おひさしぶりです
春秋時雨です
今回でいよいよ夾竹桃編突入!
正直、これからどういう風に物語を絡めていこうか思案中ですが
ともあれ、どうぞ!
「あかりちゃーん
届いてる資料の整理は大体でいいからねー
お風呂場から先輩の声が聞こえてくる
今、あたしは先輩あてに届いた資料の整理を任されている
・・・資料の分類は大まかに3種類
刀剣作成の依頼だったり
玉鋼の納品関連だったり
諸々経費の請求書だったりが多い
その中でも依頼関係が一番多い
先輩が作った刀は業物だっていうのはわりと有名な話だけど
それが他の所にも伝わっているなんてホントにすごい!
「ふいーーー、お疲れ様あかりちゃん
後はこっちでやっとくからお風呂、入ってきちゃいな」
「はい、分りました」
「どうも、ありがとうございました」
「いやいや、こっちこそこんな時間まで突き合わせて悪かったね
こういう資料整理は一人でやってると段々嫌になってくるから
本当に助かったよ」
「それにしても、先輩の打った刀って有名なんですね
資料の中であれが一番多かったですよ」
「んーまあね。自分で言うのも何だけど、俺の打った刀は相当な業物だ
だから、それを狙ってる機関が多いんだよ
中には、依頼って言う形で注文してくる暴力団からの依頼とかもあったし」
さらっとそんなことを言う先輩だけど
それって色々とマズイんじゃあ・・・
「心配しなくてもそう言うのに引っかかったりしないから安心していいよ・・・っと
・・・あかりちゃん、もう遅いから泊ってく?」
「ええっ!?・・・いや、いいですよ、先輩にご迷惑はかけたくありませんから」
「迷惑じゃあないんだけど・・・分った、それじゃあせめて送らせてよ
こんな夜更けに女の子一人じゃあ危ないからね」
「そんな・・・私これでも武偵ですよ」
「うん、武偵の雛鳥だよね。焦らない焦らない。巣立ちの時はまだまだ先のお話だから
いまは、親鳥に守られてなさい」
「・・・分りました」
帰宅する途中、あたしは先輩はあたしのことをどう想っているか考えていた
ご先祖様が義兄弟っていうよしみで構ってくれているのかな?
それとも・・・ひ・・一人の女として見てくれてるのかな・・?
あの〔むかんの間〕で、確かにあたしは自分の心にある程度の見切りをつけられた・・・
けど、それは本当にある程度コントロールできる・・・その程度のことでしかない
先輩も理想は自然のままにそれが行えることって言ってたけど・・・
それがいつになったらできるのか、皆目見当もつかない・・・・
「コラッ」
ペシッ
「ツッ」
「あかりちゃん・・・今絶対ネガティブ思考になってたでしょ
さっき言った通り、焦りは禁物だよ
確かにあかりちゃんは自分の体に染みついた殺人技能をある程度コントロールできるようになった
けど、あれは相等の荒療治ってことを忘れないで・・・下手を打てば
・・・あかりちゃんは・・・死ぬ」
え・・・・
「肉体的には生きているっていう判定を下されるけど
問題は精神の方・・・なまじある程度のコントロールが出来るせいで
次にやったら精神が完全に狂って
これは、脅しであって脅しじゃない・・実際家からも何人もの発狂者が出ている
・・・俺は、あかりちゃんを・・・失いたくない・・・」
「あ・・あの・・あのあの・・・」
それって・・・先輩・・・あたしのこと・・・
「なにせ、あかりちゃんを育てることが楽しくて仕方が無いからね
それに、からかった時の反応もカワイイし・・・まあ、結局
俺がつまらなくなるからみすみす死なせないってだけの話なんだけどね」
「・・・・・・」
そうですか・・・楽しみのためですか・・・
「・・・あかりちゃんはさ・・・楽しくない?俺と一緒に要ることが」
・・・先輩はこういうことをホイホイ言うからホントに困る・・・けど・・
「そりゃあ・・・楽しいです・・」
「うん、ならよし!!」
