緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

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はいっ

春秋時雨です
今回でいよいよ
アドシアード完結!
いや~
長かった・・・

ともあれどうぞ!


第40話 アドシアード

 

「説明してくれますか?先輩」

 

今俺は絶賛叱られ中(?)だ

自分の戦妹(アミカ)から

 

「説明・・・って何をだい?あかりちゃん」

「惚けても無駄です!

 先輩が転入生と抱きしめあっていた(・・・・・・・・・)っていう話は

 しっかりと私の耳にも届いているんです!

 先輩の彼女さんか何かですかその人!」

 

・・・つまり、アニエスとハグしたことが大ごとになっているってワケか

それで、噂を真に受けたあかりちゃんがこうして問い詰めてきた・・・と

うーむ、あかりちゃんは自分で言うのも何だが俺によく懐いているからな

・・・兄を取られた妹の気持ち・・・なのか?

 

「・・・それは単なるあいさ「シューイチ!!」つで・・・?」

 

声がした上を見るとそこにはアニエスが窓から手を振っていた

そして飛び降りた

 

スタッ

 

足首・膝・股関節を上手く使って衝撃を殺したアニエス 【高さは3階】

そして

 

ギュッ

 

「!!!?」

「シューイチ!」

「・・・やあ、アニエス

 前にも言ったけどここ(日本)じゃハグは目立つから止めてくれって言ったろ?」

「あ、ゴメンシューイチ・・・気をつけるドリョクはする」

「気をつけるだけでいいんだぞ、その言い方だと反省していない風に受け止められる」

「うう・・やっぱりニホンゴは難しいね」

「違和感はあるけど、日常会話くらいなら十分だよ、お前は読み書きの方が得意だろ」

 

アニエスは日本について学ぶため独学で日本語を勉強していた

そこに世界中を回っていた俺と出会い日本マニアに拍車が掛かり(正確には日本刀マニア)

同時に交流によって語学力が上がったという経緯を持つ

 

「あの・・・先輩、その人は誰ですか?」

 

あかりちゃんが不機嫌そうに誰何を問う

 

「?シューイチの友達?」

「正確には弟子かな」

「へえぇーー!

 初めまして!アニエス・L・アルノルトです

 特技は銃弾作り、趣味は日本刀集め!よろしく!」

 

そう言って握手を求めるアニエス

・・多分、日本の師弟関係に興味が湧いたんだろう

コイツにはワザと日本風に物事を言うと扱い易い

 

「え・・えと・・間宮あかりです

 所属学科は強襲科(アサルト)

 

躊躇いがちに握手を交わす二人

 

「う~~~ん・・カワイイ!!」

 

ギュム~~~

 

「わっ!・・・え!?・・チョ!?」

 

アニエスがイキナリ手を引きあかりちゃんを抱き締める

・・・銃弾作り、刀集めが趣味でも

女の子なんだな・・・カワイイもの(あかりちゃん)に目が無いようだ

 

「う・・ん・・・アニ・・エスさん!?は、放し」

「う~~ん!もがく姿もヒュープシュ(カワイイ)だよ!

 プッペ(ニンギョウ)みたいにカワイイ!」

 

アニエスはあかりちゃんの反応が可愛くて仕方のないようで

所々にドイツ語を交えながら絶賛している

・・・ドイツ語と日本語でカワイイと言っているのにはツッコミを入れた方がいいのか?

 

「あ~、アニエス。そろそろヤメロ」

「あっ、・・・うん分った。ゴメンネあかりちゃん

 あまりの可愛さについ・・・」

「・・・ううん、大丈夫だよ全然気にしてないから」

「ふへえぇ~・・シューイチ、いい子を弟子にしたね

 なかなか友好的だね」

「あかりちゃん・・勘違いしているみたいだけどアニエスは俺と(・・)同い年だよ」

「え?・・・ええ~~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみませんすみません」

「いいよいいよ~全然気にしてないから~」

 

あかりちゃんが謝り倒しアニエスがそれを笑って許す

さっきからこのループが続いている

 

「んっんん!・・俺とアニエスは商売相手同士なんだよ

 俺は日本刀をアニエスは銃弾、もしくは金を売買する関係なんだ」

「そうなんですか・・・じゃあ、なんで抱きついてくるんですか?」

「私としては抱きつくのが当たり前の環境で育ってきたからね

 日本じゃあそういうのは恥ずかしんだっけ?」

「ああ、そうだよ日本人は奥ゆかしいんだ」

「へへえ~~」

「・・・先輩、それ何か違くないですか?」

 

