俺は蒸籠からももまんを取り出す
「え・・・これ・・キンジはあるだけ買ってきたって言ったのに」
「そりゃ買ってないからな・・まあ、再現しただけだから味は少し違うと思うが」
ももまんはようするに桃の形をしたアンマンなのでコツをつかめば誰でも作れる
「アリア・・すまなかった」
「だ・・・だから何よ?イキナリ謝ってきて」
「謝るさ。俺が車を抑えきれなかったからお前が負傷しただから謝る
・・・おかしいか?」
「・・・っぷ」
「・・・そういう意味でおかしいかと聞いたわけじゃあないんだが・・」
「いいえ、アンタは良くやったわ。たった一人で一本の刀とグレネード、ナイフを使って
車を9台スクラップにするんだもの・・アタシがケガをしたのはアタシのミス・・
アンタは何も謝ることなんて無いわ」
俺の謝罪にアリアはそれは必要ないと言ってくる
「そうか・・・ありがとう」
「どういたしまして」
俺は素直に感謝を述べる
・・・さて、ここからだな
「アリア・・・」
「今度は何?」
「もう一つ・・すまなかった・・・さっきの話・・聞こえてた・・」
「・・そう、そっちも別に良いわ・・廊下にも聞こえるくらいの音量で怒鳴ってたあたし達が悪い」
アリアはそう言うが・・さっきから出ていってほしくてなるべく話を早く終わらせようとしているな
「・・・〔武偵をやめる理由が大したことない〕・・・か」
「なによ・・・アタシが悪いっての」
俺が反復した内容にアリアが噛みついてくる
「ハッキリと言えば・・そうだ」
「!!」
「・・・少し・・話をしようか」
「・・・話?」
怒鳴る機先を制されたアリアは不機嫌になりつつ聞き返す
「ああ・・・キンジがどうして武偵をやめたいかのな・・・聞く気はあるか?」
「・・・ええ・・・聞かせて」
「分った」
そうして俺は去年に起きた事件について語りだす
「キンジには武偵丁特命武偵の兄がいたんだよ・・・ちょっと問題行動はあったけど優秀な
「・・いた?」
「ああ、去年の12月24日浦賀沖のアンベリール号海難事故・・・その場に乗り合わせた
武偵一名の命と引き換えに他の乗員乗客全員が助かった事件
そこで亡くなった武偵がキンジのお兄さん、遠山金一さんだ」
「・・・そんなことで!」
「まあ、話は最後まで聞け、質問は後で受け付けるから・・・
命と引き換えに命を助けた遠山金一武偵の末路は・・・ひどいものだったよ・・・
訴訟を恐れたクルージングイベント会社、そして焚きつけられた一部の乗客たちが金一さんを
こぞって非難したんだよ・・
曰く『船に乗り合わせておきながら事故を未然に防げなかった無能な武偵』
・・・そんなことがネットで、週刊誌で取り上げられた・・・
そして、その矛先は遺族であるキンジに向かった
心無い者たちから受けた傷はキンジを武偵という職業に対して絶望させるには十分すぎた
[武偵なんて、戦い抜いた挙げ句死体にまで石を投げられる損な役回り]
キンジはそう言ってたよ・・これがキンジが武偵をやめる理由だよ」
「・・・・・・そう、ありがと・・・アタシに話さないでくれたんでしょ?」
アリアは俺に礼を言う
「感謝の言葉は半分にしてくれ・・・俺も結構打算的なことを考えてた・・・
俺は事情を知っているからキンジを止めることは出来なかった
けど、お前は何も知らずにキンジを引っ張って行ってくれそうだったから
キンジがもう一度武偵に向き合えるようにしてくれる・・・
そんな気がしたから話さなかったんだよ」
「なんにしても・・ありがと・・・話してくれて」
「おう、そろそろ行くよ・・・お大事に」
「ええ」
そう言って俺は病室を後にした
ふう・・・4千字超え・・・書ききるのに1時間半もかかるとは・・・
(途中・・小説読んだりもしてたけども)
さて、バスジャックが終わり今度はアリアの事情が明らかになります
ちなみに自分は料理が得意ではありませんので適当に想像で書いてます・・・料理好きのみなさん
スミマセン!
でわ、お楽しみに~