それから他愛もない話をしながら、あたしの家に着いた
「すみません・・・ここまで送ってもらっちゃって・・・」
「いいよいいよ、こんなのボディーガードみたいなもんだしね
それに・・・これから商談があるんだよそれがたまたまこっちの方だったってこと
・・・っと流石にこれ以上は遅れる可能性が出てくるからもう行くね
・・・それじゃあまた明日。おやすみ、あかりちゃん」
「はい、おやすみなさい、先輩」
そうやって分れた翌日の朝・・・
「オイあかり、聞いたか?この前シュウ先輩とアリア先輩が決闘したって話」
「えっ・・・ううん、聞いてない・・・」
先輩・・・そんなことやってたんだ・・・
「結果は、シュウ先輩の大勝利!だってさ、あのアリア先輩が手玉に取られてた
っていう話だぜ」
「アリア先輩もスゴイって思ってたけど、それに勝っちゃう先輩って・・・」
あの人の専攻
「実際、武偵高で接近戦最強って言われているのがシュウ先輩だからな・・・
アタシもあの人に挑んだことは何回もあるけど
一回も勝てた試しが無い・・・」
「えっ・・・ライカですらかなわないの?」
「・・・ああ、あの人はあかりの
あれ?先輩が無双しているとこは見たことあるけど・・・稽古?
「・・・ああそうか・・あかりは稽古に参加したことなかったよな
・・・先輩が無双している所は見たことあるよな?」
「う・・うん・・・それが一番印象に残ってる・・・」
「先輩はその後、自分が闘った相手一人一人にアドバイスしてくれるんだよ
・・・正直、あの人の話を聞くとますます、自分は未熟だと思い知らされるよ」
「まあ、先輩自身は自分が最強だって微塵も感じていないっぽいけどな・・・」
「えっ・・そうなの?」
「ああ、先輩は近接特化だから・・・例えば、
致命的に相性が悪い・・・逆に、自分の間合いに入りさえすれば
誰が相手でも勝てる・・・そういう人だよ・・・?」
途中でライカが窓の外を見た
「どうしたの?ライカ?」
「いや・・・あのヘリ・・・緊急着陸運動をしているから・・・」
ライカの視線の先には
・・・あたしは、何か嫌な予感を感じた
シュウ先輩がバスジャック事件解決の際、負傷したという報せはまもなくあたしの耳に
届いた・・・
「シュウ先輩!!」
あたしは昼休みの時間にシュウ先輩の病室に向かった
「ハイハイあかりちゃん・・・心配なのは分るけど、病院ではお静かに、だよ?」
良かった・・・思ったよりも元気そうで・・・
「先輩・・・良かったです・・・」
「あっはっは、そんな顔しているあかりちゃんより先には逝けないよ」
「そ・・・そんな顔って・・・」
「病室に入ってきた時の顔・・・俺の事が心配なのは嬉しいけど
武偵はそこまで取り乱してはダメ。もしも、俺があかりちゃんを狙っていたら
さっきまでのあかりちゃんを確実に狙うよ・・・だって、警戒心が全く無かったもん」
う・・・確かにさっきはシュウ先輩のことで頭が一杯で・・・
「まあ、何にしてもありがとう
とは言っても、全身に軽い打撲程度だからそんなに心配しなくても大丈夫だよ
今は、一応安静にしていろっていうお達しがあるからここにいるだけで・・・
それよか・・・そろそろ5時限目が始まるよ?早く行かないと」
「あっ・・・ホントだ、もうこんな時間・・・それでは先輩、失礼します」
「うん、頑張ってね~~」
比較的軽症で良かった・・・
あたしは、午後の授業を終えて帰路に着いていた・・・けど
「・・・間宮あかり・・・」
「?」
誰だろ?
あたしの前に黒いセーラー服を着た女の子が立っていた・・・
顔は傘に隠れてて見えない
「おいで」
そう言って傘を上げて・・・!!!
夾竹桃!!
はいっここまで!
・・・やっぱり夾竹桃編の突入は「おいで」・・・が一番やりやすいです
一応補足説明しておくとシュウの商談は深夜に行われました
次回は喫茶店での交渉です
こうご期待!