俺がごまかしているとあかりちゃんがツッコミを入れる

 

「それはそうと、あかりちゃんとアニエスは今日のアドシアード何するの?」

「私は雑用を任されています」

「あ~、奴隷の一年、鬼の二年、閻魔の三年って言葉があるくらいだからね

 ・・・辛かったらいつでも連絡入れてね?」

「だっ・・大丈夫ですよ」

「そうかな?・・それで、アニエスは?」

「私は特にないかな~

 この季節の転入生って色々と扱いが難しいみたいで閉会式のチアをやってみないか?

 って命令されてる」

 

なるほど、チアなら華やかだからドイツに対しても面目が立つ

そもそも、アニエスの技能は競技向けではない

矢面に立たせることでお宅の武偵はこんなにも頑張っていますよというアピールに

使うのだろう

 

「それじゃあ、二人ともアドシアードを頑張ろうか」

「はいっ!」

「分った!」

 

さて、俺は俺で頑張りますかね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  ~あかり視点~

 

 

最近のシュウ先輩は付き合いが悪い

強襲科では色々と指導してくれたり

鷹捲(タカマクリ)の成功率を1/3から4/5くらいまで上げてくれたのは

シュウ先輩のおかげだ・・・先輩は100%で使えるけど

先輩のトレーニングの基本は超負荷と休暇だ

筋力トレーニングの基礎は肉体に負荷をかけ

身体がそれを元に戻す際より丈夫にするという感じだ

先輩のトレーニングはその負荷を極端に掛け

休む時には一日中休むそれの繰り返しだ

そして一日の終わりにはマッサージをして体を固くしないようにする

この繰り返しだ

 

「あかり~、またシュウ先輩のこと考えてるのか?」

「ふええっ!?」

「・・・図星か」

 

あたしがそんなことを考えているとライカが話しかけてきた

 

「・・・天地驟一・・・」

「う・・・うん」

「一体今度は何があったんだよ

「えっとね・・・最近先輩が調べ物があるって付き合ってくれないの・・」

「なるほどなー、要するに全然かまってくれなくてさびしいってコトか

 ・・・あかり、お前依存してるんじゃないか?」

 

うっ、そうかも知れない・・・けど

どちらかといえばあたしはシュウ先輩の事が

 

「天地驟一・・・」

「わっ、志乃ちゃん、どうしたの?」

「いえ、何でもありません・・・それより早く行きましょうこれ以上先生を待たせたら

 体罰ものですから」

「あっ、うん。そうだね」

「へいへい、さっさと終わらせますか」

 

あたし達は先生に頼まれた荷物運びを続けた

・・・けど、何だろう

先輩があたしから距離を置いていたことになんだか納得がいかない

それに、胸騒ぎがする・・・ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その予感は当たっていた

先輩は魔剣(デュランダル)という犯罪者を追っていて

犯人を警戒させないために必要最低限の付き合いしかしていなかったそうのである

アリア先輩やキンジ先輩、星枷白雪先輩と一緒に地下倉庫(ジャンクション)から

出て来たシュウ先輩から事情は全部聞いた、後で何か埋め合わせはすると

けど・・・あたしは埋め合わせなんかよりも何にも話してくれなかった事が辛い

あたしは閉会式のアル=カタのバンドでベースを弾いている先輩を見る

素人のあたしの目から見ても上手いと思う

そんな先輩が遠く感じれた

勉強も格闘戦も剣術も鍛冶仕事も料理、洗濯、掃除などの家事仕事全般も

その上音楽もそつなくこなして見せる先輩があたしなんかが関わっていいのか

そんな風に思うことが最近ある・・・先輩がこうした方がいいと思ってやっているのは分る

けど、分っていてもツライ・・あたしは・・・・・あた・・し・・・・は・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  ~シュウ視点~

 

「・・・ん・・」

 

あかりちゃんが呻き目を覚ます

 

