緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

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はいどうも~春秋時雨です

戦闘パート後編!!

というわけでさっそくですがドウゾ!!


第64話 惨めな敗北・後編

(へそ)を突き前屈の姿勢を取らせ

足を払いバランスを崩し

胸元に払いを叩き込み後退させられ

脇腹を突かれ強制的に正面を向かさせる

正面を向かされた勢いを利用して貫手を放つも

剣道の籠手を打つように叩き落とされ胸を突かれ後退させられる

 

一連の六連撃が僅か二秒半の内に繰り出される

あたしの体勢を大きく崩しながらも決して転倒させない

そんな的確な位置に的確な威力の攻撃で相手に自分の思い通りの行動を取らせ

連続攻撃を叩き込む天地の技―――天地火式 炎舞―――

 

相手の棒術に翻弄されながらも

鳩尾に刺さった突きを掴み離さないように脇に固定し

連結部分を捩じるように力を加えるが外れない

 

 

「・・・・・・はい残念時間切れ~」

 

そんな言葉と共に槍に掛かっていた力が抜かれ

後ろへと体が流れ鳩尾に肘が突きこまれ

バネ仕掛けの様に跳ねあがった裏拳が

顔面を叩きよろけた所を

顎に下から掬い上げる様に棒を振るわれ意識が飛ぶ

 

地面に叩きつけられた衝撃で意識だけは取り戻すも

脳震盪を起こした視界は霞んで戦闘を続行できそうにない

 

「いや~連結部分を狙ってその部分を外して戦力を削ぐ

 定石どおりの対応で嬉しいな」

 

あたしを嬲るつもりなのか

追撃する様子を見せずに話しかけてくる

戦闘中にフランクに話しかける

それだけで精神的な余裕があると優位に見せることができ

心理的な圧迫を生み出す

それを分っているあたしは素直に呼吸を整える

 

「けど残念・・・コレなんだか分る?」

 

そう言って掲げられた棒には

縦1cm、横5mm程の穴があった

 

「・・・連結部分の繋ぎ目?」

 

「半分正解。確かにこの部分は繋ぎ目だけど

 コレは鍵穴、この棒は鍵を刺さないと外れないんだ

 んまあ、それでも繋ぎ目部分が弱いとこに変わりないけど

 壊そうでは無く外そうとする相手には有効なんだなこれが」

 

厄介かつ合理的な対策に歯がみしつつもさらに呼吸を整え

いつでもトランス状態に移行できるように準備を進める

 

「このおしゃべりを続けるのはあたしを嬲るため?」

 

「そう捉えてもらっても構わないよ

 なにしろあたしには向かってこない相手に攻撃する趣味は無いし

 あなたも何かしらの奥の手があるみたいだし

 どうせならあなたが今まで築き上げてきた

 自信だとか自尊心だとかその他もろもろをポッキリと折っておこうかとね」

 

「・・・後悔しないでよ」

 

あたしは虚空を使って接近

余裕の笑みを浮かべていた相手に

反撃の貫手を鳩尾目がけて放ち

 

 

 

 

 

気が突いた時には投げられていた

 

「え?」

 

「しっ」

 

 

空中にいるあたしの鳩尾に相手の左片手突きが放たれる

しかし痛みはさほどない

空中にいるあたしに攻撃を加えても衝撃が伝わりきらず

加えてリーチはあるものの威力ののらない片手突き

それも恐らく利き手では無い方の腕で放たれた攻撃に

大した威力が無いのは当然のこと

とそこまで考えた所で相手の右掌底が構えられた時点で

一つの結論を導き出し、打つ手が何もない事に青ざめる

 

天地土式(アマチツチシキ)  岩砕(ガンサイ)・・・ッ!!」

 

それは岩に楔を打ち込みそこを起点に岩を砕くように

あたしの鳩尾()()からの衝撃が激痛を生み出す

 