「大丈夫?あかりちゃん」

「ん・・・え・・・ええっ!?シュウ・・先輩・・」

「いきなり倒れたって聞いたからビックリしたよ

 丁度アドシアードの仕事も終わった時に一報を受けたからそこから保健室に

 直行からの看病っていう流れ。で、今あかりちゃんが目を覚ましたと」

「そうだったんですか・・・あの、あたしの仕事はどうなりました?」

「ライカちゃんと志乃ちゃん、麒麟ちゃん、それから陽菜ちゃんが

 それぞれ分担しながら終わらせてたよ」

「そうですか風魔さんまで・・・」

「陽菜ちゃんは符丁毒の一件に負い目を感じていたみたいだからね

 ・・・あかりちゃん・・なにか、思い悩んでいること、ある?」

 

我ながらずいぶんストレートな問いだと思う

しかし、こういう場合は大抵遠慮や配慮から何かを話さない事が多い

 

「・・・どうして、そう思うんですか?

 アドシアードの準備という激務から疲労で倒れたとは考えないんですか?」

「ちっとも考えないね、忘れたの?

 誰があかりちゃんのトレーニングメニューを組んでいるのか

 疲労がどの程度溜まっていて次の日どれくらいそれが残るのかは分る

 それに、ライカちゃんから様子がおかしかったという証言もある

 だから、あかりちゃんが倒れたのは肉体的な疲労ではなく

 精神的なものだってことがね」

 

どうだ、この名推理と言わんばかりに俺はあかりちゃんに人差し指を突き付ける

それにこの口ぶり・・いざとなったらそう言って切り抜ける気満々だったね

 

「・・・先輩は・・何でもお見通しですね」

「そこまででは無いよ・・結果から過程を推測するのは簡単だし 

 過程から結果を推測するのも簡単

 ・・だけど過程や結果からその動機を(・・・・・・・・・・・・)推測するのは難しい(・・・・・・・・・)

 少なくとも俺にはまだ出来ない・・だからこうして聞いているんだ」

「あーあ、ホント先輩には隠し事は出来ないなぁ」

「鉄の仮面でも付ければ隠し事出来るかもね・・それで、何を悩んでいたの?」

「・・・先輩が・・遠いんです」

「遠い?」

「先輩は何でもできる・・逆にあたしは何にも出来ない

 先輩が危険な事をやっているのはなんとなく分ってました

 それに、あたしが付いていっても足手まといにしかならないことも

 ・・・けど、それじゃあツライんです・・・先輩の役に・・立ちたいんです」

 

最後は消え入りそうな声で涙まで流して話すあかりちゃん

・・・なるほどね、だったら俺が言えることは決まってるな

 

「・・あかりちゃん」

「・・・はい」

「自惚れていないかい?」

「えっ・・・」

「あかりちゃんは、どんな自分を想像しているの?

 俺の役に立っている姿?ののかちゃんを含めた皆を守っている姿?

 人を殺めている姿?それとも・・・このままでいる自分?」

「・・・っ!」

「人についていけないのがツライ?

 だったら、あかりちゃんはどうするの?ツライからって諦めるの?

 俺が好きになったあかりちゃんはとっても諦めが悪い根性のある子だよ」

「先・・輩・・・」

「自分の力量から太刀打ちできないと判断で来たところはいい

 問題はそこで止まってしまったこと・・まだまだ課題は沢山あるね」

「せ・・せんぱぁぃ・・・」

 

感極まったのかあかりちゃんが泣きついてくる

俺は、それを優しく抱きしめ返す

保健室には、一人の少女の泣く声だけが響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの・・・お見苦しい姿を見せました・・・」

「そんなことは無いよ・・・なんて言うかなぁ

 庇護欲を掻きたてられる姿だったよ、家に持って帰ってあれこれ世話を焼きたくなるような」

「ううっ・・・」

 

赤くなって俯くあかりちゃん

・・・多分だけど、この子もキンジと同じ、先天的にカリスマを持っている

それがどういったものかは分らないけど・・俺もそれにかかっちゃたのかな?

こういうカリスマの恐い所はカリスマに惹かれた側が喜んで協力してしまう所にある

それが善意であれ悪意であれ・・・

だから、この子が歪まないようにしよう

真っ直ぐで純粋なこの子を守って行こう・・・

 

 

 

 

 




はいっ
ぐだぐだですがここでアドシアード編を終わらせていただきます
これからは何話か閑話を挟んでからの吸血鬼編に突入させていただきます
誤字脱字のご指摘はいつでもまっています

それでは次回、こうご期待!!
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