「うぐうう!おっ・・おっ・・うっ・・っ」

 

あたしは恥も何も無くのたうち回り

必死に込み上げてくる嘔吐感に抗う

 

「・・・今のは岩砕っていう一つの技

 その威力は。現在進行形で味わっていると思うけど

 ・・・虚空まで教えていたとは思わなかったな

 まったく、どうやって気に入られたんだか」

 

呆れる様な口調であたしに話しかけてくるけど

そんな余裕は今のあたしにはない

 

「あなたの虚空(切り札)にはいくつかの弱点・・・というより欠点がある

 それは、その技はあくまで相手の目を盗み接近するための技であるために

 闘気や殺気などをキチンと誤魔化していないと早い段階で気付かれてしまう点

 加えて相手の視覚情報の低優先対象になるがそれ以外の感覚は普通に働く

 つまり、目をごまかせても耳は誤魔化せない

 んまあ、人間は知覚情報の八割くらい目に頼っているから十分だと思うけどね」

 

まるで不出来な教え子に解説するように

虚空の欠点を教えてくる

 

「けど一番は使い手の問題

 奇襲はそれを察知された時点で奇襲では無くなり

 むしろ、自分が絶対的な優位に立っていると錯覚することで

 それを防がれた際動揺が生まれ返り討ちにあうように

 防御される可能性をイマイチ理解が及んでいなかったこと

 さらに、タイミングが悪すぎる

 待ちかまえている相手に奇襲が通用すると本気で思っていたの?

 余裕綽々に見えても即応できるように構えているあたしに

 真正面から突っ込んでくるとは

 ・・・せめて、静から動へと動くタイミングで仕掛ければ

 技の成功率は跳ねあがったと言うのにね

 んまあ、何が言いたいかと言うと、とどのつまり

 

 

   あなた自身の未熟がその技の弱点にさらに大きな穴を開けている  」

 

驚愕そして絶望

 

なるほど確かに

目の前で淡々と解説をしている相手に

どこか他人事の様にヤケに冷静な思考をする

 

有言実行

たしかにあたしが今まで積み上げてきた努力だとか

それで付けた自信だとか、いつの間にか生れていた自尊心だとかが

技一つを破られただけで木端微塵に砕け散った

 

だけど・・・

 

四つん這いの姿勢から

ゆっくりとゆっくりと

立ちあがる

 

「あれ?

 いまの攻防と説明に色々と砕いたつもりだったんだけど・・・

 んまあ、いいや

 それじゃあ気絶させて決定的な敗北感も味合わせてあげますか」

 

言うが早いか

彼女は疾風のようにあたしとの距離を詰めてくる

鉛のように重い体を動かしてあいての攻撃を何とか裁こうと

 

突き出された棍を防御しようと受け流す体制に入るが

左下から鳩尾目がけて放たれていたはずの突きが

次の瞬間に右上(・・)からの振り下ろしに切り替わっていた

 

「あっ」

 

遠心力を加えたその一撃に

防御が間に合わないと

やけに遅く流れる時間の中で

どこか他人事のように考えていた時

 

 

ギイィィン!!!

 

 

「え?」

 

衝撃と痛みは無く

金属が弾かれたような音と

大きく体勢を崩した小鳥と名乗った少女があたしの視界に飛び込んできた

 

 

「いくらなんでもこれはやり過ぎだよ・・・小鳥」

 

そこにたたずんでいたのは

刀を手に振り返るシュウ先輩の姿

 

その姿に

あたしは安堵し

どうしようもない敗北感を胸に

 

意識を失っていった・・・

 

 

 

 

 

 

 




はいっ遂に決着!

いやはや~、一回も「ことり」
というワードを使わずに相手で通すのは何と言うか
想像以上の難易度でした

更新が遅れたことと最後の方は前の話の冒頭部分の
コピペで有る事をこの場を持って謝罪します

そんなことはさておき
次回もこうご期待!
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